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モンテカルロで乾杯 / 庄野真代

↓ ちょっとメークがきついような(^^;):

モンテカルロで乾杯.jpg

チャートアクション

「モンテカルロで乾杯」は庄野真代さんの6枚目のシングルとして1978年7月に発売され、
オリコンシングルチャート最高5位(同年9月11日付)、同100位内に22週ランクインし
31.4万枚売り上げるヒット作となりました。

ヒット自体は明らかに前作「飛んでイスタンブール」の余勢を駆ってのものと思われますが、
流れるように進行する「イスタンブール」に対し、
「モンテカルロ」ではリズムを強調してよりポップなサウンドとなり、
その両方、あるいは「モンテカルロ」の方が好みと言うファンも多いようです。


作家について

作詞はちあき哲也氏、作曲は筒美京平氏で前作と同じですが、
編曲は「イスタンブール」での船山基紀氏に替わり筒美京平氏が自ら行っています。


楽曲について

リズムは基本8ビートですが、ややアップテンポである事、
ストリングスが16分音符で動き回るパートが多い事、歌メロやオブリガートにも
16分音符が多用されている事などがあり、パッと聴いた印象は16ビート、実は8ビート…
と言ったところでしょうか。

全体の構成はオーソドックスな2ハーフです。
各コーラスはA・A'・B・B' と分ける事ができ、ハーフはB・B'のみです。

歌メロのパターンは全体的に「イスタンブール」を引き継いだものと言えます。
特にAメロの出だしの譜割りが、半拍おいて始まる事を含め「イスタンブール」と
全く同じなのがちょっと「似すぎ」と言えなくもありません(^^;)

キーはB♭マイナー(変ロ短調)で、他調にわたる転調はありません。
参考までに楽譜を(2コーラス目は端折ってます)。
♪かんぱーいモンテカルロ…♪ の「かん」の音が、1・2コーラス目ではラだったのが
ハーフだけミである事にも注意してみて下さいね:
モンテカルロで乾杯score.jpg

キーこそやや厄介ですが、コード進行は平行調で短調と長調を行ったり来たりしている程度で、
特に特殊な和音が使われたりはしていません。

しかしこの曲にも、筒美氏の楽曲の多くに見られる6th系コードの効果的な利用が見られ、
それが歌メロにも反映され、オリエンタルなムードを盛り上げています
(と言ってもモンテカルロはヨーロッパなのですが)。

具体的にはAメロ ♪(そして24時間)あの都会(まち)あとに♪、
Bメロ ♪(シルクハットを月に飛ばして)明日は明日よ♪ の2箇所に注目して下さい。

それらで使われているのはE♭m6で、構成音が全く同じでベース音だけが異なる
Cm7-5でも構わないはずですし、
特に後者では実際の進行上そのCm7-5が使われるのが普通なのですが、
筒美氏は敢えて6th系コードが持つ哀愁感をここでも重視したようです。
それにしても、構成音が同じである和音なのに、最低音を入れ替えるだけで
聴いた印象が変わるなんて不思議ですよね。

筒美氏の作品には同様の例が多いのですが、それが生かされたフレーズの一つが
「雨のエアポート」(欧陽菲菲)のAメロ ♪(小雨に濡れているわ)エアポート♪
でのコード進行です。
キーは違いますが、その前後での和音の響き・感触を聴き比べてみて下さい。


歌詞について

歌詞はやはり「イスタンブール」の続編よろしく…と言った感じのシュールさが身上ですが、
その中に対比が見られるのが面白いところです。
それは「シルクハットを月に飛ばして」に対して「割れてしまえ地球なんか」(月・地球)、
「黄金(きん)の時計を過去にまわして」には「裂けてしまえ未来なんか」(過去・未来)。
最後には「地球なんか 未来なんか」と、幸せなのか自暴自棄なのかわからないような
表現で結末を迎えると言う、何ともユニークな構成ですね。


アレンジとサウンドについて

筒美氏の作品に多いストリングス主導のアレンジで、これほど派手に動き回っているのに
全くボーカルの邪魔をせず見事に絡み合っている、そのバランスが素晴らしいですね。

チェロの重い音で始まり、やがてシタールでイントロのメロディーが演奏されます。
「飛んでイスタンブール」ではイントロなどでブズーキが使われていましたから、
シタールの使用もそれを意識しての事でしょう。
ただシタールはインドの楽器であり、モンテカルロとは関係ないはずなので、
その音選びはやはり、イメージ先行と言う事でしょうか。

蛇足ながら、「モンテカルロ」の翌年に大ヒットした「魅せられて」(ジュディ・オング)
では筒美氏はブズーキを大フィーチャーしていますから、自身の作ながら
「イスタンブール」の影響力の大きさが感じられます。


Bメロ(サビ)に入ると一層スピード感が増しますが、その要因の一つに
4拍目にフロアタムを鳴らすドラムスのパターンがあります。
そのパターンをいち早く採り入れていたのが、前年(1977年)に大ヒットした
「愛のメモリー」(歌:松崎しげる、作・編曲:馬飼野康二)だったんですね。


このブログでその「愛のメモリー」の回に少々解説したストリングスシンセサイザーが、
「モンテカルロ」にも使われています。
「愛のメモリー」ではストリングスとして使われながらも
生ストリングスとの音色の違いが見事に使い分けられ、
「たそがれマイ・ラブ」(歌:大橋純子 作・編曲:筒美京平)では
生ストリングスに溶け込むように使われ…とそれぞれが新しいサウンドを感じさせましたが、
「モンテカルロ」ではストリングスとは似て非なる楽器として独立して使われています。
A・A'でのオブリガート以外ではフェイズシフターの効果が加えられ、
シュワシュワと風のSEのようにも聞こえます。

ベースの音作りがポコポコとやや軽く、また固めにも感じられる特殊なものですが、
それはBメロに入る部分のフレーズを目立たせる効果もあるようです。

右チャンネルからシャカシャカと金属的な音が常に鳴っていますが、
これはドラムスのハイハットを単独で演奏しているように聞こえます。

エレキギターが左右1本ずつで、左が主にコード、右がオブリガートを担当しています。
これはエフェクトが感じられない、ストレートな音ですね。

総合的に筒美氏のアレンジらしい、複雑ながらポップで親しみやすいサウンドですが、
サウンド全体から受けるインパクトと言う意味では「イスタンブール」の方に
軍配が上がるように思います。


「モンテカルロで乾杯」で使われている楽器とその定位は:

左: エレキギター ストリングスシンセサイザー

中央: ベース ドラムス 電気ピアノ ハープシコード シタール

右: エレキギター ハイハット(かな?)

