SSブログ

随想 宅録・エコーの悩み 新曲つき

久しぶりに随想です。
70年代ヒット曲とは直接関係のない内容ですが、良かったらお目通しをm(_ _)m

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

私が今で言う宅録を始めたのは1973年です。 以前にもこのブログに書いたと思いますが、
4トラック2チャンネルのテレコでサウンド・オン・サウンド、でした。
エコーやリバーブなんて高級な効果、基本的に付けられません(>_<)
でもそれなりに楽しいものでしたし、今聴くと子供ながらによくやっていたな、と思います(^^)
その頃に作った中の一つがこの、ギター1本、リコーダー4本分のこの曲です。

*この音にはエコー(リバーブ)が掛かっていますが、これはずっと後でなって
 付け加えたものです。 子供時代で拙い演奏ですがご容赦をm(_ _)m


1980年、初めてヤマハのモノフォニック・シンセサイザーCS-30を買いました。
18万円…今思うとえらく高い買い物でした(^^;)
その時に一緒に買ったのが、人生初めてのリバーブ、ローランドRV-100でした。
当時、アマチュアが入手できるリバーブはスプリング式、その一択だったんです。
スプリング式とは、20cmくらいの細長い金属製のケースに直径6ミリくらいのバネを
3本くらい張って、片側からドライバーで音声信号を入れてバネにねじれ振動を起こし、
それを反対側のピックアップで拾って増幅させる仕組みになっていて、
一応それなりの残響音が得られるんです。
大昔のステレオセットに、それが組み込んであってレコードやラジオの音声に好きなように
リバーブがかけられるものがあり、一時期かなり流行したそうですし、
今もギターアンプには組み込まれているようです。
RV-100.jpg
私が買ったRV-100には、リバーブ音自体はモノでありながら、それを左右に分岐して
片側の位相を逆にするスイッチが付いていました。
リバーブ音はそれ自体、位相がめちゃくちゃになった音なので、そのスイッチを入れると
リバーブ音がワッと左右に広がったように聞こえるんです。

音はそれなりに「あ、残響だね」と言った感じでまあまあなのですが、欠点も多かった。
まず、残響時間の調整ができない。
リバーブの音域がメッチャ狭くて、ちゃんとした残響が得られるのは、
人間の声のあたりの中音からピッコロくらいの高音にかけて、でした。
もう一つ、重大な欠点があって、特定の周波数で共鳴を起こし、その周波数あたりの音が
増大・持続して楽音を邪魔する事、なんです。
物には何でも固有の共鳴周波数があると言われているので、例えばスタジオで使われるような
高級な鉄板リバーブでも必ずそのような現象は起きるはずで、それは何らかの調整でカバー
していると思うのですが、私が持っていたのは2万円ほどの民生機ですから、
そんな対策などされているはずもなく… これは結構、悩みました。
それが音に出ちゃっている例をお聴かせしましょう:

ハウリングのようにウォーンと鳴り続ける音がありますよね。それが共鳴です。


さて、1987年。 ついに私にもマルチトラックの波が来ました(^^)
タスカムのPorta Twoなるカセットのマルチトラックレコーダーを買ったんです。
Porta Two.jpg
たった4トラックですが、それまではステレオ仕様のカセットデッキ2台でのピンポン録音
(上記のサウンド・オン・サウンドの発展形、と思って下さい)でしたから、
同じテープの中で4つのトラックを好きなように使える嬉しさと言ったら…

で、そのレコーダーと一緒に買ったのが、人生初のデジタル・リバーブ、
VestafireのRVD-901でした。
本当はBOSSのデジリバRRV-10を買いたかったのですが、お店(御茶ノ水のクロサワ楽器です)
で「BOSSのは音が良くないから、絶対こっちがいいよ」と薦められたのがRVD-901でした。
それは大正解だったみたいです(^^) あの時の店員さん、ありがとう!
RVD-901.jpg
いやー、びっくらこいた。
本当に、レコードに入っているようなリバーブ音が出てくる!
私は長年、とにかく高音域、例えばドラムスのハイハットやボーカルのサ行の音、
ストリングスなどにきれいにかかって音が伸びるリバーブが心からの憧れだったのですが、
それが叶ってしまったんですね。
ちなみにお値段は、レコーダーが10万円、リバーブが4万円くらいだったと記憶してます。
今からすると、やはり高いですよね。 でも当時は「安い!」と思ってました。

