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若草の髪かざり / チェリッシュ

春はまだ遠いけれど…

若草の髪かざり ジャケ.jpg

チャートアクション

「若草の髪かざり」はチェリッシュの5枚目のシングルとして1973年1月に発売され、
オリコンシングルチャート最高7位(同年3月12日付)、同100位内に24週ランクインし
28.7万枚の売り上げを記録しました。

前作「古いお寺にただひとり」でやや落ち込んだものの、前年夏の「ひまわりの小径」
の大ヒットで確実にファンを増やしたチェリッシュは、1973年から1975年にかけて
人気が続きヒットを連発していきました。


作家について

作詞は阿久悠氏。 チェリッシュの全盛期には、これが唯一の提供作でした。

作曲、編曲は馬飼野俊一氏。 この曲から始まり「避暑地の恋」「てんとう虫のサンバ」
そして「白いギター」と、4作続けてメロディーとサウンド作りを担当しました。


作品について

前作「古いお寺にただひとり」とそのB面「落葉の喫茶店」、
さらには「ひまわりの小径」のB面「コスモス」が、ほとんど松井(現・松崎)悦子さんの
ソロであり、松崎好孝さんの存在感が薄い作品が続いていたので、
「若草の髪かざり」でようやく松崎さんのボーカルが入り安心したファンも多かったと思います。

前年の大ヒット「結婚しようよ」(よしだたくろう)や「サルビアの花」(岩渕リリ、もとまろ)
などの結婚ソングを受けてか(「サルビアの花」は意味合いが違いますが)、
チェリッシュにもその流れをくむような作品を…と阿久悠氏に発注したものと思われます。
それがやや効きすぎ(?)、この後、チェリッシュは「交際している」「結婚も近い」と、
週刊誌の格好のネタになっていくんですね(当人達は当時、頑なに否定していましたが)。

「若草の髪かざり」が収録されたオリジナルアルバム「春のロマンス」(1973年3月発売)の
収録曲だった「てんとう虫のサンバ」が同年夏にシングルカットと言う形で発売され、
ヒットしたのは日本の歌謡曲では珍しいパターンでした。


楽曲について

作りとしては歌謡曲そのものと言ったものですが、
ストローク演奏のギターを効かせているのはフォークっぽさを残す意図と考えられます。

リズムは8ビートですが、「ひまわりの小径」の流れをつぐ16ビートと解釈しても良さそうです。

キーはCマイナー(ハ短調)で、他調にわたる転調はありません。

ほのぼのとした良い曲なのですが、音楽的にはこれと言った冒険がなく、
歌メロも、それに伴うコード進行も教科書通りの作りです。
ただBメロは ♪(ほんの普段着の)ウェディングド・レ~ス♪ と譜割りが面白く、
初めて聴いた人の中にはきっと「何と言っているのかわからない…」と言う人もいた事でしょう。
そのような耳に残る工夫も、ヒットのための大切な要素なんですね。

総合的には、楽曲の良さと言うよりも、チェリッシュの持つキャラクターが定着し、
松井悦子さんの澄んだボーカルが魅力的に響いてのヒット…と言えるかも知れません。


編曲等について

鉄琴とストリングスのピチカートがユニゾンで演奏されて聴く耳を捉え、
続いてリコーダー2本で演奏されるメロディーがメルヘンの世界にいざないます。
…などと書くとクラシック音楽の解説みたいかな(^^;)

その後も曲はおだやかに進行し、Bメロ(サビ)ではいよいよ男性ボーカルも加わる…
のですが、その扱いがとても控えめで、添え物的に聞こえてしまうんですね。

その理由は何と言っても、主メロディーよりも1オクターブ、またはそれ以上
離れた音程でぼそぼそと歌っているように聞こえるから、でしょう。

ここで、この曲の楽譜をどうぞ(8ビートで採譜しています):
若草の髪かざりscore.jpg

1段目に女性ボーカル、2段目に男性ボーカルで、男性ボーカルは実音では1オクターブ下です。
見てわかるように、しばらく女性ボーカルとの1オクターブユニゾンが続いてから、
♪ベールの代わりの…♪ で男性ボーカルはさらに音が下がるんです。

