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スローな愛がいいわ / 岩崎宏美

このジャケ写は失敗じゃないかなぁ(^^;)

スローな愛がいいわ ジャケ.jpg

「万華鏡」が自動車のCMソングとして頻繁にオンエアされた効果が大きかったからか、
岩崎宏美さんにとって約1年半ぶりにオリコンベスト10に入るヒットとなり、
注目度が高まった中で新曲として発売された楽曲です。

作曲:筒美京平氏、編曲:萩田光雄氏と「二重唱」から5年弱ぶりのコンビ復活でした。
筒美氏はこの曲でも「6th付きサブドミナント」を哀愁感創出に利用しています。
作詞は三浦徳子氏で、三浦氏は「万華鏡」はもとより、まず八神純子さんの初期のヒット曲、
後に松田聖子さん等でさらに多くのヒット曲を出す事になる、
当時最も活躍の目覚ましかった作詞家でした。

オリコンでの成績は、特にタイアップが無かった事もあり最高位18位で売上枚数が約9万枚と、
前作「万華鏡」と比較するとかなり落ち込んだものとなりましたが、
ファンの間では岩崎宏美さんのシングルの中でもひときわ優れた楽曲と評価が高いようです。

この曲の頃の岩崎宏美さんは、歌手として絶好調だったと言えるでしょう。
音域が低い方まで広がりながらも高音域の張りと美しさは絶品の域であり、
極めて正確に歌いながらも歌声に妖艶さもにじみ出始めていて、
女性歌手の理想の状態だったと言って良いと思います。
そのあたりはレコードよりも、生歌の動画で観るのが納得して頂ける最良の手段と思います(^^)


しかしこの曲、歌謡曲と呼ぶには少々複雑で音楽的に高度すぎる気もします。
曲調からしてバロック・ロックと言えるようなプログレッシブさをたたえてますし…。

洋楽もそうですが、歌謡曲では多くの場合、A・A'・B・サビ・A"…と言った具合に、
一度使われたフレーズをもう一度利用して次に続けるような作りが多いんです。
それは、聴く人に短い間に同じフレーズを何度も聴かせて覚えてもらう事が
最大の目的だと思われますが(歌詞を含め進行上仕方なくそのようになる場合もあります)、
「スローな愛がいいわ」では、1、2小節単位で同じフレーズを繰り返す事はあっても、
全体の流れを見ると、同じグループの使い回しが無いのです。

そのグループとはどういった単位かと言うと(1コーラス目を例にしますね)、

・♪おとぎ話…素顔を見せてる♪
・♪ガラス細工のlove story 何度か壊してしまったわ♪
・♪男は男の服を着て…こだわり過ぎてた♪
・♪スローな愛がいいわ…生き方で愛したい♪

これらが順に進行していますが、それぞれが一つのグループとして完結しており、
グループ間で共通に使われるメロディーやコード進行が全くないのです。
その結果、音楽としてはレベルが高いが覚えにくい、親しみにくい…となってしまうんですね。
初めて聴く人には、やや散漫、または掴みどころがないような印象を与えるかも知れません。

また、オケとの絡み方が重要な曲でもあり、オケがないと音楽として成り立たない、
アカペラで歌われても良さが伝わりにくい曲であるとも言えます。
♪似合いの二人と…♪ の「二人と」が裏打ちのメロディーであるのがその象徴でしょう。

なので、宏美ファンの中で「すごい曲だ!」と評価が高くても、結果買うのはファンだけで、
大きなヒットには結びつかなかった、と言う事なのでしょう。


しかし楽器を演奏をする者にとっては飽きの来ない、面白い曲でもあり、
チェンバロや電気ピアノ等、キーボードを大フィーチャーして曲を盛り上げている
アレンジの巧みさも相まって、恐らくリスナーよりもプレイヤーに人気が高いのではないかな。

アレンジと言えば、派手に動き回るストリングスや色気のある音色のエレキギターの演奏も
キーボード同様、重要な仕事をしています。
Aメロで2回入ってくるカスタネットは、後の大滝詠一さんのサウンドを先取りしている
ようにも思えます。 …とは言っても、この曲から間もなく発売された「謝肉祭」(山口百恵)
では、下地がフラメンコと言う事もありカスタネットが派手に入りますが(^^;)