ストリングスが左右間にステレオ定位


歌唱について

「飛んでイスタンブール」での庄野真代さんの歌唱は、クセを極力抑えて
大人っぽい雰囲気で通していましたが、
「モンテカルロで乾杯」ではその特徴的なア行の発音が炸裂して(サビの
♪かんぱーい♪ が顕著ですね)、本来の真代さんらしい歌声が楽しめます。
HiB♭より上ではファルセットになるあたり、元々声域が低めなのかも知れませんね。

もっとア行の発音を確かめたい向きには、1980年に発売されたオリコン最高6位のヒット
「Hey Lady 優しくなれるかい」(庄野真代さんの作詞・作曲です)がお薦めです。
実は私、真代さんの曲ではそれが一番好きだったりします(#^^#)


付記

お知らせです。 明後日(10月11日)、昼12時からの「徹子の部屋」に
太田裕美さん、渡辺真知子さん、そして庄野真代さんの3人が出演します。
売れっ子だった当時のお話が聞けそうです。
…あまりのタイミングの良さに我ながらびっくり(^^;)


「モンテカルロで乾杯」
作詞 : ちあき哲也
作曲 : 筒美京平
編曲 : 筒美京平
レコード会社 : コロムビア
レコード番号 : LK-77
初発売 : 1978年7月10日

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もとまろ

ぽぽんたさん、こんにちは。

イントロは全然わからず、「そういえばそうだったかな?」といった感じです。あれだけでわかる皆さん、すごすぎる…。
「モンテカルロで乾杯」は何度も聴きましたが、小学校6年生ぐらいから大好きな「飛んでイスタンブール」が偉大すぎて、そんなに印象がないなぁと思っていました。
思えば、真代さんがこれをテレビで歌うのを見たことが無かったので、ようつべで見てみたら、すごくノリノリで歌ってました。レコードを聴くよりテレビ(とか、実演)の方がいい歌に聴こえました。
それと、♪かんぱーい♪の音の違いもよくわかりました。確かに3番目は、盛り上げのためかな、上がってましたね。

「徹子の部屋」は、息子(赤ん坊もいます)の予防接種で行った病院で見てました。
あの3人は見るからに仲良しなのがよくわかりました。
で、思い出したのが、明星「ヤンソン」1978年総決算(1979年2月号)で、たしか「モンテカルロで乾杯」のあたりで真代さんについて書かれた、近田春夫さんのこんな感じのコメント。
「人妻でもアイドルになれる、との例を示した功績は大きい」
裕美さんはナベプロでスクールメイツでキャンディーズとの交流がよく知られてます。
真知子さんは原田真二さんと一緒に明星の表紙になりました。
当時赤ちゃんだった私は、そういうのでアイドル扱いみたいなのが分かりますが、真代さんは当時どんなふうに見られてたのかな?
ちなみに、当時の旦那さんは、私には「ハロー・グッバイ」でおなじみの小泉まさみさんだったそうで、真代さんと作風が違う気がしてちょっとびっくりしました。

そういえば、少し前には岩崎宏美さんと八神純子さんが「ごごナマ」に一緒に出てましたね。ちらっと見ましたけど、仲良しらしいです。
by もとまろ (2017-10-14 18:36) 

ゴロちゃん

ぽぽんたさん、こんばんは!

ウルトライントロクイズが出る前の数日間、車の中で「モンテカルロで乾杯」を何回も聴いていたので、すぐにわかりました。「イスタンブール」も好きですが、「モンテカルロ」はそれよりももっともっと好きな歌です。(次の「マスカレード」も転調するところが大好きです。)

歌の冒頭♪そして24時間♪のところから引き込まれます。半音上がったり下がったりしているように感じるメロディーに異国情緒をすごく感じます。これが筒美さんの6th系コードなのでしょうか?
B‘メロの♪踊ってモンテカルロ♪の「踊って」のところで半音下がっているところもいいですね。
♪かんぱ~い♪の3回目の「かん」の音が、1,2番とが違っていることも気がついていました。こういうのって大好きです。

歌詞は「熱いタンゴ」「キスの嵐」などとても情熱的です。そんな中に出てくる「シルクハット」「黄金の時計」という言葉から、「不思議の国のアリス」が思い浮かびます。そこのところがなんともファンタジックで不思議な感じがします。

後奏がまたいいのです。半音ずつ上がりながら(半音のように感じますが。)終わっていくという終わり方、筒美さんの得意とするところなのでしょうか。郷ひろみさんの「悲しきメモリー」の後奏もそんな感じで好きなんです。(同じく筒美さん作・編曲)

好きなところは細かいところも入れるともっともっとたくさんあるのですが、悲しいかな、それを文章でうまく表現できないのです。「とても好き」とか「いいなと思う」とか、小学生の作文みたいですね。一緒に歌を聴けば「ここのこういうところが好き!」と言えるんですが・・・歯がゆいです。

庄野真代さんの歌は、「イスタンブール」が出る3年ほど前から、ラジオの「コッキーポップ」でよく聴いていました。ヤマハのポプコンで入賞した「プラタナスの丘」という歌が、「今月の歌」として毎日流れていたからです。
真代さんのあの声でゆったりと歌い上げる歌で、静かな真夜中に聴くと気持ちが落ち着いたものでした。

「徹子の部屋」の情報ありがとうございました。録画して、今日観ました。徹子さんが「3人合わせて184才」と言っていましたが、3人ともとてもすてきでした。3人は私より3~5才上なのですが、私もこれからあんなふうにすてきに年を重ねていきたいなと思いました。
by ゴロちゃん (2017-10-14 22:41) 

もっふん

いろいろ書きたい事があって迷っていたのですが、もとまろさんとゴロちゃん(さん?)から投稿があったので、まずはその辺から始めて「五月雨式」にコメントをしてみようかと思います。お二方のおかげで大変助かりました。(^-^)ノ

★3回目(ハーフ)の「乾杯~♪」★

これは、ぽぽんたさんが記事で理由まで説明して下さるのが良かったと思うのですが(笑

例によってややこしい#や♭を外して極力ドレミファソで表記すると、1番と2番は A メロの最後がラドミの和音でメロディもラで終わっていまして、短調の曲としては一旦きちんと終わった形になっています。ここから B メロの頭では一瞬長調に転調したのかと錯覚させるラド#ミソの和音に展開して行くのでメロディも「↓ラ↑ラ~」で全く問題無く歌えます。

しかし、ハーフの部分はその前に間奏が入って最後の和音がイントロの最後と同じくミソ#シレ、「これからラドミかラド#ミに行くよー」と言う予告編的和音なのですが、見てお分かりの通りラの音が使われていません。根性でここを「↓ラ↑ラ~」と歌う事も不可能ではありませんがソ#の音と半音ずれたラの音は決して自然には聴こえないでしょう。

オケの弦ががミを連打して盛り上げている所なので、ここは「ミ↑ラ~」の方が素直に響きますし、なによりオケと同じ音なので歌っていて音を外すと言う心配がありません。無理にラから始めて「E7♭11」と表記するしかないジャズみたいな和音にする必要は無いと言う事です。

逆に、1番と2番の該当部分の和音はラドミですから、だったら最初からここは全部「ミ↑ラ~」で統一したらどうだったのさ、と言う方がむしろ「まっとうな」考え方かも知れないくらいです。

これは、ボーカルとしては「ミ↑ラ~」よりも「↓ラ↑ラ~」と一気にオクターブ跳ぶ方が歌唱が難しく、難しい分、歌い手がキレイに決めるとそこで曲のテンションがグッと上がるんですね。だから筒美先生としては歌唱力のある庄野真代に歌わせるのであれば、あくまで本筋は「↓ラ↑ラ~」であって、3回目は間奏で盛り上げるから少し妥協したのではないかとも想像出来ます。(一方、筒美先生は同じような繰り返しでリスナーを飽きさせることをとても嫌う方でもあるので、なまじインパクトのある「↓ラ↑ラ~」3回は逆にくどくなる、と言う計算も働いたのかも知れません)

