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ひと雨くれば / 小柳ルミ子

まさにこの季節、ですね(^^) …このジャケ写、好きだなぁ。

ひと雨くれば.jpg

チャートアクション

「ひと雨くれば」は小柳ルミ子さんの15枚目のシングルとして1975年5月に発売され、
オリコンシングルチャート最高15位、同100位内に17週ランクインし、
16.3万枚の売り上げを記録しました。
同年の金鳥のCM(蚊取り線香)に使用された曲でもあります。

大ヒットではなかったものの、チャート上で興味深い動きをした記録が残っていて、
同年6月9日に最高位となる15位にランクされた後に18位→16位→17位→16位→17位→17位→19位…
と、8週にわたり20位内後半を行ったり来たりしていたんですね。
当時、小柳ルミ子さんの人気は落ち着いてきており、
新曲がオリコンベスト10にランクされる事も少なくなっていましたが、
「ひと雨くれば」は地味な曲調ながらも、CMソングであり耳にしやすく印象に残るために、
じわじわと楽曲の良さが浸透して売れていた、と言う事なのでしょう。


作家について

作詞は現在では音楽評論家としても名を知られている麻生香太郎氏。
小柳ルミ子さんのシングルでは初の起用で、続く「花車」も作詞しています。

作曲は元ブルー・コメッツのメンバーで、すでに「恋のダイヤル6700」(フィンガー5)
などの大ヒットを作曲していた井上忠夫(井上大輔)氏。
井上氏も、小柳ルミ子さんのシングルでは初の起用でした。

編曲はデビュー曲「わたしの城下町」からずっと変わらず森岡賢一郎氏。
「ひと雨くれば」でも、音色を生かし切ったストリングス・アレンジ、
和楽器(横笛)の独特な使い方を堪能できます。


楽曲について

前々作でオリコン1位を獲得した「冬の駅」、
明らかにその第2段的な作りの「黄昏の街」と異色作が続きましたが、
もう一度大衆が小柳ルミ子さんに求めていたイメージに引き戻し、
それなりの成果を収めた楽曲ですね。

リズムはややゆったりとした8ビート。 
終始、特に静かな部分も激しい部分もなく、淡々と進行します。

キーはC#マイナー(嬰ハ短調)。
平行調のE(ホ長調)との行き来は頻繁にありますが、他調に渡る転調は一切ありません。
コード進行もオーソドックスで聴いていて安心してしまうほどですが、
Bメロ ♪忍ぶ恋しさよ…♪、歌メロ終わりの ♪ひと雨くれば…♪ だけには
情感を表出するようなメジャーセブンスが使われ、
そう目立たないまでもフックとなっています。

今回も楽譜を作成してみましたので、参考までに
(レコードのジャケットに記載された譜面はキーが正しくありません):
ひと雨くればscore.jpg
全体的に聴く人を驚かすようなメロディーやサウンドは全く無く、
電子楽器の使用もないからか耳元をサラッと過ぎていくような仕上がりであり、
歌詞の世界の表現を歌手(小柳ルミ子さん)に全面的に任せている、
オケは背景づくりに徹している…と感じられます。

しかしそれだけで終わらないのが森岡氏のアレンジで、
Bメロではストリングスが大河の流れのような厚いハーモニーで歌を支え、
Aメロでは横笛、Cメロ(中身はAメロに近いですが)ではチェロが歌メロに絶妙に絡み、
しかもそれぞれが全く歌の邪魔をしていないのが素晴らしいですね。

ホーン関係はイントロ・間奏・コーダで主メロを担当するトランペット1本だけであり、
これは比較的珍しいパターンと思います。

キーボード関係も使われていないようで、総合的に弦楽器アンサンブルのオケとなっています。


使われている楽器とその定位は:

左: アコースティックギター 横笛(中央寄り)
 
中央: ドラムス ベース トランペット 鈴(金剛鈴?)