嬉しくてまず作ったのがコレでした。演奏がやや乱暴なのはご容赦下さいm(_ _)m:


そして、今。

今ではプロもアマチュアもDAW(Digital Audio Workstation)を使っていますね。
プロの間ではPro Toolsが標準ですし、アマチュアだとLOGIC PROかCUBASE、かな。
使えるトラック数は理論上制限がなく、使用するPCの性能次第でいくつもエフェクターや
音源をプラグインなるソフトで追加でき(無料のものもあります)…と言った感じで、
実質、何の制約もない、それがアマチュアでもそう無理のない価格で実現できる、
そんな時代になりました。

で、エコー(今日のお話は、リバーブ。業界の人もごっちゃに使ってる事が多いようです)。
プラグインには、IRと呼ばれるリバーブがあって、それは本物のコンサートホールや
鉄板リバーブなどの残響音の密度や周波数特性、音の減衰時間等を調べてデータ化し、
それを元にリバーブを生成(シミュレート)するもので、DAW上で〇〇ホールと同じ響きを使う、
なんて事ができる、と言うよりそれが普通になっています。

スプリング・リバーブしか選択肢がなかった時代から生きている一人としては、
IRのような技術は実に素晴らしいと思いますし、それを利用して得られる音も、
本当に凄い!と思います。 

いつもならばここで「でも、やっぱり昔、苦労した時代が懐かしいし、云々」と書くところ
なのですが、私自身もLOGIC PROの利用者であり、現在のシステムのありがたさが身にしみてるので、
素直にそういった技術の進歩に感謝しています。

ただ、例えば事務的な仕事などでもEXCELやWORDがあるばかりに、
その気になればいくらでも効率化できるように、
音楽作りに関しても、現在は制作の為の技術的・物理的な制約がほぼ無いに等しいので、
それがどこか息苦しい、気づくと常に効率が優先されてる…となる側面はあると思うんですね。
事務的な仕事や音楽作りに限らず、時間を掛けて一所懸命考えていた事も、
ふと「あれ。こんなのこのソフトを使えばできるじゃん」と気づく事、多くないですか? 
私は、よくあります。

でも発想を変えると、今後は技術的・物理的なしがらみから解放されて、
音楽自体の質が問われる時代になってきた、と言う事かも知れませんね。
つまり、昔は大した曲でないのにサウンドが新鮮だったから売れた…ものもあったが、
現代ではどんな音でも作れるからその分、音楽自体に魅力がなければ売れない。
ちょっと偏狭な見方とは思いますが、必ずしも当たらずとも遠からず…とは思います。

最後に、良かったら私の最新曲を聴いてみて下さい。
まだまだ色々と至らない点がありますがご容赦をm(_ _)m

「アンダルシアの朝焼け」by Poponta


最後まで読んで下さって、ありがとうございました。
次回は平常運転に戻りますので、またぜひおいで下さい(^^)/

nice!(1)  コメント(10) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 10

tucson

こんにちは。

めずらしいですね~、タスカムのPorta Twoですか? 