★歌い出しがまるで「イスタンブール」★

一発ヒットが出ると次のシングルはあまり冒険出来ないもので、筒美先生が郷ひろみの「よろしく哀愁」の後に出した「わるい誘惑」も歌い出しはクリソツでしたね。奇しくもこの2曲、加えてゴロちゃんさんお気に入りの「悲しきメモリー」、「イスタンブール」「モンテカルロ」を並べてみると混乱するくらい似ているようにも見えます。

 もっと素直に僕の(ミファミラシド↑ミミーレファー) 愛を信じて欲しい
 照れているんじゃないよ(ミレ#ミファミド↓ラ↑ファミーミー) あれは悪くはないさ
 よせよ口紅を(ララ↓ミラシードーレーミー) そんな色にしても
 いつか忘れて行った(ミ↑ミレミミレドレミーレー) そんなジタンの空箱
 そして24時間(ミファミソファーミソファーミー) あの都市(まち)あとに

同じような譜割なのに、それぞれきちんと別の曲にしてしまうと言うのは凄い事です。

★半音?で動くのが気持ち良い★

さきほど「乾杯~♪」の「乾」が後ろで鳴っている和音とズレていると気持ち悪いから三回目はミ、と言う事を書きましたが、こういう「ドヤッ!」と歌う音符でなければ適当にチョロチョロ和音にとらわれない音が混じっていてくれないとメロディが退屈な物になってしまいます。

いろいろな混ぜ方の中でも、半音揺らすのは一部の例外を除いて非常に不安定で緊張した雰囲気になるので、その一瞬の緊張感とそこから妥当な音に戻って来た時の安心感とのメリハリが心地良く感じられます。

この曲の歌い出しはミとファの半音関係を利用(しかもファの音の方が長い)するだけではなくて、「24時間~♪」の「に」と「じ」の音が最高音(目立つ音)であるにも関わらず伴奏和音のラドミに含まれないソの音である事も、「半音ズレ」ではないのに少し不安定なな響きを醸し出す隠し味になっています。たぶんこれが「異国情緒」の正体でしょう。

アウトロでは基本は2つの和音を2回繰り返して終わるだけなのですが、和音を変える度に前の小節の最後に目的より半音低い和音(普通ならまず使われない不安定な和音)を入れてスラーで持ち上げると言うやり方を取っているので、半音低い和音の時にハラハラして持ち上がってスッキリ、と言う繰り返しが続くわけです。

ぽぽんたさんは特に言及されていませんが、右ch のギターはミュート奏法のポコポコしたオブリガードの他に B メロ直前ではスライドギターのような上昇音も演奏しており、アウトロの半音上げも含めてボトルネック奏法が用いられていると思われます。小指や薬指に装着して両刀使いするための短いスライドバーもありますがレコードは別録りでしょうね。歌番組のギタリストは泣いたかも知れません(笑

※大々的にフューチャーされているシタールの音色の特徴も音程の不安定さでもあるので、通常編成のオケでなんとか再現しようとするならこちらもスライドギターが最適だと思いますが、普通のギタリストはそういう「なんちゃってシタール奏法」のトレーニングをしていると思えないので、ストラトキャスターに思い切り細い弦を張る(出来ればブリッジはフローティングで)くらいで勘弁して貰っていたのではないかと思います。

なお、アウトロで繰り返される2つのコードとは B7(シレ#ファ#ラ)→E7(ミソ#シレ)であって、半音進行でこそありませんがいわゆる強進行(ドミナントモーション)と言う非常に説得力の強いコード進行で、「悲しきメモリー」でもこの進行が使われています。ゴロちゃんさんがお好きなのは、このレ#やファ#と言う「絶対に解決しなければいけない不安定な音」を解決して行く展開なのではないかと思います。
_
by もっふん (2017-10-15 11:45) 

もっふん

★休憩★

【事故レス】

 ×「そんなジタンの空箱」→〇「こんなジタンの空箱」

>もとまろさん

シングルは繰り返し流されるものなのでノリを抑制してカッチリ作る傾向にありますし(但しサザンを除く・笑)、歌い手もレコーディング時点ではまだ自分の解釈を入れられるほど歌い慣れていないと言う事情もあります。加えてこの曲の場合は「イスタンブール」のニヒルと言うかデカダンと言うか、刹那的なアバンチュールに甘んじるしか無いと言う諦観の、少し陰のある雰囲気から余り外れないようにと言う意図が収録時には強く働いたと想像出来ます。

本曲も決して祝福されるような恋愛を歌ったものではありませんが、「イスタンブール」のようにただ状況に流されるのではなく、決意を持って敢えて踏み込んで行くと言う点ではある意味ヤケクソにはっちゃけているので、真代さんが歌い込むにつれて、また、楽曲自体が必ずしも「イスタンブール」と同じ空気感でなくても受け入れられると言う確信が得られるにつれて、「同じ阿呆なら踊らにゃソン」と言うノリが出せるようになったのでしょう。

ファンしか集まらないライブでは、それが悲しい歌であっても「お馴染みのあの曲ですよ~♪」とばかりにテンションが上がる場合も多いですしね。

そんな庄野真代の当時の立ち位置がどうだったか、と言うと、「イスタンブール」で初めて名前を知った人には中原理恵のイメージが一番近いのではないかなあ。既婚者である事は余り喧伝されていなかったので。

既に「美形シンガーソングライター」と認識していた人は、自作曲2曲の後に「中央フリーウェイ」のカバー、「ラストチャンス」は作曲がアリスのベーヤン(なので「冬の稲妻」と少し似ている)とニューミュージック周辺を迷走した挙句、「結局、筒美京平かぁ」と少し複雑な思いだったかも知れません。

もし、あみんが殆ど売れないまま岡村孝子が筒美作品で登場したら、平松愛理が都倉作品でブレイクしたら、みたいなイメージでしょうか。

山本リンダの「困っちゃうナ」、アンルイスの「グッバイマイラブ」を知っている人とそうでない人では、その後の受け止め方が随分違う、と言うと却って分かりにくいですかね(笑

真代さんは合歓の郷出身で、小泉まさみ氏もポプコン出なので繋がりはその辺かと思います。山下達郎・竹内まりあ夫妻と言い、布袋寅泰と山下久美子と言い、ミュージシャンは必ずしも「自分に近い作風」を求める訳ではないようですね。

と、長々とコメントさせて頂きましたが、世間からキワモノとしか見られない「恋のT.P.O」以外では殆ど知られていない(と思われる)近田春夫さんの名前が当たり前のように出て来た事が一番の驚きでした(笑

>ゴロちゃん、さん?