「音楽的」な特徴として最も大きいのはベースラインの動きでしょう。
それが作曲段階からのものか、萩田氏によるアレンジ段階からのものかは不明ですが、
クリシェやカウンターライン、分数コードがあまり使われず、代わりに
例えばAメロでのチェンバロのフレーズに代表されるような、歌メロに対する裏メロを
ベースラインにさせている箇所があるのが新しいんですね。

もう6年ほど前の動画ですが、「オリカラでピアノ」シリーズで私はこの曲も演奏してます。
そんな「音楽的」特徴も踏まえて弾いていますので、良かったらご覧下さい:



(映像のピアノは鍵盤の状態が悪かったので最後の最後がちょっと笑えますが、ご容赦を)


ところで今更ながら、スローな愛って、どういう意味??


「スローな愛がいいわ」
作詞 : 三浦徳子
作曲 : 筒美京平
編曲 : 萩田光雄
レコード会社 : ビクター
レコード番号 : SV-6674
初発売 : 1980年(昭和55年)1月21日


お詫び&お知らせ: 次は4月1日に更新しますm(_ _)m

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Massan

ぽぽんたさん、こんばんは。
確かに「スローな愛って何?」と質問されると、いきなり「・・・」と字幕が出て画面が白黒になりそうです。改めて歌詞を嚙みくだいて聴いていくと、恋人関係になるまでがスローなのかなぁって気がしますが、もちろん今までそんなこと考えたこともありませんでした。
この曲はイントロのピアノ、ズンズンくるベースギター、どことなく拡張高そうなストリングス(このあたりの曲調がバロック・ロックと呼ばれるものですか?)など、私も当時おっと思って聴き入るような感じの曲だった印象が強いです。私は楽器をやりませんが、聴くよりも演奏するほうが面白そうというのもわかる気がします。フルオーケストラで聴いてみたい歌謡曲のひとつ・・というのは大袈裟ですかねえ。
この年の岩崎宏美さんは「スローな愛がいいわ」の後に「女優」「銀河伝説」が続きますが、私はこのあたりの曲が一番好きですね。リアルタイムの感覚はまたちょっと違うものでしたが、時を経て聴くと、少女の歌から大人の女性の歌への転換点の時期だったように感じます。
それでは。次回も楽しみにしております。
by Massan (2019-03-19 22:01) 

もっふん

ぽぽんたさんこんにちは。

失敗じゃないかと言われるジャケ写ですが、B面の「白夜」が富士重工のCMソングだったので(つまりB面はタイアップがありました。言われてみれば曲名ロゴもB面曲の方が目立つ色であるようにも見えますね)、スバルのイメージカラーである青のワンピースや、たぶんですが背景のイメージなんかは撮影前からの約束事であったのではないかと想像します。まあ、どんな制約があっても被写体を魅力的に見せるのがプロのカメラマンだと言われればその通りなのですが。

'70年代前半は A-A-B-A のようなシンプルな曲構成で歌詞も一つの事象を語るだけで許されていたようなきらいがありますが、後半から'80年代にかけては歌詞で伝達する内容がどんどん膨れ上がり、一つの物語のように見せないと物足りなく感じられるような傾向が出て来たように思います。そんな歌詞を先頭を切って書かれていたのが阿久悠氏や阿木耀子氏であると思ったりします。

歌詞が長くなるとメロディも長くなりますし、歌詞の中に場面や話法の転換が組み込まれて来るとメロディの方もそうしたポイントで雰囲気を変える必要性が生まれて来たのでしょう。

本楽曲を聞くと「メロディなんかいくらでも作れるぞ」と筒美氏が大見栄を切られているような気すらします。洋楽ではエア・サプライなんかが、やはりメロディ使い捨てのような楽曲をいくつも出していて、それはそれは才能の垂れ流し感が半端無かったものです。

本曲の構成が非常にチャレンジャブルである事は疑いようがありませんが、たとえば郷ひろみの「およめサンバ」(船山基紀先生の編曲ですね)などもワンコーラスに同じメロディの使い回しは二回だけで大きく分けると4部構成、それに加えてアヴァン部分が別メロディと言うとても贅沢な作りになっています。

