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君が美しすぎて / 野口五郎

久しぶりにゴロさんを:

君が美しすぎてジャケ.jpg

超初期の野口五郎さんのシングル曲は、本人の外見のイメージを誇張するようなナイーブで、
内気で引っ込み思案、さらに言えば臆病とも思える表現がされた歌詞が多いんですね。
和田アキ子さんと大石吾朗さんが司会で草刈正雄さんがマスコットボーイだった歌番組、
「サンデー・ヒットパレード」に野口五郎さんもよく出演していたので、新曲は毎回、
わりとすぐに聴いて覚えていました。
そんな当時、小学5年生だった私が子供心に変なショックを受けたのが「悲しみの日曜日」で、
「暗い部屋に閉じ込められた二人」が映画のシーンのように思い浮かんで、
何だか子供が想像してはいけない場面のような気がしていたものです。

「君が美しすぎて」も、歌詞についてはそれまでの作品と同じ路線であると思うのですが、
歌メロ優先の歌謡曲から離れてリズムを前面に出し、歌を楽器の一つとして扱ったような
サウンドが作り上げられています。

そしてリズムが3連、それもシャッフルではなくドドド・ドドド・ドドド…と重く重く
刻まれるタイプ(ロックなのかブルースなのか判然としませんが)で、
それも従来の歌謡曲、特にアイドル系の楽曲にはあまり例のないものです。

それが成功して洋楽志向の若者にも受け入れられたのか、1973年7月に発売されたこの作品は
オリコンシングルチャートで3位まで上昇、30万枚の売り上げを記録して、
野口五郎さんにとってそれまでで最大のヒットとなりました。

しかし意外な事に、この曲は作曲・編曲が馬飼野俊一氏なんですね。
馬飼野兄弟は、兄の俊一氏がもろ歌謡曲路線、弟の康二氏が洋楽サウンド志向…
と言ったイメージがあるのですが(それは恐らく私だけではないと思います)、
必ずしもそうでもなかったか…と再認識しているところです(^^;)

あ、思い出した。 馬飼野俊一氏は3連については「笑って許して」(和田アキ子)で
成功してますね(そちらはシャッフルで、ジャズかブルースに近いですが)。


♪美しすぎて…♪ と早口のように始まるのでアップテンポと思いきや、
実際は70bpm前後(1分間に4分音符が70個くらい入る速さ、と言う意味です)と、
ポップス歌謡の中ではかなりスローテンポな曲です。
その♪美しすぎて♪ は、8分音符で構成された3連符を2つずつ分割した、
表現を変えると1拍6連符となっているので、早口に聞こえるのです。

歌メロは全体に抑揚が激しく、コードの構成音をそのままメロディーにしたような部分が
多いので音を外すともろにバレてしまう、技術的に難易度の高いものです。

野口五郎さんは変声期前に歌手になろうとしていたほどですので、
高音域にはかなりこだわりがあるのでは、と思うんです。
この「君が美しすぎて」では、転調して半音上がったハーフでハイAまで出していますが、
かつてはその音程は沢田研二さんが「君をのせて」で出していたくらいで、
和洋問わずポップスの男性歌手は殆ど出さなかった(出せなかった?)音なんです。
私はその事が学生時代から気になっていて、勝手に「ハイAの壁」と呼んでいます
(現代ではハイCあたりまで出して性別不明になっているボーカルもよく耳にしますが)。

♪ぼ・くの こ・ころを♪♪き・みを ふ・こうに♪ と、完全にリズムに合わせた
印象的な譜割りとなっていますが、日本語としてのアクセントは全く無視で…
と言うよりも、わざとそうする事でインパクトをつける狙いもあったのでしょう。


オケの編成は大きくはなく、ホーンセクション、ストリングスセクション、ドラムス、
ベース、サイドギター、ソロギター、ピアノ、タンバリン、そして女性コーラスと、
全くオーソドックスと言って良いものです。

この曲はロンドンでの録音との事で、そのためなのか、全体を調和させる方向ではなく、
各楽器にそれぞれ主張させ、それをミックスの技術でまとめる作りに感じられます。
ただ、歌謡曲と言う事でストリングスに重きを置いている事は確かで、
その低音域と高音域で入れ替わりでピチカートさせたり、チェロを歌に絡めさせたりと、
それまでにあまりないアレンジを意識しながらも歌謡曲は歌謡曲…と、
馬飼野氏は海外録音の成果も期待されていたはずですので、きっと大変だったでしょう。

ただ、全体的なサウンドは1975年に南沙織さんが発表したアルバム「Cynthia Street」
に収められている「GET DOWN BABY」に雰囲気が似ていて、
そちらはロサンゼルスの録音(恐らくA&Mスタジオでしょう)なんですね。
「君が美しすぎて」の方が2年も早いのですが、
海外録音ってみんな同じような音になっちゃうんだね…と思う人もいたかも知れません。

この曲のオリジナル・カラオケは、2007年に発売されたCD「歌が歌いたい!ベストヒット
&カラオケ」に収められていますが、
歌入りとカラオケとではミックス(正確には楽器の定位)が少し違うんです。
歌入りでは左にピアノ、右にサイドギターがありますが、
カラオケではサイドギターが右、ピアノが中央になっています。
バランス的には歌入りのミックスの方が良いように思えますが、なぜ違うんだろう?


