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天地真理の秋ソングとそれにまつわる考察

台風19号は去って行きましたが、皆さまの住んでおられる地域、住居等は大丈夫でしたか?
皆さまがご無事であります事を心から願っています。

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「天地真理の秋ソング」として発売当時も、そして現在も最も親しまれているのはやはり、
「想い出のセレナーデ」(1974年9月発売)ですよね。
その前、「虹をわたって」(1972年9月発売)や「空いっぱいの幸せ」(1973年10月発売)も、
発売時期からすると明らかに秋ソングなのですが、歌詞の内容に秋を思わせる表現が殆どなく、
特に「虹をわたって」については、私は気づいたら夏の歌と解釈してました(^^;)
だって、秋に雨上がりの虹を見る事って、あまりないですよね。

ちょっと面白い事に気づいたんです。
天地真理さんの楽曲は、例えば「若葉のささやき」ならば明らかに春の特徴を表現した
「若葉が街に、急に萌えだした」と歌われていますし、
「恋する夏の日」だともろに「今年の夏、忘れない!」と歌われていて、
季節が完全に限定されているのに対し、
先述の「想い出のセレナーデ」の歌詞には、秋を想起させる語が全然、ない。
なのに、曲全体の雰囲気は明らかに秋、なんです。

それが気になった私は、シングルB面やアルバム収録曲についても考えてみたんですね。
そして、歌詞のどこにも秋がないのに秋ソングと認識していて、かつ発売当時から
ずっと大好きだった2曲の存在に気づきました。
それは、「もの想う季節」(シングル「空いっぱいの幸せ」C/W)、
そして「あなたの故郷」(アルバム「空いっぱいの幸せ」B面5曲目)の2曲です。

その2曲が収録されているアルバム「空いっぱいの幸せ」は、タイトル曲が失敗作だったために
売り上げが伸びずに終わった不遇の1枚なのですが、
収録曲はどれも質が高く、アルバム用でなくシングル候補として発注し出来てきたものの、
ボツになった曲ばかり集めたのだろうな、と思わせるものがあります。
上記の2曲の他にも、天地真理さんの楽曲の中でピカイチなアップテンポで、
シングルで発売すればきっとヒットしたと思われる「銀座ひとりぼっち」も入っているんですよ。
知らない方にはぜひ、聴いてみて頂きたい。

本当ならば「もの想う季節」「あなたの故郷」をここでフルでお聴かせしたいのですが、
それはできませんので、イントロだけ編集したものを…。
歌は入っていませんが、曲の雰囲気は感じて頂けると思います:

「もの想う季節」

「あなたの故郷」


どうですか?
「もの想う季節」はやや冷たい空気の中に佇み、枯れ葉や教会を見て過ぎた日々を回想している場面、
「あなたの故郷」はおおらかな景色の中、暖かな秋の陽の中を幸せな気持ちで歩いているような雰囲気。
私はイントロだけでそれを感じてしまうのですが、それはやはり歌詞の内容も知ってるからかな(^^;)

その両方とも、やはり秋に関する語は全く出てきません。
しかし歌詞、メロディー、アレンジ、そして歌唱が組み合わさると、秋なんですね。
当時の制作陣の、楽曲に季節感を持たせる技術は実に素晴らしいものがありました。


さて、私が書きたかった事はもう一つありまして。
先程、「空いっぱいの幸せ」は失敗作だった、とハッキリ書いてしまいましたよね。
それはアルバムの事ではなく、シングル、それも楽曲自体ではなく、
あのタイミングでそれを発売してしまった、それが失敗だったと言う意味でして。

何かで、その「空いっぱいの幸せ」がシングル発売されるまで論議があった、と読んだ事があります。
それは恐らく、それほどに当時の天地真理さんのポジションが微妙な域にさしかかっていた、
と言う事なのでしょう。

私は当時小学6年で、自分も周囲も歌謡曲、アイドルには最も興味のある時期だったので、
それだけ記憶も鮮明なので書けるのですが、
「恋する夏の日」がヒットしていた頃、すでに天地真理さんはスキャンダルの渦中にいました。
クラスの中では、天地真理が大好きだったけどもうやめよう、なんて子も結構、いました。
特に女子、ですが。

天地真理さんはデビュー後、本来の持ち味は、笑顔がとても明るくて素晴らしいが、
ふと見せる陰が表情にも歌声にも宿っている…と言ったものだったはずなんです。

実際「水色の恋」はともかく「ちいさな恋」「ひとりじゃないの」あたりまでは、
その個性がうまく発揮され、ファンを増やしていったんですね。

しかし「虹をわたって」「ふたりの日曜日」「若葉のささやき」そして「恋する夏の日」と、
新曲が発売されるにつれて陰がどんどん失われ、明るいだけの人になっていった。
私も、まだ子供でしたがそんな風に感じていたのは確かで、
日本人は本来、陰や哀愁と言った感覚が大好きですから、
大衆もそんな天地真理さんに徐々に魅力が感じられなくなっていったんですね。

「恋する夏の日」も明るさがほぼ100%な楽曲ですが、音楽としての魅力が大変大きく、
子供から大人まで誰もが楽しめる楽曲に仕上がっていたため、大ヒットになりました。

そんな曲の次だったからこそ、新曲はより哀愁のある、大人っぽい楽曲が選ばれるべきでした。
例えれば、前年に南沙織さんがロックのビート感にあふれた「純潔」の大ヒットの次に、
その名も「哀愁のページ」と言う、寂しげなバラードを歌ってまた大ヒットしたように。

