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ひとりじゃないの / 天地真理 パート2

お久しぶりです! 毎日暑いですねぇ(@_@)


私には一つ趣味(かな?)がありまして。
それは、知っている曲の歌詞を書き出す事なんです。
それも、自分の記憶だけで、フルコーラス。

面白いもので、鼻歌で歌っていれば自然に口を突いて出てくる歌詞も、
PCやノートなどに最初から書き出していくと、突然わからなくなったりするんです。
それを思い出し思い出し書き出して、全部書けた時、そしてそれが全部正しかった時は、
かなりウレシイ(^o^)

そんな事をしていて最近「この曲の歌詞って、こんなに優しい歌心を持っていたんだ」
と改めて気付かされたのが、今回の「ひとりじゃないの」でした。
ひとりじゃないのジャケ.jpg
その「ひとりじゃないの」が大ヒットしていたのは、ちょうど50年前のちょうど今頃でした。
天地真理さんの人気が急上昇している真っ只中、でしたね。
私は小学5年生でした。 あなたはいくつでしたか?


2コーラス目 ♪あなたが雨の街 ふり返ってくれて 私が小走りに傘をさしかけたら
その時がふたりの旅のはじまり♪
…聴いていると、脳裏にそのシーンが映画のように浮かびます。

現代人の感覚からすると陳腐な歌詞に感じられるかも知れません。
しかしスマホもPCもなかった当時、お互いの行動・仕草だけで相手の気持ちを察したり
思いやったりする、そんな人間が生来持っているはずの心を誰もが理解していたものです。
今の世の中を思うと、過剰なほどの便利さと引き換えに大切なものを失くしたような気が、
私にはどうしてもしてしまうのです。

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ここからは以前に書いた同曲の記事(2010年5月26日付)にも書いた事がかぶりますが、
重要な事なので今一度…。

「ひとりじゃないの」にはシングル盤バージョンとアルバムバージョンがあり、
オケのアレンジが全く違い、歌部分のコード進行も一部違っています。

さらに歌詞違いバージョンもあります。
それはオケはアルバムバージョンと同一で、3番まである歌詞のそれぞれの終わりに近い部分の
♪ふたりで行くって すてきなことね♪ が ♪ふたりで行くって 素敵な旅ね♪ となっている、
それだけの違いなのですが、
オケがアルバムバージョンと同一ということは、最初にアルバムバージョンが録音され、
歌詞を変更してからシングル盤バージョンを録音したという事ですね。
アルバムバージョンの再歌入れはシングル盤バージョンの後に改めて、ということはあり得ます。

アルバムバージョンのオケのアレンジは、作曲した森田公一氏自身です。
この時代だと「あの鐘を鳴らすのはあなた」「夏の夜のサンバ」(共に和田アキ子)、
翌々年の「黄色いリボン」(桜田淳子)なども森田氏の作曲・編曲です。

シングル盤バージョンのオケのアレンジは馬飼野俊一氏。
アルバムバージョンとは楽器の構成は勿論、Aメロのコード進行も異なっています。

まず、この曲のキーはA♭(変イ長調)で、転調は特にありません。 それを踏まえて、

♪あなたがほほえみを 少しわけてくれて♪
「少しわけてくれて」の部分が、アルバムバージョンでは A♭→F7、
シングル盤バージョンでは A♭→Cm→F7 と、Cmが挿入されています。

それが物凄く威力を発揮していて、この曲をただ明るいだけでなく、そこはかとない陰りを
感じさせる働きをしているんです。

当時の天地真理さんは、後のような「ひたすら明るい」感じになる前で、
明るい中にどこか陰のあるところが当時の若者を惹きつけたのは間違いなく、
それをそのコード進行が見事に象徴しているのです。

馬飼野俊一氏によるシングル盤バージョンのアレンジは、
アルバムバージョンに感じられる平板さが排除され、、
メリハリをつけると同時にストーリー性が大いに加味されているんですね。

アルバムバージョンで、サビ部分で左から女性声でメロディーをなぞるように
♪ララララ…♪ と歌われていますが、その声ってハッキリ言って不要ですよね(^^;)

「ひとりじゃないの」のシングル盤ジャケットの写真も、ニッコリ笑顔ではなく、
どこか寂しげなフランス人形のような表情ですよね。

ただ、歌メロもよく観察すると天地真理さんの陰のある個性を表現している部分があり、
のっけの ♪あなたが微笑みを…♪ では ソソソミ ララミレド と、
コードは明るいメジャーなのに、マイナーコードの音であるラを組み入れているのがそれです。


恐らく(全く根拠はありませんが)天地真理をとにかく明るいキャラで売れ!としたのは
渡辺プロの社長だった渡辺晋氏でしょうが、
曲作りに直接携わった人達の方が、天地真理さんが本来持っていた個性を理解していた…
のではないでしょうか。