私も買いましたよ。カセットテープのため、ピンポン録音すると「シャーッ」とヒスノイズが増えて困りました。

アマチュアバンドを始める前ですから、1988年ごろですか楽器屋さんで聞いたヤマハのドラムマシーンRX7が、数曲分デジタル録音(ベース音つきで)できることにビックリして衝動買いしてしまいました。
確かRX7にはプレートリバーブのようなドラム系のリバーブを備えていて、当時聞く音楽のドラムの音にごく近い音でびっくりしました。

DTMの楽しみ方などHow to本にも乗せられて、ヤマハシンセサイザーV2、8チャンネルのアナログミキサー、それにPorta Twoとだんだん揃えていきました。楽器屋さんのいい「カモ」だったんでしょうね~。(笑)

リバーブはヤマハのEMP100を使っていたと思いますが、記憶が不鮮明なところをみると全く使いこなせていなかったみたいです。

ちなみに私の場合は、記憶違いもあるかもしれませんがRX7でリズムとベースを作り、それをPorta Twoに入れ、再生しながらリズムギター(手弾き)とシンセ(手弾き)を順番に入れ、それをピンポンして空きトラックを作り、最後にリードギター(手弾き)と歌(下手な自前)。

ドラムとベースは真ん中に定位したいので2トラック使ったような・・・

無謀にも(笑)コーラスも入れたりしたのでトラックが足りませんでした。


リバーブというと(私事ばかりで申し訳ないですが)
ハコバンの頃ですから1975年ごろですか、当時はPA機器が確立さていなくてキャバレーなどでの音はボーカルアンプ(6~8CH)と呼んでいたものを使っていました。
ついでに書くと、モニタースピーカーがないのでスピーカーを4本つないで2本はステージ外向け、2本は内向け(モニター代わり)にしていました。

付随のリバーブは使い物にならないので、エコーマシン(Ace Tone製 現在のローランドの前身)を使っていました。ご存知かもしれませんがエコーマシンは、録音ヘッド1つ数cmずつ離れたところに再生ヘッドが3~4つ。その中を、直径1m位のエンドレス磁気テープが回っています。生音と録音した音を少しずつ遅れて再生するので、エコーになります。

本当のエコーマシンですね(笑)。故障の時はノンリバーブになるので大変でした。

現在はDAWがほとんどで宅録もサンプリングも簡単に、トラックも際限なく使えて素晴らしい時代になったと思います。DAWについては全く分かりませんが。ぽぽんたさんが言われるように、音楽の質が問われる時代になったかもしれませんね。

誰でも簡単に素晴らしいサウンドが作れる時代だからこそでしょうか。


ポール・モーリア「涙のトッカータ」
楽曲の出来栄え、素晴らしいですね~。楽器(ピアノ)専門の方が作るとこうなるかと感心させられます。ストリングスのリバーブが特に良いですね~。

エンディングでritがかかっているようですが、打込みでritがかけられるのでしょうか?

アンダルシアの夜明け
転調がたくさんあるようで難しそうな曲ですね。
何故だかわかりませんが“過ぎ去った”“生~まれた”のメロディが出てきたとき「ワーッ」と思い、聞き直しました。

私には、ホーンセクションのオブリガートがよかったです。
「ダンシング・オールナイト」を思い出しました。

長々とすみませんでした。
これからも楽しい音楽のお話を楽しみにしています。


by tucson (2019-07-22 13:42) 

ぽぽんた

tucsonさん、こんばんは!

Porta Two、お持ちだったんですね(^^) 4トラックしかないのでピンポンは必須なのですが、
私が困った事のは、何度もテープを走らせているうちにテープ自体がヨレヨレに
なって音が揺れだす事でした。
曲を作る時は、演奏がノーミスであっても20回前後、実際にはミスしますから30回以上、
テープは走行と巻き戻しを繰り返す事になるので、カセットのような薄いテープは当然
伸びてきて不安定になりますよね(^^;)

ドラムマシンが普及し始めたのもちょうど同じ頃、でしたね。 RX7は、当時同じ会社で
バンドをしていた仲間が持っていたので借りた事がありました。
音はとても良かったですね!ただ使い方が難しくて、1曲分のプログラミングもできずに
返してしまいました(^^;)