しかし天地真理さんの場合、「恋する夏の日」の次には「空いっぱいの幸せ」が選ばれました。
サウンドも歌も過剰なほど明るくストレートに感じられ、当時の私は
「何でこんなつまんない曲を新曲にしたんだろう」と、生意気にも思っていました。
私はスキャンダルとかには全然興味がなく、とにかく真理さんの歌が大好きでしたから。

その頃、私は小学校で放送部に所属していました。
昼休みには放送室に給食を持ち込み「お昼の放送」なるものをやっていまして、
自分のレコードや、「これをかけて!」と持ち込まれたレコードをかけたりしていました。
あのねのねの「魚屋のおっさんの唄」をかけた時には、顧問の中村先生が飛んできて
「やめろ!!」と怒られたりもしましたが(^^;)
その頃に「空いっぱいの幸せ」も持ち込まれたんですね。

「お昼の放送」は約20分ほどで、B面大好きな私が放送終了後に「空いっぱいの幸せ」のB面を、
放送室内で特に何も考えずにかけてみたんです。 
初めて耳にしたその曲に、私はとっさに思いました。「なんだ。こっちの方がずっといいのに…」。
それが「もの想う季節」だったわけで。

「もの想う季節」は、歌詞は決して暗いわけではありません。
むしろ前向きで明るい内容なのですが、歌謡曲の妙でメロディーとサウンドが哀愁感たっぷり、
陰影さえ感じられる仕上がりで、アピールできる年齢層がグッと広がるような1曲なんですね。

勿論、天地真理さんの人気もいずれは下降線をたどった事でしょう。
しかしもし、「空いっぱいの幸せ」ではなく「もの想う季節」が新曲であったら、
大衆に飽きられる時期はもう少し先になっていたかも、そんな気がするんです。
その間に、当時新人で徐々に人気を上げていた桜田淳子さん、山口百恵さん等の良き先輩として、
独自のポジションを確立する事も十分可能だったようにも思うんです。
もしそうなっていれば、一気に人気が下降する事もなく、長く活動できたのでは、と…。

なので、私にとって「空いっぱいの幸せ」は、嫌いではないが、天地真理さんのイメージを
固定させてしまい飽きられるスピードを早めた作品とのイメージがついてしまいました。

結局はたら・ればのお話で、これを論じたところで何も解決はしないのですが、
今も天地真理さんのファン(大半はアイドル現役当時について、でしょうが)が多く存在する
のは、やはり長く活躍して欲しいと望まれた歌手であったからだと思いますし、
現実にはそうはならなかった事を今も残念に、どうしても思ってしまうのです。

勿論、以上述べた事が天地真理さんの人気の下落の原因、そのすべてではありません。
しかしその一つである事は間違いないと指摘しておきたいと思い、書かせて頂きました。


最後にこのブログらしく、ちょっと音楽らしい話題を…。

天地真理さんのシングルA面曲は、全盛期最後と言えるシングル「愛のアルバム」
までの13枚のシングルでキー(調)を羅列してみると…

・水色の恋… E  ・ちいさな恋…Am、A(サビで転調)  ・ひとりじゃないの…A♭
・虹をわたって…B♭ ・ふたりの日曜日…F  ・若葉のささやき…B♭m
・恋する夏の日…A♭  ・空いっぱいの幸せ…G  ・恋人たちの港…Em
・恋と海とTシャツと…A♭  ・想い出のセレナーデ…E♭m
・木枯らしの舗道…B♭m  ・愛のアルバム…F#m

「ひとりじゃないの」「恋する夏の日」「恋と海とTシャツと」が同じA♭、
「若葉のささやき」「木枯らしの舗道」が同じB♭mである他は、
すべてキーがバラバラである事に注目して下さい。

楽曲の雰囲気やイメージを決める際、キーの設定は重要です。
天地真理さんの楽曲に対する柔軟性が、キーの設定を自由にさせていると解釈できるわけで、
こんな事からも天地真理さんの音楽性の高さ(ちょっと意味不明な表現で私は好きでない
のですが、よく使われるので真似してみました(^^))を感じる事ができますね。


最後まで読んで下さってありがとうございました。
次回からは平常運転で…いや、ちょっと変えようかな(^^)

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widol

ぽぽんたさん、真理さんのスペシャル、ありがとうございます。

先のコメントで納得してもらえる選曲だと思いますとありましたが、確かに大満足です。

「もの想う季節」はもともとA面候補でした。それは新曲速報のような発売スケジュールの中に当初はそう書かれてあって私もはっきりと覚えています。スタッフの間で議論があったのでしょうが最終的に「空いっぱいの幸せ」が選曲されたことは本当に私も不幸だったと思っています。無難な方を選んだと言ってもいいと思います。
楽曲的に悪いものではありませんが、ぽぽんたさんのおっしゃる通り、タイミングは最悪でした。
売り上げが前作(50万枚)の半分(24万枚)なってしまったのですから失敗です。それまでの真理さんは全て50万枚前後で推移していましたので。

「もの想う季節」がA面に選ばれて売り上げが35万枚程度だったと仮定しても、その後、異国情緒溢れる「恋人たちの港」でも同程度はいけて人気は維持できたのではないでしょうか。そうなると「恋と海とTシャツと」が世に出たかどうかはわかりませんが、いずれにしても展開は違っていたことは確かです。たられば、ではありますが、非常に残念な選択だったと思います。

「もの想う季節」は本当に名曲です。哀愁感たっぷりですが、歌詞はむしろ明るい作品です。ここからきっと、あなたときっと、愛する世界へ飛び立つの、とこれまでの作品と共通する前向きさです。
B面の曲としても個人的に突出して好きな作品です。