右: アコースティックギター

ストリングスは左右にステレオ収録


「冬の駅」から顕著になってきた事の一つに、歌メロでの低音域の比重が高まった事があります。
1973年の夏にヒットした「恋にゆれて」と比較するとその傾向は明らかで、
より情感のこもった、大人の歌唱に変わりつつあった事がわかります。
「ひと雨くれば」でもその傾向が引き継がれていますが、
歌メロ最後では♪ああ…♪とこの曲の歌メロで最も高い音程が美しいファルセットで歌われ、
従来の小柳ルミ子さんらしさが発揮されて、デビュー当時からのファンが安心するんですね(^^)


付記

「ひと雨くれば」は何の変哲もない、当たり障りの全くない楽曲で、
物足りないと言えばそうなのですが、
歳を重ねるにつれて歌詞の世界の情景や心情をより深く思い浮かべる事ができるようになる、
そんな曲だと思うんですね。

「ひんやりと風の往く 夜の縁先」「降りしきる蝉の声に 夏はまだ続くけど」
などの日本的な情緒が色濃く感じられる表現が、私は心から好きです。
鼻濁音を含め、日本語を美しく発音して歌う小柳ルミ子さん独自の世界とも言えるでしょう。


「新三人娘」は結局、一番早くデビューした小柳ルミ子さんが最も長くヒットを出し続け
(現在までのところオリコン上位の記録は「お久しぶりね」の最高8位(1984年)が最後です)、
最も長く芸能活動をしている(天地真理さんは引退はしていませんが、現在活動はほぼ皆無)わけで、
1970年代の雰囲気を現代まで持ち込んでくれる貴重な存在であると思います。

ただそんな小柳ルミ子さんも、近年の歌唱の劣化は非常に残念なものがあります。
体力が不足している、長年ノドを酷使してきた等、原因は色々と推測はできますが、
不安定で苦しそうに歌うのが伝わってくるのはやはり、どうかと思います。
キーは下げてもいいから、せめてリズムにしっかりと乗る歌い方をしてくれ!
今の歌唱よりも当時の映像が観たい!
と最近の出演シーンを観るたびに思ってしまうのは私だけではないでしょう。

でも…大ファンなんです(^^)


「ひと雨くれば」
作詞 : 麻生香太郎
作曲 : 井上忠夫
編曲 : 森岡賢一郎
レコード会社 : ワーナー・パイオニア(リプリーズ)
レコード番号 : L-1242
初発売 : 1975年(昭和50年)5月25日

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三連休の最終日に…クイズです(^^)

ぽぽんたです。
この3連休、如何お過ごしでしたか?

昨日は更新をお休みしましたが、せっかくの連休ということで(?)、
スーパーウルトライントロクイズ、いきます!
今回こそむずかしいぞ(^o^)

次の音源は何の曲のイントロ(の頭)でしょうか?
(音源は削除しました)
ヒントは…と言われても例えきれずやるせないのですが(^^;)、
イントロのメロディーを楽譜にしてみましたのでせめてそれで、ということで…。
TT score.jpg

今回も「承認後表示」モードにしてお待ちしてます!
今週金曜の夜に正解発表と頂戴した回答の一斉表示を行います。

尚、今回の答えである楽曲について、次の更新で書かせて頂きます!

ではでは、暑いですが元気に過ごしましょう(^^)/

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追記: この時刻(18日午後11時22分)までに回答を寄せて下さった
widolさん、ろしひーさん、もっふんさん、hama-Pさん、卓さん、ゴロちゃん、
ありがとうございます!
あれぇ、このクイズ、これまでで一番難しいはずなんだけどなぁ(T_T)

まだまだ回答、募集中です。 初めての方もぜひどうぞ(^^)/

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では正解発表を…

「たとえば…たとえば」(渡辺真知子)でした。

回答を寄せて下さった皆さま、ありがとうございました!

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お詫びですm(__)m

ぽぽんたです。 いつもおいで下さってありがとうございます。


今日「たとえば…たとえば」についての記事をアップする予定でしたが、
急用で外出してしまい完成できませんでした(T_T)
来週の日曜には必ずアップしますので、ぜひまたよろしくお願い致します!