で、カラオケを聴くと面白い事、発見!
この曲ではサビ部分で、後ろでディストーションギターのソロが演奏されていますが、
2コーラス目でのそのギターの音が、演奏の仕方なのかエフェクターの掛け方なのか、
一部でまるで唸っているように聞こえるんです。 歌入りだとまず、聴き取れません。
聴いてみます?


ところで「ロンドン録音」ってどこのスタジオかと考えると、どうなんでしょう?
イギリスで有名なスタジオと言えば何と言っても「アビーロード・スタジオ」。
ビートルズ御用達だった事でも知られるスタジオですが、もしそこで録音したのならば、
レコードのコピーにも必ず「あのビートルズのスタジオ!!」とか載るでしょう。
そんな話は聞いた事がないので、他にどこかないかな?と探してみると、
「トライデント・スタジオ」があるんですね。
そこはクイーン、エルトン・ジョン、T.レックス、デビッド・ボウイ等々、
そして一時期にはビートルズも使用したスタジオだそうです。
残念ながら私は音を聴いただけでスタジオまで判別する事はできないのですが、
可能性としてはありなのでは?と思うんです。

1973年は他にもちょっとした海外録音ブームだったのか、
井上陽水さんの大ヒットアルバム「氷の世界」もやはりロンドンで録音されていますし、
山本リンダさんのシングル「燃えつきそう」はブラジルでの録音だそうです。
井上陽水さんは翌年もアルバム「二色の独楽」をA&Mスタジオで録音しています。


当時の歌謡曲の中で、アイドル歌謡として、またポップス歌謡として、
「君が美しすぎて」は新しい表現、サウンドを具現化した画期的な1曲と思います。
それから急速に歌謡曲全体が新しい方向に…とはなりませんでしたが、
野口五郎さんの、前作「オレンジの雨」あたりからの勢いが加速されたのは確かで、
翌年秋の「甘い生活」、さらに翌年の『私鉄沿線」で人気の頂点を迎えるんですね。


この5月12日にBS-TBSで放映された「LIVE ON!歌好きショータイム」に
野口五郎さんがゲストで登場、ヒット曲の数々が披露されました。
その中で「君が美しすぎて」と「オレンジの雨」も歌われたのですが、
その2曲はバックが野口五郎さんの声だけで構成された自作のアカペラオケでした。
歌手としての実績も大きいのに、本当に音楽好きでこれほど常に音楽に入れ込んで
いるのは凄いな…と、素直に感動してしまいました(^^)


「君が美しすぎて」
作詞 : 千家和也
作曲 : 馬飼野俊一
編曲 : 馬飼野俊一
レコード会社 : ポリドール
レコード番号 : DR-1780
初発売 : 1973年(昭和48年)7月1日

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ゴロちゃん

ぽぽんたさん、こんばんは!
ゴロさんの歌、いいですね~。(「ゴロさん」と書いてくださったこと、なんだかとってもうれしいです。)

この歌がロンドンでレコーディングされたということは当時から知っていました。しかし私には、海外録音されたものと普通に日本で録音されたものとの違いがよくわかりませんでした。今もよくわかりません。海外だからサウンドが違うんだろうな~と何となくイメージで聴いていました。翌74年、75年とアルバムをロンドンでレコーディングしたり、78年にはロサンゼルスでレコーディングしたりするなど、五郎さんは海外録音をよくしていました。

今日、この歌を仕事の行き帰りの車の中で何回も聴いてみました。ぽぽんたさんの記事を読んだので、今日はオケに注目しながら聴いてみました。ストリングスの低い響き、ピチカート奏法、チェロの響き、それから泣きのギター、女性コーラス・・・うまい言葉が見つかりませんが、「うわ~!いいなあ!」としびれてしまいました。そして、なんといっても五郎さんの声! 普通は盛り上がるサビの部分で「キャ~!」という黄色い声が飛ぶのですが、私はA、A´の低く抑えた歌声にぞくぞくしました。五郎さんはやっぱりうまい!
私はこの歌は、好きだけれどものすごく好きってほどではありませんでした。サウンドが重いなあと思っていたからです。でも、今回久しぶりに聴いて、とても気に入りました。しばらく続けて聴きそうです。
カラオケのディストーションギターのソロ、すごくかっこいいですね。ますます気に入りました。