そして「あなたの故郷」ですね。
もう笑顔しかありません。この曲がいいと思ってくれる方がほかにもいたことに。
これは天地真理のフォーク作品の一つですね。初期の「青春」にも通じる、天地真理のフォーク歌手としての実力がわかる作品です。ボックス「私は歌手」のオリジナル作品集の中にも入りました。
本当に穏やかで、こういう作品がさらっと歌える真理さんが凄いと思ってしまいます。力を抜いて優しく優しく歌いあげています。
人気が下降してしまったあとで、このような曲を歌い続けてくれたらどんなにか良かったかとも思ってしまいます。

「想い出のセレナーデ」は確かに秋の歌です。歌詞に星がとてもきれい、と出てきますが、夏よりも秋、冬の方が星はきれいですね。そういうところも秋を感じるのかもしれません。
「私は歌手」で初披露となった「恋と海とTシャツ」のカップリング曲の予定だった想い出のセレナーデ原曲、「青春のセレナーデ」は、「誰でも青春の中で一度だけは涙の歌 奏でるものなのね」と歌詞が違うところに振り返る愛が「青春」なのか「想い出」なのか明確な違いとなって表れているように感じます。歌詞の違いで「想い出のセレナーデ」の方が大人っぽいと思うのは私だけでしょうか。

個人的に天地真理さんの秋の歌としては、ほかに「さよならこんにちは」、「牧場の乙女」、「季節はずれの白いボート」などもいいですね。「さよならこんにちは」は秋風が歌詞に出てくる明快な秋ソングです。ぽぽんたさん的には平凡な曲だと思うとどこかに書いてありましたが、筒美サウンドと天地真理が初めて融合した作品でもあり、天地真理の凋落を止めようと筒美先生が全力をあげた作品だと個人的には思っています。アルバム「小さな人生」のクオリティの高さがやはり筒美先生だと思い知らされます。

思いが溢れすぎて長くなってしまいましたが、秋の夜長にじっくりと天地真理と聴くというのいいですね。これを書きながら「もの想う季節」は何回も聴いてしまいました。

by widol (2019-10-13 23:24) 

ゴロちゃん

ぽぽんたさん、こんばんは。
昨日の台風はすごかったですね。大丈夫でしたか?
私の住むところも雨がすごく降りましたが、幸い被害はありませんでした。年に数回行く同じ県の長野市が千曲川の堤防の決壊により大きな被害にあっていて、自然の猛威にただただ胸を痛めています。

先週の「秋の天地真理」の記事を読み、月曜日からは車の中で「もの想う季節」や「想い出のセレナーデ」をよく聴いていました。
私が唯一持っている真理さんのアルバム、それは「空いっぱいの幸せ」なのです。発売されてわりとすぐに買ったと思いました。
「オリジナル・ポップス&フォーク」ということで、私はポップスの部分はとても好きでした。(もちろん今でも好きです。)「銀座ひとりぼっち」「愛と涙と約束と」「愛を呼ぶ春」「もの想う季節」などが特にお気に入りです。
「銀座ひとりぼっち」の歌で、みゆき通りとかすずらん通りという通りがあるんだなと中2の時に知りました。それから45年、去年生まれて初めて銀座を歩き、すずらん通りやみゆき通りを見てきました。真理さんの歌を思い出して、とっても感激しました。

「あなたの故郷」はやはり私も秋を感じます。山があって、小川があって、小さな駅があって、あなたのお母さんがいて・・・歌詞からもそうですが、メロディーからも、秋風にすすきの穂がゆれ、田んぼの稲が刈り取られているような田舎の風景を連想します。(北国なんですよね。) 小さい頃よく行った私の母の実家から見る風景とダブるのです。ぽぽんたさん仰るように、歌詞、メロディー、アレンジ、歌唱で聴いている人に季節を感じさせるって素晴らしいですね。

真理さんへの100のQ&A、読みました。写真にあった若い時のきれいな真理さんが答えているように思いながら読みました。いろんな思いがあったんだなあと、読んでいて切なかったり懐かしかったりしました。
「空いっぱいの幸せ」は私は好きでしたが、ぽぽんたさんの記事を読ませていただき、なるほどなあと思いました。
いい歌がたくさんある真理さん、どれも大好きです。これからもたくさん聴いていきます。

by ゴロちゃん (2019-10-14 00:06) 

ゴロちゃん

追記です。
widolのコメントにありました「さよならこんにちは」「牧場の乙女」は私も大好きです。「さよなら~」は初秋、「牧場~」は10月から11月頃を歌ったものでしょうか。情景が目に浮かぶ歌詞の歌はいいですね。
by ゴロちゃん (2019-10-14 00:16) 

ぽぽんた

widolさん、こんにちは! 前記事に頂いたコメントへのお返事も兼ねて書かせて頂きますね。

まず「恋と海とTシャツと」のアルバムバージョンとシングルバージョンの違いですが、
わかりました!! ご指摘している点が本当に違いますね!
♪横縞Tシャツを真似して…♪に続くフルートとマリンバのフレーズは、シングルver.では
両方とも右、アルバムver.ではマリンバが左に来ているんですね。
また、真理さんのボーカルにはリバーブとフィードバックエコーが掛かっているのですが
(この処理は前年の「恋する夏の日」でのボーカルサウンドをかなり意識していると思います)、
アルバムver.の方がリバーブ、フィードバックともに深く掛かっていますね。
そしてボーカルトラックの違いについては、まさにご指摘の通りです。
私は両者を同じ再生ソフトに入れ、秒単位で交互に入れ替えて試聴してようやくわかりました。
widolさん、凄いです。
アルバムにバージョン違いを入れる場合は、「恋する夏の日」のように全く違うボーカル、
ミックスにするのが通例なのですが、「恋と海とTシャツと」に関してはパッと聴きでは違わない、
でも細かく聴くと違うというのは珍しいパターンだと思います。
マスタリングの違いも、アルバムとシングルではかなり顕著ですね。
ついでながら、「恋する夏の日」のアルバムver.は、ボーカルだけを後日入れ直して(歌い方が
シングルとは部分的にかなり異なりますよね)、オケはシングルver.と同じもの、
即ち同じマルチトラックテープでボーカルだけを入れ直し、ミックスし直したものと思われます。