先のコメントでついつい音楽的な事について長々とお話ししてしまいましたが、分かりにくかったらごめんなさい。質問、返品、クレームについては全てぽぽんたさんが対応して下さる予定です(ばき

音が跳躍する部分や半音混じりに絡みつくような、そういう「難しい」部分に自然と耳が行かれる方は概ね実際に歌わせてもお上手、「いやいや、そんなことは~」と言われる方でも上手くなる素質をお持ちなのだと思います。声の質は生来の物だとしても、歌の上手い下手の8割は度胸が決めますが(私は度胸「だけ」でフロントマンをやっておりましたが・笑)、残りの2割の部分の話としてですね。

音に関するボキャブラリーは音楽をやっていれば自然と増えて行くものですが、表現する言葉が脳内に無いにも関わらず、全く違う曲のエンディングの和声進行が同じものだと「感じる」事が出来ると言う、その「耳」が素晴らしいと思います。

私には致命的に掛けている資質なので非常に羨ましくもあり、若干妬ましくも(笑

「イスタンブール」も「モンテカルロ」もそうですが、この時期に流行った「異国もの」はご指摘の通り概ねはファンタジーと理解するのが妥当だと思います。例えばの話、レバノンは冬季五輪に選手を出せる程度に雪の降る国ですが、「レバノンの白銀」じゃあ誰もピンと来ません。逆もまた真なりで、これらの歌は日本人の持っている脳内イメージを繋ぎ合わせた一つの白昼夢なのだと思えば、トルコに砂漠があろうがモンテカルロ駅が霧に湿っていようが腹も立たないと言うものでしょう。

「シルクハットを月に飛ばして」「地球なんか未来なんか」・・・今このフレーズを聴くと、この曲が発売されてから14年後に放映されたアニメ「美少女戦士セーラームーン」のタキシード仮面を想起してしまう私は立派な還暦目前。。。(´・ω・`)

'86にポプコンそのものが無くなってコッキーポップが終了するまで司会を務められた大石吾朗さんは今年71歳におなりだそうです。平成も来年で終わるそうなので、つくづく「昭和は遠くなりにけり」と感じさせられます。
_
by もっふん (2017-10-15 17:41) 

ゴロちゃん

もっふんさん、こんばんは!

「半音揺れの不安定さ」、仰る通り、私はこの曲に限らずそういう部分に惹かれます。的確な言葉で表現していただき、なんだかすっとしました。
また、おほめの言葉をいただきありがとうございます。コード進行とかむずかしいことはわからず、感覚でものを言っています。
だからいつももっふんさんのコメントを読ませていただき、すごいなあと感心しています。

歌いだしの似ている5曲の話、面白かったです。ほんとに同じような譜割なのに別の曲になっていますものね。でも、「わるい誘惑」は当時「よろしく哀愁と同じじゃん。」と思ったもので、印象に残りませんでした。

還暦目前ということは同世代ですね。これからもコメント楽しみにしています。
by ゴロちゃん (2017-10-15 21:11) 

青大将

またまたこんばんは!

え!以前からわたくしをロマンチックな人物だと認識して頂いてたと?(^^;
それはそれで何かお恥ずかい(笑)(ってか、何処が?(^^;)

それはそうと、今回は自分なりに「たとえば・・・たとえば」に関してコメントを。f(^_^;

「迷い道」「かもめが翔んだ日」「ブルー」と来て、正直この曲は何か残念感が当時在りました。
イントロからやや大袈裟な演出を施した様な印象があり、いきなり♪たぁーとぉーえーばぁー♪と歌い出して、何か拒絶感が拭えないというか・・・。

テレビでは♪たとえ たとえで たとえても♪の箇所で前に人差し指を立てて左右に動かし乍ら歌って居た記憶がありますけど、これって合ってる?(^^;

当時はレコード店に頻繁に通ってた時期ですし、このシングル・ジャケットはその都度目にしてました。

個人的には次の「別れて そして」がシングル曲の中でいちばん思い入れが強く、好きな楽曲なのですが、
これは、日曜昼の「TVジョッキー日曜大行進」のゲスト出演時に観た記憶が強いです。

前回のコメントでも触れた3rdアルバム「遠く離れて」はこのシングル2曲を含み、他の楽曲も併せ早くも凄い名盤だと個人的に思って居ります。

一般的にはデビュー曲から「ブルー」迄の印象を濃くして認知されてた渡辺真知子ですが、『真知子が燃えた・・・・・・アレンジャーが燃えた・・・・・・ミュージシャンが燃えた・・・・・・、そして真知子が翔んだ・・・。』という帯のコピーに偽り無く、シングルの「たとえば・・・たとえば/港のフェスタ」以外は全曲作詞・作曲共に渡辺真知子本人で、編曲は全てぽぽんたさんもお関わりのある船山基紀氏が手掛けて居られ、ミュージシャンの中にハネケンこと羽田健太郎氏も参加されてますね。

1st2nd共アルバム持ってますけれど、この3rdでより一層才能の幅を見せ付けてる印象です。
それにしても、八神純子といい、庄野真代といい、渡辺真知子といい、少し後の久保田早紀といい、我々の世代はシングル・アルバム共に其々グレード高い作品を放つミュージシャン達をリアルタイムで共存出来、今の世代の大所帯アイドルや旨味の無い楽曲に溢れた(偏見?(^^;)音楽界に比べ贅沢だったと自負出来ます!

話は変わり、俺は昔から渡辺真知子に関しては、時折時折で嵌まって来た様に思うんです。

「迷い道」を初めてラジオで聴いた感動、(それまで聴いた事無い感じの歌を聴いたワクワク感)「ザ・ベストテン」の今週の11位~20位のダイジェスト映像に入り、その僅かな歌唱シーンを観て、何か興味をそそられた事、今思えば登場時から不思議な縁でした。

シングルは「季節の翳りに」「いちどだけ冒険者」を除く81年の「たかが恋」や「泣いてララバイ」、「好きと言って」(83年)迄買いましたし、その後もFMなどでアルバムや新曲の特集を聴くに連れ、シングルを購入したりしてました。

85年の初頭、バイト先のうどん屋の有線でよく流れてた「Espressoでお別れ」、88年の「哀愁トラベラー」、84年夏の「真夜中のハイウェイ」、B面・アルバム曲と共にコンスタントに聴いてはその都度嵌まって来たアーティストの1人でした。

前回のコメントでタイトルを失念しましたが、御指摘の通り、先日の祭りライブで購入したCDは「いのちのゆくえ~My Lovely Selection~」です。 これは凄くお薦めです!機会があれば是非聴いてみて下さい。

今回改めて繰り返し聴いた「たとえば・・・たとえば」は、今いちばんオリジナルカラオケも聴いてみたくなったナンバーでした。♪私だけの人じゃないの~(ほほえみさえ毒になるわ~/自分自身たしかめたい~)
♪から♪たとえ たとえで たとえても♪に架かる演奏がツボでツボで(^^;

そういえば、当時から♪私だけの人じゃない「の~」♪は、♪私だけの人じゃない「な~」♪に聴こえてました。

最後に、この超イントロクイズですが、20回以上聴いてモヤモヤしながらも、結局判りませんでした!(T-T)
「横須賀ストーリー」?とか閃きましたが、音階や雰囲気が違うし。

最近難しいです!(ーー;)
(でも他の読者の皆さん、普通に回答しておられますね)

では次回ヒデとロザンナでお逢いしましょう。(^-^)/
by 青大将 (2017-10-15 23:20) 

青大将

やっちまった!