「スローな愛」も、作り手の成熟とリスナーの成熟、その要求に応え得る歌い手の成長など、いろいろな要素があって複雑化・重厚化して行った歌謡曲の、一つの象徴と言える曲でもあるでしょう。

非常にヘヴィなオーケストレーションでありながらエレキギターを非常にロック的に聴かせているあたりは、萩田光雄氏が一時最大の武器とされて来たクラシック的なアプローチに安住することなく、常に新しい事に取り組んで来られた成果であるとも思います。

名曲である事は間違いなく、するともしかするとこの曲が一般受けしにくかったのは、ぽぽんたさんの言葉にも Massan さんのコメントにもあるように「スローな愛」と言う概念そのものが、特にリスナーの中核を成す若者達にとって、いまいちピンと来なかった事が理由であるように思えて来ます。

スローな、と言うのは文字通りゆっくりした気持ちで、自然体で恋愛したいね、と言う意味なのですが、'80頃の若者の恋愛事情からすると「そんなのんびりした事は言っていられないよっ!」と言う部分があったのではないでしょうか。

例えば出会い。それが2時間の合コンだったとしても狙いを定めた相手と会話できる時間は非常に限られています。街角での一瞬の出会いであればなおさらですが、要はその短い時間に男としての、もしくは女としての自分の魅力を力一杯アピールしなければ、電話番号(当時は固定電話しかありませんでしたから、その番号を教えると言う事は家族にも知られる覚悟が必要でした)を教えて貰う事も難しく、なまじな事では後日二人で会う約束など取り付けられるものではありませんでした。

え?自分は百発百中デートの約束まで貰っていた?

そんな羨ましい立場の人を歌にしたって、一般人に売れるわけがないじゃないですか(笑

でまあ、なんとか彼氏彼女の立場になれたとして。一つには同じ時間を共有できる機会は恋人同士であっても限られていました。彼女の方には門限もあったでしょう。もう一つは二人がステディな関係である事を友達の間でも認めて貰わないと、どこかから横槍が飛んで来ると言う可能性もありました。SNSなんか無い時代でしたしね。四六時中ずっと繋がった感覚を持って過ごす事など出来ない以上、うっかりすれば心に隙も生じると言うものです。

するとどうなるかと言うと、二人ともが可能な限り理想の彼氏と理想の彼女を互いに演じ続けると言うパターンに陥ります。彼氏が映画を見て泣いちゃうなんていうのは大きな失態であって、名誉と立場を挽回するのに充分な時間が与えられない事を心配せざるを得なかった事でしょう。

そのような「俺って良い彼氏」「私って良い彼女」「私達って似合いの恋人」と言うロールプレイを常に強いられる事こそが、スローと対極にある「せわしない」恋愛の姿だと思われます。

ジェンダーがジェンダーらしさを常に表現し続けなければならない恋愛なんて疲れるよね、上手く行く恋もダメになるよね。あなたとはそういう「こうでなきゃダメ」と言うルールを全部放り捨てて、自由に、自然に、それは時として女性が女性らしくない役割を演じたりその逆があるかも知れないけれど、そんな既成の概念に左右されないお付き合いをしたい。そういう歌詞だったのだと思います。

いやー、なんか最後の方はいま現在進行形の社会問題と意識ベースが同じですね、と言うくらい、当時の若者にとっては「先進的な恋愛像」を提起していたと言えます。

スローな愛を実践するために必要不可欠なものは、互いに対する無限の信頼です。

歌謡曲にラブソングは星の数ほどありますが、ぶっちゃけこの信頼感を勝ち取ることこそがゴールなのであって、その遥か手前で四苦八苦する姿を歌にする事が、即ちリスナーに自分を重ね合わせて共感して貰うと言う事でもありました。

精神的に成熟した大人の男女の恋愛観を歌謡曲で表現するには、時代が、もしかすると当時の岩崎宏美さんのキャラクターイメージにとって、少しばかり早すぎたのかも知れません。
_
by もっふん (2019-03-20 03:12) 

青大将

ぽぽんたさん、こんにちは。

この曲が新曲だった1980年初冬もよく覚えてます。 西城秀樹の「悲しき友情」と抱き合わせで気になる新譜でした。
ホントに、年明けに正月番組や、その他の歌番組等でいきなり聴かされた感じでしたね。