コメントを拝見し、widolさんは本当に天地真理さんとその音楽がお好きなのだな、
と感動しました。
そのお気持ちが最も表れているのが「天地真理は歌手です。歌ってなんぼ。歌えないならきちんと
引退すべきです。」のお言葉です。 甘やかすだけがファンではない、プロはプロらしくある事が
本人もファンも一番幸せなのだ、と言う意味ですよね。 深く同意致します。

一つのアイディアなのですが、いずれにせよ、今後も天地真理さんは全盛時のような歌唱には
戻れないと思いますので(小柳ルミ子さんにしても、最近の歌唱はひどいですよね)、
ここは一つ、真理さん自身がデビューから12年間の音源や映像をリ・プロデュースして世に送る、
と言うのはどうでしょう?
楽曲のクオリティーは文句ないものばかりですので、例えば「百恵復活」のように
ボーカルは当時のままオケを豪華なものに入れ替えたり、マルチが残っている曲については
現代の技術でミックスし直す、あるいはマルチのまま発売してユーザーが自由にミックスして
自分だけの天地真理サウンドを構築できるようにする、などなど、それらを真理さん自身が
監修し世に出すんです。
「真理ちゃん」シリーズの映像や「虹をわたって」などの映画も、プロダクション任せでなく
真理さん自身がマスタリングを行って「こんな映像を見てほしかった」と言うように仕上げ、
権利関係も自身で処理して世に出してもらう…など、やれる事は沢山あると思うんです。
大変な仕事ばかりですが、もしそれらが実現すれば、過去の自分を自身でプロデュース!
と注目される事は間違いないでしょう。

私はプレミアムボックスを買うまで(もう13年も前、ですが)、天地真理さんの
ライブ盤を聴いた事がなかったので、「天地真理オン・ステージ」「私は天地真理」を
聴いた時には心底驚いたものです。 ライブでこんなに完璧に歌える人だったんだ!
しかもスタジオ録音よりも声が出ていて情感に溢れてる!
全盛期の頃テレビで少し嗄れた声で歌っていた印象が強かったからかも知れませんが、
ライブ盤の中の真理さんが本当の真理さんの歌なんだな、と思いました。

ただ容姿がいいだけではスターにはなれません。 容姿、歌、時代、そして理屈では
説明できない魅力が備わっていたから、あれほどの人気を博したわけで、
真理さん自身がそれを主観・客観的に分析して(主観的になれるのは本人だけですし)、
新たな方向を打ち出して先述したような活動してもらうのが、ファンにとって最も
喜ばしい事では、と私は考えています。

私も勿論、これからも真理さんを応援していきますが、widolさんのようなお心を持つ
方をファンに持つ真理さんって幸せ者だな、と思います(^^)

秋ソングについて、ご同意頂けたようで嬉しいです。
「もの想う季節」は、季節感もさる事ながら、「全盛期の天地真理」が凝縮されている
気がします。
哀愁感と情緒のある、でも勢いもある音楽に仕上がっているんですね。 
不思議なもので「勢い」って、何年経っても、いつも同じように感じられるものなんですね。
「あなたの故郷」については正直、全くの私自身の好みなのですが、
自分でこの曲を含めたコンピレーションCDを作って流して聴いていた時、この曲が
まるでシングルA面のような気がしてしまったんです。 その感覚があまりに自然
だったもので、なるほど~、音楽ってA面向き、B面向きって確かにあるものなんだな、
と自分だけで納得してしまって(^^;)

「これは秋と言うより冬の初めの曲かな?」と思って泣く泣く外したのが
「夏を忘れた海」です。
私はこの曲、初めて聴いたのは1973年の春頃だったかな?NHK-FMの「ひるのミュージック
コーナー」(「ひるの歌謡曲」の前身です)の天地真理特集で、特に何も考えず
エアチェックしていて、後で聴き返してすごく好きになった曲です。
1979年に天地真理さんが復帰する前に録音された新バージョンでは、物凄く声量を
増した歌唱を聴かせていますが、私はオリジナルの、何とも言えない寂しさを
感じさせるところが今も好きです。

「さよなら こんにちわ」(←「は」でなくて「わ」なのがポイントです(^^))も
いい曲と思うのですが、どうも歌に勢いが感じられないのが残念です。
当時の歌唱シーンを観ても、歌いたくないけど仕方ない…と言った感じで、
口先だけで歌っているのが気になったりします。
筒美さんの作りは、凝った事をあえて抑えた、今改めて聴くと底力のようなものを
感じます。 何で「平凡」なんて思ったんだろう…失礼しました。

最近は音楽を聴くツールもポータブル再生機とヘッドホンが普通になっていますが、
私はできる限りスピーカーで聴くようにしています。
天地真理さんのアルバムをスピーカーで聴くと、声の優しさが増して聞こえますよ(^^)

by ぽぽんた (2019-10-14 15:13) 

ぽぽんた

ゴロちゃん、こんばんは!
台風19号は大きな被害を残していきましたね。 被害に遭われた皆様には、
この場をお借りし心からお見舞い申し上げます。
千葉、と言っても私が住んでいる地域しか把握していませんが、先月の台風15号のような
大きな被害は、幸いにしてなかったようです。 恐らく私が知らないだけと思いますが…。
この辺では午後9時を過ぎた頃には雨も風も収まり、急に静かになった感じでした。