「たとえば・・・たとえば」のコメント欄の心算が庄野真代のコメント欄読んでた後、そのまま此処のコメント欄に投稿してしまった!(笑)

だからリアルタイムでコメントしないとこんな事になる・・・

ま、俺のこの手の失態は今に始まった事では無い事はぽぽんたさんがいちばんご理解かと思いますので、
『突っ込み無く』(此処重要(^^;) 御自愛を。m(__)m

読者の皆さん、失礼しました。m(__)m
by 青大将 (2017-10-15 23:30) 

もとまろ

もっふんさん、こんばんは。

いつもありがとうございます。私からも少々…。

「同じ阿呆なら踊らにゃソン」
それです。真代さんが歌うお姿から、こういう世界なんだ…というのをびしびし感じることができてます。
最初「モンテカルロで乾杯」の方が好みとの声あり、とのお話に「どこが?」と思ったりもしてまして。いつもはレコードの歌を漁るんですが、今回はあえて歌うお姿を…しかもヒット中と近年どちらからも、得るものが大きかったです。

真代さんの当時の立ち位置として、中原理恵さんに近いとか、岡村孝子さんと平松愛理さんとリンダさんとアンさんの見られ方、これですごくよくわかりました。やっぱりアイドルとはちょっと違うかな、と。

近田春夫さんについては、両親のどちらかが買って実家に残っていた、明星「ヤンソン」1979年2月号で、当時の歌謡界がどうだったか好き勝手に書きまくっていた方、との印象です。あ、それとキョンキョンの「Fade Out」の作者だ(コチラが私の世代どストライクゾーン)…。
「ヤンソン」は今は手元にないですが、時々近田春夫さんのコメントがチラチラ浮かんできます。赤ちゃんだったとき、リアルタイムで知らない世界なので、すごく興味深く読み込みましたね。小学校卒業から中学校入学にかけての時期に。

では、またなにかの時によろしくお願いします。
by もとまろ (2017-10-15 23:54) 

ぽぽんた

もとまろさん、ゴロちゃん、もっふんさん、青大将さん、こんばんは!
ここの記事をアップして1週間ほどコメント欄が静かだったので油断していたら、あら!
活発に論議して下さっていてびっくりでした(^^)
お返事が遅くなって申し訳ありません。


もとまろさん

私も正直なところ、当時テレビで庄野真代さんがこの曲を歌っていたところを
観た記憶が殆どないんです。
「イスタンブール」の陰に隠れてしまっていた曲なのかな、庄野さん本人も
あまり乗り気じゃなかったのかな…とも思っていたのですが、
動画ではそんな事はなかったみたいですね(^^)
流れるような「イスタンブール」に対して「モンテカルロ」はディスコのように
縦ノリ気味で、楽しく歌えるのかも知れません。
庄野真代さんが既婚なのは確か「ザ・ベストテン」でも話をしていたかな。
明らかにアイドルと言う感じではなく、当時23歳くらいだったと思いますが、
落ち着いた雰囲気を持つ人、と言う印象を持ったのを憶えています。

太田裕美さんは天地真理さんとも仲良しで、よく相談に乗っていた…
なんて事もわりと知られていますね。
渡辺真知子さんは今は貫禄がついてますが(^^;)、話し方や雰囲気は
若い頃と全然変わっていない気がします。

八神純子さんは、初の大ヒット「みずいろの雨」は元々、岩崎宏美さんが
歌ったらどんな感じになるかな…と言う発想で作ったそうなので、
仲が良くなったのも自然な成り行きだったんだろうな、と思います。


ゴロちゃん

え!すごい偶然ですね!もしかして私の書きたい事を察知する力がおありですか!?

なるほど!私は正直なところあまり意識していなかったのですが、半音の使い方が
仰るように絶妙ですね。 私は何となく、音程が不安定なのが持ち味なのかな、
くらいにしか受け止めていなかったかも知れません。
そういった部分に情緒を感じ取る感性って素晴らしいですね。 私はそういう
センスが良くないので、とても参考になります。

私は歌を聴いていて、当時から「シンドバッドの冒険」が頭に浮かんでしまってて(^^;)
モンテカルロって地理的にはフランス、イタリアに近いのに、
頭に浮かぶのが砂漠とかラクダとか…イメージが貧困だわ(T_T)
「キスの嵐」に至っては「渚のシンドバッド」の歌詞をすぐ連想しちゃいましたし…

エンディングでB7→C7、E7→F7と動くのはカッコいいですね(^^)
この曲では半音の動きですが、1音(楽典的には全音、と呼ぶそうですが)動く例は
「恋のインディアン人形」(リンリン・ランラン)のイントロ・間奏・コーダで
使われています。

かなり前から庄野真代さんをご存知だったんですね!
私はちゃんと歌を聴いたのは「イスタンブール」が最初で、それまでは「中央フリーウェイ」
を歌っているちょっとケバい女性歌手、くらいの認識しかありませんでした。
お恥ずかしい…。
穏やかな部分はあくまで穏やかに、張り出すところは思い切り…と言った歌唱は、
やはり聴いていてドラマを感じていいものですね。
それが発揮されていると言う意味でも、本文で触れた「Hey Lady 優しくなれるかい」
は今も大好きな作品です。

「徹子の部屋」で太田裕美さんが、外食などに行った時(だったかな)、他の客に
パッと見では気づかれなくてもしゃべり声でバレちゃう、と言った話をしていましたが、
確かに特徴のある声だ、それが筒美さんは好きなんだろうな、と思いました(^^♪


もっふんさん

いつもながら詳しい解説をありがとうございます。
楽曲のアナライズってやり出すと本当にキリがなくて(作曲したご本人は、きっと
理論などは置いといてほとんど感覚でひねり出していると思うのですが、
分析するとちゃんと理にかなっている事が殆どなので、それを説明しようとすると
どんどん細かくなってしまいます)、さらに楽器にある程度親しんでいる方でないと
意味不明な文の羅列に見えてしまうと思うので、自分なりに強く思いついた事に
絞って書くようにしてます…ご指摘を受けて気づく事柄も多々ありますが(^^;)

ハーフの開始部分「かんぱ~い」の「か」の音程についてですが、
コード進行を重視すれば仰る通りで、そこを無理にラで歌うのは不自然と思うのですが、
それまでの同じ部分は低い方のラで、それと同じ音程でハーフも歌うと、
逆に大人っぽい雰囲気が出せるような気もするんです。
コードとしては無理にsus4音程を入れるようなものですが、
ボーカルだとそれが許されちゃう、逆にもしそこをコードに従ってソ#やシにすると
何だかダサい…みたいな事は確かにあるんですよね。 あくまで聴感上、ですが。

で、そのハーフの始まりの音はコード的な理由での音選びだと思いますが、
2コーラス目までと違って、低い音から歌い出すよりも、2コーラス目が終わって
盛り上がっているのを盛り下げないように、との配慮もあるかと思います。
でも実際には、もっふんさんが仰るようにくどくなる事を避けたのかも知れません。

歌い出しが似ている問題は、やはり発注時にプロダクションなどから注文があっての
事に思います。 この曲に限らないのですが、同じような例ってかなり多いですよね。
事務所としては、全く違う曲調で一か八かの冒険をするよりも前作の勢いを使って
少しでも確実に売れるように…となってしまうもの、なのでしょうか。
筒美氏ほどの作家の作品でも、いとも簡単に「あの曲のあのフレーズと同じじゃん」
と思わせてしまうものがありますが、やはり多作しているとあり得る事ですよね。

半音の使い方って、作曲者のセンスの発揮しどころかも知れません。
「モンテカルロ」の採譜の時、ゴロちゃんも指摘されていた♪踊って♪の部分で、
「おど」が半音動いていて、「て~」も半音で動いているように聞こえるので、
どうしようかな…と思ったのですが、結局「て~」は半音の動きは書きません
でした。 ここはもしかしたら歌手独自の解釈によるものかな、と思ったからです。
ちょっと視点がずれますが、ここはコード的にも1音の動きで正しいけど
メロディーの流れとしては半音の方がいいのでは?と思う場合もあって、
一つの例が「もう一度だけふり向いて」(桜田淳子)の♪(この私の目に何が)
見えますか♪の「ますか」だったりします。