この記事にコメント欄は無期限に「承認後表示」にしてあります。
投稿して下さる方の許可がなければ表示はしませんので、
よろしくお願い致します。

それでは、来週のこの日に(^^)/

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たとえば…たとえば / 渡辺真知子

今聴くとすごく斬新です(^^)

tatoeba.jpg

チャートアクション

「たとえば…たとえば」は渡辺真知子さんの4枚目のシングルとして1979年1月に発売され、
オリコンシングルチャートで最高13位(同年2月19日付)、同100位内に13週ランクインされ
11.8万枚の売り上げを記録しました。


作家について

作詞は前々作「かもめが翔んだ日」と同じ伊藤アキラ氏。
「たとえたとえで たとえても たとえきれない やるせなさ」
と都々逸のような言葉遊びが印象に残りますが、
氏があの「南の国のハメハメハ大王」(NHKみんなのうた)、
♪この樹なんの樹 気になる樹♪ のフレーズで我々の世代には馴染み深い「日立の樹」
などの作者でもある事を考えると、♪たとえたとえ…♪ の歌詞も伊藤氏らしいかも…
と思えてきます。

作曲は渡辺真知子さん自身、編曲は船山基紀氏と、デビューから1980年頃までにわたり
一貫していたコンビネーションによる1曲です。


全体の構成

構成としては2ハーフ、キーはFマイナー(ヘ短調)、リズムは8ビートが基調と
ごくオーソドックスなものです。
ただしテンポは、100~120bpm程度が普通である歌謡ポップスの中で、
「たとえば…たとえば」は約140bpmとかなり速く(それでも「かもめが翔んだ日」
よりはいくらか遅いのですが)、
良く言えばスピード感がある、悪く言えば慌ただしすぎる…と評価が分かれそうです
(140bpmとは、1分間に4分音符を140回打てる速さと言う意味です)。

しかしよく聴くと、イントロでピアノとストリングスによる超速パッセージの後に
ややテンポが緩んでいるんですね。
レコーディングの速度キープがクリックによるものではなく、
アレンジャーが演奏の流れに合わせてオケを前にタクトを振り、
微妙にテンポを調節している事が伺えます。


歌メロは、
Aメロ:♪たとえば たとえば…♪
Bメロ:♪たとえば 愛している人に…♪
Cメロ:♪たとえたとえでたとえても…やるせなさ♪

と分ける事ができます。

この曲の特徴の一つに、サビがどこなのかよくわからない事が挙げられます。
インパクトが強い、曲名をそのまま表していると言う意味ではAメロがサビ、
即ち頭サビと見なすのが適当なのですが、
歌詞で最も伝えたい部分はBメロと思われれますし、
Cメロにも強い主張が感じられ…と、結局は聴く人次第との事なのでしょう。
その分、どこをとっても焦点がやや甘い、とも言えそうです。


歌メロ部の考察

イントロやコーダも含めた楽譜を作成しましたので、参考までに
(文中の小節番号は楽譜の各段先頭にある数字で判断して下さい):
TT full score.jpg(サムネイル上クリックで大きく開きます)

最初に知っておきたいのが、Aメロは2小節単位で進行するのに対し、
Bメロ~Cメロでは3小節単位で進行する事です。

この曲を含め、ごく一般的には3拍子であれ4拍子であれ、
メロディーは2小節ごと、あるいは4小節ごとに区切る事ができるのが普通で、
最も自然に聞こえる進行でもあるのですが、
「たとえば…」ではBメロに入ると突然3小節ごとの区切りとなり、
初めて聴いた時には恐らくその部分で「え?」と感じる人が多いと思われます。
(何度も聴いているうちに馴れてしまうものですが)。

ただBメロでは2拍3連が続き、リスナーによろよろと浮遊感を覚えさせるので、
そのために3小節単位の進行もさほど不自然に感じられないのかも知れません。

そしてCメロではそれまで4/4拍子で流れてきたのが ♪やるせな♪ で
これまたいきなり2/4拍子となり、次にすぐに4/4拍子に戻ります。
意識して聴いているといささかつんのめり気味、もしかしたら字数合わせでやむを得ずか…
と思わせますが、恐らくそこもインパクト重視の計算なのでしょう。