アルバム「空いっぱいの幸せ」をお持ちなんですね。 そのように書いて頂けると本当に、
そのアルバムの紹介をして良かったなぁ、と思います(^^)
アルバムではシングルだけではわからない色々な表情が感じられたりするんですよね。
「銀座ひとりぼっち」など、本文にも書きましたが、ぜひこういうタイプの曲も
シングルにしてほしかった…渡辺晋さんは絶対反対したでしょうが(^^;)
天地真理さんはデビュー後、いきなりアルバム(デビューアルバムは殆どカバー曲でしたが)が
何週もオリコン1位を続けたりしましたが、それはテレビだけではわからない「天地真理」に
多くの人が関心を寄せた、からかも知れませんね。
やはり天地真理さんはアイドルと言うよりも歌手だったと思います。

「あなたの故郷」へのゴロちゃんのイメージはとても素敵ですね。
かつての歌謡曲はどの曲も独自の景色を持っていましたが、この曲はイントロからすでに
暖かく穏やかな世界が広がる印象があります。
天地真理さんの楽曲には、ゴロちゃんがお気に入りと仰る「牧場の乙女」など、
歌詞を読むだけでも世界が広がるものが多いので、
ぜひ、今の若い人たちにも親しんでもらいたいものですね。
…それにしても山上路夫さん、素晴らしい作詞家だなぁ…。

今ふと思ったのですが、現代の音楽にそういったものを感じる事が少ないのは、
作り手が成長過程で文学なり、映画なり、音楽なり情緒を育むものにあまり親しむ事がなく、
感性がうまく表現に結びつかないから、と言う事もあるかも知れません。

私もこれまで何度となく真理さんへのQ&Aは読み返していて、そのたびに
ああ、この人は実は中身が若い頃のままなんだな、と思うんです。
widolさんへのお返事に今の天地真理さんへの希望など書かせて頂きましたが、
ぜひ真理さんには、歌手としてでなくていいので音楽界に復帰して、
恐らく今も持ち続けているであろう感性を発揮してもらいたいものです。

by ぽぽんた (2019-10-14 18:33) 

White Autumn

ぽぽんたさん、今週も大雨になりそうですがお変わりありませんか。
さて天地真理さんの話題、特にファンでもない私が首を突っ込むのはよろしくないのかもしれませんが、ここでの皆さんのお話や月刊平凡の元担当記者さんのブログ、ご本人が答えた100の質問などを読んでいくつか思うところがあり、お話差し上げてよろしいでしょうか。

石川ひとみさんが歌手を目指したきっかけは天地真理さんに憧れていたから…というエピソードはよく知られています。もう20年くらい前になりますが、あるテレビ番組でお二人が共演したことがありました。石川さんは皆さんご存知の通りの姿ですが、天地さんはその頃既に堂々とした巨体(失礼!)と顔つきで、「醜いおばちゃんになったわたし」を楽しんでいるかのようでした。石川さんは直接会うのも初めてだったそうで、大先輩を立てるという以前にただただ感激という面持ちでしたが、今思い返すと番組制作者は天地さんを後輩の石川さんの引き立て役にして、「年老いるということはこれほどみじめで滑稽で哀しいことだよ。」というメッセージを発したかったようにも感じられます。女性は若さが全て…と受け取られかねない演出はいかがなものだったでしょうか。

つい先日も、かつて派手な出で立ちで話題になっていた予備校講師が浪費癖を止められず、最後は衰弱した姿で亡くなったという話題が報道されましたが、「派手な人気があった人が転落する様を喜ぶ」習性は、もしかしたら人類の生存本能に関わっているのかも、とさえ思えます。

ほどなく天地さんはテレビ番組などにほとんど出なくなりました。たまに聞こえてくる話といえば、ファンの人が暮らしを支えてくれているとか、往年のヒット曲を再録音して、滅茶苦茶な歌唱で破壊しつくしたとか。今はもう声もほとんど出なくなり、ファンクラブの収入を事実上の個人年金としてご隠居さんになったものと解釈していました。それだけに「100の質問」にはびっくりしました。人気絶頂の頃も、下降していった頃も、自分の言葉でこれだけしっかり語る機会は得られなかったのではないでしょうか。

渡辺プロダクションの天地さんに対する姿勢の失敗の多くが石川ひとみさんにそのまま受け継がれてしまったことにも悲しみを覚えます。ヒット曲が出た後の選曲ミスとか、数年稼げばよいという態度とか。石川さんは本人もファンも望んでいない“セクシー路線”を繰り返し強要されていました。晋社長も若い頃はタレントを雑巾のように扱う人ではなかったと思うのです。そうでなければ一大プロダクションを築けるはずはありません。想像にすぎませんが、今では名前も記憶されていないところで、手塩にかけたタレントにあっさり辞められたとかの挫折が重なり、人間不信になっていったのでしょうか。小柳ルミ子さんは和風テイストがあり、若さで売れなくなったら演歌で生き残ることができるという判断も窺えます。すなわち、ザ・ピーナッツをはじめポップスのキラキラした魅力を長年発信してきた渡辺プロさえもが、「バタ臭い」ものに対する偏見から逃れられなかったことを示していると受け取りました。結果論ですが、天地さんこそ長期スパンで育てていく歌手だったと思います。小柳さんはひと頃話題を集めていた「若いパートナー」とも結局別れて、今やサッカー評論家ですものね。デーモン閣下も大相撲評論活動をしているのですから悪いとは言いませんが、「平尾先生が亡くなられたから歌いに来ました」的な姿勢では、天地さんのことをそう悪くは言えないと思います。