ジャケットの写真も気に入ってます。顔のアップとか上半身だけとかでなく、望遠で撮っている構図がいいですね。

この頃の新御三家はみんな17,18才。みんな私より4つ年上です。「君が美しすぎて」や秀樹さんの「情熱の嵐」、ひろみさんの「裸のビーナス」など、ドキドキするような恋愛を想像しながら聴いていました。同じ17、18才でも、数年後のトシちゃんやマッチにはそんな感覚は覚えませんでした。年下ということもありましたが、やたら明るいトシちゃんやヤンチャなマッチでは、ドキドキ感はなかったですね~。新御三家は私の青春です!



by ゴロちゃん (2019-06-25 23:09) 

ゴロちゃん

つけたし。
ドキドキといえば、この歌の「間違いがおこりそうさ」とか、「オレンジの雨」の「二人なら火遊びと言われていい」といったところなどは、中学生の女子にとってはドキドキものでした。「オレンジの雨」は明星の創刊20周年記念の募集歌でしたね。
by ゴロちゃん (2019-06-25 23:18) 

もっふん

コメントを考えていた矢先にこの曲の詞を書かれた千家和也先生の訃報に接して愕然としました。まだ73歳であられたんですね。阿久悠先生も70歳で鬼籍に入られましたし、若すぎますし、早すぎます。

我々には当時既に大家のイメージがありましたが若くからしてご活躍されていたのですね。ヤフートップの見出しは「『ひと夏の経験』作詞家死去」でしたが代表作品を絞る事が難しいくらいに多くの夢を見せてくれました。

先生のご功績に敬意と感謝を表しつつご冥福をお祈り致します。合掌。
_
by もっふん (2019-06-26 17:11) 

卓

こんにちは!

突然の訃報に驚きました! この曲の作詞家の千家和也さんがお亡くなりになりました。まだ73歳でいらしたんですね? 本当のプロの作詞家がまた一人・・・。とても残念です。「白い蝶のサンバ」をアップされた時は、森山加代子がお亡くなりになって、何か偶然では話が済まない感じがします。

演歌歌手を除いて、今は自作の曲を唄われる歌手が多くて、そういう意味で、この歌はプロの作詞・作曲家が一番輝いていた時の楽曲の一つになると思います。野口五郎さんを含めて、こうして作ってもらった楽曲を大切に唄っていた時代だったんですね?

ところで、この曲についてですが、「ハイA」というのは、ピアノの真ん中の鍵盤の「ミ(E)」の次の次にある「ラ(A)」の音でいいのでしょうか? 普通の成人男性ですと、どの程度の音域があるのでしょう?私の声の音域がどんなものか今試してみたのですが、歌として何とか唄える音域は、高い音がギリギリで「ハイA」で、低い音は「ロウC(?)」でした。(→ドレミファソラシドレミファソラシドレミファソラ←)普通の男性はもっと音域が広いのでしょうか? ぽぽんたさんは?

最後にもう一度・・・。千家和也さんのご冥福を祈ります。

by (2019-06-26 17:23) 

tucson

こんばんは。

私も卓さんと同じ「ハイA」のコメントです。

「ハイA」の壁、上手い言葉ですね~。その通りではないでしょうか。男性は一般的に「E」、「F~G」まで出る人だと高いな~と思います。それが「A」ですから、野口五郎さんってすごいですね。ポール・マッカートニーも「A」まで出たような・・・
女性だと男性の上の「C」が一般的でしょうか。

昔、ムード歌謡コーラスバンドでハコバン生活をしていた1975年頃でしたか、8トラック用のカラオケをバンドで録音したことがあります。その際、キーを決めるのにメロディの最高音が男性曲は「E」女性曲は「C」に合わすと担当者に言われました。私はドラムでしたからキーのことは関係ありませんが、よく覚えています。

ただ、「ハイA」のピアノの場所は、わかりません。感覚だけで判断しています。

by tucson (2019-06-26 22:39) 

もっふん

卓さんこんばんは

驚きましたよねえ。

ぽぽんたさんの名誉(?)のために私見を申し上げると、たぶん我々やぽぽんたさんのような年齢の人間が今の時期に懐かしいと感じ、もう一度話題にしたくなるような作品に携わられた方々が丁度そう言うお歳であると言うだけなのでしょう。私達も日常的に前の世代の人々を見送らなければならないほど歳を取ったと言う事ではないかと思います。

