SSブログ

(参考記事) 同録 vs. マルチトラック

ぽぽんたです。 いつも読んで下さってありがとうございます。

先週はちょっとだけ忙しくて、新しく記事を書くにあたっての下調べ等が十分に出来ませんでした。
なので、今週は(も、かな)お休みしたいと思いますm(_ _)m

その代わりと言っては何ですが、大したものではありませんが一つ、参考文献を書きました。
少々専門的で読みづらい事と思いますが、良かったらご一読下さい。

*****************************************

このブログの文中に「このオケは2チャンネル同時録音」とか「これは明らかにマルチトラック」などと書いている事がありますが、それらをどうやって判断しているかを説明しますね。


2チャンネル同時録音とマルチトラック録音の違いは以前にも説明したので、省略します。

1971年あたりまでは、歌謡曲のオケ録りでは同時録音が普通でした。
その頃にはすでに日本のレコード会社にも16トラックのレコーダーは導入され、一部の音楽のレコーディングには使われていましたが、当時は予算的に同時録音の方に利があった事、また技術的に歴史のある同時録音の方が制作がスムーズに進んだ事などの理由で、歌謡曲のレコーディングではあまり使われていませんでした。 さらには「歌謡曲ごときにこんな最新鋭の機材(マルチトラックのマシンの事です)が使えるか!」と言う声もあった事でしょう(^^;)。 歌謡曲は地位が低かったですし…。

ミキシングマシンは当時、すでにかなり進歩していて、20~30チャンネル扱う事ができたようです。
なので、同録でもドラムスやピアノ、ストリングスを余裕を持ってステレオ収音(そのためには各2チャンネル分必要です)できました。

やがて歌謡曲の制作にもマルチトラックが徐々に採用されていきましたが、レコーダーはまだ8トラック、多くて16トラックであり、歌謡曲ではヴォーカルの良いとこ取りのためにそれだけで4~6トラックほど使うのが普通だったので、オケのために使えるトラックは10本ほど。
ミックスの時に音量バランスを頻繁に動かす必要のあるストリングスやブラス、音質を変える可能性があるソロ楽器など、トラックの割り振りを合理的に行おうとすると10トラックではすぐに埋まってしまいます。

なので、各楽器群がモノ収録とならざるを得ない事が多く、ミックスダウンの時にはそれぞれの楽器音群を左右の空間に一つずつ並べるようなイメージになります。
そのため、各楽器音はクッキリと聞こえるが、その代わりにそれぞれの音が広がりに乏しいものになっている事が多いのです。

なので、1971年あたりまでに発売された楽曲の録音状態を聴いてみて、各楽器音や左右の空間に自然に広がって聞こえるものは2チャンネルの同時録音である場合が多く、多くの楽器がバラバラに、それぞれある1方向から聞こえてくるようなものはマルチトラックである場合が多い、と言えるのです。

勿論例外もありますが、特に1971年の前後1年間くらいに発売された音源に関しては、以上の違いが目安にはなるはずです。


もう一つ、重要な違いがあります。

2チャンネル同時録音の場合、完成したオケの上にヴォーカルを乗せて歌入りの完成となるので、オケのミックスは歌入りだろうがカラオケだろうが全く同じです。

しかしマルチトラックの場合はカラオケと歌入りとで微妙にミックスの差異を感じる事が多々あります。
それはヴォーカルの有無だけではなく、例えばストリングスの音量やその上がり方などがある部分だけどうも違うとか、ここのエコーのかかり始めが歌入りよりも遅い…などと具体的にその違いを感じる事ができるものです。

現代では、曲の進行に合わせた各楽器の定位や音量、エコーやリバーブなどのエフェクトは全部コンピューターに記憶させるため、何度やっても同じミックスを得る事が可能なのですが、以前は全部の音についてエンジニアが手作業で音量等を動かしていたため、同じものは二度とできないと言っても良いほど、だったんですね。


因みにマルチトラックでの録音では、最初にリズムセクション、次にストリングスやブラス、次いでソロ楽器、そしてヴォーカル…と別々に録音していくので、時として全体の演奏にまとまりを欠く事があるのに対し、同時録音では全員の一体感、またミスが許されない緊張感が演奏に反映し、それが良い結果につながる事もあったようです。

反面、同時録音だと後で楽器の音量バランスなどは一切変えられないので、カラオケとしては良くても歌をダビングすると「え…」と言ったような事もあったそうです。

****************************************

主観ですが、マルチトラックでの音楽制作は1973年頃から急速に進歩したように思います。
先ほど書いたような事柄、悪い言葉を使えば「マルチ臭さ」が次第に感じられなくなり、自然な広がりがあるのに各楽器はクッキリ聞こえる、理想的な音に変わっていきました。

トラック数は4から始まり、テープを使ったレコーディングでは最終的には48まで増えました。

現代ではPro Tools等のDAWが主流で、トラック数はハードの性能に依存しますが実質制限無しとなっています。

制限が多かった昔よりも今の方が自由に色々な音づくりができ、音楽も良くなる…はずなのが決してそうはなっていないのが残念な現状です。

私は個人的には、あれこれ制約がある方が創意工夫の余地が多く良い音楽が生まれやすいのでは、と言う気もするのですが、今はかつて何度もあったような過渡期であって、いずれ良質で歴史に残るような音楽が量産される時代が来る…と信じたいと思っています。

nice!(1)  コメント(43)  トラックバック(0) 
共通テーマ:音楽

nice! 1

コメント 43

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
テープレコーダーの種類は制作者サイドからの要望によって変わっていった歴史があります。
マルチレコーダーの歴史はビートルズによって開花したと聞いております。
ビートルズのデビュー当時もしくは直後には4トラック(チャンネル、以降chと表記)のテープレコーダー(テープ幅1/2インチ)があったのですが、これを複数台仕様しての録音では手間とダビングによる音質劣化があったので多chのテープレコーダーを希望していたようです。
それをスイスのスチューダー社がテープ幅1インチで8chのマルチレコーダーを製品化したのがきっかけのようです。
それが70年代に2インチ幅16ch、そして24chとなってきました。
実験的な製品としてメーカーは覚えていませんが、32chのアナログマルチを開発したと聞いた気がします。(実用化は無かった?)

当方が実際に見たテレコは
1/4インチ幅テープの1chと2ch(ヘッドのトラック幅が広いものと狭いもので、狭いトラックのものは民生機と同じ)
1/2インチ幅テープの2ch、4chと8ch(ほぼ民生機)
1インチテープ幅の8ch
2インチテープ幅の16chと24chです。
デジタルマルチは1/2インチテープ幅で24ch、32chそして48chを体験しております。

他にも各種ビデオテープを利用した2chの機種や、多分ぽぽんたさんも利用されたかと思われますがS-VHSテープを使ったadat(8chデジタルマルチレコーダー)なども体験しました。
by nuko222 (2013-06-09 23:20) 

nuko222

追記です。
同録ですが、「生のオケ録り」といった点ではマルチも2ch一発録りも神経の使い方は一緒です。
スコアが読めないと仕事になりません。

80年代以降はまずリズム(Dr.Bass,Gt,Pf)を録って上物(うわもの)はその後にダビングという手法が多かったのですが、フルオケ構成(ストリングス、ブラスがセクションで入っている)の曲は2ch同録と変わりません。

歌は仮で同時に入れますが、良い出来の場合もありますから。
演歌のオケはずっとそうしてきました。(ですが演歌も打ち込みになってきています)
by nuko222 (2013-06-09 23:37) 

まいんみん

素晴らしい文献ですね。 

つまり2chでオケ録りしたものは、歌入りもカラオケも同一MIXなのですが、多重録音でオケ録りしたものは、再度カラオケをミックスし直して製品化しているということでしょうかね。

ボーナスCDなんかにオリジナルカラオケが収録されたものはしっかり聴きこんでおらずBGM的に流していただけなのですが、歌入りTAKEと違いがないか聴いてみたいと思います☆


by まいんみん (2013-06-10 00:23) 

nuko222

追記Ⅱ:何度もすみません。説明が下手でして。

生オケの録り時の神経の使い方が同じなのは、録音に入る前にスタジオの演奏所(ステージ)=ミュージシャン側の部屋 をセッティングする。
椅子を並べたり、琴など和楽器の収録では毛氈(もうせん)を敷いたり譜面台を用意することから入って、マイクスタンドを並べて、マイクを配って取り付けて、コードを結線。
キューボックス(演奏者のヘッドフォンモニターミキサー)を演奏者毎に用意(弦だと2~4人に1台)他、各自1台

このマイクを調整卓に立ち上げて、マイクの音に異常が無いか確かめて、およその音圧に合わせてゲイン調整。
各楽器毎にキューボックスに調整卓のAUXセンドからその音を送る。だいたいここまでスタジオ側のエンジニア(アシスタント)が準備し、さらに録音機の準備をします。(オケ録りのスタジオでは通常複数人で準備)

録音担当のエンジニアはマイクの位置や角度(場合によっては機種変更)など調整し、ミュージシャンを待ってパート毎に音を出してもらいながら調整卓でゲインやセンド(キューボックスへの送り)等を決めながら定位やバランスも調整し、多少のエフェクトも掛けます。
マルチテープに記録された音はエフェクト無しの音ですが、EGtなどはミュージシャン側で演奏時にエフェクト付きで演奏するのでその音になります。

弦やブラスはセクションでレベルの上下があるので、調整卓にあるグループ機能を使って複数のチャンネルフェーダーを1本のフェーダーで上下できるように組みます。

2chステレオ上の定位はフルオケスタイルだと演奏所の並び方もほぼ同一(クラシック演奏の並び方に準じたもの)ですので、その通りな定位にします。
演奏所の作りやブースもあるので例外もあります。