CBSソニーも音楽的なノウハウを生かせるようになったのは太田裕美さん以降で、天地さんは早すぎたのかもしれません。その一方で、音大附属高校でクラシックの勉強をしていた人に対して「歌が下手」という評価はありえません。
私は2002年発売の「ゴールデンベスト・コンプリートシングルコレクション」を持っていますが、小坂明子さんの「あなた」の歌唱に感動して、一時期は毎日のように聴いていました。岩崎宏美さんもスター誕生で歌った縁からカバーしていますが、さすがの岩崎さんでも及びません。このタイプの楽曲が天地さんの良さを最も引き出せると思います。

今回の記事を読んで、オリジナル曲であえて大ヒット曲は避けて「恋人たちの港」以降を聴きましたが、「想い出のセレナーデ」の出来が突出している以外は、正直印象が薄いです。ファンの皆さまごめんなさい。ご本人が大好きという「矢車草」や、松本筒美コンビの「レイン・ステイション」など佳作はありますが…楽曲制作のレベルがまだ追いついていなかったように思えます。

「100の質問」で印象的だった答えに、音大附属の先生から「マイクを使うのならば、音楽学校で学ぶ意味はありますか?」と言われたというエピソードがあります。もしかしたら天地さんの歌唱法はポップスで求められる「歌のうまさ」からはやや外れているのでしょうか。それならばなおのこと、アイドル路線まっしぐらは良い選択ではなかったと思えます。

岩崎宏美さんに着目していたということ、太田裕美さんとは今でも仲良くしていること、などのお話も初めて知りました。プロとしての目線を持っておいでなのですね。太田さんとの縁は白川隆三さんということで…1980年代前半の洗練されたサウンドに慣れている私から見ると、天地真理さんは「前の時代の典型的アイドル」で「あちら側の世界」の人という認識でしたが、「こちら側の世界」ときちんとつながっている。それは新鮮な発見でした。天地さんの声質や曲の好みから言って、80年代サウンドが似合うとはあまり思えませんが、それでも当時の新進で、今は高い評価を受けているミュージシャンと組ませてみてもよかったのかもしれません。萩田光雄さんや林哲司さんは既に関わっていたようですね。

天地真理さんにとって、一時期あまりに売れすぎたことは本当に良いことだったのだろうかと、改めて思います。先日ASKAさんが一方的に「脱退」を宣言してファンを驚かせましたが、デビューの頃からのファンとおぼしき人が「『SAY YES』が売れすぎたことが、かえって良くなかったのだろう。」と指摘していたことが印象に残りました。歌謡ポップス・ロックは売るために作られるものですが、売ることだけにとらわれてもかえって不幸を招いてしまうのかもしれません。人気に奢らず、若さで売れなくなった時点で周囲がしっかりサポートして(芸能プロダクションやメディアの論理から身を守るということなども含めて)いけば、今ごろはペギー葉山さんのようにピンとした歌声を定期的に届けられていたのかもしれません。
とりとめのないお話で失礼いたしました。
ぽぽんたさんお勧めの「あなたの故郷」聴いてみますね。

by White Autumn (2019-10-19 14:41) 

もとまろ

ぽぽんたさん、おはようございます。

福岡でも台風による強い風が吹き、その後朝晩すごく冷えてきましたが、昨日あたりから朝晩冷えなくなりました。いかがお過ごしでしょうか。

今回もとても勉強になりました。
「空いっぱいの幸せ」は、真理さんの歌でいちばん大好きな歌です。ただ、リアルタイムのシングル曲発表の流れから、22歳の真理さんには幼い浅い感じがして「失敗」に見えるのは分かるなぁと思います。
そこで「もの想う季節」「あなたの故郷」を聴くと、秋の風情をいっぱい感じられるのもそうですが、年相応というか等身大の真理さんが見えてきて、歌に深みが増してしっくりくるというか、聴いて嬉しい歌だなぁと思いました。
それと、冬発売ですが「夕陽のスケッチ」にも秋のイメージが浮かびます。

真理さんについては、バラエティー番組でのあの姿と酷評を平成時代にしっかり植え付けられているので、まだまだ世間の見る目はそう簡単に改まらないのかなと気になります。
今はようつべがあって若い人が70年代歌謡を手軽に聴けて好きになるようになったので、若い人が真理さんの歌を聴き、良さが広がりやすくなるようなきっかけが何かできたらいいなと思います。平成時代のあのスタイル抜きで、純粋に歌を聴いてもらえるといいなぁと願います。

最後に。
夏の歌ですが、「愛の渚」のイントロとアウトロは、私が幼稚園年長から小学生ぐらいまでの時期に、TNCの平日昼前の5分番組「北九州暮らしの情報」オープニングとエンディングに使われていました。
長期休暇か病欠の日に「いいとも」待機で見ていて、野菜果物お魚の市場価格、北九州のお知らせ、小学生の人権標語が主な内容でした。担当者との電話で紹介される市場価格のコーナーが子供心に楽しかったです。真理さんの歌として初めて聴いたとき、「北九州暮らしの情報」をすぐに思い出し、今でも番組の印象が強いです。
by もとまろ (2019-10-20 13:15) 