別記事でこの時代に、お蔵入りしそうな楽曲を別の歌手に回すと言う「使い回し結果オーライはいかがなものか」と言う話題が出た時に申し上げたように思いますが、当時は今のように誰でもが音楽を制作できるような環境にありませんでした(作るための素養を獲得した人が少ないと言う意味も含めて)から、作るとなれば職業作家に任せるほか無く、そうして作られたものが非常に貴重なものであると言う認識があったからこそ、ある歌手で成功しないならば別の歌手に歌わせてみようと言う発想にも繋がっていたのだと思います。

歌い手にも覚悟が求められる、良い意味での緊張感があった事でしょう。


tucson さんもコメントされているので「ハイ A」について私の知る範囲で。

まともなピアノは88鍵で7オクターブと半音3つ(1/4オクターブ)なので構造上の中央はミになりますが、これはこれ以上あっても楽音として意味が無い超低音を省いた結果ですので、そのミから白鍵2つ下のドを中央ドと呼ぶ事が多いです。

音名はイロハのイ、ABC の A がラですから、この中央ドを含むラシ「ド」レミファソを mid2、その下のラシドレミファソを mid1 と呼びます。中央ドの上のラから始まる1オクターブがhi、その上がhihi、と言う具合なので、仰られる「中央のミの次の次のラ」は hihi A と言う事になります。下の方も同様に mid1 A の下の1オクターブが low、その下を lowlow と呼びます。

たぶん鍵盤を叩いて普通に発声できる音を基準に上下を探られたのだと思いますが、男性が楽に発声できるのは mid2 の付近ですので、最初の時点で1オクターブ下を歌われていたのでしょう。hi A は「中央のミの次のラ」で、これは調音に使う 440Hz=A の音叉や時報のポッポッポッ「ポーン」と言う高い方の音に相当します。ピアノ基準だと中庸の音に感じますが、実はかなり高い音です。


と言う事で、卓さんの音域は low C ~(mid1~mid2)~hi A と言う事になり、2オクターブと半分も出る歌手なんてそうそういませんから(大抵の楽曲のメロディは歌い手の音域に合わせた1オクターブ~1オクターブ半の範囲に収まっています)音域的に非常に広く、hi A が使えるのであればこれはもうトッププロ級で、およそクリスタルキング以外の懐メロであれば(ぉぃ)カラオケで原キーで歌っても困る事が無いレベルです。

人間の声域のうち、低音側は喉の太さや長さと言った体格によって個人の限界があり、これはどう鍛錬しても広げようがありません。高音側は共鳴部分を狭くする作業なので訓練である程度は伸ばせますが、ぽぽんたさんが書かれたように男性の場合は hi A 付近に限界があるようです。歌唱技術としてミックスボイスと言う歌い方が現れるまではこの壁はかなり厳然と存在しました。

ですので、当時も今も、実用音域の上限が hi A の一音下の mid2 G や更にその下の mid2 F くらいまでであるような歌い手さんも大勢います。要はその人の出せる音域できちんと表現できる「何か」を持っているかどうかがプロと素人の差であって、例えばの話、森進一さんがキラキラのハイトーンで歌えたからと言って「だから何なんだ」と言う話になりますよね。

ただまあ、以上の hi~low の話は非常に厳密な世界の話なのであって、女声の場合は更に1オクターブ変わって来る事もありますので、誰でもラクに歌える範囲を mid と考えて、hi はその上の限界点付近一帯を指して使われる事も多いです。

何故かと言うと、どのオクターブに属するかを含めた音名の書き方には中央ドを C3 とか C4(国際的なルールとしては C4 ですが、ヤマハ系のシンセサイザーや一部音楽ソフトでは C3 表記。ローランドやコルグ、カシオは C4)とするものもあり、「ハイ」「ロー」と言うのは「得意音域に対する相対的な高い低い」を表現するのに便利であったりするからです。

しかし、卓さんもそれなりのお歳であられると考えると、未だにハイ A の出るノドを保っておられるのは本当に羨ましい限りです。
_
by もっふん (2019-06-26 23:20) 

ぽぽんた

ゴロちゃん、こんばんは!