それが、2ch同録の定位とほぼ同じになっています。
見た目と配列が違うと演奏者だけでなく、エンジニア以外の関係者(作家やディレクターなど)が戸惑うので。

そんなこんなで、このモニターバランスは当然その場で2chの何らかのレコーダーに収録されます。(ラフミックスの扱いで)
メーカー(レコード会社)の会議やその後に詩の作成やら、プロモーションの音源として使われるので製品と遜色のない仕上げのMIXが要求されます。

ですから、神経の使い方がどんな録音スタイルでも変わらないのです。
長々とすみません。
by nuko222 (2013-06-10 01:27) 

nuko222

ついでに。
カラオケですが、調整卓がコンピューター・コントロール(コンピュミックス)になって同じバランスのままカラオケを作ることが容易になってきたのは事実です。

ですが、調整卓のコンピューターで再現できる範囲が初期(90年頃以前)にはフェーダーレベルとミュートだけで、その他のボリウムコントロール、スイッチなどは手動でした。

そのため、歌入りのトラックダウンでもリバーブ(エコー)の掛け具合を自動化するためにその楽器(歌)のセンドを調整卓の別のchに作ってそこでエフェクトだけコントロールする。などと言った手法も使われていました。

しかし、マルチレコーダーを2台シンクロ運転させるようになってくると調整卓のchがいっぱいなので、センドやカットなどでコンピュミックス出来ない部分は手動でやっていました。
(そんな事情もあって大型調整卓=64chとか72chのようなものが登場)

したがって、エンジニアだけでは間に合わない時はアシスタントを含め、関係者などもトラックダウン時にリアルタイムに調整卓に張り付いて、スイッチ等をコントロールしていたものもあります。(あまり他のサイトなどでは語られていませんが)

それと、調整卓のフェーダーでモーター動作でないものはVCAコントロールなので「音がよくない」などと言われ、それを排除する為に同じコンソールにあるコンピューターコントロール出来ないフェーダー(スモールフェーダー)を使ってミックスすることもありました。
この場合、chカット(ミュート)以外すべて手動です。

こんな事情から、微妙に歌入りとオリジナル・カラオケが違うものがあるのです。(手動ですから遅れたり、量の加減が変わったり、出し忘れ?もあるかな・・・)

****************************
また、調整卓から2ch録音機に入る間にコンプレッサーを通常入れていますが、歌があると歌の音圧に合わせて全体のレベルコントロールがされるので、効き方が強くなります。
これが、カラオケだと歌がない分効きがあまくなって雰囲気が変わることがあります。
それで、聞こえ方が違うものもあります。(マスタリングでもこの事が影響しているものもあります)

まだ説明不足な部分もありますが、言い出したらキリが無いのでこれくらいで。
何か不明な点があれば、わかる範囲でご説明させていただきます。

--------------------------------------------------------
レーザーターンテーブルですが、かつて聞いた話では海外の公文書館とか王室などからの需要があって、意外と高価なのですが売れているようです。
当方も欲しいと思った時期もありましたが、CDの再発ものが充実してきたので今はそれほどでもありません。

スクラッチノイズはレーザーでも出るようです。針式のものがトレースしない部分を狙って読みとるようですが、ゴミやキズには勝てません。(事前に強力なクリーナーで掃除してセットすることを勧めているようです)

かつてテストで使わせていただきましたが、東芝のテストレコード(f特を測定する標準レコード)でフラットな特性(RIAAデコードした値)でビックリしました。
by nuko222 (2013-06-10 02:32) 

風の精


ぽぽんたさん お久しぶりです

一発録りか 重ね録りか 

僕はどちらでも構わないんですが

最近の録音技術による 面白味の欠落は

賛否両論あるでしょうが やはり 80年代初期までの録音が

一番僕は好きですね

やっぱり 空気の音がするんです

緊張感も感じますし

BEATLESも最後は 一発録りに戻ろうとしていたし

VAN HALENも初期は 一発録りでヒット曲連発でしたしね~

カーペンターズのマルチ録音のコーラスもすごいですし

・・・ただ。。。

やっぱし アナログの時代は 音が(アンサンブルも)暖かかったし 耳に

優しかった気がしますね
by 風の精 (2013-06-10 22:20) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

詳細な記述に感謝致します。 現場におられた方だけが知っている、また経験している事が次々にわかり、感激しています。
仰るように、録音の形態に関係なく、エンジニアやミュージシャンが制作にかける技術や神経はいつでも変わらないとのお話は深く納得できるものがあります。

スコアを読める事は、パンチイン/アウトでも重要になりそうですね。 テープの時代はミスが許されなかったので、かなり大変だった事と思います。

マルチトラックについては私もあれこれ研究してきたのですが、ビートルズとジョージ・マーティンが様々な実験を通じてそのポテンシャルを次々に引き出していった事は間違いなさそうですね。
ただそれ以前に、レス・ポールがアンペックスに特注したマルチ(3トラックらしいです)でギターの多重録音や、パートナーのメリー・フォードのヴォーカルの多重録音を試みて多くのヒット曲を出した事も重要ですね(カーペンターズはそのヴォーカルサウンドに多大な影響を受けています)。

民生機としてはTEACがA-3340で初めて4トラックでシンク録音機能を付けたものを1971年に発売し、数年後に1/2インチテープを用いた8トラックを発売して大ヒットしました。

トラックの多さでは70年代にアメリカのスチーブンスなるメーカーが40トラックを作っていたそうで、レオン・ラッセルはそれを2台も買ったそうです(^^;)

32トラックについては、3Mのトランスポートに32個のメーターが付いたアンプが乗っているマシンの写真を見た事がある気がします。 全く自信はありませんが(^^;)

追記Ⅱで記述して下さった内容については、私が口を挟む部分は全くありません。 スタジオワークの要領や様子が手に取るようにわかります。

コンピュミックスについては、私は初めてそれを知ったのは1975年にカーペンターズがアルバム「HORIZON」を発売した直前に行われたインタビューでリチャードが「『ソリテアー』でコンピュミックスを初めて使ってみたけどうまくいかなかった」と発言したのを読んだ時でした。 その頃は自動化されていたのはやはりフェーダー操作くらいで(それもフライングフェーダーではなく、VCAを利用したものでしょう)、エフェクトや音質調整、パンなどは手動だったのでしょうね。

歌入りとカラオケとでコンプの効き方が異なるために雰囲気が変わる、とは全く考えた事がなく、なるほど!ととても新鮮な思いがしています。 宅録の際にも参考になりそうです。

そういった細かいノウハウには個人的に興味が尽きないので、良かったら折に触れて今後も色々ご教示下さい。 機会があればぜひ、直接お伺いしたいものです。

レーザー光式プレーヤー、お使いになった事があるんですね。 私にとっては夢の機器です。
普通のプレーヤーのカートリッジは、どんなに高級なものでも周波数特性に固有のクセがありますが、レーザー光式だとそういった物理的な難点は排除できるので、イコライザーも設計しやすいのではないでしょうか。

細かい事をもっと書きたいのですが、確かにキリがないので(^^;)控えます。
貴重なお時間を多く割いてコメントを書き込んで下さり、ありがとうございます。

by ぽぽんた (2013-06-10 23:46) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは!

ありがとうございます(^^) マルチで録音された音源は、ミックスダウンの際に歌入りのミックス、
次いでヴォーカルトラックだけをミュートしてあとは同じようにミックスしてカラオケとするようです。
大抵は同じ日、同じ時にその両方とも作るようですが、何らかの事情で後日改めてカラオケだけを
再ミックスと言う事で作る事があって、その場合には歌入りとは明らかに違うものができてしまいます。

オリジナル・カラオケは、歌入りでは聞こえづらかった音が次々に聞こえたりするので、
意識して聴くとかなり楽しめます。 私はあまりジッと聴く事がなくて、大抵歌ったり
ピアノを一緒に弾いたりしてしまいますが(^^;)

by ぽぽんた (2013-06-10 23:55) 

ぽぽんた

風の精さん、こんばんは! お久しぶりです。

現代の録音に空気が感じられないとすれば、それは録音形態もありますが、打ち込みが主流に
なってしまっているせいも多分にあると思います。
今ではプロのミュージシャンでさえ判別できないほど精巧な打ち込みが可能なんですね。
その代わり何を聴いても同じに聞こえる、音がダンゴ状態、つまらない…と色々な弊害が出ていますが(^^;)

私は個人的には、1970年代後半の録音が演奏、録音技術共に最も充実しているように
感じています。 当時はアナログ24トラックでのレコーディングが普通でしたが、
ほぼ全部一流ミュージシャンによる演奏でしたし、エンジニアの技術も充実して
音楽性の豊かなサウンドを次々に作り出していたと思うんです。

個人的には、現代のDAWによるサウンドには面白味が感じられません。 すべてとは言いませんが、
音圧操作や音程・リズム補正など、あまりにいじりすぎて整形美人のようだと思えてしまうんです。
変に完璧だと、作る側は自己満足、聴く側はつまらない。 そんなのは売れるはずもないですよね。

ちょっと話が横道に逸れましたが、私は音楽業界に70年代のような音楽作りの姿勢を
取り戻してほしいと願っています。

by ぽぽんた (2013-06-11 00:18) 

nuko222

ぽぽんたさん、お返事ありがとうございます。
コンピュミックスについてですが、語っていない部分があるので補足します。
今までの記述は英国・SSL社(ソリッドステートロジック社)のSL4000シリーズを中心にお話してます。

このコンソールではフェーダーレベルやミュート(カット)の自動制御の他にPANやEQ、ダイナミックス(COMP/LIMITTER)などの多くのボリウムの値を覚えてくれるのです。

そこで、この部分はディスプレーに表示されるものを見ながらボリウムの位置を手動で過去データに合わせるもので、VCAやモーターで再現してくれないものでした。

そんなこともあって、以前に録った音源をとりあえずのバランスでミックスをする為の参考にはしますが、ダビングする歌や楽器があるのでレベルやPANの位置も変わってきます。
それに、マルチテープのチャンネルシートにPANは記入していたし、それ以外のデータ(エフェクターのパラメーターなど)は各自譜面(コード譜のうら)などにメモしていたものです。(当日のお弁当のオーダーも?)
それで、触れないでいたのです。

++++++++++++++++++++++++++++

トラックダウン後にもう一回(複数回)同じ曲をミックスするということは、以前のミックスがボツかキープ状態なことが多かった場合です。

再現というよりは別なアプローチが欲しい訳で、歌chのフェーダーの動きは重宝しますが他のバランスは一からやり直しです。
(急にタイアップが決まって歌詞や曲調の変更もありますので、すべてミックスだけの問題ではありませんが。)

現在は、ぽぽんたさんも述べているように大抵のスタジオやエンジニアはアビッド社(旧・デジデザイン)のProToolsを録音とミックスのシステム(ソフトウエアがベースでそれに音をコンピューターに記録・再生するためのハードウエアがセットになった音関係の道具)を使って仕事をしています。

音楽関係のスタジオでは、従来からあるミキシングコンソールではなく、プロツールズに従属した従来のミキシングコンソールのような姿のマシン(コントロールサーフェスと言う)がソフト上コンソールのスイッチ、ボリウム類をコントロールして音作りをしています。

大手メーカーや老舗のスタジオでは旧来のコンソールをミックス時のメインコンソールとしている所も多くあります。(仕上がりが違う!?)