そしてそれを大切にした曲作りをしていけば(これも根拠はありませんが、少しでも陰を
感じさせるような曲が出来てきたら渡辺晋氏が徹底的に排除していたのでしょう)、
あんなに早く飽きられて人気が凋落するようなこともなかったかも知れません。

…って、結局そこにつながっちゃうんだよなー(^^;)

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

「ひとりじゃないの」がヒットしていた頃、他にも「北国行きで」(朱里エイコ)、
「恋の追跡」(欧陽菲菲)、そして私が多分全楽曲で最も好きな歌謡曲である「雨」(三善英史)
などなど、心に残るヒット曲が次から次に生まれていました。

最近は少し暑すぎるので、エアコンを効かせた部屋で当時のヒット曲を改めて聴き直し、
当時の雰囲気を感じてみるのも一興ではないでしょうか。


「ひとりじゃないの」
作詞:小谷夏
作曲:森田公一
編曲:馬飼野俊一(シングル盤バージョン)
   森田公一(アルバムバージョン)


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SS

そういえば…、少し話題が変わりまして申し訳ないのですが「セーラー服と機関銃」のオリジナルカラオケは発売されておりましたでしょうか
by SS (2022-07-04 16:13) 

widol

ぽぽんたさん、こんにちは。

真理さんの「ひとりじゃないの」は確か、アルバム「ちいさな恋/ひとりじゃないの」からファン投票で決められたシングルだったと記憶しています。当時は私は小さいので大人になってからの情報ですが。「夢のチャペル」とどちらが、という感じだったようです。

初めてのオリジナルアルバムとしては、さまざまなシングル候補の中で構成されたものと理解できる作品群ですが、フォーク調やその後の明るいポップス路線を先取りしたような曲までバラエティにとんでいます。
個人的には「乙女の祈り」「好きだから」「青春」あたりが好きです。
そのアルバムバージョンの「ひとりじゃないの」はぽぽんたさんのおっしゃる通り平板さが目立つアレンジで、シングルの重厚さとはかなり違います。個人的にはこのアレンジは好きではありません。当時は、シングルアレンジしか知らなかったので、後にアルバムバージョンを聴いて「変なの」と思ったものでした。

曲作りに直接携わった人達の方が、天地真理さんが本来持っていた個性を理解していた…
のではないでしょうか。

>>天地真理さんが本来持っていた個性を大切にした曲作りをしていけば(これも根拠はありませんが、少しでも陰を感じさせるような曲が出来てきたら渡辺晋氏が徹底的に排除していたのでしょう)、あんなに早く飽きられて人気が凋落するようなこともなかったかも知れません.。
 
激しく同感です。「空いっぱいの幸せ」の売上がそれをものがっていると思います。もちろん他の若いアイドルが出てきたことなども原因ではありますが、ここまで急激にというのはなかったと思います。さらに、「想い出のセレナーデ」で別れの歌を歌って、その後「木枯しの舗道」以降急激な大人路線に走ったため、人気は凋落してしまったわけです。失敗の連続が不幸を招いたといってもいいかもしれません。
と結局私もそこにいってしまうのですが。。

ところで、今日発表されたのですが、真理さんの50周年を祝うアナログレコードが9月28日に発売されることが決定しました。14曲入りのベストアルバムですが、透明水色レコード&ピクチャーレーベルだということで今から楽しみです。
https://www.110107.com/s/oto/news/detail/TP02588?ima=4646

1972年は本当に多くの記憶に残るヒット曲が出た年ですね。先日引退を発表したよしだたくろうがヒットを出して第一線に踊り出した年でもあり、井上陽水も登場した年でした。時代が大きく変わってきた頃ですね。
by widol (2022-07-25 19:06) 

ぽぽんた

widolさん、こんばんは!

シングルの「ひとりじゃないの」は昭和47年5月21日発売で、アルバムの方は同年6月1日
発売なので、ファン投票でシングルが選ばれたとはちょっと考えにくいのですが…
シングル発売の1ヶ月くらい前にアルバム曲が披露されていた、と言うことかな?

天地真理さんはドラマ「時間ですよ」の影響で本当に急に売れ出した感じだったよう
なので、アルバムを作るにも曲の発注がきっと大変だった事だろうと思います。
コンセプチュアルな作りは難しく、どうしても色々な曲の寄せ集め的になってしまって
いる感は否めませんが、どんな曲を歌っても天地真理カラーは十分に発揮できていた
ので、ファンにとっては満足できる仕上がりだったと思います。
私は何と言っても、「ちいさな恋」のB面にもなっている「ある日私も」が好きです。

私はオリコンのアルバムチャートを集計した本を持っていますが、1972年の天地真理さん、
本当に凄かった! 1970年の藤圭子さんの再来のようなチャートアクションでした。

アナログレコードが発売されるのは、やはり需要があると見込まれたからでしょうか。
中崎あゆむさんの「なつメロ喫茶店」にも紹介されていますが、シングル盤の音は
AMラジオに合わせたものだったと知って「あ、なるほど」と思いました。
キャンディーズなどもそうでしたが、ボーカルの音域を張り出して、低音域をかなり
極端に減衰させているんですよね。
今度のレコードではマスターテープ本来の音が聴けるようなので、貴重ですね!