月刊明星だったか、路上で着物姿で写る記事にも「今度、新曲「スローな愛がいいわ」が出るの」みたいな事書かれてましたし。
レコード店でこのシングル盤を手に取ったのは、B面「白夜」の確認の為でした。テレビで頻繁に流れて居るスバルの車CMのバックに流れてる雰囲気の良い、あの曲は何なんだ?と考えるうち、岩崎宏美のアルバムかB面曲だろう、と思い立った訳です。

この時期に発売されてるオリジナルアルバムは無く、と、すれば、新曲のB面に期待大!レコード店でジャケット裏側の歌詞を確認するとCMで聴いたフレーズが其処に!
予感は見事ビンゴ!でした。

ネットも無く、読み物かテレビ・ラジオ等の媒体でしか情報を得られない時代、先人達はこうして自らの足を運び、確認するのでした・・・(もはや、歴史上の人物の気分(^^;)

「スローな愛がいいわ」は、決して嫌いな曲では無かったです。 ♪素顔を見せてる♪から、♪ガラス細工のォ~♪に掛かるメロディーが、曲の途中にあり乍ら、更なる期待感を持たせる感じで好きです。
あと、ラストの終り方。これは飽くまでオリジナル(即ち、レコード)バージョンで、テレビサイズではアレンジが入ってこの通りに演奏される事はあまり無かった様に記憶しております。

上半身(特に手を駆使した)の振り付けは、「さよならの挽歌」以降、エレガントで気品すら漂ってましたが、この「スローな愛がいいわ」でも充分に魅せ付けてました。

この年は、以降「女優」→「銀河伝説」→「摩天楼」とシングルを切りましたが、矢張り極め付けは「摩天楼」かな、個人的に。
気品に格好良さもプラスされ、歌と振り付けをダブルで魅せてくれました。
今も、YouTubeでの夜ヒットの「摩天楼」の動画を時々視ますが、あまり画質は良くないものの、楽曲の格好良さにプラスされたスタンドマイクで歌う声量の凄さと響き、そして様になる振り付けがキマってて、何度観ても飽きません。


もっと言及すると、次の、年明け元旦にリリースした「胸さわぎ」も、楽曲&エレガントで気品漂う振り付けがキマっていて、テレビに於けるパフォーマンスの面も充実して居た時期でしたね。更には次に、いきなり着物姿で演歌に近い「恋待草」で全く違う姿を魅せて来て、まるでテーマパークみたいでした。(笑)(でも、この曲も何気に好き)

「スローな愛がいいわ」のB面に話を戻すと、「白夜」は、個人的にはキャンディーズの「別れても愛して」同様、曇り空がドンヨリと拡がる日に聴きたくなる、《明るい曲調なのに曇り空のイメージ》のカテゴリーに含まれる曲で、聴いてて気持ち的の良い楽曲です。
(キャンディーズと言えば、決して二度と歌わないと思われてた伊藤蘭がアルバムを製作して、ライヴまで開催予定ってニュースには相当驚きました!(@ ̄□ ̄@;)!!
岡田奈々の新曲(しかも、歌声が昔とそのまま!)に驚愕したばかりで心の準備が出来て無い状況でのニュースだったので・・・)


「スローな愛がいいわ」のオリジナル・カラオケは紙ジャケ復刻CDの「ALBUM+10」に、ボーナス・トラックとして、NHKみんなのうたの「ぼくのプルー」「走馬燈」の音源と共に、「夏に抱かれて」~「摩天楼」(「万華鏡」は除く)迄の、各曲のオリジナル・カラオケが収録されてる中に含まれてますが、何しろこの「ALBUM」自体、童謡のカバー曲で構成された企画盤で、既に昔っからLPレコードで所有はしてるけど、童謡だから聴く機会も殆ど無く、これをCDで買い直すには勇気が要ります。しかし、ボーナス・トラックは凄く魅力がありますから、う~ん、やっぱ、買っておきたいですね~~。

今、テレビのニュース番組で西城秀樹の全シングルA面曲とBVDのセットが5月に発売する、というのをやってましたが、このDVDはテレビの音楽番組の歌唱シーンとかじゃ無く、ミュージック・ビデオで構成されたものの様で、ちょっと残念です。DVDに関しては、NHKから出てる、NHKの音楽番組からの膨大な歌唱シーンDVDの方が興味の対象ですね。