4トラックだと、入れたい音が4つ以上の場合はまずどの音をどういう順番で、と緻密に
決めてから実行する必要があるんですよね。 最初の頃に入れた音だけを消す、なんて芸当は
できませんし、ピンポン時に決めたバランスも後からは変えられませんし…。
DAWだと最初からトラック数が決まっているのではなくて、必要があれば何も考えず、個別に
どんどん入れていけますし、トラックの順番も後から自由に変えられるので、録音は楽です。
その分、ミックスダウンが大変だったりしますが…。
ぜひ、tucsonさんにもDAW、使って頂きたいです。 本当に楽しめると思います(^^)

70年代当時の貴重なお話、ありがとうございます! そのようなリアルなお話、
本当に興味があります。
業務用だと、やはりヤマハのミキサーアンプでしょうか。 もしスピーカー端子が1組だった
とすると、そこに2組つなぐと十分な音量が出ない可能性もありますが大丈夫でしたか?

エーストーンはエコーマシンもあったのですね!知りませんでした。
シンセサイザーだけは見た事があったのですが…。
テープのエコーマシンは、今でも憧れている機器の一つです。 再生ヘッドが数個あって
それぞれの音をミックスできると思うのですが、実際どんな音になるか、やってみたい…
ともう、何十年考えている事か(^^;)

記事中の音源についてもコメントして下さってありがとうございます。
「涙のトッカータ」は耳コピならぬ記憶コピで、頭にあった音を絞り出して作ったので、
記憶違いだったのか、キーがオリジナルより半音高かったりします。
この録音はやはり、デジリバの音を目立たせたい一心だった気がします。
ちなみにストリングス音は、ヤマハCS-30で作りました。
ドラムマシンはやはり当時買ったばかりのローランドDR-220Aで、リタルダンドは
手動でテンポ調整ボタンをトントントン…と叩いてそれらしく演出したんです(^^)

「アンダルシア…」は、そのご指摘の部分で半音下げ、間奏で元に戻して…と転調してます。
最近ブラス関係を勉強していて、そう言えば70年代の洋楽ってボーカルとホーンの掛け合い
のような曲があったよな…と思い出して試してみたんです。
プロの方、しかも箱バンでホーンをよくご存知の方に褒めて頂けて、本当に光栄です。
あ、ちなみに私も中学生の頃、ブラスバンドに在籍していました(^^)

こちらこそ、良かったら今後も色々と教えて下さい!

by ぽぽんた (2019-07-22 23:24) 

tucson

早速の返信ありがとうございます。

ステージで使うアンプ、初期はエーストーンのボーカルアンプという名称で後半になってヤマハのミキサーアンプを使っていました。
スピーカーの件はおっしゃる通りです。
そこで片側2本ずつは、直列につなぐと出力が落ちるので並列につなぎ、スピーカーの抵抗を下げて対応していた・・・と思います。

ヤマハのアンプを使い始めたころ、今までのボーカルアンプと違いミキサー部にプリアンプ、スピーカー部にパワーアンプが組み込まれており出力が大きく上がり、操作性良くなり、ハウリングもしにくいなど、多くが改善されてメンバー全員喜んだものでした。

エコーマシンは時々故障するので、ヘッドの掃除などのメンテナンスが欠かせない代物でしたよ。ヘッド毎に出力しているわけですから、ぽぽんたさんの言われるように、それぞれを独自にいろいろ加工できるような気がします。当時は考えもしませんでしたが。

「涙のトッカータ」エンディングのrit(リタルダンド)・・・凝っていますね~(笑)
手動でテンポ調整をしますか??なんと素晴らしい。
フェードアウトは宅録の十八番で、これをチョイスするならなるほどと思いますがritを思いつくことがすごいです。

「アンダルシアの朝焼け」で“過ぎ去った”の部分は思わずコードを間違えたのかと思いました。半音下げてあるんですね。コード進行上問題はありませんか?