このブログの記事を書く時、枕詞は結構悩むのですが(と言ってもいつも大したものではない
ですが(^^;))、今回は「ゴロさん」とスッと出てきました。 ゴロちゃんのおかげです(^^)

五郎さんは仰るように海外録音を度々していますね。 他の歌手・ミュージシャンも含め、
音の違いがよくわからないのは私も同じで、ただの箔付けじゃないの?と思う事もありますが、
インタビューなどを読むと音の違いに触れられている事はあまりなくて、「勉強になった」
と言ったような発言が多いんですよね。 現地のミュージシャンの、楽器の奏法などの
個性を狙って行われる場合も多いようですが、せっかく海外で録音しても日本に持って
帰ってから日本のミュージシャンで録音し直しと言った事も結構あるらしく、
結局は歌手・ミュージシャンの自己満足に終始してしまっている事が多そうです。
野口五郎さんの場合は自身が歌手でありミュージシャンですから、勉強、新しい情報の
取り込み、または環境的な気分転換と言った意味合いが強いのではないでしょうか。

「君が美しすぎて」は、私も発売当時からよく知っていました。 歌い出しの
♪美しすぎて…♪だけで十分インパクトがありますが、当時の五郎さんの個性が
ほぼ全部表出しているようなサウンドと歌い方で、ファンだった人たちはきっと
ますます好きになっていったのではないかな。
よく聴くと、この頃の五郎さんのボーカルってまだ微妙に不安定なんですよね。
そんなボーカルを強力なミュージシャンがガッチリと支えている、と言う感じがします。
カラオケで私が気に入っているギターのフレーズを聴いて頂きましたが、
歌入りだと全体的にそのギターのフレーズが聴き取りにくいのがちょっと残念です。

ジャケ写、何だか旅行中のスナップの一枚、と言った感じで、プロのカメラマンが
狙って撮りました!と言う感じではないのがいいですね。 表情も自然ですし(^^)

新御三家の3人は、きっと与えられた曲に対する本気度が、たのきんとは違っていた
ような気がします。 それも時代の違いかも知れませんし、方針の違いかも知れませんね。

「オレンジの雨」に関しては私も当時子供ながらにあれこれ考えていて、歌い出しの歌詞
♪そんなこと どうでもいいじゃない いつだって 愛してるじゃない♪って、これって
女言葉だなぁ、なんて思ったのを覚えてます(^^)
しかしそれはともかく、「オレンジの雨」も今でも人気のある1曲ですね
(関係ないですが、私のラッキーカラーはオレンジなんです(^^))

by ぽぽんた (2019-06-26 23:29) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは! 前記事に頂いたコメントへのお返事は日を改めるとして、
こちらに先に書かせて頂きますね。

コメントを拝見して、千家和也氏の訃報を知りました。
作詞家としての氏の功績はもう、大変なものがありますね。
ことアイドル歌謡に関しては、阿久悠氏よりも影響力の強かった作詞家と思います。

麻丘めぐみさんが「芽ばえ」に関して「千家先生は当時京都に住んでおられたので、
あの曲の舞台も京都だと思います」と語っていたのが思い出されます。

氏のご冥福をお祈り致します。

by ぽぽんた (2019-06-26 23:36) 

ぽぽんた

卓さん、こんばんは!

千家和也氏の訃報には私も驚きました。 最近、自分が子供の頃から知っていた人って
もうみな年を取ってしまったな、とつくづく考えるんです。
やはり年月は確実に流れるものなんですね。
しかし千家氏ほどの功績を残した人ならば、満足して旅立たれた…と信じたいと思います。
仰るように、「白い蝶のサンバ」の時のようにこのブログに記事をアップしてから
その曲に関わる人が亡くなったので、それは自分でも不思議が気持ちがしています。

ハイAについては、この後でもっふんさんがとても詳しく解説して下さったので、
私から説明する必要が全く無くなってしまいました(^^;)
私自身は声域は低いんです。一応実用的に出るのはEで、そうですね、
カーペンターズのカレンが「イエスタデイ・ワンス・モア」を歌う時の出だしの音の
1オクターブ下、と言えばわかって頂けるでしょうか。
対して高い方が弱くて、これもE、つまりちょうど2オクターブです。
私も、卓さんのようにハイAまで出せるのはとても、とても羨ましいです。

by ぽぽんた (2019-06-26 23:47) 

ぽぽんた

tucsonさん、こんばんは!