西城秀樹と同じ事務所「芸映」だった岩崎宏美は、デビュー2年目の年に(「ドリーム」の頃と思われる)観た西城秀樹のステージで聴いた「ラスト・シーン」にボォ~っとした、と、テレビでも去年観に行ったコンサートのMCでも語ってました。

では、また・・・
by 青大将 (2019-03-21 17:55) 

青大将

「ALBUM+10」について誤りがありましたので、訂正しておきます。
オリジナル・カラオケは、「夏に抱かれて」~「摩天楼」では無く、「春おぼろ」~「摩天楼」でした。
「万華鏡」のオリジナル・カラオケは、「わがまま+9」の方に既にボーナス・トラックで他の人気曲のオリジナル・カラオケ数曲と共に収録済みで、後発の「ALBUM+10」では割愛されてますね。
by 青大将 (2019-03-21 18:26) 

ぽぽんた

Massanさん、こんばんは! お返事が遅くなり申し訳ありません。

あ、同じように疑問に思って下さる方がいて良かった(^^) 聞き流していれば済むかも
知れないのですが、今回記事を書いていて改めて「?」と思ったもので(^^;)

この記事に貼ってある動画をアップロードした当時、それを観て下さった方から
「この曲って音楽的に色々と仕掛けがあるようですね」と言って頂いた事があって、
自分が感じていたのと同じように感じる人がやはりおられるんだ、と思ったんです。
それも、メロディーと編曲の両方に色々と仕組んであるので、それらを見つけて
演奏に反映していくと徐々にオリジナルに近くなる、と言った感じで、面白いんです。
仰るように、これをストリングスが大人数入ったフルオケに編曲して演奏すると、
スリルいっぱいでとても楽しいものになる気がします。
この曲の時期の宏美さんは、歌手として成熟する一歩前と言った感じで、
安定していてもちょっと危なげな、ファンからしても最も魅力的な時代だったと思います。

次の記事も頑張ります!

by ぽぽんた (2019-03-22 22:52) 

ぽぽんた

もっふんさん、こちらでもこんばんは!

B面「白夜」がCMタイアップだったのは知っていたのですが、ここでは「スローな…」に
こだわろうと思って、特に記述しませんでした。
「白夜」は違う意味で私の大好きな曲なので、別の機会に、と思いまして(^^;)
ジャケ写、失敗では?と書いたのは、それを初めて見た時の印象が「表情も冴えないし、
おばさんみたい」と言ったものだったから、なんです。 怒られそう(^^;)

私はこの曲は大好きですし、聴きどころの多い1曲だと思うのですが、全体として
出来がいいか?と訊かれると必ずしもそうは思えないんですね。
本文にも書きましたが、細かい所にこだわり過ぎてどこか散漫な感じがするんです。
仰るようにオーケストレーションが派手なのはいいですし、聴いていて楽しいのですが、
聴く人を包み込むようなスケールに欠ける、と言えばいいでしょうか。
私にはどうも、その大きな原因が私小説のような歌詞にある気がするんです。
ひょっとして、この曲の頃には、いつまでもこれまでの宏美さんでいてほしいファン心理と、
早く大人のイメージを確立しなければと思索している制作側とでズレが出ていたのかな、
と思ったりもします。

「スローな愛」についての解説、ありがとうございます。
正直なところ、お子ちゃまの私には理解を超えているものがありますが(^^;)、
今後の参考にさせて頂きますm(_ _)m

by ぽぽんた (2019-03-22 22:53) 

ぽぽんた

青大将さん、こんばんは!