ハコバンの経験あるプロ・・・とんでもありません。(ハシクレではありましたが)はやりのムード歌謡コーラスバンドの一員であっただけです。

ぽぽんたさんは中学の時ブラバンに在籍されていたとか。ブラバン
経験者は譜面に強いです。憧れでした(バンド仲間にも多かった)。
話はそれますが一流のプロミュージシャンの大切なところは譜面、それも初見への対応力。当時はこれが一番でした。私はスキルも含めて挫折しました。今は譜面が読めないプロミュージシャンもいるそうです。ちょっと信じられませんが。

ぽぽんたさんの記事や返信内容をみて感じるのは、音楽ヘの強い思い入れです。それに一つの楽曲に対して、歌詞、メロディ・和音・リズム・構成している音色などを、細部にわたって掘り下げようとする真摯な感じです。ご本人の性格もあるのでしょうが、私はそもそも自分に甘い、いい加減なところが多くあるのでうらやましくもあり、見習いたいと思っています。


by tucson (2019-07-23 20:39) 

ぽぽんた

tucsonさん、こんばんは!

やはりライブにおいては、アンプやスピーカーの性能は演奏をより良くするために重要な
ものなのですね。 私も催し物でのライブ演奏は経験があるのですが、その時にはモニター
スピーカーは無くて出音しか聴けず、バランス的に自分が演奏するキーボードの音が
よく聴き取れず、とてもやりにくかったのを思い出しました。

エコーマシンはテープレコーダとほぼ同じですから、メンテナンスをしないとどんどん音が
劣化しそうですね(^^;) 70年代は歌謡曲でも、特にボーカルによくフィードバックエコーが
使われている曲があって、私はずっと、あれはそのようなエンドレステープを使った
エコーマシンで作っている効果なのだろうと思っていたのですが、実際にはアンペックスの
AG-440などマスター用デッキでやっていたそうで、レコーディングのアシスタントは
そのデッキのテープの残量を常にチェックする必要があったそうです。
DAWのプラグインにもテープエコーを模したものがあって、私が使っているプラグインには
テープ走行の不安定さをシミュレートする機能まで付いてるんです(デジタルでアナログの
欠点を模するなんて本末転倒にも思えますが(^^;))。 それを実際に使ってみると、
まさに70年代のエコーなんですよ! tucsonさんにも、ぜひ使ってみて頂きたいです。

アレンジャーの萩田光雄さんが、レコーディングの時にドンカマのテンポつまみを調整して
いたと何年か前に話題になったのですが、リタルダンドだけは私の方が早く実行してた…
かも知れません(^^) DAWだとオートメーションで曲中にテンポを揺らすのも、勿論
リタルダンドも自在にできてしまうので、今の時代だと手動はあまり自慢できませんね(^^;)

「アンダルシア…」の転調部分、コードを間違えたように聞こえておられたとすると、実は
私の意図はかなり成功です! と言うのは、曲中で半音上がる転調はいくつも例がありますが、
半音下げる例は滅多にないんです。 あの曲の場合、実はそれを狙ったのではなくて、
ピアノでダーッと弾いていた時にふと手がそのように動いて「あ、ちょっと面白いかも」
と思って採り入れたのですが、仰るように最初は違和感があるんですよね。 しかし何度か
聴いて頂くと次第に自然に聞こえてくると思うんです。 …とは作り手の贔屓目ですが(^^;)、
表現手段の一つとして認められると嬉しいな、と思います。

私は譜面は読むより書く方が得意です(^^) 単音の譜面ならば初見でもどうにかついていける
事が多いのですが、ピアノの2段楽譜はとっても難しいです(^^;) クラシックでは仕方ない
のですが、ポピュラー音楽ならばコード進行だけ指定してもらってあとは自由に弾かせて
もらえる方がのびのびできます。
昔はプロならば初見である程度演奏、あるいは歌える事は必須だったようですね。
そのあたりも含め、tucsonさんに当時の様子をお伺いしたい気持ちでいっぱいです。