ギターのスライド奏法については、ちゃんと耳に入っていたはずなのに
記事を書く時には頭に浮かんで来ませんでした(>_<)失態です。
その奏法など、詳しく勉強していなかったので、解説、助かりました!
音楽を作る側としても、楽器をもっと知らなければならない、と自戒しています。
あ、一つだけ訂正を…フューチャーはフィーチャー、ですね(^^;)

ゴロちゃんへのお返事に「歌の上手い下手の8割は度胸が決める」とありましたが、
う~ん、深いお言葉です。 経験者でないと言えない事ですね。
私、時々想像するんですよ(身の程知らずと笑って下さい)。 東京ドームくらいの
規模のライブでキーボードを弾いていて、ある曲のピアノソロでミスタッチして
何度もやり直す自分…。 ただの想像でも、心臓が縮むほど怖い思いがするんです。
何なんでしょうねぇ(^^;)


青大将さん

コメントの移動が難しいので、ここでお返事を書かせて頂きますね(^^)

そりゃ下さるコメントを拝見して、その音楽愛を知ればおのずとロマンティックな方だ
と判断つきますよ(^^) でも会ってみたらイメージが一変したりして(^^♪

本文で宮川秦氏が「たとえば…たとえば」を酷評していたと書きましたが、
その評ではその後に「その次に『別れてそして』が出て本当に良かった。
確かにそれまでの曲よりもインパクトは弱いが、頭でっかちな『音学』から『音楽』へ
引き戻したあたり、さすがわれらの真知子だ」とその曲を高く評価していました。

オリジナルアルバムについては、私はまだ持っていないので詳しく書けないのですが、
「海につれていって」が1978年5月、「フォグランプ」が同年11月、そして
「遠く離れて」が翌年6月と、ほぼ半年に1枚ペースで制作されているんですね。
たった半年で青大将さんが賞賛されるほどのクオリティのアルバムが作れるとは、
勢いも凄かったと言う事ですね。
きっと船山氏と羽田健太郎氏が実質プロデューサーコンビとして制作されたのでは、
と思いますし、それほど渡辺真知子さんの才能が認められていたんですね。
ここ何年も、買うCDは内容もほぼわかっているようなベスト物ばかりだったのですが、
青大将さんのコメントを拝見して、それらのアルバムを俄然聴きたくなってきました。
「いのちのゆくえ~My Lovely Selection」と共にぜひ聴きたいと思います。

オリジナルカラオケと言えば、不思議なのはどこを探しても「迷い道」のカラオケが
ない(商品化されていない)んですよね。
シングルCDで「迷い道」して発売されているものにはオリジナルカラオケが
入っているのですが、それはオリジナルバージョンでなく奥慶一氏がアレンジした
ニューバージョンなんです。 買ってからそれに気づいてガッカリしました。
私も「たとえば…たとえば」、そして「ブルー」のカラオケもぜひ聴きたいです。
ただ「たとえば…」って、私が持っているCDだけかも知れませんが、音質が
悪くないですか? 何だか狭い幅の中に詰め込んだような、窮屈な音なのですが…。

あ、イントロクイズ、難しかったですか?(そりゃ出した本人は知ってるんだから
簡単ですよね(^^;)) 確かに「横須賀ストーリー」にちょっと似てるかも。
次はきっと青大将さんがお得意そうな曲から選んでみるので、ぜひご参加をm(_ _)m

次はヒデロザですね(^^) そうそう、1ヶ月ほど前かな、「徹子の部屋」に
ロザンナさんと綱木さんがペアで出演してました。 つい最近生で観たところだったので
嬉しくなってしまいました(^^ゞ

by ぽぽんた (2017-10-17 22:24) 

もっふん

★続・「乾杯~♪」★

>(ラの方が)逆に大人っぽい雰囲気が出せるような
> ソ#やシにすると何だかダサい
> 盛り上がっているのを盛り下げないように
> くどくなる事を避けたのかも

これ、全部そうなんだと思います。

もう少しジャージーな雰囲気の曲なら、王道のフォークソングなら、歌い手が歌唱力イマイチのアイドルだったら、間奏のフレーズが違ったら、そういうケースバイケースの判断で変わって来るところで、たまたま「このケースではミ」が選択されたのだと思っています。

おっしゃる通り、歌やリードギターやソロを弾いてる鍵盤のようないわゆる「ウワモノ」は必ずしもコードの音に忠実である必要は無く、ジャンルによってはわざとスケールアウトさせる方がカッコイイ場合もあります。ましてや問題になっている部分のコードはドミナント 7th ですから、およそどんなテンションノートであっても「それがカッコ良ければ」許されたと思います。

もろもろを含めた全体を聴いて、それがカッコ良ければ「結果オーライ」になるのも音楽の面白いところですね。

一方で、シングル収録時は良いとしても、歌番組を含めたライブでは貧弱な P.A. でボーカルの返りが聴こえない環境もあり得るわけで(イマドキの音楽番組ですら急ごしらえの特設ステージなどで歌手が歌い辛そうにしている事がありますし)、当時のように「どこで歌わされるか分からない」時代は冒険的な音は使い辛かったかも知れませんね。

★Ⅶm7-5 か Ⅱm6 か★

ぽぽんたさんが「筒美京平の 6th コード」と呼ばれる件です。

平行調の間の行き来を転調と感じる人は少ないと思いますので短調の曲でも「ドミソ=Ⅰ」として表記しますが、同じことは「Ⅱm7 か Ⅳ6か、Ⅵm7 か Ⅰ6 か、Ⅲm7 か Ⅴ6 か」、ごく稀に「Ⅳ#m7-5 か Ⅵm6 か」と言う形で議論になるかと思います。

私が思うにこれは、「4音目を抜いてトライアドのみで演奏する場合にどちらを選ぶかで決めるべき」なのではないでしょうか。ベースはコード決定の重要な要素ではありますが、必ずしもルートを弾いているとは限りませんし。

それが 7th にせよ 6th にせよ、トライアドに対して付加される音である以上、抜いても演奏が破綻しない方を「元の和音」と考えるべきなのではないかと思うわけです。

と言っても、大抵の場合はどちらでもそれなりに良いように聴こえてしまうので、結局は聴く人の感性次第になってしまうのですが(笑

※楽譜では、記事中で「注目して下さい」と書かれている 37小節目のコード表記が抜けちゃってますけど、ここは「E♭m6 > F7」と言うことですよね?(^o^;

※ぽぽんたさんの採譜を見て自分の脳内メロディがえらく間違っている事に気づかされることが良くあるのですが、36小節目の「明日はあ~し」の部分はいつにも増して記憶が滅茶苦茶でした。もはや勝手に作曲しちゃってるレベルだったので愕然としました(苦笑

★「乾杯~♪」と「半音」★

その「(明日は)明日よ」、その最後が F7(ミソ#シレ)であるならば(37小節目のコード表記が抜けたままでも F7 なのですが)、半音で動いている事が話題となっている「踊って」の「おど(ラソ#)」の部分は実は後ろの「ど(ソ#)」こそが「骨」であって「お(ラ)」は直前の「よ(シ)」からソ#へ移る時の経過音であるとみなした方が良いのではないかとも考えられます。

ラがメロディの「骨」とみなすのであれば、最初に話題にした「乾杯~♪」の「乾」を(1オクターブ下になりますが)ラで歌うのと同じことをやっている事になります。(だからダメ、ではなくて、前後関係で構想が変わって来るとすると面白い、と言う話ですので念のため)