ぽぽんた

White Autumnさん、こんばんは! ここ千葉は昨日の予報と違って久しぶりに晴れ間が広がり、
一安心できた日曜でした。

私は、天地真理さん本人がどのような気持ちでテレビに登場したりしていたのか、に尽きると
思うんですね。
100の質問に対する返答を読んでいると、歌と音楽、そしてかつての芸能界での仕事についての
真摯な心が昔から全く変わらないように感じられて安心する一方、アイドル時代のイメージを
自ら壊していった事をどう考えているのだろうか、というよりそうしてしまった事を自覚して
いるのだろうか、と思ってしまいます。 それについてなのか、「今も後悔している仕事がある」
との返答もありますが、私には天地真理さんが仕事の誘いに深く考えずに応じてきてしまった
のではないか、と言う気がしてならないのです。
勿論、そうだとしても本人にしかわからない事情などもあった事でしょう。
しかしそのどれもが、往年のファンからすると裏切りに思えるようなものばかりで、
私も悲しい思いをしてきたファンの一人です。

プロダクションの方針等は、当事者でない限り何を語っても憶測に過ぎず、真実100%を
語る事など不可能ですから、私は今は考えないようにしています。
ただ私が望むのは、現在の姿でなくかつての活動を今も愛してやまないファンが大勢いる事、
そして天地真理さん本人がかつての活動に誇りを持っている事は間違いないので、
今できる事をやってほしい、と言う事です。
もし、かつてのような、あるいはそれに近い歌唱ができるのであればまた歌手活動をして
もらいたいし、それが無理ならば上でwidolさんへのお返事に書いたような、天地真理さん
本人にしか実行する権利がないような事をやってほしい、と思うんですね。
それを喜ぶファンは多いと思いますし、現在報道されているようなかつてのスターらしくない
生活も解消できるのでは、と思うんです。

天地真理さんにはとにかく、人に恵まれてほしい。 それは切実に思います。

by ぽぽんた (2019-10-20 18:37) 

ぽぽんた

もとまろさん、こんばんは! ここ千葉も先週は寒いほどの日が続きましたが、
今日の日中は晴れ間が広がって、日向では暑く感じられるほどでした(^^)

「空いっぱいの幸せ」がお好きなんですね。 そのような方がおられる事は承知の上で
記事を書きましたが、やはり好きと言うお気持ちをくじくような書き方になってしまって
ごめんなさい。 私も曲としては好きなんです。 ただこの曲を出すのなら、むしろ
前年の「虹をわたって」の次あたりだったら違和感が無かったような気がしていて…。

そう考えると、天地真理さんの場合はシングルよりもアルバムの方が実年齢に合う
ものだったのかな、と思います。
天地真理さんはデビュー直後からアルバムが売れるタイプの歌手だったので、
ひょっとしたらシングルは万人向け、アルバムはファン向けである事を常に
意識して制作されていたのだろうか…と今、ふと思いました。
レコードの価格やその購入層を考えれば当然と言えば当然ですが…。

天地真理さんの楽曲はどれもプロ中のプロが練りに練って作ったものばかりですから、
今の若い人達にアピールする力もきっと持っていると思います。
それに今の若い人だと天地真理さんの黒歴史時代もリアルタイムでは知らない
わけですから、いいものはいい!と純粋に受け入れてくれるかも、ですね(^^)

「愛の渚」については知りませんでしたが、ローカルな番組であまり知られて
いないような曲のイントロやアウトロがひょいと使われている事、時々ありますね。
今、例を挙げられないのがもどかしいのですが(年のせいか咄嗟に思い出せない(+_+))、
そういった選曲って知っている人からすると楽しいものですね。

by ぽぽんた (2019-10-20 18:58) 

もっふん

かなり迷いましたが意を決してコメントする事にしたもっふんです。

天地真理さんを題材にする以上仕方が無いことなのではありますが、

・アイドル天地真理
・歌手天地真理
・天地真理の残した楽曲

が同時並行で話題にされる上に、現在の生きざまが知られた事で

・人間天地真理

についても同時に語ると言うのは大変難儀な事だと思います。

個人的にはぽぽんたさんには上記のどれでもない

・楽器天地真理

と言う視点で分析して頂けたら面白かったのではないかと思いました。

楽曲のキーがバラバラであるとしたら、その中で使われている最高音と最低音は何で、どの音域が最も使われているのか、それが楽曲にどういう効果をもたらしているのか、などに着目すると、また違った発見があったかも知れません。

天地真理さんは基礎のしっかりしたファルセット歌手でしたので、高音限界付近の醸し出すある種の「色気」で聴かせる他の歌手とは一線を画していたと思います。以前にも書きましたが昭和の大役者である長谷川一夫曰く、演者が苦しい状態(舞台においては主に姿勢の話ですが)を見せる事が観客に色気を感じさせる、これは歌においても通じる部分があります。

真理さんの場合、例えば「水色の恋」であれば、通常の歌い手さんとは逆に最低音部でファルセットが破綻しないように緊張しながら音を置きに行っている部分などの方が、先に述べた「ある種の色気」要素となっているように、私は感じます。


なお、現在の彼女の生きざまについて皆さんが残念な思いをされている事も理解はできますが、公式発表にあった「甲状腺ナントカ」と言う病気がでっちあげである事や、真の病名を知っておられるのだとしたら、バラエティのネタにされようが小柳ルミ子さんにバカにされようが、それでもなお彼女が「笑っていられる」と言う事実こそが彼女が病気に勝った事の証であると思っています。

本屋に行けば「必ず治る」と題した本の目立つ病気ですが、発症した原因そのものが解消されない限り、「元に戻る」と言う意味では「絶対に治らない」病気です。あるのは自分の価値観や考え方を一度捨てて再構築した果てにある「寛解」だけです。それでも「治る」と言う事にしておかないと自殺者が出てしまう病気でもあるので医者も「治らない」とは言えないのです。