この場合に仕事で使われているコンピューターはほとんどMacでWindowsでも使えるのですが、仕事では少数派のようです。

音楽録音の世界だけでなく、テレビのMA(複数の音源をまとめてミックスする仕事)において日本も標準的なシステムとして使用されています。(音効さんが早くから使い出した)

こちらの部門は局(及び大手編集所)ならコントロールサーフェスのコンソールですが、他はパソコンベースでミックスしています。
操作性の違いはありますが、音質に大差は無いと思います。

このように、多方面でコンピューターを使ったソフトウエアでの録音になりましたので、アイデア勝負の時代になりました。

一般の方も参入可能ですので、面白い作品の登場が期待できます。(持続できるかは別として)
すべて個人で発信できる時代なので。(写真などと同じです)
by nuko222 (2013-06-11 02:08) 

まいんみん

ぽぽんたさん またまた こんばんは。

なるほど、じっくり読ませて頂きまして、カラオケは、例えば80’Sアイドル等のシングル曲の場合→ TV、ラジオ放送用やイベント用 あるいはCM用とか、通常ヴァージョンやショートヴァージョン等が必要になりますから同じ日あるいは近い日に、いろんなテイクのカラオケが制作される可能性がありますね。 反面 アルバム収録曲のオリジナルカラオケは造ってない。ことが多いのでしょうかね☆

by まいんみん (2013-06-11 19:15) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

今回も内情などについての詳しいお話をありがとうございます。 ミキシングコンソールなどは
私などは画像などで知るのみなので、極めて具体的な事柄を知る事ができて、長年の
疑問が大幅に解消してきました。 今回の記事に対するnuko222さんのコメントはぜひ
一つにまとめて、もっと勉強させて頂きたいと思います。

それにしても、録音についてはプロとアマの差がアナログ時代に比べ非常に小さくなってきて、
また仰るようにどんな人でもプロ品質の音楽を世界に発信できる環境が得られる現代は、
色々なアイディアが期待できて楽しい反面、プロならではの作品を敬意を持って聴く事が難しくなり、
寂寥感のようなものを禁じ得ません。 我々の耳に届く音楽はどこか崇高なものであって欲しい
と思うのは年代のせいかも知れませんが…。

ただnuko222さんのコメントの最後に「持続できるかは別として」とあるのがプロの方
ならではの発言と思うんです。 例えば筒美京平氏や阿久悠氏など、何年もその才能を
持続できたからこそプロなのだ…と思えますし、結局はふるい落とされて持続できる人
だけが残り、将来も第一線で活躍できると言う事だと思いますし、そう考えると
実質的に昔の現代とは思ったほどの違いはないのかも知れません(^^)

及ばずながら、私も何らかの形で音楽の世界に参入するために頑張ってます。

by ぽぽんた (2013-06-11 23:29) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは!

そうですね。 カラオケにしても何パターンも制作される事がありますし(それぞれ別ミックスと
言うわけではなく、単に編集しているだけのものも多いですが)、ベストアルバムなどに
新味を加えるためにわざわざ特定の曲だけをリミックス、って事もありますね。

私の推測ですが、シングルのB面は勿論、アルバムの楽曲もほとんどはカラオケが
作られているように思います。 麻丘めぐみさんの紙ジャケ復刻CDには、1972年の作品
なのにアルバム曲のカラオケが入っていたのがその根拠です。 しかしほとんど
市販される事はないでしょうし、何らかの事情で音源が失われているものも多いかも知れませんが…。

by ぽぽんた (2013-06-11 23:36) 

nuko222

ぽぽんたさん、重ね重ねお返事ありがとうございます。

もう、ここまで来たらカラオケの事情についてもう少しお話します。

大抵あたりまえのように、歌入りのトラックダウンで現場でのプレイバック時にOKが出れば、直後にカラオケをトラックダウンします。
これは、歌chのカットだけ、コーラス無し、歌手本人のハモリ無しとか・・・多種多様なVerが存在し、それを2chマスターとして残します。
ハモリやコーラスの無い演奏のみのVerを曲名の後に“(純カラ)”と表記します。
これで業界の方は皆さんわかります。

フェイドアウトしている曲がよくありますが、これは録音(オケの収録時)から想定されているものがほとんどで、エンディングが4小節とか8小節の複数回リピートになっているものが多いです。

これが製品(歌入り)はトラックダウン時にマスターフェーダーを絶妙に絞って演奏が無くなる直前までに美しい(ここが大事)フェイドアウトで決めるのです。絞り方は一定スピードではなく、曲の進行具合で変わります。(余韻も曲のうち)

カラオケではその部分(FOしたもの)のみも一応どこかしらのテープに残します。
(FOタイプを残していないものも多くあります)

通常どうかというと、FOしないで演奏が何となく終わるか、エンディングが演奏で付け加えられている場合があります。(例:8小節のリピートを4回した後、コーダがあって数小節で終わり。のような)

カラオケとして残す(記録にとどめる)場合は、最後の最後まで2chに記録(TD)します。(これが普通)
つまり演奏が終わるまでを「カラオケ」としたテープがあります。

最近の製品化された「オリジナル・カラオケ」収録品では、あたかもFOしたものが“完成形”のようなフリをしていますが、実は(実話)そうではないのです。

ですから、デパートの屋上での歌謡ショーやテレビ番組の伴奏などではFOされていない「カラオケ」を現場で絞って使っていました。

****************************

B面やアルバム曲はどうかというと、これもA面曲同様にカラオケを残す作業はされています。
後々どんなところで使うことになるかわからないので。

だからと言っては何ですが、マルチテープはきちんと保存されていない場合も多いのです。(素材扱いでマスターの認識が昔は低かったり、再利用されて上書きされてしまったり)

############################

バンドとして活動しているグループ(自ら演奏して歌もある)などでは、ミックスダウン時にあえて残していないものが数多くあります。
これは、バンド(アーティスト側=事務所を含む)の意向で「バンドなんだからカラオケなんかいらない」という理屈です。(実演できると豪語している?)

これも難しいところなんですが、どうしても音数(楽器の数や重ねている旋律の数)が増えるとステージでは再現できないのです。バンドメンバーの演奏できない楽器まで入っていたりすると、もうアウトです。(ストリングスなんかあったら無理でしょ!)

ですから、完全にカラオケがないアーティストは考えにくいです。(インストゥルメンタルVerと称してでも残しているはずです)
大御所歌手・アーティストのマキシシングルはそうなってますよね。

バンド形式でやっていても、アイドル路線のグループの場合は絶対カラオケは存在します。


by nuko222 (2013-06-12 01:18) 

nuko222

追記です。

曲頭について記述していませんでした。

ぽぽんたさんも数多くの収蔵されているオリジナル・カラオケからご存知と思いますが、歌から始まる曲(例:ピンクレディーさんの「ウォンテッド」のような)の場合はカウントが冒頭に入っているものが世の中に知られています。

コード(音程)がわかるPfの音(歌い出しの音程確認用)の後にカウントが入っているものを営業用のカラオケとして作ります。

この、本編と関係のない音はあまり大きくないけれど、わかる程度にしなければならないし、曲頭の1拍(場合によっては2拍)前は無音にします。

屋外イベントなどでもこのカラオケを使い、ステージ上のアーティスト用モニター(コロガシ)にはこの部分まで聞こえるようにしますが、客席向けは当然ミュートです。

強引なこの手法も後付(トラックダウン時は想定していなかった場合)ではタイミング合わせで苦労することもあります。

****************************

歌番組での曲を短縮したカラオケですが、シングルを意識した曲は制作段階で1コーラスとか1ハーフ(1コーラスとサビのリピート)などの時間を考えた作りをしています。

大抵、完成された(製品と同じ)カラオケのテープを切ってつないで作ります。(オープンリールのテープをスプライシングテープでつなぐ)
テレコにかかったテープを手で進めて編集位置を割り出してカミソリ(片刃)を使って編集用のアルミ製テープガイドに合わせて切り取り、もう一方の編集部分とつなぐのです。

「エディトール」という商品がその作業に使う道具です。民生用に3Mが似たような?プラスチックの角度45度で切る編集道具を売っていました。(当方も素人時代に使っていましたが、本物はすばらしい!)