そして…過分なお褒めを頂き恐縮です。 音楽は聴くだけでなく、自分も作る側として
向き合っていると、聴き慣れた曲でも毎回のように発見があったりするんですよね。
その嬉しさを皆さんにお伝えしたいといつも考えているのですが、文才が足りず歯がゆく
なる事ばかりです。 しかしそのように言って頂けると、少しは私の意識も伝わって
いるのかな、と嬉しくなります。 ありがとうございます!
見習うなんて、私には勿体無いお言葉です。こちらこそ、今後もご教授をお願い致します。

by ぽぽんた (2019-07-24 21:49) 

もっふん

ぽぽんたさん、tucsonさん、こんにちは。


懐かしいですね。私は Porta Two やその一つ前の Porta One まで待てなくて 144 Portastudio を買いました。それまで MTR と言えばオープンリールしか無くて 8tr のものが30万円台後半でも「安くなった」と言われていた時代でしたので自分で買う事など考えもしなかったのですが、1979年に 144 が定価17万5千円で発売されたのはかなり衝撃的な「事件」でした。

記憶があやふやですがたぶん半年くらいバイトして15万を切る価格で購入したと思います。ぽぽんたさんのように音を作り込む事も考えず、自作曲の雰囲気をバンド仲間に伝えるためのデモテープ作り専用機としてはエラく高い買い物ではありましたが、他に選択肢が無かったんですね。

まあ、自分はボーカル担当だったのでギターやらキーボードやらの器材に余り投資しなくても良い立場であった事も一つにはあるのですが。

Roland の TR-606 でリズム Tr を作って下手くそなベースとギターを自前で入れて、白玉系はカシオトーンで済ませたものに仮歌乗せて、と、そんな感じでした。

学生バンドの檜舞台は文化祭で、本当に上手いバンドには PA のしっかりした屋外ステージなどで演奏する機会もありましたが、私たちは基本的に普通の教室を使うしかありませんでしたからモニタスピーカーやリバーブには縁がありませんでした。

狭い教室で生ドラムを叩くだけでもこれは結構な音量で、それに合わせて他の楽器の音量を決めて行くと、ボーカルは常にハウリングすれすれ、それでもうっかりすると周囲に負けると言うレベルでしたので、スプリングやプレートのリバーブはちょいとでも掛けるとハウリングを起こすので掛けて貰えないと言う、いやはや、なんて言うか今から思うと最底辺の環境で演っていた事になります。

当時は DSP そのものが出始めの時期で、デジタルリバーブは YAMAHA の REVシリーズ(確か一番安いものでも 20万円以上)くらいしか無くて、とても学生が買う物ではありませんでした。

別の学校の友人のバンドが講堂のステージに立つと言うので聴きに行った事がありまして、カルメンマキ&oz の「私は風」にスケール感のある絢爛豪華なリバーブを掛けて歌っているボーカルさんには嫉妬すら感じました(笑)。そのボーカルさんは別の曲の間奏では自前で買ったと言う Minimoog を弾いちゃうような方だったのですが、その頃から私は「良い音の半分はカネで買える」と思い始めたかも知れません(爆)。

社会人になって何年も経った1988年に、会社で参加していたバンドの先輩が
YAMAHA SPX-900 を購入して、そこで初めて自分のボーカルにリバーブを乗せて貰えるようになりましたが、その時は嬉しかったですねえ。


「アンダルシアの朝焼け」は、舞台がヨーロッパとは言えラテン圏に属するスペインである事とぽぽんたさんの朴訥とした歌い方とあいまって、ちょっと寺尾聡さんを思い出してしまいました。サウンドは全然違うんですけどね。多くの人はアンダルシアと聞くと THE BLUE HEARTS のギタリスト真島昌利さんのソロデビュー曲であり、近藤真彦、山崎まさよしと言った人々にカバーされた「アンダルシアに憧れて」を思い出されるかも知れません。