人は命を懸けた恋愛をする事があります。失恋は死を意味します。

自分の全てを賭けて描いた未来、夢、将来。そうしたものが水の泡となる事は今述べた「失恋」に当たります。自死を回避するには「全てを賭けたこれまで自分」を否定し、手に入らないものを諦め捨て去って、そこで新しい別の人生を描き直すしか無いのです。

私には今の彼女は「ある人」に利用されているだけで、ご本人は世間水準からすればどんなにみじめに見える生活であっても受け入れる覚悟で生きておられるように見えます。

中身が若い頃のまま、と言われましたが、私は彼女が好きな香水としてディオリッシモを挙げていた事に胸が苦しくなる思いをしました。昔からあるこの有名な香水は本当に若き乙女のイメージの香りであり、真理さんの現在の実年齢にはとてもではありませんがマッチしないのです。

私には「中身が若い頃のまま」と言う事は、真理さんが人生のうち40年と言う歳月を自らの手で捨て去ってしまったのだと感じられるのです。

ぽぽんたさんが言われているように、彼女に必要なのはポジティブに関わってくれる善き「人」であって、彼女自身にいろいろと求める事は、それは大変酷な事であると思います。
_
by もっふん (2019-10-25 03:40) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは!

具体的にどういった事を指してご自分の耳を「悪い」と仰っているのかがよくわかりませんが、
もしそれが物理的、生理的、さらには肉体的な事を指しているならば、
それは音楽に関するセンスや創造力などには関係ないですよね(^^;)

AD変換、DA変換については討議しようと思うとシャノンの定理まで遡らなければならず、
次いで折返しノイズやオーバーサンプリング等についてまで完璧に理解していなければならず、
かなり敷居の高いお話ですね。

内沼氏の著書は私も読んでいますが、氏は基準があくまでもアナログですから、
氏自身の感覚を満足させるのが384KHz・32bitと言う事で、そのような音源を聴いた事ないので
感覚的によくわからない世界ですが、恐らくそのスペックだとアナログ独特の空気感をも超える
「何か」を氏は感じるのでしょう。
ただそれが好みの問題なのか、音楽録音の現場で生の音を知っているが上の感覚なのか、
それはご本人しかわからないと思いますし、ちょっと次元が違いますがアナログ録音でも
明らかに特性のより良い30inch/secよりも、スペックでは落ちるが低域の音に厚みが出ると
言われる15inch/secのテープスピードの方を好む人もいるわけで、
ダイナミックレンジの問題も含め、良い・悪いよりも好みの問題と言う面の方が
大きい気がします。

その「タモリ倶楽部」の動画は、特にドラムスの処理を何パターンも聴かせてくれるのが
とても参考になりますね。
ミックスにおけるバランスやテープエコーなどについては、この本より以前に
サウンド&レコーディングマガジンの2017年12月号の特集「名匠の秘技」でも語られていたので、
すでに知っていた事でした。

もっと書きたいとは思うのですが、どうもまとまらないのでこれくらいにしておきます(^^;)
ただ、音楽を作るためには音作りも完璧にできなければならないと言う風潮を感じますが、
それはどうなのでしょう? 同じ人がいつも音楽自体も音作りもやっていたら、すごく世界が
狭くなる気がします(勿論プロについて、ですが)。
すぐにでも発売できそうな音源を作るよりも、曲の作り手としてアイディアを盛り込んだ
デモ音源を作るためにDAWを活用するのが、私は最も健全(?)ではと思っています。

by ぽぽんた (2019-10-27 18:41) 

もっふん

ぽぽんたさん、こんばんは。

私が自分で言う「耳が悪い」と言うのは、例えば「カレーは美味しい」と主張はするものの、それがCoCo壱番屋のカレーだろうが帝国ホテルだろうがレトルトだろうが「どれもカレー」で済ませてしまうと言うような事であって、音楽においては定位や音の立ち方は多少気にするものの、細かいイコライジングや圧縮については、並べて聴かされても優劣を付けられないどころか、往々にしてどこが違うのかすら分からない場合が多いと言う事です。

これは私の音楽活動が最底辺の環境で演奏するバンドが中心であった事と関係していて、白玉が欲しくても生弦は入れられませんからシンセで、器材の都合によってはあり合わせのオルガンであっても良しとするような雑な習慣が長年に渡って染みついてしまっているのです。

巧い下手を問わないで頂ければ私は一介の「ソングライター」ではあるかも知れません。が、どう逆立ちしてもコンポーザーではあり得ないと言えば分かって頂けるでしょうか。

内沼氏の書籍で角松敏生氏が「林哲司さんのデモテープがギターの弾き語りだった」と語られていますが、私の曲作りもそれと似たスタイルです。もちろん林先生はアレンジャーとしても素晴らしい能力をお持ちですが、残念ながらその部分は私には足りません。基本的に全て「単音メロ+グシャっとしたコード感」で捉えているので和音の構成音や転回形に関しても非常に無頓着です。

ただ、ぽぽんたさんが最後に書かれているように、一人で全てを完璧に仕上げようと考えなければ、メロディと歌詞だけでも他人に何かを伝える事は出来ると思いますし、それが良く出来ていれば「他の残念な部分」はその道に通じた人にお任せ出来るかも知れないとも思うので、拙いながらも創作は続けて行きたいと思っています。

「この楽器には何msのディレイをかますと良い」みたいな話は、私にとっては出されたワインの産地を当てるような答えを出せない作業ですし、それを専門にされている方とは最初から勝負になりませんものね。

良い楽曲であれば、それはピアノやギター1本で弾き語っても良い楽曲たりうるのだと信じていなければやっていられないと言う話でもあります(苦笑
_
by もっふん (2019-11-04 23:56) 

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