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にせものに注意。

またまたのお久しぶりです。

仕事などの忙しさにかまけてずっとこのブログも放置状態だったのですが、
つい昨日「やっぱり地味にでも続けなければ」と改めて思わせてもらえる出来事
(行事、と言ったほうがいいかな)がありまして。
そこで思ったのが「いやー本当にみんな、真剣にこういった音楽が好きなんだな」…

なので今後、少々気持ちを入れ替えて(何度目だよ!って突っ込まないでね(^^;))、
これまでよりは頻度を上げて書かせて頂きます。

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楽曲解説は次回からとして、
最近気になっている事を少々お話しますね。


このブログのタイトルに使っている「オリジナル・カラオケ」とは、
私の意図的にはかなり限定的なものでして、
ある歌手の新曲のレコーディングのために録音されたオーケストラの演奏で、
歌入りのミックスを行った時の機材のセッティング(イコライザー、特殊なエフェクト、
エコー、リバーブなど)のまま、歌部分だけをミュート(消音)して作られたものを指します。

古い年代の曲(1970年あたりまで)だと、最初から必要な楽器の演奏者を全部集めて
「せーの!」で録られたものが殆どですから、
そうやって作られた音源(殆どの場合録音テープ)も立派なオリジナル・カラオケです。

かつての人気FM番組「サウンド・イン・ナウ」で、その司会者であったすぎやまこういち氏が
編曲家(アレンジャー)の地位向上のためにとその番組でオリジナル・カラオケをレギュラーで
放送するようになっても(そのあたりの詳しい事情は「サウンド・イン・ナウ」のWikiを読んでね)、
しばらくの間は知る人ぞ知る存在に過ぎなかった「カラオケ」ですが、
現在では誰もが知っているワードとなったのは、我々の世代からするとかなり、
感慨深いものがあります。

だ、け、ど。

最近のPCのソフトってすごいんですね。
すでに出来上がっている歌入り音源から、歌、あるいは特定の楽器の音だけを消して、
あるいはその音だけを抜き出して新たな音源を作るソフトがあるんです。

少し古くにはローランドから発売された「R-MIX」(2011年)がありましたが、
現在では海外製の「Spleeter」がその主役のようです。
…って、私も使った事はあるのですが(オンラインで使えるものがあるんです)。

実際使ってみると、歌を消すとそれにかかっているリバーブまで消えたり、
あるいは抜き出してみると歌にかかったリバーブごと、などの音源を生成できます。
確かにとても面白いです。

お気づきの方もおられるかと思いますが、このブログでもある記事で
「避暑地の恋」(チェリッシュ)のボーカルだけを抜き出した音源を貼った事もあります
…いつだったっけ?


ところが最近、由々しき事態が…。

明らかにそういったソフトを使ってボーカル(歌)を消して作った音源が、
某動画サイトで「オリジナル・カラオケ」と銘打って
何曲かアップロードされているんですね。

あれ?この曲のオリジナル・カラオケって、「サウンド・イン・ナウ」でも放送されてないし、
市販CDに収録された事もないはずだよな…と思って聴いてみると、
まず間違いなくソレ、です。

なぜわかるかと言うと、そのソフトもまだまだ不完全なものらしく、
歌が消えたかわりに変調がかかったようにシュワシュワと不自然な音が入っていたり、
消し損ねたと思われる声やそれにかかっているリバーブ音が不意に出てきたりするんです。

また、ボーカルだけのはずが違う楽器の音まで変化して(消えてしまうのではなく、
音が削れたように細くなっていたりする)いるようなものもあります。

ハッキリ言って「オリジナル・カラオケ」と冠するにはクオリティが低すぎるし、
そんな音源をアップロードする意図が、私にはわかりません。

今は音にも画にも、以前より遥かに高品質が求められる時代ですし、
オリジナル音源を制作した人への冒涜に近いものがありますので、
控えてほしいものです。

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それはそうとして、各レコード会社さん。


ここ1年くらいかけて、ワーナーでは中森明菜さんの全アルバムを、
全曲のオリジナル・カラオケ付きで発売していますよね。
特に我々のようなファンからすると、それこそまさに理想的、です。

これはぜひぜひ、他のレーベル、違う歌手のアルバム再発でも追従していただきたい。
まだ一度も商品化されていないカラオケ音源はふんだんにあるはずです。

例えばこれまで、何度も何度も再発されてきた松田聖子さんのアルバム。
今度また再発するなら、ソレしかないんじゃないですか?