今なら、コンピューターを使ったオーディオソフト(ProToolsなどの上)で簡単に編集できるし、やり直しも簡単ですが、テープは経験と感で位置を決めてつなぎます。

これで、1分30秒前後の「テレビサイズ」と称されるカラオケができます。



by nuko222 (2013-06-12 02:16) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

こちらこそ、毎回詳しく解説して下さって本当にありがとうございます。 これまで痒いのに
どうしても手が届かなかったところにやっと手が到達したような気持ちです(^^)

キャンディーズのCDセット「CANDIES TIME CAPSULE」には1曲につき多くて4パターンの
カラオケが入っている事があって、コーラスも入っていないものが「純カラオケ」と表示されていますが、
それは業界用語だったんですね。

我々が聴く事ができる音源は、F.O.で終わる楽曲は必ずカラオケでも同じようにF.O.していて、
それは不自然だとずっと思っていました。 唯一、FMで放送された「ひなげしの花」の
カラオケだけは、歌入りだとF.O.だがカラオケだとエンディング付きだったので、
他のF.O.エンディングの楽曲が実はどのようになっているのかもとても興味がありました。
F.O.のタイミングなどに意味を持たせたのもビートルズが最初、と言う人もいますね。

海外のアーティストはカラオケを作ると言う習慣自体がなかったようで、カーペンターズが
日本限定発売を条件にマルチからトラックダウンをやり直して「オリジナル・マスター・カラオケ」と
してCDが発売された時には狂喜したものです。

イントロ無しの曲についても、なるほど!と納得しました。 カラオケは元々観賞用ではなく
営業用として作られるものなので、色々なシチュエーションに対応するものを作成する
必要があったわけですね。 頭の中でそれがとても「見える」気がしました。

テープ編集についてはもう、子供の頃から大好きで(^^;)、エディトールも知っていました。
私はBASFのホビーキットやアカイのスプライサーなどで素人(しかも子供!)なりに
あれこれやっていました。 バイアスノイズを防ぐためにテープを斜めに切る、などと言う事も
実践しながら覚えたものです。

厚かましいのですが、質問したい事があります。

マルチテープ、トラックダウンした2chマスター、それぞれのテープには何曲くらい、また
何バージョン(テイク)ほど入れてあるものなのでしょうか?

つまり、例えばマルチテープならば同じ楽曲をテイク1、テイク2と続けて2回入れてあったりするのか、
それともテイクは一つだけで複数の違う楽曲が同じテープに入っているのか、と言う意味です。
マスターなら、同じテープに同じ楽曲の歌入り・ハモリ入りカラオケ・純カラオケが続けて
順番に入っているのか、それとも同じテープには数曲違う楽曲が入っていて
カラオケはまた別のテープに収録しているのか、と言ったような意味です。
ケース・バイ・ケースである事も多いのではと思うのですが、保管を考えるとその決まりが
バラバラだと何かと不都合と思います。 良かったら、そのあたりを解説して下さると嬉しいです。

毎回貴重なお話、誠にありがとうございます。

by ぽぽんた (2013-06-12 23:31) 

まいんみん

かさね重ね ありがとうございます。

ど素人の私が、子供みたいな質問をするので、ぽぽんた さん そして
nuko222さん。 わかりやすく噛み砕いて カラオケの事を解説して頂きまして臨場感がみたいなものが伝わってきました。大変ありがとうございます。

私は 楽譜も全く読めない趣味がアマチュアコピーバンドの単なる音楽好きのもので、ぽぽんたさんのような高尚な所にコメントを書く事自体、申し訳ないです。と思ってしまう時がありますが、勘違いや次元の低いコメントを書いたりしたら、スルーして下さいね。
またよろしくお願いいたします☆



by まいんみん (2013-06-13 00:45) 

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
ご質問に当方の体験からわかる範囲+でお答え致します。

アナログもデジタルもほとんどスタジオ録音では10インチリールのものを使用するのが一般的でした。ライヴ収録は例外でデジタルなら14インチだったと思います。

アナログマルチは1/4インチ幅の2トラオープンリールと同じ考え方で、100%タイプ(50ミクロン厚)しかありませんので、30IPS(76Cm/Sec)では15分程度しか記録できません。(信号1K、10K、100Hzを入れるので)

デジタルマルチはソニーのPCM3334や3348を10インチテープで使用して30分程度です。(デジタルになってからは信号は入れません。メンテナンス時に入れてみて録・再のエラーテストはしますが)

したがって、アナログマルチで2~3曲、デジタルマルチで5~6曲分です。

生オケの作品の場合は余程多くて3テイクです。(基本のみ)
今録音したテイクの後にテープを2~30秒ほどあけて録ります。(ケチれば10秒)

演奏している中でストップがかかったりしてそのテイクがNGになることも多いので、実質数テイクになってしまうのです。
結局、1テイクに早い段階で絞ってそれにダビングします。

生であると色々なハプニングがあったり、譜面が始めて音になって融合するので、アレンジャーや作曲家から直しが入るのです。(パート譜の写譜時にミスもある)

スタジオミュージシャンでも忙しい方(売れっ子Dr,Bass,EGt、Keyなど)は時間の制約があり(ケツカッチン)です。(スタジオをレンタルしている時間制限もあるし)
インペグ屋さんもオロオロするし、ちょっとでもスタジオ内に動きが無いと、誰と無く「ナニ待ち?」という声が飛んできてみんなアセる訳です。

こんな緊迫した状況の中で録音するので、どうしてももう1回(もう1テイク)が難しいのです。
生は1~1H+で1曲ですかね。(数曲を1日で録るので換算すると)

リズムだけ先に数曲録って、ダビングは一緒にできる楽器を集めて録音したりもするので、後に録った曲を先にダビングしたりするなど順番はメチャクチャで、大体は演奏者の都合です。
(後々音数を足すので基本的な部分だけですけど)

また、弦は録音したばかり曲のテイクにもう1テイクすると、完全に別(今録ったものを保留にしてテープを送って次に別曲のように録音すること)ならいいんですが、同じテイクの別トラックにもらう(弦を録音する)とダビング扱いになって2曲分の請求が来ます。(この説明で判りますか?)

制作側は弦を厚くしたいので人数を増やす代わりにコッソリ2回録音して豪華にしたいのですが、インチキはまずできない。

###############################

これが、打ち込みになると事前にアウトラインがわかるので録音するテイクは1つだけです。
ここでは最長のテイクが録音され、ミックス時や編集時にシングルVerとかアルバムVerに仕上げます。(サイズ違いのものなどは。)
また、歌詞が違うとかソロが違うとか色々ありますが、これは存在すら明かされずに未使用になる場合も!あって一応トラックダウンされていてもマスターとして存在していない可能性が高いです。
素材テープの扱いになるので処分されたものもあると思います。

同じ曲で別Ver(極端に曲調が違う)は別日に録音された場合が多いと思います。

そんなこんなで、マルチ1本に使える曲が1曲なんていうこともあります。(他のテイクがボツで別曲はお蔵入りとか。)
NGテイクだけのマルチは消して別曲の録音に使われます。

トラックダウン時は歌入り、歌のみ無しのカラオケ そして順々に本人ハモなし、それのコーラス有り・無し、純カラのように1本の2chテープに入れます。
場合によっては、楽器のソロ有り・無しまで存在します。

サイズ違いは、転調や移調が編集点にかかわる場合は何かしらの楽器でコードを補ったり、ぶつかりそうなコード楽器をミュートしたりした部分のものを作っておいて、2chの時点で編集して仕上げます。


これを、製品にマスタリングされるのは歌入りと大体「純カラ」です。
ここで、演奏だけで終わるFOの曲は歌入りの物の後ろだけくっつけてサイズを同じにします。

///////////////////////////////////////////////////////////////////////

*トラックダウン時の2chテープはあくまでも素材であり、マスタリングして初めてマスターとなります。
(トラックダウンしたテープでは別曲と音色・音圧、平均レベルが違うことがあります。ミックスしたスタジオの違いとか機材の違いがどうしても出てしまうので)

ただ、ちゃんと管理しているメーカーはこのトラックダウンした「本来のマスター」および、マルチテープもきちんとアーティストや曲の分類をして、台帳をコンピューター管理して、温度・湿度の管理された倉庫にしまってあります。

だから、リミックス、リマスターの製品が発売されるのです。

90年代にはオープンリールのマスターをテレコの保守が不可能になりそうだったので、CD-Rにコピー(アーカイブ)することが盛んに行われました。(さらにデータ化させている?)
この時点でテープにダメージがあって、テープからの再生が困難なものが色々あったようです。
by nuko222 (2013-06-13 02:29) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは!

私だってド素人ですよ(^^) このブログでは音楽的・技術的にかなり深いところまで記述させて
頂いていますが、決して高尚とか、そのような事は決してありません。 私も皆さんから
色々な情報や意見、感想などを書き込んで頂いて驚いたり勉強させてもらっていますし、
特に今回はnuko222さんからとても貴重なお話を提供して頂く機会にも恵まれ、
このブログを続けてきて本当に良かったと感謝しているんです。

音楽やアーティストなどに対する考えや思いは人それぞれで、自分とは違う意見など見ると
世界が広がる事もよくあります。 これからも良かったら、コメントに参加して下さると嬉しいです(^^)
よろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2013-06-13 23:12) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

毎日のように音楽制作現場の様子やテクニカルなエピソードなどを詳しく解説して下さって
本当にありがとうございます。 私は今回、nuko222さんがこれまで書いて下さったコメントを
まとめてプリントアウトし、何度も読ませて頂いてます。 これまで知りたくても知り得なかった事、
全く思いが及ばなかった事など実に内容が濃く、私にとってこれまでにない貴重な資料となっています。
恐らく、日本中どこを探しても、Webでも書物でも、これほど現場の様子を克明に記述したものはないと思います。
幸い私は用語もわかりますので全部理解できますが、今は用語の知識が少なく
内容がよくわからない方も、いずれ「こういう事だったのか」と理解する楽しみを秘めた解説と思います。

コンピューターが導入される前のミックス作業はきっと大変だった事と思います。
私は10年前に発売された8トラックのHDRを使っていますが、1人だとたった8チャンネルでも
ミックスでのフェーダー上げ下げは、曲にもよりますが結構大変です。
私の好きなカーペンターズも、初期の頃はミックスの時、リチャードもカレンも参加して
フェーダーを操作していたそうです(当時はレコーダーは16トラック、コンソールはニーブで24チャンネルほど)。