ハイAの壁については、高校生の時に選択科目で音楽を選び、その授業で
「コンコーネ」をやっていた頃あたりから強く考えるようになった気がします。
少し異常なほど、男女共に声域に興味があるんですよ。
例えば笑い声などで瞬間的に、例えば和田アキ子さんがハイCまで出していたりすると
「本当はこんな高さの声まで出るのに、それを歌に生かさないのは何と勿体無い!」
なんて思ったりします。

昔から、海外のシンガーだとAまで出す人は時々耳にしますね。
日本人だと、私が知っている限りではB'zの稲葉さんがハイDまで出していて、
これは岩崎宏美さんの全盛期さえ凌駕してます。
しかし普通の発声の男性歌手だと、Gあたりまでで収める事が多いようです。
あ、布施明さんは「君は薔薇より美しい」で♪変わった~♪とAを出してますね(^^)

え?え?昔ハコバンで演奏されていたのですか? ぜひぜひ、その頃のお話を
もっとお伺いしたいです!!

by ぽぽんた (2019-06-27 00:02) 

ぼたもち

ぽぽんたさん、大変大変ご無沙汰しておりますm(_ _)m お元気でしたか。
私のことを覚えていらっしゃるでしょうか。
昨夏ぽぽんたさんがブログを“少し”お休みしますと書かれていたのを、何を勘違いしたのか“しばらく”(1年くらい?)休むと思い込んで、とても寂しかったんです(−_−;)
長い間ここを覗くこともなかったのですが、なぜだかきょうここへ来たくなって…そしたらたくさん更新されてるじゃないですか!来てよかったです(泣)
『北国行きへ』『夏が来た』は読ませていただきました。少しずつ遡ります。
これからまたお邪魔させてください。よろしくお願いします♪

大好きな五郎さんの記事に呼ばれた気がします(^ ^)
『君が美しすぎて』は、私が五郎さんにハマるきっかけとなった曲です。
なぜハマったか難しい理由はなく、ぽぽんたさんが感じた『悲しみの日曜日』が、同じく私の『君が美しすぎて』でした。子供心にちょっとドキドキして。
乱さないで 誘わないでと戸惑ってるわりにドラムが激しいのが当時から印象的で。
ドラムだけじゃなくてギターも唸ってたんですね。

海外レコーディングの理由、私もずっと疑問です。日本と何が違うんでしょう。
ゴルフは日本よりハワイの方が湿気が少ないから球がよく飛ぶ、と昔聞いたことがあります。サウンドもそのような理由なのでしょうか。

五郎さんの公式HPによると、ロンドンでのレコーディングはサーム・スタジオ(当時のアイランド・スタジオ)で行われたようです。
レッド・ツェッペリンやクイーン(伝説のチャンピオン)もレコーディングしたスタジオだそう。五郎さんの方が先ですけど(笑)

BS-TBSの『LIVE ON!歌好きショータイム』のことをぽぽんたさんが取り上げていらっしゃいましたが、実は私、あの観覧に行ってたんですよ。
幸運なことにセンター最前列で、若い頃何度かコンサートにも行きましたが こんな近くで五郎さんの歌を聴けるのは最初で最後だと思います。
当時と変わらぬキーでの生声に感動しました。
秋にもコンサートへ出かけてきます。

ただただ昭和歌謡が好きなだけで、専門的に掘り下げられずすみません(^_^;)
ぽぽんたさんの記事、みなさんのコメントを楽しみにしてます。
by ぼたもち (2019-06-30 01:00) 

ぼたもち

書き忘れたので追記です(^.^)

五郎さんもブログで千家和也さんの訃報に触れていました。
千家氏に初めて会ったのは、7曲目シングル『雨に消えた恋』の時だったそうで、作曲の馬飼野氏(曲先)にも千家氏にも「こういう曲が歌いたいんです」と生意気に説明した、と書かれています。
千家氏は「僕は、若い男性のポップスは五郎ちゃんしか書かない」とおっしゃったそうです。
でも、結果あまり書かれてないですね(^^;)
“ちょっと女性に押され気味の勇気が出ない男性像”が共通しています。

麻生よう子さん『逃避行』も千家氏の作詞ですね。
昭和歌謡の良き時代の重鎮がまた一人逝ってしまわれました。
心よりご冥福を申し上げます。
by ぼたもち (2019-06-30 11:26) 

もとまろ

ぽぽんたさん、こんばんは。

長く聴いてきた「君が美しすぎて」、なんか引っかかるというか、心に残る歌だなぁとずっと思っています。
五郎さんの歌声も歌詞も曲もカラオケも、今の私にはとてもきゅんきゅんします。今、こんなに美しい「君」がいるのかな、こんなに女性の美しさに心乱れる「僕」がいるのかな、と。

当時の五郎さんの歌声は多忙さに心身ちょっと疲れてるように聴こえて、気持ちの入れ方もあるかもしれないけど「乱さないで」「誘わないで」の「い」がひっくり返ってるように聴こえます。特に好きで、「僕」の思いそのものだと感じるところです。
「LIVE ON!歌好きショータイム」をようつべで見ると、雰囲気がまた違うなぁと、そこが面白いなぁと思います。

