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冬の色 / 山口百恵

山口百恵さん、初めてのオリコン首位獲得曲です:

冬の色.jpg

「冬の色」は山口百恵さんの7枚目のシングルとして1974年12月に発売され、
オリコン最高1位、同100位内に17週ランクインし52.9万枚の売り上げを記録する
大ヒットとなりました。


同年夏に「ひと夏の経験」が大ヒットしてからの百恵さんの芸能活動における勢いは、
それは凄いものでした。
新曲、新ドラマ、新映画、そのすべてが常にトップニュース扱いでした。


なので、レコードの売り上げが1位になるのはもはや時間の問題だったんですね。 

現在のオリコンチャートを見ていると、ごくごく限られた層の人達にしか
知られていない曲が連なっている感じですが、
1970年代は子供から老人まで、あらゆる層の人達に知られるような活躍をしていないと、
オリコンチャートに入る事、ましてやトップ10に入る事などまず無かったんです。


この「冬の色」は内容的に明らかに「ひと夏の経験」の姉妹曲ですね(^^)

歌詞はやや純情路線ですが、曲の進行・展開とアレンジは
「ひと夏の経験」のイメージを踏襲しています。


リズムこそ「ひと夏…」とは違ったボサノバ調ですが、
ブラスとストリングスが大活躍のオーケストラが使われている事、
そして ♪あなたから許された…♪ と歌うバックにゆったりとついてくる、
薄くトレモロ効果がかかったギターのアルペジオが最も象徴的です(^^)
その音は「ひと夏…」のアレンジでも重要な役目をしていたんですね。


山口百恵さんの楽曲、シングルA面だけを聴くと、
初期の曲にはキーが Gm である事が多い(多すぎる、かな)のに気がつきます。

「禁じられた遊び」「春風のいたずら」「ひと夏の経験」「冬の色」「夏ひらく青春」
「ささやかな欲望」と、「白い約束」以前の10曲中6曲が Gm です。

それらはすべて都倉俊一氏の作曲なのですね。

その頃、百恵さんの地声で「使える音」の限界が B♭であ ったのと同時に
それが緊張感・切迫感を出せる声であったために、
曲の最高潮の部分でその音を使うのが作曲上のテクニックの一つであった事、
そしてそれを生かすには Gm のキーだと良いメロディーが作れたのでしょう。


他の曲、例えば「湖の決心」ではさらに半音上の B 、
アルバム曲の「お月様の下で」ではさらにその半音上の C まで使われていますが、
その頃はさすがに C は苦しかったようで、声がその音に達していません。


しかしこの曲の3年後に発表された「秋桜」では最高音がD♭まで達していて、
しかもきちんと地声で、声量も豊かに出ているんです。


百恵さんの声域は女性としては低い「アルト」なのですが、変声期を過ぎて
声域が高い方にも広がり、しかも歌に十分使える音色だったんです。

これは表現力に大きく関わる事なので、そんな著しい進歩をほんの3年ほどで
見せたところも、著名な音楽家や評論家が百恵さんを絶賛する要因の一つであろうと思います。


B面の「伊豆の踊子」も当時、ラジオでよくオンエアされていました。
因みに、それも都倉俊一氏の作曲で、キーも Gm です(^^)


私がエアチェックした「冬の色」のカラオケは、その発売から2年近く経った頃
「横須賀ストーリー」と同時期に放送されたものです。
もしかすると、ヒット中だった1975年初頭頃にも放送されていたかも知れないのですが…(^^;)


1976年8月オンエア。


作詞 : 千家和也
作曲 : 都倉俊一
編曲 : 馬飼野康二
レコード会社 : CBSソニー
初発売 : 1974年12月10日

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オリ25

ベストテンから歌謡曲にハマリ出したので
この曲もかなりあとになって聞いたんですね
イントロから少女マンガチックな感じがして
70年代の香りがします
サビのメロディ展開は好きですね
聞けば聞くほど味の出てくるスルメソングのようです

マイミクさんに教えていただいたんですけど
秋桜にはキーの低いバージョンがあると聞いたんですけど
ソフト化されてるんでしょうか 是非聞いてみたいものです
発売については、現行バージョンで正解な気がします
百恵さんはどんどん歌が上手くなっていきましたよね
ヒロリンとは違った上手さがあります

話は変わりますけど、ベストテンのDVD欲しいなぁ
ボーナスは出ましたけど、
家内から「使い道は決まってるのよ、分かるわねっ!」と
きつ~く言われています ・・・しょぼん
by オリ25 (2009-12-21 00:10) 

ぽぽんた

オリ25さん、こんばんは!