歌メロの音域は下のFから上のD♭までの1オクターブ+短6度とかなり広いのですが、
歌に説得力を持たせるために高音域も去ることながら、
低~中音域での明確な発声が重要であると思われます。

渡辺真知子さんの声域はアルトに近く、低~中音域での音質が充実していますし、
高音域では地声はB♭まで、それ以上ではファルセット頼りになるものの、
限界点でひっくり返りそうになる声が悲壮感を帯びむしろ魅力的になるのも聞き逃せないですね。

そして歌メロの動きがとても細かく、臨時記号(この曲では♭とナチュラル)が
多用されているのが特徴です。
特に30小節目(♪…つたえきれない♪)は半音単位の動きであり、
歌いこなせる自信がないと書けないと思いますし、
そこを含めア・カペラ(無伴奏)で正確に歌い通すのは至難の業でしょう。


コード進行については、歌メロでは見られないカウンターライン(この曲ではベースを
1音、または半音ずつ下降させていく動き)がイントロや間奏にありますが、
それ以外では特に変わったものは見られません。

ただコードチェンジのタイミングを意識的にずらしていると思われる箇所があります。
それはイントロが終わり歌に入る部分(14小節目)と、Cメロに入る部分(38小節目)です。
14小節目は頭からC7、38小節目は頭から F mにコードが当てられるのが通常ですが、
それぞれ1小節分、半小節分の間、前のコードを引きずってから次のコードに移っているんですね。

太田裕美さんの1977年のヒット曲「九月の雨」(作詞:松本隆、作・編曲:筒美京平)では、
2度ある ♪September (rain rain)♪ のメロディーがそれぞれ、その次の小節に使われる
コードに合う音で作られているのですが、
「たとえば…」ではその逆をやっているようなものです。
音楽としては、歌い出しの ♪たとえば~♪ は最初から C7 であっても問題ないですし、
♪たとえたとえで…♪ は最初から Fm でも全く問題ないわけですが、
そうしなかったのはインパクト重視と言うよりも、流れをより自然にしようとした
試みでは、と思われます。


ニューミュージックと呼ばれる音楽では、4和音のコードでの4番目の音、
つまり B♭7 だと♭7の音(A♭)、CM7ならばM7の音(B)をメロディーに意識的に多用したり
ロングトーンで使ったりなどして歌謡曲との違いをアピールするような作品が多いものです。
「たとえば…」でもそれはいくつかあって、Bメロ ♪たとえば~(愛している人に)♪、
♪(私だけの)人じゃないの~♪ などでそれは生かされています。

またBメロの ♪私だけの 人じゃないの♪ の中での「ひ」に当てられた音の選択、
♪たとえたとえで…♪ での隣接音・経過音の使い方等々、
この曲のメロディーはソルフェージュ(伴奏なしに楽譜を見ながら独唱する事です)の
訓練のために作られたのでは?と言いたくなるほどの難易度があります。

演奏とサウンドについて

まずイントロが始まるとその速いフレーズに驚かされますね。
約140bpmで16分音符でまくし立てるようなこの演奏はストリングスとピアノによるものですが、
ストリングスだけだとこれくらいの速い演奏はそう珍しくないし、
ピアノだけだとハノンの指練習を速く弾いているくらいのイメージしかならず、
その両方が合わさる事で独特のスピード感が発揮されているんですね。

現代では打ち込みを使えば、同じ楽器音で同じように(いや、もっと速くでも)
演奏させる事は容易いのですが、
実際にやってみると「やっぱり機械じゃん」と言う感じにしかならない場合が多いんです。

人間が演奏しているから…との前提で聴いているからとしても、
40年近く前の作品なのにこの曲の演奏を「凄い」と感じさせる何かがあるのは確かで、
それは、打ち込みでどんな演奏も実現できる、修正もいくらでもできる…
と言った環境では得られない、実力のある演奏者にしか出せない深みなのでしょう。