1980年初頭と言うと私は高校卒業直前で、イッチョ前に大学に進学しようとしていた頃なので
(結局その夢は叶いませんでしたが)、多分歌番組もあまり観ていなかった気がします。
今思うと残念です。

「白夜」については、私はまた違う思いがありまして…。
もう20年以上前の事なのですが、仕事で出張する事の多かった私は、MDで「岩崎宏美
B面コレクション」を作って、出張のたびに聴いていたんですね。
それには「月見草」から「レンガ通りの恋人達」まで、古い順に20曲を入れていて、
「白夜」は最後から2番目でした。
「ラブ・アラベスク」「泣きながら目覚めて」に続いて「白夜」がかかると、
もうすぐこのMDも終わりだ、もうすぐ目的地に着くなぁ…と、だんだん緊張してくる
んです。 いつも目的地までの時間を逆算してそのMDをかけ始めたからなのですが、
今もその気持ちが残っていて、部屋で「白夜」を聴くと蘇るんですよ。
音楽ってそういうところ、本当に不思議だな、と思います。

スピード感のある「スローな愛がいいわ」(ん?何だか矛盾しているような…)に対して、
「白夜」はゆったりとしてほのぼのとした感じに思えて、私は好きなんです。
私のイメージは青大将さんのそれとはちょっと違って、よく晴れた夜明け、です(^^)

「摩天楼」はカッコ良かったですね(^^)
翌年に寺尾聰さんが大ブレイクしましたが、「摩天楼」のサウンドは明らかに
それを先取りしている感じで、今聴いても本当にカッコいいです。
それに宏美さんのエッジのきいた歌声が乗るのですから、悪いはずがないですね。
私も1980年前後は、岩崎宏美さんの、歌手としての絶頂期と言えると思います。

10年前に発売された紙ジャケオリジナルアルバムシリーズは、カラオケが入っている盤に
ついては、私は全部揃えました。 確かにカラオケは大きな目的でしたが、それ以上に
応募券を集めて「ダル・セーニョ」がどうしても欲しかったんです。 今、タワーレコード
ではそれも発売されているのが、ちょっとだけくやしかったりしてます(^^;)

あ、秀樹はついにセット物発売ですか! ちょっと遅かった気もしますが…。
映像作品もいいのですが、個人的には今やたら高騰しているオリジナル・カラオケ集の
レコードをぜひ、CD化して発売して頂きたいです。

by ぽぽんた (2019-03-22 22:53) 

もとまろ

ぽぽんたさん、こんばんは。

この機会に初めて「スローな愛がいいわ」を聴きました。
はっきり言って、難しい歌です。そこを、宏美さんがどうってことなさそうにのびのび歌う声や姿がかっこいいです。

先生方が宏美さんに「かかってこい!」と言わんばかりに複雑な歌に仕上げ、華やかな音に仕上げたんだろうなと思います。そこを宏美さんが真正面から受けて立つ、最高峰の真剣勝負を楽しむことができました。
全体的な雰囲気はデビュー曲の「二重唱」みたいだなぁと思いましたが、私だけかもしれません。

これは、宏美さんにしか歌えないと思います…ますが、良美さんの歌でも聴いてみたいかな。
そういえば、良美さんの歌手デビューは「スローな愛がいいわ」の時期ですよね?
by もとまろ (2019-03-23 19:19) 

ぽぽんた

もとまろさん、こんばんは!

仰るとおり、宏美さんはこれほどの難曲をサラッと歌ってしまう(ように聞こえる)
ところが実に凄いと思います。
「二重唱」みたいに聞こえるとのご意見は理解できる気がします。
スピード感がある事、ストリングスが活躍している事、そして作曲・編曲が
筒美・萩田コンビで共通しているのがきっとその要因でしょう。

岩崎良美さんが歌ったら、スピード感はあまりないかも知れませんが、
宏美さんにはない色気が出てくる気がします。 きっと聴き応えのある歌を
聴かせてくれるのではないかな。
そうですね、良美さんは1980年2月歌手デビューですから、同時期ですね(^^)

by ぽぽんた (2019-03-25 23:22) 

マコジ

僕もこのB面の「白夜」がたまらなく好きでした!!
ぽぽんたさんと同じ高校3年生でしたので、受験の帰りに新宿の楽器屋さんで白夜の「神話たち~」に続く「シドシーソーミーソー」の部分をキーボードで弾いて楽しんだりしてました。たしか同じ日に妹さんの「赤と黒」を買ったのを覚えてます。
あの頃は受験勉強もせずにひたすらエレキベースの練習に明け暮れていたので、白夜のベースがいかに素晴らしいかがよく分かりました。真偽は分かりませんが後藤次利さんっぽかったなあ。

正直に言ってしまうとヒロリンの曲は自分の趣向からどんどん外れていって、80年以後心から好きと言える曲はシングル関係だと「白夜」と「素敵な気持ち」だけになってしまいました。
それでも宝物をたくさんくれたことを本当に感謝しています(^^
by マコジ (2019-04-05 23:41) 

ぽぽんた

マコジさん、こんばんは!