ストリングスのオーバーダブについては昨年、船山先生に直接質問した事がありまして、
曲全体をオーバーダブするとプラス0.5曲分のギャラが発生するために現在では
あまり行われない、とのお答えでした。

マルチテープ1本に1曲しか入っていないとなると、保管するスペースを確保するのも
大変なのでしょうね。 どこかで地方にそういったテープを保管する設備がある、と
聞いた気がします。

私はずっと昔から、自分が知っているヒット曲をマルチから再ミックスしたいというのが夢なのですが、
昨年発売されたフル・リミックスの中森明菜さんのベストに対する評価を見ると、
例え完璧と言えるものでなくても、初めて世に出たミックスが基準となり、再ミックスして
明らかに音楽的・音質的に良くなったところでリスナーに受け入れられるとは限らないようで、
そう思うと自分でもし何かの曲のリミックスをさせてもらったとしても、永久に満足できるものはできないかも、
などと考えてしまいました。

カラオケが何種類もあるのが普通であると知ると、ますますそういったver.を
全部聴いてみたくなります(^^;) レコード会社の社員や関係者ならば、何か許可を得れば
聴く事ができるのかな? ちょっと考えにくいですが(^^;)

アナログマスターのデジタルへのコピーの時にテープが悪くなっていた、と言うお話も
以前、読んだ事がありました。 大瀧詠一さんのロンバケもそうだったらしいですし、
河合奈保子さんの初期の楽曲でテープの磁性体が剥がれているのが多く見つかって
修正を施したとの事です。 確か1980年前後だったかな? スコッチの1/4インチの
マスター用テープがロット単位で不良だったと聞いた事がありましたが、その影響かも知れません。
きっとそのあたりの事情はnuko222さんはよくご存知と思います。

今後もぜひ、音楽制作についてご教示下さい。

by ぽぽんた (2013-06-14 00:05) 

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
デジタルマルチの録音について触れていなかった部分がありました。(書いているうちに思い出したので)
アナログマルチは通常のオープンリール6ミリテープと同じで
録音機にかけてすぐに録音できます。
ところが、デジタルマルチはHDDと同様にフォーマットしないと録音できません。
大体、どこのスタジオでも午前中とか(なぜかスタジオの録音仕事の開始時間は13時=ゴゴイチが多い)みんな夜型ですから。

このフォーマットはテープを実時間走らせながら行うので、それなりに時間が必要です。(途中で止めたら最初からやり直し)
まさにHDDのHFS+とかFAT32のフォーマットをクイックでない方法でやるようなものです。(ゼロ書きに近いかな?)

こんな手間もかかっていました。

ですから、ライヴ収録時の14インチテープでは1時間くらい止められないのと、時間がとれないので録音中継車をやっている会社側が事前に準備して、代替で新品テープを渡して使っていました。(手間賃は収録時の車や機材代にインクルーズ)

以上、小ネタでした。
by nuko222 (2013-06-14 00:17) 

nuko222

ぽぽんたさん、お返事ありがとうございます。

ここで当方が記述しているものは、使用したりしていた当時の記憶を書いていますが、日記や覚書などしていません。
「頭の中の消しゴム」のさらに“カス”のようなところから引っ張り出していますので、誤記もあるかもしれませんので書物等にされる場合は他の文献と照合なさって下さい。

テープの劣化ですが、ぽぽんたさんもオープンリールのテープを所蔵されておられるので経験があるかと思いますが、バックコート(磁性体面でない面側に黒いつや消しの炭素系皮膜が塗られている)があるものはメーカー問わず問題発生しています。

磁性体面とバックコート面がテープを巻いた状態で互いに接しているうちに、それぞれの材料に含まれる薬品の化学変化で粘着質に変わって、テープ再生すると磁性体を剥がしてしまったり、ヘッドに密着して結果的に磁性体を剥がすことになってしまいます。
剥がれると修復は不可能ですので、同じ部分をコピーしてあった別のメディアからあてがうことで修正します。

これがマスターテープの場合では、市販されたCDだったり、レコードや保存してあった素材のテープから行うかもしれません。

たとえ剥がれるなどの致命的損傷はなくとも、近年のリマスターCDでわかるように、曲のエンディングがオリジナル発表時よりフェードアウトが早くなっていたりします。

これは、オリジナルアナログマスターから再度マスタリングした時に、曲終わりの音の大きさが小さくなって行くにしたがって、テープの劣化で「ゴロゴロ」とか「ボソボソ」という音楽と関係ない音が出てしまう事が多々あります。
さらに、テープヒスノイズがどうしても気になるということで、音がまだ大きいうちに早めにFOしてしまう為です。

ぽぽんたさんやこのサイトをご覧の皆様ならレコード時代のエンディング部分のフレーズが終わるまで十分に聞きこんでおられると思います。
それと比べると違いはよくわかって頂けると思います。

曲だけを聞くなら、できるだけオリジナル発表時に近い時期の製品を探してもらえばよいのですが、手間もかかるのでほどどどに。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ただ、リマスターのほうが、マスターテープに近い音色のものもあります。
ただ、元音を知らないとわからないので一般的には識別不能です。
解説者や評論家が色々言われますが、上記の理由で比較できないと思います。(録音時に聞いて体験していないと)
ですから、当方も自分の体験の曲はわかりますが、他の曲はどのVerがマスターに近いとは言えません。


同じ曲(同テイク)の収録されているシングル、アルバム、ベスト盤で音質・音色・解像度が違うことがよくあります。
特に移籍してマスターテープも移管されての発売だとプレス工場が違ったりして、音色が変わります。

あるアーティスト(ぽぽんたさんの記述にも登場しています)は「同じ工場でもプレスする機械毎に音が違う」と言っていたことを伝え聞いています。
比較試聴も楽しいですよ!
by nuko222 (2013-06-14 01:39) 

nuko222

補足です。

オープンリール等のテープはマスタリングスタジオなどで熱処理をしてからテレコにかけるようにして、磁性体剥がれの事故がおきないよう予防してから作業します。

磁性体の溶融したものを一時的に硬化させる手段として熱処理があります。
あまり高温だとベースフィルムまで傷みますので、40度程度の温度で数時間かけてゆっくりと専用の装置で乾燥させます。

この処理で1週間程度は実用となりますが、テープの状態によっては、処理時間に十分な時間が必要だったり処理後に長持ちしない場合もあります。

1/4インチテープは十分に熱をかけられるのですが、2インチマルチはリールをはずしてもそうは行きません。
時間をかけても徒労に終わることもあります。
by nuko222 (2013-06-14 02:00) 

nuko222

CDの音質違いの体験から。

もう十数年前ですが、ある洋楽の有名なアーティストの新作アルバムが出たときに、全世界一斉発売だったので各地(アメリカとかカナダ、ドイツ、オセアニア=オーストラリアだったか香港か?。もちろん日本も)のプレスされたCDを集めてみました。(色々な店で売っている輸入盤。並行輸入物も)

聞き比べたところ音質の違いがありました。

日常的に音を聞いていたので識別できたのかもしれません。が、CDだから一般的にはそれほど問題にならないレベルかもしれませんが、違いには確かにありました。

余韻ののび方(リバーブの響き)とか音のやわらかさでした。

興味のある方は、ご自分の好きなアーティストで買い集めてみると違いがわかると思います。
昔はやった金メッキのCDと通常盤でも違いがわかります。
by nuko222 (2013-06-14 02:29) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

連日ありがとうございます。 消しゴムのカスでこれほどの内容ならば、消す前はどれほどの
内容だったか想像を絶します。 普通ならば絶対に得られない情報がてんこ盛りで、
毎回楽しく読ませて頂いています。 心から感謝致します。

デジタルのマルチでフォーマットが必要とは知りませんでした。 しかも実時間必要とは、
先進の設備のはずなのに妙なところで手間が掛かっていたのですね。

私は勿論民生品しか知らないのですが、オープンリールのテープ劣化にはかなり、
ひどい目に遭ってます。 バックコートもそうなのですが、メーカーによって劣化の具合が
かなり違うんです。 一番ひどいのはソニーのテープで、ノーマルの150%でも
テープ同士がくっつく事が頻発してます。 全く安泰なのがフジとTDKで、特にフジは
FBと言う銘柄のバックコート処理されたテープでも全くトラブルがありません。
スコッチは150は良いのですが(粉落ちはひどいですが)、#212(バックコート付き)は最悪でした。
3モーター機で早送りしていても段々と遅くなってしまうほどで、以後恐くてかけてません(^^;)
いずれも購入後40年近く経っているので劣化するのも当然ですが、私の場合
FMからのカラオケの大半がソニーのSLH(バックコート付き)を使っていたので、
今さらながら「フジかTDKにしておけば良かった」と後悔してます。
熱処理などは、素人がやって成功すると思えませんし…。

マスタリングについてはこれまでも何度か書いたのですが、時にあまりにきれいな音に
なり過ぎていてかえって不自然に感じるものも少なくありません。 それがより
大元のマスターに近い音ならば良いのですが、必要以上に手を加えて厚化粧したものも
きっと多数あると思うんです。 特に最初のレコードの音を知っている場合、あまりに
きれいな音だと入り込めない事も確かにありますよね。

私は現在、スピーカーを大きく鳴らせる環境ではないので、CDの音質チェックには
ソニーのCDプレーヤー(25年も前のモデルですが、12kgの重量級で電気系統も
まだしっかりしてます)とヘッドホンMDR-CD900STを使用するのですが、同じ楽曲でも
CD黎明期頃に購入したCDとここ数年内に購入したCDとであまりに音質が違って驚く事があります。
概して1990年あたりを境に、それ以前はfレンジが狭く、また全体に音量・音圧が低い傾向があります。
1998年頃になると音圧がかなり高く、fレンジも広がってかなり満足できる感じです。
それが2003年を過ぎた頃から音圧がやたら高いのにfレンジが狭いといったものが増えてきて、
これってもしかするとiPodなどで聴く事を重視しているからなのかな、と思ったりしてます。
そういったものって、波形を出すと最初から最後までずっと幅が同じで真っ平らで、
コンプかけ過ぎが明らかです。 そういったものをスピーカーで聴くと非常につまらない音になってます。