イントロが終わり2拍のブレークで「あれ?」と思っていると ♪たーとーえーばー♪ と
歌が始まりドカン!とティンパニが響くとさらに歌が続いていくわけですが、
しばらくはティンパニの音が頭から離れない…と言う人も多いのでは(^^)
尚、ティンパニはイントロと間奏でピアノ・ストリングスの速弾きから次のフレーズに
移る時にも派手に鳴っていますね。

歌メロに入ると、Aメロではピアノ+フルート、Bメロではストリングス→ハープシコード、
Cメロではストリングスと、ほぼ全篇にわたって楽器が変わりながら裏メロが演奏されています。

ベーシックはドラムス、ベース、左にエレキギター、右にアコギ、そしてピアノと、
鉄壁と表現したくなるような手堅い、しかしそれぞれどこか主張が感じられる演奏です。
ハーフ前の間奏で左のエレキギターがカッコいいプレイをしてます(^^)

ストリングスは左右にオーケストラ配置で広がり、ホーンセクションがその間の中央に
配置され、随所で曲の流れを引き締めています。

全体に派手な演奏の中で、ステレオ録音で左右に広がって聞こえるハープシコードが
ムードメーカーのような役割をしています。
そのサウンドはつつましいながら、BメロからCメロに移る時には大胆にダウングリスして
その存在をアピールしているかのようです。
そこだけを聴くと、キャンディーズの「なみだの季節」のイントロそっくりです(^^)

イントロのインパクトに較べてコーダがどうも地味で、どうせなら最後にもう一発
キメて欲しかった、と思うのは私だけでしょうか(^^;)


付記

「たとえば…たとえば」について、作曲家の宮川秦氏は当時朝日新聞に連載していた記事
「歌は世につれ」をまとめた著書「サウンド解剖学」にかなり辛辣な言葉を残しています。
それを抜粋すると…

「デビュー曲はインスピレーションが作らせた大傑作と感心するのですが、二作、三作と、
徐々に計算やひねくりこねくり回しが多くなり…
決定的にいけないのは『たとえば…たとえば』です。
あの早いテンポで難しい音程を歌うことに振り回され、情感はどこへやら吹っ飛び、
残ったものは真知子、勉強してます!!の姿勢のみ。
これじゃ売れるはずがない。 だんだんメロディーがしつこく、頭でっかちになってくる…」

実際には先述の通りオリコン13位まで上昇したので成績としては中ヒットでしたが、
売り上げ枚数は前作「ブルー」の1/3ほどであり、確かに失速した感はありました。

上の拙文にあれこれ書いたように、歌メロだけでも細かい計算がいくつも見られますし、
そのために普通の人にはとても歌いこなせない作品になってしまっている気もします。

しかし今、改めて聴き直すとそこかしこに冒険が感じられ、「かもめ…」の余勢を
駆っている感はあっても、それ以上の曲を作ろうとする意欲が感じられるんです。

私には情感が吹っ飛んでいるとも感じられず、主人公の気持ちの切迫感が伝わってきます。
そう感じられるのは、時代のせい、年齢のせい…かも知れませんが。

当時はニューミュージックが台頭し始めていて、作家・歌手は、
どれほどの高いレベルで作っても大衆に受け入れられるだろうか、と実験していた側面も、
きっとあると思います。
それが正しいならば、日本の音楽が健全に進歩していた時代だったと言えるのではないかな。

「たとえば…たとえば」も、渡辺真知子さんとスタッフが結束し、
音楽的レベルの高い作品を世に出そうとして出来た作品であると私は信じますし、
だから今聴いても新鮮に楽しめるのだろう、と思います(^^)


「たとえば…たとえば」
作詞 : 伊藤アキラ
作曲 : 渡辺真知子
編曲 : 船山基紀
レコード会社 : CBSソニー
レコード番号 : 06SH444
初発売 : 1979年(昭和54年)1月21日

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