半音下げは演奏のテンションを下げる系の転調なので曲調を選びますが、緊張感のコントロールに関して非常に上手に処理されていると思いました。最近(と言っても3年前の曲になりますが)聴いた中では、欅坂46 の「世界には愛しかない」が、やはりサビで半音下がる転調をしていました。この曲では逆に「コードを間違えた」と思わせないためにブリッジ部分に工夫がされています。Aメロでは完全に歌う事を放棄していると言う、ある意味で「問題作」なのですが、この曲に限らず欅坂は本家の AKB に比べて「攻めている」楽曲が多いですね。

しかし、これまで何曲かぽぽんたさんのボーカル曲を聴かせて頂きましたが、ギターやベースと違ってボーカルはライン録り出来ないので、どういう環境で録音されているのか非常に興味があります。近隣騒音的(周囲には歌が騒音であり、録ってる側には周囲の生活音が雑音になるわけです)な問題にはどう対処されているのでしょうか。


さて、最後になりますが、実は秋風が吹く頃には私も Logic 使いの一人になろうかと画策しています。決まってもいないあやふやな事を言うのはも良くないのですが、どこかで言わないと本当にあやふやなまま何事も起きずに終わってしまいそうなので、あくまで「計画がある」と言う事をここで書かせて貰ってしまいます。

野望達成の暁にはぽぽんたさんにも色々と教えて頂ければ幸いです。

書いちゃって言うのもなんですが、どうなります事やら(笑)。
_
by もっふん (2019-07-31 13:00) 

卓

こんばんは!

小学生当時、実家には6畳の玄関がありました。(父親が商売するつもりだった?)ここで歌うと、程よくリバーブ(?)がかかり、森山良子さんの「禁じられた恋」のAメロのような効果に喜んだものです。まだ「エコー」と「リバーブ」の差も分らず、レコードの歌は上手く聴こえるのに、テレビの生歌唱はどうして「下手」に聴こえてしまうのか理解できずにいました。

録音機材がデジタル化され録音技術も格段に進歩しましたが、それに反して良い楽曲が生まれるのが少なくなった気がします。

お目汚し書込で、失礼しました。

by (2019-07-31 22:21) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんにちは! いつもお返事が遅れてばかりで申し訳ありません。

Porta Twoを買った時、まだPorta Oneも現役だったのですが、Porta Twoはアンプが
2チャンネル分多くて汎用性が高いのが気に入って買いました。 
高い買い物でしたが、正解だったと思います(^^)
144が出た時は凄い騒ぎでしたね。 私はその次に出た244が欲しいと思った事もありましたが、
正価で約15万円でしたから、とても手が届きませんでした。
144と244はテープ速度が倍速でしたが、Porta OneとTwoは標準速度(4.8cm/s)でしたので、
テープのノイズは機器内蔵のdbxでどうにか抑えられたものの、テープ自体の劣化はすぐに音に
表れて困ったものです。
しかし一般用のカセットデッキと違って、録音時にテープ速度を連続的に変えたり、
EQを自由に効かせられたり、またエフェクトのセンド・リターンも装備されていて、
それまでできなかった事がすべて出来るようになり、実に楽しかったんですね。
今もPorta Twoは手元に実機、取説、カタログとすべて揃っていますが、テープのメカが
動かなくなって(この機器はケースを開けるのがとんでもなく難しいので直せずにいます)、
またご存知のように音楽制作はDAWに移っていますので、恐らくもう使う機会はないでしょう。
しかしその取説がとても丁寧に作られていて、多重録音初心者向けに手取り足取りと言った
具合の解説が豊富に記述され、取説好きの私にとってはそれだけでもお宝です(^^)

ローランドのリズムマシンにも憧れました。 606をお持ちだったんですか?
808はちょっと高すぎ&大きすぎと言う感じでしたが、606はいつかは…と思っていました。
パーツごとにボリュームがあるのも良かったですね。 音はいかにも電子的に作りました、
と言った感じですが、それがいいんです(^^)