3連、早口、印象的な譜割り…ときて、思い出す歌があります。
前年のジュリー「あなただけでいい」。早口のメロディーがない、ドドド・ドドドの重いリズム。
翌年の布施さん「積木の部屋」。ドドド・ドドドで、早口のメロディーの軽やかさと早口じゃない重みの両立。
ジュリーの味をヒントに五郎さんが新たな歌を更に発展させ、それは布施さんにより一層生かされる…そう見えてしまいます。

歌詞については、千家和也先生の訃報がありました。
たくさんの名曲への思いは尽きませんが、「君が美しすぎて」は先生には珍しい男歌。A'メロ以外は同じフレーズを繰り返すシンプルさに、切実さがビシビシ伝わってきます。この機会に、先生の偉大な足跡として振り返るべき一曲だと思います。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

最近は五郎さんにも大病がありました。秀樹さんの分までお元気で、歌声高らかでありますように…。
by もとまろ (2019-06-30 22:35) 

ぽぽんた

ぼたもちさん、こんばんは! お久しぶりです。 …って、そんなにご無沙汰でしたっけ(^^;)
忘れるわけないじゃないですか(^^)

私のはある種休む休む詐欺のようなもので(^^;)、すぐ話題が浮かんで書きたくなってしまう
んです…ご迷惑をお掛けしました。 このブログを楽しみにしていて下さるとは、
本当に嬉しいお言葉です。
今後もよろしくお願い致します!

野口五郎さんの曲に限らないのかも知れませんが、あの時代の歌謡曲って、子供にとって
禁断な感覚を抱いてしまうような曲が多かった気がします。
その感覚を今思い出す事ができないのが何とも悔しいのですが…。
ぼたもちさんがドラムスの音に何かを感じておられたのと同じように、
私は、他には南沙織さんの「純潔」のリズムに、何だか子供にはまだ早い!と言われるような
感覚を持ったものです。
実際はそういう事はその曲だけではありませんでしたが、音楽って、本当に面白いものですね。

これは推測ですが、例えば同じ譜面でも、演奏者によって出てくる音は違いますよね。
海外録音は、まず現地のミュージシャンを使う事によって日本人とは違うセンスで演奏
してもらう事、その音を使う事が一番の目的ではないかな、と思います。
たまに外国で日本人だけのクルーで録音、と言う事もありますが、その場合は単に
機材(コンソールやエフェクター)の違いや楽器の鳴り方の違いを経験したり利用したり
したいと言う目的と思います。 なので実利的な効果はあまりないと思います(^^;)

スタジオの情報をありがとうございます! 私はスタジオ関係は全然詳しくないので、
そのような情報はとても嬉しいです。 サームスタジオ、調べてみますね。

「LIVE ON!」を観覧されていたのですか! しかも最前列の中央、ですか!
番組をもう一度観て(録画してあります(^^))、ぼたもちさんを探してみますね(^^)

そう言えば千家和也氏は女性アイドルへの歌詞提供が圧倒的に多いですね。
繊細な表現が多いので、五郎さんとは相性が良かったのでしょう。
このところ昭和歌謡関係の訃報が多く、寂しい限りです。

私だって一介の昭和歌謡好きですよ。 皆さんと全く変わりません。
そんな皆さんがこうしてコメントを寄せて下さるのは本当に嬉しい事です。
まだまだ頑張りますよ(^^)

by ぽぽんた (2019-07-01 23:15) 

ぽぽんた

もとまろさん、こんばんは!

コメントを拝見して気づいたのですが、う~ん、この「君が美しすぎて」って、
昔の少女漫画の世界(と言っても私は殆ど読んだ事がないので、あくまでもイメージ
だけですが)に通じるものがあるのでしょうか。

当時の五郎さんの歌声は、私には疲れていると言うよりは、年齢的・精神的に
不安定なのかな、と感じます。
とか言って単純に発声が確立してなかっただけかも知れませんが(^^;)
それと比べると、翌年の「甘い生活」はとても安定感がありますよね。

「あなただけでいい」も「積木の部屋」も、3連で成功した楽曲ですね。
「君が美しすぎて」が、3連の曲としてはそれらの中間に位置する、と仰っているものと
思うのですが、それはとても的を射た見方と思います。
私は見識不足でそれには気づきませんでした。 ありがとうございます!

この曲、サビの歌詞も1番と2番とでは少し異なります(^^)
その言葉選びはやはり繊細で、それでいてインパクトが強い。
発想の源をぜひ千家氏にお伺いしたかったですね…。

やはり還暦前後には体も色々な変化をきたすものなのかも知れません。
今元気に活躍している歌手や作家の方たちには、何よりも健康に留意してもらいたい
ものですね。

by ぽぽんた (2019-07-01 23:17) 

ゴロちゃん

ぽぽんたさん、ここでもこんばんは!