受験と絡んだ思い出だと本当に忘れられませんよね(^^)
…となると「赤と黒」は発売されたばかりの頃に買った、と言うことかな?
私はもう少し遅れて買いました。 家でレコードをかけて「いい音だ」と感動したものです。
「スローな愛がいいわ」の次の「女優」のB面「レンガ通りの恋人達」は
後藤次利さんのアレンジなので、もしかすると「白夜」でベースを演奏した
つながりで…って事も考えられる気がします(^^)

そうですね、岩崎宏美さんはデビューからの5年間があまりに濃くて、
1980年を過ぎるとちょっとベテランめいてきたと言うか、薄味になっていった感は
否めない気がします。 特に私は個人的には、1981年1月の「胸さわぎ」を
初めて聴いた時には「なんじゃこれは」とちょっと絶望したものです(^^;)
しかしそれでも、私の若い頃の思い出にはいつも宏美さんの歌があります(^^)

by ぽぽんた (2019-04-06 23:22) 

ぼたもち

この曲、難しいんですねー!!
「改めてちゃんと聴き返してみよう」と思わされた記事でした。

コメントにもありましたが、このような難曲を宏美さんがあまりにもさらりと歌われているので(努力の末かもしれませんが)、過去にそう感じたこともなかったと思います。
ただ、宏美さんの歌唱レベルの高さが際立った作品であるとは思っていました。

でも考えてみれば、自分がこの曲をよく口ずさんだという記憶がありません。鼻歌でも…たぶんないです(~_~;)
なるほど、そういった意味でキャッチーではなく、あまり親しまれる曲ではなかったかもということですね。

ヒットさせるって難しいんですね。
誰でも歌える楽曲ではないけれど岩崎宏美なら…、ないからこそ岩崎宏美に…、という思い、挑戦、賭けのようなものもあったのでしょうか。
その前の『万華鏡』あたりから、少しずつ大人曲への移行期を図っていたかもしれませんし、大ヒットでなくても ファンの間でしか話題にならなくても、この曲の存在価値は高い気がします。

それにしても、ぽぽんたさんのピアノ演奏が素敵です!前奏部分はピアノが特に際立ちますね。
鍵盤の上を忙しく動くぽぽんたさんの指を、途中から口を開けて追っていました。
演奏中に鍵盤が下りたままにならなくてよかったです(笑)
by ぼたもち (2019-07-07 18:53) 

ぽぽんた

ぼたもちさん、こんばんは! なかなか全部にお返事が書けなくてすみません。

そうですね、この前の曲がCMソングにもなった「万華鏡」でキャッチーだった事もあって、
この「スローな愛がいいわ」は印象が薄いと言う人も多いのだろうな、と思います。
私の場合は「スローな愛、って何だよ」とやや反感めいたものがあって、正直なところ
当時はあまり好きな曲ではありませんでした。

確かにレベルが高く、歌手に歌唱力を要求する曲ではあるのですが、何か一本筋が通ってない
というか、散漫さが感じられるんですよね。
言い方を変えると、当時充実していた岩崎宏美さんの歌唱力に寄りかかった作りだった、
とも思えます。

しかし40年も経ち、改めて聴くと、これは今の岩崎宏美さんと較べてしまうからだと思う
のですが、歌い方や声があまりに美しくて聴き惚れてしまうんですね、これが(^^)
当時(私は高3でした)ちょっと夢想していた事があって、音楽の授業の時、
もし岩崎宏美さんがここで生歌を歌ったら、きっと教室中に凄い声量で響き渡るだろうな、
なんて「コンコーネ50番」を歌いながら思ってました。

私のピアノ演奏を視聴して下さってありがとうございます(^^)
そのように言って頂けると本当に嬉しいです。 この曲、今でも時々弾くんですよ。
あの動画の電子ピアノ、今はもうないのですが、初めて自分で買ったピアノだったので、
それはもう嬉しかったものです。
あのように、鍵盤が下がったままになる事がなければ、もう何年か使っていたかな。

by ぽぽんた (2019-07-10 23:51) 

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