「秋桜」のキーが低いバージョンがあるとは私は全く知りませんでした。 恐らく
正規のソフトとしては出ていないのではないかな? ただ、百恵さんがテレビや
ライブで「秋桜」を歌う時はレコードよりも1音ほどキーを落としていたので、それを
収録したライブ盤ならばあるはずですよね。

私も「ザ・ベストテン」のDVDは欲しいんです! Amazonなら1万8千円くらいで
買えるのですが… でも買ってからゆっくりと観る時間がとれるのか?というのが
私には大きな問題でして(^^;) まだ「キャンディーズ・トレジャー」も観てないし(^^;)

by ぽぽんた (2009-12-21 23:31) 

Mr,M

ぽぽんたさん、「冬の色」を選んでくださいまして有難うございました。この曲は、私の個人的な思い入れがとても強かった曲だった為に、どうしても聴きたかったので嬉しいです。この曲は実は2回オン・エアされていたのです。この頃、あるFM誌はカラオケのオン・エア予定曲を曲名で載せていたんですが、実際に「冬の色」のオケを放送した週は曲名がミスプリだったのか、放送予定曲が急に変更になったかで別の曲名が書かれており、その放送を聴きませんでした。そのせいか?どうかはわかりませんが、再度リクエストがかなり多く、時間が経ってから2度目を放送したと記憶しています。その2度目のオン・エアも曲の最後の部分だけしか聴く事が出来ず、とても心残りでした。今回はじめて全曲聴く事ができ、とても感激です。しかし、「ひと夏の経験」や「ちっぽけな感傷」を上回り、この曲がオリコン1位だったのは意外だとおもいました。百恵さんの曲や歌は、他のアイドルが持っていない不思議な魅力があり、当時の私もかなり夢中にさせられました。
by Mr,M (2009-12-27 20:41) 

ぽぽんた

Mr.Mさん、こんばんは!

喜んで頂けて、私もとても嬉しいです(^^) 当時の、まだ手元に残っている
「FMファン」の番組表を見ていて思い出したのですが、カラオケ・コーナーの曲目が
時々表記されていなかったりした事がありましたよね。 私はその頃塾に通って
いたりしていた事もあって、そういう時は録音しなかった事が多いんです。
で、録音し損ねた曲もかなりあったんです。 私以外にもそういう人は、結構
多かったのかも知れませんね。

「冬の色」はやはり2回放送されていたんですね。 1回目の時はMr.Mさんと
同じ理由で気がつかなかったのかも知れません。 2回目の時、なぜこんな古い
曲を今さら放送するのかな?と思ったのを憶えています。 しかしそういう事は
「サウンド・イン・ナウ」では度々ありましたね。 このブログでも採り上げた
「花嫁」もそうでしたし、1974年の暮れに1972年のヒットだったチェリッシュの
「ひまわりの小径」が放送された事もありました。

「冬の色」の頃は私は中1だったのですが、その頃クラスの女子に百恵さんファン
がいて、「女の子にも人気があるんだ」と少し驚きました。
桜田淳子さんがあまりにストレートだったので、何か不可解な魅力のある
百恵さんのイメージがより膨らんで人気を博したのかも知れません。
私は節操がないのか(^^;)、両者とも大好きでレコードも買っていました(^^)

by ぽぽんた (2009-12-27 23:32) 

Marco Polo

「冬の色」のシングルジャケット雰囲気ありますね。
でも、今見ると百恵ちゃんまだまだ子供っぽいですが。

「冬の色」に限らず百恵ちゃんの現役時代のシングルはすべて
フェイド・アウトしないで最後がしっかり終るので好きでした.。
引退記念の「一恵」だけがフェイド・アウトです。

都倉俊一先生の曲はほとんどフェイド・アウトなしだと思います。
フェイド・アウトする曲は全然思い浮かびません、
山本リンダ、ピンクレディー、みんなそうです。

反対に筒美京平先生の曲はフェイド・アウトが多いですね。
でも「ブルーライト・ヨコハマ」はフェイド・アウトしていないので
70年代の洋楽の影響を受けて
この頃この手法を積極的に使っていたのでしょう。

まだ見ていませんがDVD「ザ・ベストテン」買いました。
CDと違いDVDは「ながら」ができないので
なかなかまとまった時間が作れません。
でも廃盤になると手に入らないので
欲しいのは買うようにしています。
by Marco Polo (2010-01-07 23:57) 

ぽぽんた

Marco Poloさん、こんばんは!