私がデジリバを買った頃は価格がだいぶこなれていたんですね。 4~5万円も出せば、
実用に耐える機器が買えました。
真剣に鉄板でリバーブを作ろうとしていた私にとって(無謀でしたね)、デジリバの出音は
理想的なものでした。

しかし楽器はまだまだ高い時代でしたので、「良い音の半分はカネで買える」と言う感覚、
私にはわかります。 最初に買ったシンセCS-30は18万円で、それでも当時はCPが高い!
と言われていたのですが、貨幣価値も考慮すると、何と高い買い物だったのだ!と思いますし、
今はCS-30でなくKORGのMS-20を買っておけば良かった、と後悔してます(当時も随分迷った
のですが、基本キーボード弾きの私には少しでも鍵盤が多い方が魅力的だったんです)。

「アンダルシア…」は例によって友人に作詞を頼んだのですが、最初私はアンダルシアって
聞いた事はあるけどどこだっけ?と思いました(^^;)
半音下げる転調はわざとそうしたのではなくて、その手前でsus4→メジャーのトニックに
なっていますよね。 その内声Eを次の展開に引っ張ってみようと思ってピアノを弾いていて、
不意にBm7に手が動いていたんです。 その時、Bm7からするとEはテンションなのに、何だか
収まりがいいな、と思ったんですね。 後は流れるまま…と言った感じで素直に書いていった
のがあの結果でした。 良い悪いは判断できないのですが、一つの手としてはありかな、
と思いました。

歌録りは、部屋を締め切って(勿論サッシも)やってます(^^) そうすると外部からの音は
殆ど入って来ないのですが、逆にこちらの声がどれくら外に洩れているかは大いに
気になります。 ヘッドホンでオケを聞きながら声を出すと、きっと自分で思っている以上の
大声になっているはずですし、ある程度の声を出さないと音程も安定しないので、
時間帯は仕事が休みの日の昼間に、気合を入れて(恥ずかしくない!と自己暗示をかけて)
歌っています(^^)
同じ曲を10回以上歌っているので、もし外で誰かが聞いていたら変に思うでしょうねぇ(^^;)

お!もっふんさんもついにLogic使いですか! このソフトは本当に奥が深くて、私もまだまだ
使いこなせてないのですが、その分、この先何年も飽きずに使えると思っています。
もっふんさんがLogic導入の暁には、ぜひ、その情報も交換しましょう!

by ぽぽんた (2019-08-08 10:08) 

ぽぽんた

卓さん、こんにちは! お返事が大変遅くなり、申し訳ありません。

6畳もの玄関ですか! 私は30歳手前まで木造で2Kの都営住宅にいましたので、
そのようなお家とは全く無縁でした(友人宅ならば見た事がありましたが)。
それはともかく、声に響きが加わる感覚って気持ちいいですよね。
よく風呂場では…との話はありますが、私が「ここはいい」と思ったのは学校の階段、かな。
そこで歌うわけにはいきませんが、自分の話し声がいい感じに聞こえる…と思っていました。

今の時代の音楽は、作り込み過ぎて「心」が感じられないのが一つの原因ではないでしょうか。
コンペに出すデモも、細部まで作り込まれていないと聴いてもらえないようです。
実際、そういったデモにちょっと手を加えただけでリリースされる場合もあるようですが、
私は「それは何だか、違うんじゃないか」と感じてしまいます。
いつかそのような状況が飽和して、以前のように戻るかも知れませんね。
その時にはまた、我々が楽しめる音楽が多く登場するようになるかも知れません(^^)

by ぽぽんた (2019-08-08 10:21) 

もっふん


|・)

|ω・)ノ

|ω・) < ポチっちゃいました

|・)

|)ノ

_
by もっふん (2019-09-20 23:25) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは! お返事がまた大変遅れて申し訳ありません。

ついにお仲間ですね(^^)

ご質問などありましたらいつでもどうぞ(^^)

でもエクスパート、結構多いからなぁ(^^;)

作品、期待してます!

by ぽぽんた (2019-09-26 23:22) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。