CDなどのデジタルオーディオは6dB×16ビットで96dBのダイナミックレンジが保証されているのに、
近年ではそれが生かされない作りがされているようでとても残念です。

by ぽぽんた (2013-06-15 00:00) 

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
今回、色々な録音に関しての過去の実態等をお話させて頂きました。乱文をお許しください。
ぽぽんたさんをはじめ、みなさんも感じておられる通り質感については、平均化した音楽商品が現在出回っています。

パソコンやテレビその他の音響機器は今流れている音楽の質は簡単に再生できる十分な能力のもので、もっと音の大小やニアンスまで表現する質感も再生できるのですが(従来のCDも)一定の音量と画一化された仕上げが蔓延して、つまらない物(音が大きければよい)になってきました。

CDの44.1KHz、16ビットはダイナミックレンジと分解能共に実用的に十分な規格なので、もっと柔らかなきめ細かい作品作りもできるはずなのですが、2000年前後からレベル競争が激しくなって現在の平均レベルに落ち着いているようです。

規格策定時より平均基準音量が3倍以上(10dB以上)上がっています。(フルビットを0dBとして、-20dBが0VUだった)

使い方は自由ですが、ダイナミックレンジは10dB以上失われている訳です。
もし、現在に本来の基準通りにCDの仕上げ(マスタリング)をしたら、音が小さいとクレームがくるはずです。
(たとえ、音の最大値が0dBに達していても)
by nuko222 (2013-06-15 02:51) 

まいんみん

ぽぽんたさん こんにちは。

自分 例えば80’Sアイドルなら アナログ盤が一番好きです。もちろんリマスターCDが一番なのでしょうが、アイドルのLPは格安で入手可能ですのでありがたいです。

アナログ盤は聴きすぎるとプチノイズが増えたり、カートリッジの針先が減るかも。→もったいないから、あまり聴かないようにしよう。なんて気になってましたが、きちんとレコードを扱い適正にプレーヤー、カートリッジをセッティングすれば、まず溝がおかしくなったりダメージは思ったほど皆無です。
遠慮なくばんばんアナログ盤回すようになりました。 圧縮音源はもっぱらカーステレオ用ですね。

カラオケと歌入れに関してひとつまたよろしいでしょうか。
例えば、Vo録りがまず、1テイクで完成って余程あり得ないと思うんですけど。→
24chマルチレコーダーでカラオケで18ch使用して、6ch 6trをリードVo用に使用出来ると仮定しましょう。

例えば 1小説目は1chで 2小説目は2chで と最終的にどれかが選択されます。(パンチング?)
その中で使われなかったテイクを使用した「中森明菜ベスト・コレクション」みたいに、将来日の目がでるテイクもあるかもしれませんが、アーティストによっては、その使わないNG部分は 間違えるのであえて消去したり(空白トラックが出来て虫食い状態になる)、2trくらいに出来良い部分をピンポンして完成させたり。
あるいは、バンドなら足りない楽器をどこかのtrに録音することもあったりするのでしょうか。

プロの作業と知識理解不足者のアマチュアレベルでは、話にならないとは思いますが、あれこれ思いつきまして・・・。

この参考記事を拝見させて頂きまして、不肖ながら、音楽の制作背景を感じつつ、音楽を聴けるようになった気がしました。
心からお礼申したい気分です☆



by まいんみん (2013-06-15 16:31) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

いえいえ、毎回とても参考になるコメント(と言うよりももはや記事ですね)をありがとうございます。

昨日書いていてちょっと話の視点がズレてしまったのですが、音圧については新しい楽曲・音源
だけでなく、うんと過去の音源を復刻したCDなども必要以上に音圧をあげて
のっぺらぼうな音になってしまっているものがあり閉口します。 そのような音盤が
横行している事も昨今の音楽業界の劣化・衰退の症状、と言ってしまうと酷でしょうか。
今は黙って見守るしかできませんが… 何とも歯がゆい状況です。

by ぽぽんた (2013-06-15 23:02) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは!

我々が学生の頃は、それなりのオーディオ装置を持っていてもレコードは買うとすぐに
カセットテープに録音して、レコードはなるべくかけないようにしたものです。
レコードはやはり非常にデリケートで(しかも、個体差が驚くほど大きいんです)、
きちんと調整したプレーヤーでも数回かけるとビリつきが出たりノイズが増えたりする事を
何度も経験しました。 盤面のホコリを取ろうと躍起になってかえって静電気を起こして
今度はパチパチノイズが出たり…今思うと、レコードを穏やかな気持ちで聴けた事って
あまりなかった気さえしてきます(>_<) そういう意味では、やはりCDは気が楽で
その分、音楽に集中できてありがたい、とよく思ったものです。

ヴォーカルトラックについてですが、例えば山口百恵さんの音源(マルチトラックテープ)では
複数のトラックからOKテイクを別のトラック1本にまとめる作業が行われた楽曲があるそうです。
しかしその作業後でも、元のヴォーカルトラックを消してしまう事はよほどの事が無い限り
ないと思いますし、まして仰るような虫食い状態に消すような事はまず無いと思います。
わずかでも後でやり直す可能性があるものはそのままにしておくものと思うんです。

また、例に出して下さった中森明菜さんのベストもそうですが、実際には大元が
アナログのマルチトラックならば全トラックをそっくりデジタルのマルチ(現代では
テープではなくPC)にコピーし、PC上でミックス作業を行うので、ヴォーカルのOKテイクを拾う事も
テープ時代よりも柔軟に作業できるはずで、そういう意味でも大元のテープに
手を加える事は全く無いと思われます。

こちらこそ、拙文に温かいコメント下さって心から感謝致します。 今回はnuko222さんが
貴重な記事を寄せて下さったおかげでとても充実したものにできました。
今後も参考にして頂けると嬉しいです。

by ぽぽんた (2013-06-15 23:43) 

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
過大評価ありがとうございます。
また、記述中に抜けている部分があったので先に報告を。

デジタルマルチテープのフォーマットの件ですが、この作業を「プリストライプ」と言います。
これをしながら音の録音も出来ます。

********************************

ぽぽんたさんにはもはや説明の必要もないことですし、しつこい程音質のことについて述べたので閉口される方も多いかもしれません。
興味のある方にはレコード(ビニール盤)とCDの音質(音色)比較は面倒な部分もあるので、手軽にやるなら歌謡曲などのアルバムCDが3200円で売っていた当時の品物とその後十年以上たった後のまったく同じアルバムを聞き比べるのが早道です。

ネットで目的のアーティストのウイキペディアなどをチェックし、それを探せば80年代のアーティストものは再発売のものも含め数品番見つかります。(それなりにヒットしたものに限りますが)
ブックオフの500円以下のコーナーに結構お宝があります。
品番違いでも同じタイトルだと同価格であることが多いみたいです。
(1店舗でなく複数店舗をハシゴして探してみてください)

>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>

まいんみん さんのご質問にぽぽんたさんが答えられていましたが、まったくその通りで、歌を録音したチャンネル(トラック)は原則として消しません。

そもそも歌を録音する回数(歌手の方に歌ってもらう回数)は大御所や新人で随分と違いますが、上手い・下手にかかわらずしつこく何十テイク録ることはありません。

テストで2回ほど(1コーラスかフルで1回)くらいマイクやリミッター、エコーなどのレベル調整しながらためし録りして、本番です。

テスト中は歌手がキューボックスの操作や声の出し方を変えたりするので、歌が途切れたりエンジニア側の機器の接続等でミュートしたりもするので、作品に使われるテイクにはなりません。

こういった事はベテランの歌手の方はわかっていますので戸惑ったりしませんし、事前に音が途切れるかもしれないと言った上でテストに入ります。

そして、本場はベテランの歌手の方だとフルで3テイクくらい。
新人やそれなりのアイドルなどでは10テイクくらいですが、フルに歌わせません。
数テイクはフルコーラス歌を録音しますが、それ以降は今まで録ったものをプレイバックして、歌詞カード[A4の紙に歌詞を繰り返し部分を含め省略せずに書いたもの]にどのトラックの、どこの歌詞の部分(1文字だけをセレクトする場合も)がOKかをディレクターやエンジニアがメモして行きます。

こうして、合議で選んだ(大体はタイミングとピッチの正しいもの)部分を「ボーカルセレクター」という機器でスタジオアシスタントが曲を再生しながらVoチャンネル(トラック)を選んで上手く歌えたテイクをつないで聞いてみるのです。
この時、アーティストも調整室で自分の歌を聞いて反省したり納得したりします。

聞いたあとで、ここだけは直したいという意見を集約して、部分的に録音し、いままでのOKテイクとつながりのチェックをしながら完成させます。
(セレクトした歌を1トラックにまとめてTDを楽にする)

やみくもに歌を録音しないのは、早いテイクの方が大体勢いがあって声質も良いし、長時間かけると声質がかわってきて、編集が難しくなるので。
直すのはほぼピッチの問題だけです。(多少はニアンスとしてOKします)

以上のように まいんみん さんの想定はほぼ実態通りです。

現在は歌のピッチ修正は歌手本人がトライしなくとも、エンジニアサイドでソウトウエア上での修正があたりまえなので、歌いっぱなしで済みますが、ライヴで苦労することに・・・?!
ならないのです。(口パク問題がそれです)
便利な世の中です。

ぽぽんたさん、技術面トークはこの辺で。
質問はどうぞご自由に(わかる範囲でお答えします)