仮にこの部分のオケが B♭m のようにラ音に適合するものであったとしても、今度は「次のコードが B♭7 」で「一瞬メジャーに転調した錯覚を起こす」事から、主音であるラを「ドであるかのように聴かせる」ために半音下からアプローチする(「シ→ド」と同じ解決になる)事に意味がある事になります。

・・・などと書くと非常にもっともらしく見えてしまうのですが、上手く出来ているものを「上手く出来ている」と言っているだけの事なので当たり前なんですね(笑

最初に書いたようにケースバイケースで「何でもアリ」と言う中で、「今回は」どれが一番クールかを選ぶのが作り手のセンスなのでしょう。

ぽぽんたさんが例に挙げて下さった「もう一度だけふり向いて」などは、センスの問題で「どっちもアリ」な良い事例かと思います。キーはたぶん Dm であると思われる所を例によって Am に移調して書くと(たぶん文字がズレてしまうと思いますがご容赦を)、

 ミー|ラーーラ ラシード|---ド レドシラ|ドーーシ シ【ラー】シ|-~
 こー|のーーわ たしーの|---め になにが|みーーえ ま【すー】か|-~

この【すー】の【ラー】は半音高い「シ♭=ラ#」の方が良いんじゃないかと言うお話だと理解しましたが、勿論それは「大いにアリ!」ですし、最初からそう言う曲としてリリースされていても違和感は感じなかったと思います。ことにこの続きが原曲と違って「超・ありがち」な展開で、

 ミー|シーーシ シドーレ|---レ ミレドシ|ラーーラ ラドーミ|-~

なんかだったら絶対推奨です(当社調べ)。こう来たらもう次はラド#ミソに行くしか無い、って、それじゃ「東京」(マイペース)を8ビートにしただけになってしまいますが、そんなこたぁ、この世界では良くある事ですから(ばき

ですが、実際は、(^o^;

 ちぎ|れーたこ ーころの|ーーーい た__い_たし|さねー
 シド|レーレド ードシミ|---ミ ファ#ソ#ラシ|レドー

と言う感じになっていて(たぶん大体合ってるんじゃないかな)、こうなるとワタクシ的には「絶対推奨」とまでは言えなくなって来ます。先ほどでっちあげた「東京モドキ」と何が違うのかと言うと「切なさ」の度合いなんですね。「モドキ」では切なさ成分を控えめにしてあるのがポイントです。

そもそも半音で装飾すると切なくなります。この部分は「見えますか」から既に E7※にコードが変わっていて、このコード自体の響きも充分切ない(暗黙のうちにスケールがハーモニックマイナーに変わるので)のに加えて「ドーーシ」と半音高い所から導入する事で更に切ない。

※原調が Dm ならば A7

一方あとに続く「ちぎれた心の~♪」では譜割をガラリと変える事で「どこへ行くのだろう」と思わせておいて、「痛々しさね」を「猛烈に切ない」メロディックマイナースケールに乗せる事でフレーズに区切りを付けています。

・・・もうね、これは穂口先生に直接お伺いするしか無い世界ですが、「どこでどのくらい切なさを出すか」と言うペース配分のお話なんだと思います。リスナーを「ちぎれた心の」で惹き付け直して、続く「痛々しさね」で最っ高に切なくなって貰うためには、「見え」で見せた切なさを「ますか」で一旦落ち着かせる方が良い、と言う判断も充分に成り立つと思うのです。勿論、歌い手のその音域での声質や表現力、全体のアレンジも関わって来るお話としてです。

「東京モドキ」は次にラド#ミソで別の方向に盛り上がる想定なので「切なさ控えめ」の方がメリハリが付きますし、ここを控えめにするなら直前でもっと「E7 的切なさ」を訴えた方が良かろう、と言うのが先ほどの「絶対推奨」の根拠(と言っても個人的な感覚ですが)と言えます。

歌い手は当然メロディにも詞にも感情移入していますから、「この後、自分は心がちぎれて痛々しくなっちゃうんだ・・・」と言う予感を胸に、そこをグッと抑制して「(見え)ますーかー♪」と歌っているのだと想像すると、あまり泣いていない「シラーシー」と言うメロディが逆に味わい深かったりしないでしょうか。「ラ」を「ラ#」に変えればメロディラインは滑らかになりますが、歌い手の心情を考えた時にそれは一種の「軽さ」になってしまわないでしょうか。

音楽に「たった一つの正解」はありませんから、私には穂口先生のお考えを以上のように愚考する事しか出来ませんが、「そういう考え方もあるのね」程度に今後の議論や考察のご参考になれば幸いです。
_
by もっふん (2017-10-19 04:49) 

もっふん

【いつもより重篤な事故レス】 〇| ̄|_

「もう一度だけふり向いて」のコード進行を勘違いしておりましたっ! ><;

コメントを投稿はしたものの、どこかスッキリしない感じが拭い去れなかったので、きちんと音源に当たったところ(先に当たれよ、と言う話ですが)、正しくは(原調)、

 こ(Dm)の私の目に何が(Gm6)見えますか
 こわ(A7)れた心の痛々し(Dm)さね

Am に移調すると

 Am > Dm6 > E7 > Am

でした。

ぽぽんたさんがわざわざ「コード的に1音の動きで正しい」と書いて下さっていたのに、私は脳内で主旋律を再生して、「凄くドミナント臭がする」、「メロディの『ドシシラシ』は百歩譲って Bm7-5(シレファラ)ならば考えられるけれど、最も常識的な選択肢である Dm(レファラ)では通常あり得ない音使い(これが罠でした)」と言う思い込みから、安直に「きっと、太田裕美の『たんぽぽ』と同じパターンだべー(のほほん)」と早合点してしまいました。

コードが動いている感じはあったのにサブドミナントとドミナントを間違えるようでは「音楽を語る資格無しっ!」と言われても仕方ありません(泣

深くお詫びして訂正すると共に、今後はこのような事が無いよう手抜きをせずに音源をしっかりと確認した上でコメントするように致します。m(_ _)m


で、まあ、詫びるのも恥じるのも良いからコメントの内容はどうなるのよ、と言うと。

>「見えますか」から既に E7 にコードが変わっていて

と言うのが大嘘(正しくは Dm6)ですから、この部分が「切なく」聴こえるのは

>スケールがハーモニックマイナーに変わる

からではなくて(実際に弾いてみたら滅茶苦茶キモチ悪かったです・滝汗)

「メロディラインの主役がコードの基本3音ではなくて 6th の音(シ)である」

事によるものです。フレーズ頭のドはマイナー 7th の音に当たりますが、シの音に半音で向かう単なるアプローチノートと見るべきで、これも切なさマシマシに重要な役割を演じています(マイナー 7th 自体はむしろ全体を曖昧化する事で安定させる音なのですが 6th コードでは隣接する 7th を省くのが原則です)。

一方、引き合いに出したマイペースの「東京」は完全に E7 相当のコードを使っているので音楽的には別物になりますが、Dm6 で置き換えても歌えることは歌えるので「あくまでモドキ」として語る分には許容範囲かと思います。そうは言っても「別物」ですので Dm6 にすると「東京」がエラくオサレになります。