この1週間ほど、毎日「美しすぎて」を聴いています。もろまろさんが言われた「乱さないで」「誘わないで」の「い」のところ、確かにひっくり返っているように聴こえます。なんか胸がキュンとなってしまいます。

そして今日、久しぶりに「青いリンゴ」を聴いてみました。イントロでいつもやられます。ドキドキ、キュンキュンです。「好きなんだけど」も「悲しみの日曜日」も大好きですが、やはりこの「青いリンゴ」がいちばん勢いがあっていいですね。
「青いリンゴ」の記事のところにこのコメントを入れようかと思ったのですが、大したコメントではないので、こちらに入れました。
by ゴロちゃん (2019-07-04 23:15) 

ぽぽんた

ゴロちゃん、こんにちは! お返事が遅くなってしまい申し訳ありません。

ふと思い出したのですが、筒美先生は麻丘めぐみさんをデビューさせるにあたり
「君の良いところは高音域に泣きが入るところ。 それは日本人がとても好きな音色だから」
と発言していたそうで、同じ事を野口五郎さんにも感じていたのでは、と思うんです
(ゴロさんの「青いリンゴ」の方が1年近く早いですが)。
男性歌手は男らしく!と言うのが普通の時代でしたから、ゴロさんの、
それまでになかったような繊細さは、当時の女性にとってとても新鮮だったのでは、
と思います。
そう考えると、三善英史さんの「雨」のヒットも、ゴロさんがそのような下地を
確立していたからかも知れませんね。

(再度送信して下さった方は削除させて頂きました)

by ぽぽんた (2019-07-07 11:03) 

もっふん

ぽぽんたさんこんばんは

今さらですが、音源を付けて下さった「ギターの唸り」ですが、これはディストーション(オーバードライブやファズでも大同小異)によるものです。

歪み系のエフェクターは古くは真空管、昨今はダイオードやトランジスタの飽和(増幅限界を越えたゲイン)によって入力波形の波形の頭(振幅の大きなピーク部分)を削り取る(クリップする)事で主に奇数次の倍音を増やす仕組みです。

ギターに限りませんが大抵の楽器は低音の方が音圧が高い(振動体が太くて長くなるため)ため、音源でも明らかなように低音部分を演奏するほど大きくピークカットされる事になります。

話を単純にするために入力原音がサイン波だと考えると、ピークを削れば削るほどその波形は矩形波に近づいて来ます。お手元にアナログシンセのモジュールがありましたら矩形波で mid1~low 辺りの音を出してみると、ちょうど例示された音源のようにゲロロロロと言うニュアンスの音になる事を確認頂けると思います。

世の中に歪み系のエフェクターは星の数ほどありますが、乱暴に言うとどのくらいの入力に対してどのくらい削るのかと言うカーブの違いがそれぞれの機種の個性であると言えます。

演奏技術的には普通に弾いた時にゲロゲロする寸前のセッティングにしておき、ここぞと言う部分で低音弦を強く弾いてゲロゲロさせると言う感じになります。自分の使っているエフェクターの特性を熟知した上でアーティキュレーションを変える事で出音をコントロールしているわけです。
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by もっふん (2019-07-15 00:31) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは!

詳しくてわかりやすい解説をありがとうございます! エフェクターとかは昔から興味があって、
今もLOGICを使うにあたってあれこれ実験もしているので、とてもよく理解できました。
ただ私はエフェクターの、特にギター用の実機は殆どいじった事がなくて、今の主流がそうで
あるようにソフトのプラグインでほぼすべての事をするので、実機とプラグインとで当然
ありそうな相違点など、もっふんさんの解説でますます興味が湧いてきてしまいます。
それにしてもギターの場合、エフェクターもギターそのものの一部と言って良いほど、
演奏技術や表現に関しては密接なものなんですね。
LOGICにも歪み系のエフェクトはいくつも用意されていて、ギターの生音(サンプリング音源
です)にそれをかけてみると、音色はいくらでも変わってしまいます。
ただ、私がかなり前からほしいのがB'zがよく使っているような、パワーコードにファズを
かけて重くてザーッとさせたような音(うまい表現ができなくてすみません)なのですが、
どうもうまくいかなくて…。 もうこれはある程度理論を踏まえて、実験を重ねるしかない
かな、と思ってます。
そして、教えていただいた「ゲロゲロ音」(もっときれいな表現、ないすか(^^;))も、
ぜひマスターして自分の楽曲に採り入れてみたいと思います。
これからも色々と教えて下さいm(_ _)m

by ぽぽんた (2019-07-16 23:40) 

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