次曲を楽しみにしています。
by nuko222 (2013-06-16 01:30) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

今回も詳しい解説をありがとうございます。 すごく生々しくて読み入ってしまいました。
松田聖子さんの1981年のシングル「風立ちぬ」のレコーディングでは、ヴォーカルは6テイク録音し、
そのすべてで歌い切っていたそうです。 nuko222さんの解説を読むと、尚更当時の
松田聖子さんの凄さがわかりますね。 やはり若い事は良い事です(^^)

以前にも書いた事ですが、私はヴォーカルの音程・タイミング補正には大反対なんです。
生で再現できないようなヴォーカルを作って何がプロだ、って感じでしょうか。

今回の記事に対する解説、誠にありがとうございました。 きっとこれから何度も
読ませて頂くと思います。
これからもきっと質問が出てくると思うので、その時はよろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2013-06-16 22:17) 

まいんみん

ぽぽんたさん こんばんは。
nuko222さん いろいろとありがとうございます。

日曜日ですので次曲の桜田淳子さんの曲の考察がUPされてますね。 こちらの参考記事関連に対してもう一つ書かさせて頂いてよろしいでしょうか。自分の中でまだコメントしてみたいなと思うものがありまして、申し訳ありませんです。初心者ですので、歌謡曲歴が浅いんです。まだまだ曲自体をあまり知らないんですよ。
私 アイドルのカラオケバックの歌入れレコーディング風景や、そのマスターテープの保存方法 現在の状況に非常に興味を持っていまして。

また 質問よろしいでしょうか。
80年代くらいのアイドル歌手の歌入れと想定して進めてよろしいでしょうか。

1 レコーディング前に本人は曲を覚えなければいけないので、事前に見本のテープをもらって曲を覚えると思うのです。奈保子さんみたいな方なら譜面をもらえばその場で歌ってしまうことも可能かもしれませんが。通常もらう見本テープは作曲者等、誰かがガイドVoを入れたものなのか、それともキーボード等で主旋律を録音したものでしょうか。

2 ほんの一部分 例えば1文字単位フラットしてたり、発語が悪かったりした場合、ちょっと前のフレーズからリテイクするのか、それとも、テープを回してその1文字だけ瞬間RECに切り替えて、発声して差し替えするのでしょうか。

3 曲には、同じフレーズ 同じ歌い回しの歌詞パートが出てきます。例えば終了期限が迫っている 喉不調 リテイクしてもうまく録れない等 諸事情で、仕方ないので一番が出来が良かった部分をコピー&ペーストと言いますか、うまく録れなかった部分に当てがうと言いますか、使い回しする事はあるでしょうか。

趣味で音楽を楽しんでいる者と違い、 プロは仕事なので、ハードスケジュールをこなしつつ期限までにレコーディングを完結させなくてはなりません。「疲れて声が出ない。」とか言ってられませんし、楽しんで作業できる環境ばかりでないと思います。

今回のこちらの参考記事を読ませて頂き、まるで自分もレコーディング現場のスタッフの一員に加わってるような臨場感溢れる、光景を目にしているようで感動です。長々とつたない文章で申し訳ありません☆


by まいんみん (2013-06-17 01:00) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは!

私は業界にいたわけではないので、ご質問に対し正確に答えられる自信はありません。

なので推測の域を出ないのですが、わかる範囲で…

1はわりと様々なようですが、例えば宇崎竜童さんが山口百恵さんに渡したデモは
ギター1本で自身が歌ったものであったそうですし、曲だけができていて詞ができてない場合は
作曲者がピアノを弾きながら ♪ラララ~♪ とメロディーが確実にわかるようになっているものも
あるようです。 しかし筒美先生は歌を歌うのが全く不得手だそうで、楽譜を
スタッフに渡して、スタッフがメロディーを歌ってデモテープにしていた…と聞いた事があります。

2については、1文字だけを差し替える事は、特にテープだと失敗するリスクが高いですし、
その前後と合わせて自然に仕上がるとは限らないので、やはりパンチ・インは音節単位では、と思います。

3については、アナログ時代からテープ編集によって、良く歌えた部分をいくつもテープにダビングして
それを何度か出てくる同じフレーズの所に挟む込む、と言った事は行われていたようです。
それについては、元東芝のミキサーで、アルバイトでCBSソニーの太田裕美さんの
楽曲のミックスなども行っていた行方洋一さんが語っていました。

以上が私が知っていた事ですが、まだ不十分と思います。
nuko222さん、これを読んでおられましたら、ぜひ補足(訂正)をお願い致します!

by ぽぽんた (2013-06-18 00:29) 

nuko222

ぽぽんたさん そして、まいんみんさん、こんばんは。
まいんみんさんの疑問で当方の知る手法をお伝えします。

メロディーをどうやって覚えるかと歌の収録後の修正についてのご質問ですね。

一般的にメロディーは歌の譜面と共にメロディー(ガイドメロや仮歌)が入ったテープ(カセットなど)が歌手の事務所関係者、もしくは本人に直接その曲の録音過程音源(スタジオで収録したてのもの)を渡すことがほとんどでした。

多くのアイドル歌手の場合(知りうる限り)では、手っ取り早く曲を覚えてもらう為に「仮うた」というシステムがありました。
本当はあまりここら辺のことは関係者の皆様のプライドに係わる事なので触れたくないので、詳しくは述べません。
(文献が少ないのもこういった事情があるかもしれません)

歌の修正は、何回か歌った中から良いものを選ぶので、狙って歌うことはやっても無理です。
なぜかと言うと、部分的に歌ってもらうことを試したこともあるのですが力みすぎたり、意識して繋がらないのです。

したがって、楽に歌いたいようにある程度長いスパンで歌ってもらって、そこから良い部分をチョイスする形です。

ですから、前に「フルに歌わせません」と書いたのは上記のような事があるので、いい声のテイクを3テイクくらい録っておきます。(絶対消さないテイクを含めて、テストやら何やらで7~8テイクはフルになる)
そして、部分的に修正するための歌をその後に録るということです。

聖子さんのテイク数は結果として標準です。
但し、前にも述べたように声の質感が長時間同じ歌を歌わせ続けると落ちてくるので、できるだけ早く録りあげないといけないのです。(テイクではなく短時間での勝負)

歌の使いまわしがあるかと言われれば、当方はやったことが無いのですが、やろうと思えば可能です。
(リフレインだったら。でもタイミング合わせが大変そう)
楽器についてはフレーズのコピーはテープの時代でもあったと思います。

ただし、歌は曲が進むにつれて感情が入ってきますので、たとえ部分的に同じ歌詞としても流用は不自然になって繋がらないと思います。
(「初音ミク」さんなら同じかもしれませんが・・・・?)

by nuko222 (2013-06-18 03:45) 

まいんみん

ぽぽんたさん nuko222さん こんにちは。
今日も夏のように蒸し暑いですねぇ。

1の質問は、アイドル歌手の方って、奈保子さんみたいに譜面でやりとり出来る方ってほとんどいないと思うんですよね。 んで 新曲を覚える見本テープなんですけど、これが例えば、誰かがガイドメロディを入れたものだと、人によっては 良くも悪くもそれを完コピしようとする方もいるだろうし、ガイドメロディだと、自分の思うような譜割りで歌うようになる可能性があるので 作者のイメージと違うメロディになったりするんじゃないかと思ったので現状はどうかなと。
「仮うた」に興味ありますが、どんなシステムなのかな。いろいろあるみたいですねぇ。

2はですね。 当然 本人の歌唱力、声域を考慮して曲が作られているので ある程度は数回歌えば、完成。とは思うのですが、フラットしたり、発語が悪いのは、フレーズの中のほんの1か所だけだと思うのですよ。ですから、技術面で可能ならその箇所だけ歌い直せばいいのかな。なんて思っていましたデス。
Aメロだけ歌って ストップ。 Bメロだけ歌ってストップという感じで 休憩というか余裕を持たせて、ゆっくり録音を進めて1テイクを録るのかと思ってました。

3は、アイドル歌手の曲って Aメロ Bメロ Cメロがあったら、歌詞が違うだけで同じ歌い方をするものが多いですし、ロック系のように、カッコ良くなるよう好きなように部分的にフェイクさせてみたり、シャウトを盛り込むようなことは、まずないので、サビの部分とか、とても良い出来なら、それをコピー&ペーストすれば、期限が迫っている場合等は、仕事は早いかなと思ったのです。 バックのコーラス(アァー とか ハァー)みたいなものはこのやり方でも良いのかも。とか。

最後に、自分も80‘Sアイドルを聴くようになってから、その特定のファンの方と交流といいますか、いろいろお話をさせて頂く機会もあるのですが、アイドルという性格上、とにかく、大半の方がルックスや写真 動画  衣装 アイテムについての話題がメインで歌唱についての話をされる方は少なく、→ とりあえずファンなので音源は所有されてるようですが、例えば、この曲のバック演奏してる人は、OOと同じなんだよ。 とかお話しても → そんなことはどうでもええ。本人が可愛いければ良いのだ。で早い話、終わってしまうのですね。

ぽぽんたさんのブログを愛読されてる方は、本当に愛を持って歌手を応援してる方、プロレベルの方、当方は幼稚で理解度は低いのですが、考察しながら、じっくりと分析的に曲を味わいたい方が多いので、内容が濃くほかの歌謡曲のブログを積極的に見ようという気が起きてこないんですよね。コメントも気が付くと長くなってしまいますしね。

ほんと今回は ぽぽんたさんnuko222さん お忙しい中、お付き合い下さり大変感謝いたします。以降は簡潔にコメントを書くように心がけます。ありがとうございました☆

by まいんみん (2013-06-18 08:24) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

まいんみんさんの質問に答えて下さってありがとうございます。
仮歌の事情がわからないのは残念ですが(^^;)、船山先生に伺った面白いお話を一つ…
アレンジャーの方はテレビの収録などで演奏するオケ(主にブラスバンドですね)の
アレンジやその監修も行うそうで、リハーサルに行くと歌手本人の代わりにマネージャーが
立ち位置を確認したり、歌も歌ったりしたそうなんです。 ある超人気女性歌手の
マネージャーが男性で、本人の代わりに歌のオケに合わせてダミ声で歌っているのを見て
すごく可笑しかったそうです(^^;)
それも仮歌の一つですね。