と、事例解説に恥ずかしいミスがありましたが、一番重要な主張の骨子である

「半音回しにするかどうかは前後の『切なさ』のペース配分で決まるのではないか」

と言う点には変わりありません。

--------

同じコメントで「Ⅶm7-5 か Ⅱm6 か」とか書いちゃってるので恥ずかしさ倍増です(滝汗

某有名巨大匿名掲示板であれば「100年 ROMってろ!」と言われるレベルの大失態ですが、自分で「ああは書いたけれどスッキリしない」と感じた事に免じてご容赦下さいますよう平に、平にお願い申し上げます。<拝>


今の気持ちは・・・

 「穴を掘って埋まってますぅ!」(by 萩原雪歩・ばき

_
by もっふん (2017-10-19 14:13) 

もっふん

事故レスの中でまで事故ってる・・・(´・ω・`)

 ×こわれた心の > 〇ちぎれた心の

まったくもって歌詞通り「痛々しい」限りの体たらくです。

「フィーチャー」を「フューチャー」しちゃったり、最近疲れてるのかも。

(いんや、きっとこれが「通常運転」なんですよね。私の。トホホ・・・)

_
by もっふん (2017-10-19 14:36) 

もっふん

更新されてほとぼりが冷めてからとも思いましたが、絶対に忘れる自信(どんなや・ばき)があるので何点か垂れ流しておきます。

・ベースの音が軽くて固くて変わっている

この音は歪ませているんですね(オーバードライブ)。エレキギターの音色の歴史は歪みの歴史ですが、昭和のこの時期に歌謡曲のベースが歪んでいるのは珍しいと思います。ベースの低音は聴感以上に音圧があるのでコンプレッサが必須で、歪ませる場合はその後にアンプヘッドかエフェクターを噛ませるのが定石です。

歌裏に回る低音での歪みを軽めにして比較的高音域のオカズでしっかり歪ませようと言うのは結構面倒(音圧バランスが逆)な事なので、コンソールでの作業だと推測します。原音も高音が強く出るようなセッティングであった可能性も高く、加えて「歪む=周波数の高いノイズが増える」と言う事なので「軽くて固い」と感じられたのだと思います。

・4拍目のフロアタム

オンビートでスネア、その裏にフロアを叩くと、次のバスドラムを「流れるように」踏む事になるのでプッシュ感が出ますね。これに絡めて最近考えた「8ビートか16ビートか」と言うお話をしようかと思いましたが、自分の中でまだ発酵が足りないので機会を改めます。その思い付きのキーワードは「キャベツの千切り」です(笑

・右チャンネルのハイハット

マルチマイクにしろ別録りにしろ、そういうミックスも当然あると思いますが、最初に聴いた時は別録りのシェイカーじゃないかと思いました。「それっぽい民族楽器」があったら喜んで使われていたと思う楽曲ですので。

・ストリングスシンセサイザー(以下「ストリングス」)

ぜーんぜん音楽と関係無い話ですが、過去記事でぽぽんたさんが耳鳴りをお持ちと知って。

実は私も、ちょうど「ストリングスにフェイザーを掛けたような」耳鳴りが、かなり昔から両耳にあります。この曲を適正な音量で聴いたのではストリングスが埋もれてしまうくらいの音量でして、白状すると相当極端に掛かっていないとフランジャーやアナログシンセの PWM 音と区別できません。常々「自分は耳が悪いから」と言っているのは「音楽的性能」についてなのですが、「音響性能」としても S/N 比が劣悪なので、本当に踏んだり蹴ったりです(苦笑

・筒美京平氏の弦アレンジ

イントロ冒頭のバンプっぽい部分で聴かれる「駆け上がり」ならぬ「踊り下がり」フレーズの音使いなどは「筒美氏謹製アレンジ」である事を感じさせますね。曲調に共通点が無いのに、何となく岩崎宏美さんのアルバム「ファンタジー」収録の「月のしずくで」を思い出してしまいました。いや、だからどうした、って言う話なのですが(笑

・歌手としての庄野真代

声楽的に美しい岩崎宏美や、歌詞の行間まで表現してみせる松田聖子とはまた別の意味で、非常に「歌の上手い」アーチストの一人だと思っています。少しハスキーにも聴こえる息が漏れているような声(これって声量との両立が難しいのです)から、「あ段」の発声に典型的に見られる「エッジを立てて音を削り取って行く」ような声まで、表現の巾と言うかボーカリストとしての「持ち技」が豊富ですよね。

ぽぽんたさんもお好きな「Hey Lady 優しくなれるかい」のような元気な歌が真代さん本来の持ち味かと思いますが、私がたびたび名前を出す尾崎亜美とともに、ジャズやブルースを歌ってもしっとりとした世界を作れる、その一方で「イチゴジャムの作り方教えます」みたいな曲がある訳ですから、聴いていて飽きる気がしません。


・・・さて、全て忘れるか(ばき

_
by もっふん (2017-10-21 17:26) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは!

なるほど、ベースにODが掛かってるんですね!私にはわかりませんでした。
と言うか、ベースにODを掛ける事があると言う事も知りませんでした。
昔、シンセがまだモノフォニックしかなかった頃に、オルガンなどをシミュレート
した時にわずかにODを掛けるとリアルな音になる…と何かで読んだ事があります。
それはやはり、歪ませると高調波が増えるためでもあるのでしょうね(アナログ
シンセは基本減算なので、フィルターを閉じるほど高調波が無くなりますし)。
この曲の場合、シンセベースでもしっくり合うような気がします(勿論音の
作り方によりますが)。

右チャンネルのハイハットっぽい音は今でも完全には実体がわからないのですが、
この時代ってアナログ録音のクオリティもそろそろピークに達しようとする頃で、
音作りの方も巧妙になっていたので、もしかしたらとんでもない、その名を
聞いた事もないような楽器だったりして…。

お互い耳鳴り持ちですね(^^;)
私の耳鳴りは、秋の虫が小さめの音量で絶えず鳴いているような音です。
全く鳴らない日もあるので、何かすれば治るかも…とあれこれ見聞きは
しているのですが、病院まで行く勇気が出なくて…。
7年ほど前に突発性難聴と診断された事があったのですが、それは半月で
ほぼ完治した事があるので、この耳鳴りも…
でももっふんさん、音楽的性能なら素晴らしいじゃないですか!
今後のために、お互いできるだけ治していきましょう。

筒美氏のストリングス駆け下がりだと、最も凄いのは「ロマンス(岩崎宏美)」の
イントロや♪抱きしめていてね~♪で入るフレーズではないでしょうか。
駆け上がり・下がり複合型としては、やはり「アルプスの少女」(麻丘めぐみ)
のエンディングかな。
それはアクロバティックな技術が必要らしくて、ストリングス奏者を多数泣かせた
と言う噂です。
師匠のすぎやまこういち氏はその「アルプス」のアレンジを大絶賛だったそうです(^^)

庄野真代さんは歌手としてちょっと不利かも…と思うのが、
もっふんさんが解説して下さったような特色・技術が、パッと聴きだと
「巧い」とは伝わりにくいタイプかも知れない事なんです。
逆に言うと、美空ひばりさんのように最初から聴き手をねじ伏せるような
歌唱ではなく、最初に「味のあるボーカルだ…」と何となく好きになって、
そのうちにふと「な~んだ、こんな高い技術に裏付けされていたんだ」
と気づかせてくれるような、懐の深いボーカルなのだと思うんです。
最近の歌唱も、昔に比べ全く遜色なくて、きっと本当に本人に合っている
歌唱法なのでしょう。
確かにジャズやブルースでも、凄くいい味を出してくれそうですね。

by ぽぽんた (2017-10-22 21:24) 

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