本当ですね、気がつきませんでした<フェイド・アウト 百恵さんのシングルで
「赤い衝撃」はそれとは逆にエンディングが無しですよね(^^)

都倉俊一氏の作品もそうですね、これも気がつきませんでした(^^;)
山本リンダさん、フィンガー5,ピンク・レディーの楽曲のように、テレビやステージ
でのパフォーマンスを重視した曲作りだったせいもあるかも知れませんね。

筒美京平氏の楽曲の場合、演奏だけが繰り返しでフェイド・アウトとなる曲も
多い気がします。 それも洋楽の影響かも知れませんね。

「ザ・ベストテン」は私も欲しいのですが、なかなか手が届かないんです(T_T)
一方、今フジテレビTWOで放映されている「夜のヒットスタジオ」のように、CSで
「ザ・ベストテン」の番組自体をまるまる放映してくれないかな、と秘かに待って
いるんです(^^;)

by ぽぽんた (2010-01-08 20:13) 

シノピー

こんにちは。ここにもコメントします。

1 フェイドアウトの件

アルバムではフェイドアウトされる楽曲はいくつかありますが、初期作品にてシングル作品と同様にフェイドアウトされない曲にしては最後のハイハットの「シュウロロロロロエエエアアラララン」と「ダトゥルンっ!!」という過激的な終わり方がある楽曲もある「自らの独自なる理想思いにも通ずる」。

2 冬の色

百恵さんのシングル楽曲にしては初のバラード調楽曲であります。
本格的なバラード楽曲は「ささやかな欲望」で、これとの差は歌声
と歌唱力にあり、以後のシングルを含むバラード楽曲にしても、圧倒
的な歌唱力で歌っていた百恵さんにしてはこの楽曲が初めてのバラ
ードシングルではないかと思っております。以後のバラードシングルで
自分が好きなのは、コスモスのB面「最後の頁」だけである。

追伸 最近、地元のラジオ局で夜に山口百恵特集をしているのですが、それを第一と第二、すべて聴いては何ひとつ、変化された歌声よりも以前の初期の歌声の方がいいと僕は心より思っている。

by シノピー (2016-04-20 14:57) 

Y

「秋桜」が出たとき、百恵さんは、18歳で、さだまさしさんからお電話で「この歌の意味、分かりづらいでしょう?」と聞かれたことがあるんだそうですよ。それで、引退される日に、今度は百恵さんがさださんに、「やっと分かりましたよ」とおっしゃったことがあるんだそうです!(^^)!
by Y (2017-09-03 12:52) 

ぽぽんた

Yさん、こちらでもこんばんは!

そのお話、私も確か聞いた事があります。 それほど、歌の内容に対して
百恵さんが若かったと言う事ですね。

by ぽぽんた (2017-09-03 23:31) 

Y

「18歳で母の心境を歌う」難しいですね。そういえば、ずいぶん前ですが、のど自慢で、なんと19歳の男性が「孫」を歌って見事合格されていましたよ。!(^^)!
by Y (2017-09-04 17:53) 

レインル

こんばんは。

先日の別作品でのコメントがありましたので、どれにしようか迷ったのですが、とりあえずオリコン1位のこの曲でw。

百恵作品ってどうしても阿木・宇崎夫妻が手掛けられた中期以降のそれらが取り上げられがちですが、僕は初期の都倉先生のそれらや「パールカラーにゆれて」での佐瀬さん、「愛に走って」でのミキたかしさんなんかのナンバーなんかも哀愁があるメロディーが好きで、未だに時々聴きます。

さすがは昭和を代表する歌手のお一人ですよね。
by レインル (2022-03-30 03:14) 

ぽぽんた

レインルさん、こんばんは! お返事が遅れて申し訳ありません。

私も同感で、百恵さんは「横須賀ストーリー」以前の方が好きで、よく聴きます。
どうも私には、阿木燿子・宇崎竜童コンビがメインになってから、ファンよりも
本人達が満足する事が第一になっていった気がして、ある意味デビュー当時からの
ファンが取り残された感じがしているんですね。
引退時は騒がれたものの、現役中ラストシングルとなった「さよならの向う側」が
さほどの大ヒットとならなかったのも、そのあたりが一因でないかな、と思っています。

by ぽぽんた (2022-04-02 22:59) 

レインル

管理人様、コメント返し、有難うございます。

このコラムで気になった点がありますので、記させていただきます。

「フェイドアウト」について

都倉先生は確かにフェイドアウト作品少ないですよね。
ただし、フォーリーブス「急げ!若者」なんて名作がありますw。

林哲司先生もフェイドアウト好きですよね。全シングル手掛けられた杉山清貴&オメガトライブなんて7作中、5作がフェイドアウトです。

逆にトシちゃんの「Hardにやさしく」はエンディングが非常にカッコよく、大好きな楽曲です。

by レインル (2022-04-03 03:50) 

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