ヴォーカルのレコーディングは、スタッフも本人も非常にナーバスになる大変な作業であると
聞いた事があります。 その楽曲の顔になるわけですから当然と思いますが、
やはり生身の人間ですから、常に良いコンディションで歌う事はかなり難しいのだろうな、と
想像はつきます。 ただ、人によっては何度も歌っているうちに調子が出てくる事もあると思いますし、
そのあたりの個人差(個性、かな)を把握しておくのも重要だった事でしょう。

美空ひばりさんについては色々なエピソードがあり、中には「いつも必ず同時録音だった」
と言う人もいますが、そんな事はなくて普通の歌ダビがほとんどだったようですね。
しかしひばりさんの場合は完全に曲を自分のものにしてからレコーディングしていたそうで、
譜面や歌詞も見ずに完璧に、しかもほぼ一発で歌いこなしてしまっていたそうです。
アルバムのレコーディングでも、午前10時から始めて昼休み1時間をはさんで
夕方5時には10曲ものレコーディングが終了していた…と言った具合だったそうで、
それはエンジニアの談話なので信憑性は高く、やはり美空ひばりさんは特別だったんですね(^^;)

できる事ならば、色々な歌手のレコーディング風景などを見学してみたいものです(^^)

by ぽぽんた (2013-06-19 00:20) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは! 今日は実に暑かったです(>_<)

ある程度レコーディングに関する事を見聞きしていると、な~んだ、レコードになってる歌は
上手い所だけつなぎ合わせてるんじゃん、だからテレビとかよりもうんと上手いんだ!
と思ってしまうものですよね。 私もそうでした。 それは半分は正しいし、半分はちょっと違う、
と言ったところなのですね。 楽曲の種類にもよるのでしょうが、つぎはぎしても
特にアラが目立たないものと、誰が聞いても「?」となってしまうものがあるのでしょう。
ちょっと視点をずらすと、ミックスによって雰囲気が全く変わってしまう楽曲と
あまり変わらない楽曲があります。
それは、例の中森明菜さんの「ベスト・コレクション」でもわかりますよね。
やはり音楽は生もので、音が出てみないとわからない事が沢山あるものと思いますし、
だからこそ好き・嫌いが生じたり、まいんみんさんが書いて下さったような疑問も
出てくるんですね、きっと。

まいんみんさんのおかげで、私と同じような興味を持って音楽を聴いている方がいる事がわかり、
心強い限りです。 これからも色々と聴いて、色々な疑問を持ったり解決したりしながら
音楽を楽しんでいきたいものですね(^^)

by ぽぽんた (2013-06-19 00:37) 

nuko222

ぽぽんたさん、まいんみんさん こんばんは。

回りくどい言い方で説明していることがあるかもしれないし、雑に書き込みして、てにおはがメチャクチャな部分はお許し下さい。

美空ひばりさんの録音の実態は知らないですが、演歌系の録音は早い時間(10時とか11時)から始まることはよくありました。
シングルについては2曲ですぐに終わるのですが、アルバムの為の収録は8~10曲くらい録ります。

シングル2枚のA,B面を含めてトータル12~14曲入りアルバムになります。
オリジナルだけの物もありますが、カバー曲も演歌ではよく収録されます。
カバー曲の場合、演歌でスタジオに来るミュージシャンの方は大体決まっていますので、「元曲やったよ」という方もいてスムーズに進むこともあります。

「仮うた」が気になるようですので、少しだけ。

最終的に歌う歌手が男性・女性に合わせ、同姓の方が歌います。
メロディーに忠実にピッチも正しく歌え、クセを付けずに歌が歌えることが条件です。(歌詞がまだ確定していない場合は部分的にラララです。)

元歌手や音大で声楽をやっていた方や通常録音時のコーラスをやっている方など録音業界で専門職として限られた方がやっておられます。

この歌声を手本に譜面が苦手な歌手は歌うのですが、みなさんの仰るようにマネしてしまう恐れがあるので、単に正確な歌が「仮うた」になります。

仮うたの方は耳が良いので、本人っぽい歌い方も出来てしまうので、あえて注意が必要だったりします。

+++++++++++++++++++++++++++++++++

これとは全然別ですが、作家がハナモゲラ(いい加減英語的=サザンの桑田さんのように)歌っているデモテープが参考元となって制作する場合があります。(とりあえずのオケを録音してみる)

これは、メロディーだけ決まっていて歌詞はそのいい加減な歌の雰囲気に合ったものを歌手やスタッフで作って行く(作詞が歌手本人)ものの場合など。
このような場合は試行錯誤したりしながら作るので、歌入れが完了するまでは、メロの譜割りやリフの直しなどがあって手間が相当かかります。
こんな場合は自由な作りなので、歌手は今までの過程で色々と試しているので、仮歌はありません。
(オールタイムアーティスト参加な作り方=スタジオにべったり貼り付いて、スタッフ共々曲作りするスタイル)

アーティストによっては、スタジオを1~2ヶ月ロックアウト(貸切)なんていう使い方をする場合もあります。

まったく使用しない日が何日も続くこともあります。でもスタジオ側はそこに他の仕事は入れない。なぜなら、機材がセッティングされたままの事もあるので。

回答になっているかどうかわかりませんが、少しでもスタジオの雰囲気を感じてもらえればと思います。
by nuko222 (2013-06-19 02:34) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

またもプロの方しかご存知ないような現場の状況など、詳しく教えて下さってありがとうございます!
アイドル歌手のアルバムにあるミュージシャンのクレジットを見てもよく感じるのですが、
同系統の音楽だとミュージシャンもほぼ限られているようですね。 作曲者やアレンジャー
からしても、特徴や得意な奏法がわかっているミュージシャンだと起用しやすいのでしょう。
その代わり、違う歌手のアルバムなのにサウンドが似たり寄ったり…と言う事も多々ありますが(^^;)

スタジオを貸し切りにできるのはやはり、予算が潤沢でCDなりを発売すれば確実に利益が得られる
アーティストに限られますよね。 対して、日本はスタジオ代が高すぎて制作に
十分な時間が掛けられない、と嘆くような発言も目にした事があります。

nuko222さんの記事によって、これまで知らなかったスタジオ内の雰囲気を色々と感じる
事ができてます(^^) 今後もぜひ、よろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2013-06-20 00:04) 

nuko222

ぽぽんたさん、まいんみんさん、そして、この記事を読まれているみなさん こんばんは。

どのタイトルの記事でも書き込みがあれば、ぽぽんたさん側ですぐにわかる事は理解してますが、対応がお忙しい中大変でしょうから、ここは終了にさせて下さい。

また、曲紹介の合間にでもお題をふっていただけば、何か書き込める部分もあるかもしれません。

ただ、このサイトを読んでおられる方の多くは、曲やアーティストについての内容を期待されているように当方は感じますので、別枠(今回のような形)でスタジオや業界話、機材についてなどのお話はさせて頂いた方がよろしいかと思っています。

ぽぽんたさん、よろしくお願い申し上げます。
by nuko222 (2013-06-20 00:52) 

ぽぽんた

nuko222さん、こんばんは!

お気遣いをありがとうございます。 私の方は気づいた事を羅列しているだけですので、
これまでの経験や知識を確認できると言う意味でも、とても楽しませて頂いてます。
それよりも、このところ連日のように詳しい書き込みをして下さり、毎回かなりの時間を割いて
下さっていたと思われる事に深く感謝するものであります。

今後も折りをみて、今回のような記事で皆さんの意見を伺ったり議論したりと言う機会を
作って行ければと思っていますので、その際にはぜひ再びご教示願えれば、と思います。

本当にありがとうございます。 次回もこれまで通りの曲紹介記事を書きますので、
ぜひまた読んで下さい!

by ぽぽんた (2013-06-20 23:31) 

まいんみん

ぽぽんたさん nuko222さん へ
ありがとうございます。
参考記事のしめとして、私もひとつ。
まるで疑似スタジオ体験をしてきたかのような感覚になれてとてもうれしく思います。
今までは、あるたとえにしたら お皿の上に出された料理を食べるだけでしたが、これからは、そのお皿の上の料理がどんな過程を経て、料理なったか少し理解して味わって食すように、いろんな観点から曲を楽しめるようになった気がいたします。
 
最後に私の今のところの一番好きな8O’sアイドルは河合奈保子さんです。一番好きなアルバムは 1st LOVE です。 → 昔よく無人島へ持ってくアルバム1枚選ぶならどれ。みたいな、質問ありましたよね。

80’sアイドル部門なら、LOVE です。 オールジャンルで1枚と言われると困るけど☆ また文章がつたないですが、機会がありましたらこれからも、よろしくお願いいたします☆
by まいんみん (2013-06-21 03:38) 

ぽぽんた

まいんみんさん、こんばんは!

私も、nuko222さんの記事のおかげでこれまで全く知り得なかった事を多く知る事ができて、
とても嬉しかったんです。 それを読者の方々と共有できて、きっとそれがブログの在り方の一つ
なのかな、と思いました。 ご感想を寄せて下さってありがとうございます!

私も河合奈保子さんは、80年代アイドルの中で常に1位、2位を争うほど好きです。
私はシングルB面に好きな曲が多くて、「ハリケーン・キッド」「青い視線」「そしてシークレット」
「キャンディ・ラブ」は4連続で大好きです。 カラオケボックスの音源もCROSSO
だとB面曲がかなり充実しているので、歌わせてもらってます(^^)

こちらこそ、これからもどうぞよろしくです!

by ぽぽんた (2013-06-21 22:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0