カラオケ音源を全部廃棄してしまったと言うおバカな(失礼)旧東芝さんはともかく、
殆どのレーベルではカラオケのオリジナル・テープも大切に保存してあると思います。
保存しているだけでは、テープは劣化する一方だし、税金がかかるだけですよ!
今のうちにファンの元に届けてはいかがですか?


もしカラオケ音源蔵出しプロジェクトなど立ち上がったなら、
その確認・コピー・マスタリングなどの作業に参加したいです(^^)

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記念日。

今回も曲解説ではありませんが、ふと気づいたので…
ほぼ推敲無しの走り書きですが、良かったらお付き合いを。


おー、気づけば今日で半世紀!
50年前の今日(1973年5月21日)、山口百恵さんがデビューしたんですね。

当時、私は小学6年になったばかり。
個人的にも、時代的にも、私の中で1973年はひときわ輝いています。
年末のオイルショックは余計でしたが…。

このブログでも、山口百恵さんの楽曲はいくつか採り上げさせて頂きました。
で、これまで何度か書いた事ですが、

私は、「横須賀ストーリー」以前の山口百恵が好きです。
その曲を境に、それまで「百恵ちゃん」だったのが「百恵さん」になった気がします。

山口百恵さんについては、様々な書物で様々な記事や評伝があり、
プロデューサーが自ら1曲1曲について詳しく解説した本もあります。
それほど、特殊な存在にしても誰も異議を唱えないほどの存在であった、
いや、そのような存在になったわけですね。

しかしデビュー当時からリアルタイムでテレビを通じて見ていた世代からすると、
やはりアイドル歌手なんですよね。
少なくても私にとっては、それ以上でも以下でもない。
悪いけど、アーティスト、ではない。

で、レコードを買って聴く上で、魅力を感じていたのも、
やはり「横須賀ストーリー」以前の方がずっと大きかったんです。

実際アルバムを聴いてみても、「横須賀ストーリー」以後って何だか、
小難しくて。
異論を頂くことを覚悟して言うと、
制作側がやりたい方向ばかりに動いていったように感じる。
好み、と言ってもいいかな。
そこでの百恵さんの存在が、どうもしっくりはまってない気がするんですね。
実際アルバムの中の曲も、オケやサウンドが凝っているのに、
百恵さんのボーカルがつまらなそうに聞こえる曲が多い。
疲れてるの?大丈夫?と言いたくなるほどです。

その点、「横須賀ストーリー」以前だと、
懸命に歌い方を変えようとしたり(変わってないことも多いですが)、
楽曲に自分を合わせようと苦心している様が手に取るようにわかる曲が多く、
ファンは歌の技巧などよりその健気さに魅力を感じたりするわけです。

アルバムって、その歌手の声で違う曲もどんどん聴きたくなるから買うものですよね。
山口百恵さんのアルバムは、オリコン1位を獲得した作品が1枚も無いんです。
売上枚数も、歌唱力が明らかに向上した「横須賀ストーリー」以後でも、
それまでより顕著に伸びる事は無かった。
デビュー後間もなくからアルバムが大きな売上を示していた松田聖子さんと、
そこが大きく違うところです。

また、シングルのB面のヒット、アルバム曲でシングル並みに浸透した曲が
ほとんど無いのもそうですね。

シングルの方も、オリコン1位は3曲あるものの、
売上枚数は7年半の間にそう伸びてはおらず、
それは恐らく、多くのシングルは百恵ファンしか買わなかったということでしょう。
最後の大ヒットシングル「いい日 旅立ち」(最高3位)は、
旧国鉄のキャンペーンとタイアップし、CMで多く流れていたために、
ファン以外にも購買層が広がったためのヒットだったと思われます。

ホントに、ホントに今思えば…という話ですが、
山口百恵さんは7年半の活動期間、それで終わって良かったと思います。
マスコミは何度も何度も再び引っ張り出そうとしましたが、
それに一切応じなかった百恵さんは、もしかしたら私のような、
デビュー当時からのファンの心理を大切に思ってくれているのかも…
と思い上がってます(^^)

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