今思い返しても、1971年から1973年にかけては名曲がこれでもかと世に出て、
奇跡のような時代でした(^^)

by ぽぽんた (2022-08-01 23:53) 

widol

ぽぽんたさん、こんにちは。
ファン投票の件は、何かでかつて読んだことがあったのですが、ファン投票という形だったかは定かではありません。「夢のチャペル」より「ひとりじゃないの」の方が人気が高かったので、こちらが次のシングルになったということでしたが、どこに書かれていたのかわからないので、確認はできないです。すみません。

中崎あゆむさんのブログは読んでいて本当になるほどと思うことが多いですね。
マスターテープからの本来のサウンドが再現できていると嬉しいです。最近、レコードプレーヤーを買い替えたので、早く発売されないか、本当に今から楽しみです。
by widol (2022-08-02 13:32) 

Y

天地真理さんの振り付けは、女性が西城秀樹さんを踊ったらこんな感じだろうというのが背景にあったんだそうです。先月19日のマツコさんの番組でやっていました。あ、ベストテンの初回のランキングの動画がございました。ランキングの紹介と説明だけで、搭乗シーンはございません。
by Y (2022-08-03 13:45) 

Y

↑登場シーンでした(;^_^A
by Y (2022-08-03 13:47) 

ちっちゃい私

真理さんの「ひとりじゃないの」
個人的には、アルバムのほうが好きですね。
当時も、今もですが
基本的には、シングルのひとりじゃないの
こちらばかりが、流れてきます。
だから、新鮮で好きですねぇ
音楽の成績が2~3くらいだった
私ですが・・・
私が、ステレオを買ったのは1977年頃でした。
三洋電機の安いステレオでした。
プレイヤーとレシーバーとスピーカー
OTTOって、名前でうってましたね。

by ちっちゃい私 (2022-08-08 04:00) 

ぽぽんた

ちっちゃい私さん、こんばんは!

私はアルバムバージョンはずっと後になって聴いた(NHK-FMの「昼の歌謡曲」でした)ので、
シングルの方が耳馴染みだったから好きだったのだろうと思います。
以前「木綿のハンカチーフ」の記事を書いた時に「アルバムの方を先に知っていたから
シングルはあまり好きじゃない」と書いたら結構反論を喰らいましたっけ(^^;)

当時は、今で言うAV専業ではない電機メーカーが発売するオーディオ機器分野には
それぞれカッコいい名前がついていましたね。
仰るように三洋電機はOTTO、早川電機(シャープ)はオプトニカ、
東芝はオーレックス、松下はテクニクス…今もテクニクスは残っていますね(^^)

by ぽぽんた (2022-08-08 22:40) 

kuro

初めまして。いつも愛読しています。
私はアルバムバージョンの方が好きですね。バカラックテイストが色濃くて、今聞いても古さを感じません。洋楽のスタンダードを聴いている感じ。コンサートもバックが「森田公一とそのグループ」なので、アルバムバージョンだったと思うのですが、ライブ向きのアレンジだとも思いました。ちなみに当時は幼稚園児で「とびだせ!真理ちゃん」とかを夢中で見ていました。子供にとってはリアル白雪姫でしたね。
by kuro (2022-10-04 22:02) 

ぽぽんた

kuroさん、初めまして! 読んで下さって誠にありがとうございます。

この曲のシングルバージョンは、「ちいさな恋」までの急激な人気上昇の勢いのためか、
細部まで作り込まれた印象を受けるのに対し、アルバムバージョンは作曲者自身のアレンジで
メロディーの聴かせどころをサラッと仕上げているように、私は感じます。

私は当時小学5年でした。
「真理ちゃんとデイト」が毎週放映されているのは知っていましたが、
テレビが家族で1台しかなかったので観られませんでした。
むしろ今はYouTubeで多くの映像を観られますね(^^)

今は更新が少ないですが、これからもよろしくお願い致します。

by ぽぽんた (2022-10-04 23:34) 

Y

最近、木曜日は、BSで「昭和歌謡ベストテン」、「ねこいぬワイドショー」、地上デジタルでケンミンショーがすべて同じ時間帯に放送されているので、見るのが大変です。(;^_^A
by Y (2022-12-04 12:27) 

Y

八代亜紀さんと藤圭子さんの共演動画、藤さんのみだれ髪の動画などがございましたよ。どれも貴重でした。八代さんとの共演動画には、「歌が上手なこのお二人の共演は、素晴らしい」と言った書き込みがございました。
 よいお年をお迎えください、来年もよろしくお願いいたします。
by Y (2022-12-29 11:11) 

ぽぽんた

Yさん、こんばんは!

いつもお知らせをありがとうございます。
良い年をお迎え下さい。 こちらこそ、よろしくお願い致します。

by ぽぽんた (2022-12-31 20:37) 

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