男性ボーカルが仮に1オクターブ高ければ、女性ボーカルとは3度の和音となり、
きれいなハーモニーとなるのですが、
この曲では「ハモる」とは意味合いの異なる音程差になっているのが特徴でもあり、
意図が今ひとつわからない作りでもあります。

Cメロ ♪ふたりは(ふたりは)いつしか(いつしか)…♪ の部分で、
松崎さんのボーカルが二重唱になっているのは、声質が細いと判断されての処置でしょうか。


聴きどころは2コーラス目で最後に ♪ふたりを迎える 鐘が…♪ でカーン!と
NHKのど自慢のような鐘の音が鳴るところ、ですね(^^)
この時代だと、その一発のために本物の鐘(チューブラーベル)が使われているのでしょう
(現代ならば間違いなく、サンプラーかシンセサイザーで間に合わせると思います)。


「若草の髪かざり」で使われている楽器とその定位は:

左: アコースティックギター(アルペジオ) 電気ピアノ ストリングス(バイオリン)

中央: ベースギター

中央-右: リコーダー

右: ストリングス(ビオラ、チェロ) アコースティックギター(ストローク) 鉄琴
   カスタネット チューブラーベル

*ドラムスは左右にステレオ収録


付記

チェリッシュの絶頂期は、大ヒットシングルが4作も生まれ、
ベストアルバム「スーパー・デラックス」がオリコンアルバムチャート1位を3ヶ月も続けた
1973年と言ってよいでしょう(シングルでは1位になった作品はありません)。

その「スーパー・デラックス」は私も小学6年の正月にお年玉で買いました。
A面はデビュー曲「なのにあなたは京都へゆくの」から「避暑地の恋」までのシングルA面
+松崎好孝さん作の「恋人達と」の7曲、
B面は反戦色の強いフォークを中心にしたカバー集+「てんとう虫のサンバ」の7曲で、
特にB面は当時のビクターサウンド全開、聴き応えたっぷりの仕上がりです。
これぞ、ファンが求めていたチェリッシュ像と言った感じで、ヒットしたのも頷けます。

翌年には主軸の作家が筒美京平氏に替わり、それまでと違い男女コーラスの特性を
十分に生かしたサウンド作りで次々にシングルを発表し、それなりにヒットしたのですが、
レコードの売り上げ枚数は徐々に下降していきました。
以前にも書いた事ですが、それはチェリッシュからフォーク然とした尖った部分が消え、
幸福感のようなものがイメージとして定着してきたからと思われます。

日本人は気に入った歌手・芸能人に幸福感が表れ、ハングリーさが薄れてくると、
急速に興味を失う傾向があり、それは1972年頃までは明らかでした。
チェリッシュの場合はフォークグループから出発しているので、
その時代にファンになった人が徐々に離れていったのは、何となくわかる気がします。

しかしその音楽は、歌謡曲らしさが増してきたと同時に豊かになっていき、
1975年に発売されたアルバム「ナッシュビル」も高い評価を受けていたので、
もう少し長い間、人気を保っていてもよかったのに…と残念に思います。


「若草の髪かざり」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 馬飼野俊一
編曲 : 馬飼野俊一
レコード会社 : ビクター
レコード番号 : SF-42
初発売 : 1973年1月15日

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読者の皆さまへ

このブログを読んで下さり、ありがとうございます。

今日までコメント欄の表示モードを「受付/承認後表示」としていましたが、
今夜から通常の「受付/表示」モードに戻しました。
ご迷惑をお掛けした事をお詫び致します。
これからもよろしくお願い致します。


平成30年2月1日

ぽぽんた

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お知らせ

次回は2月11日に更新予定です。
ぜひまたおいで下さい(^^)/

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コメント 16

ゆうのすけ

チェリッシュのシングルジャケットって イラスト調のものが
意外とありましたよね。この作品のジャケットを初めて見た時
土に埋められちゃって・・・。なんて曲の印象以上に視覚の印象が
かなりあって未だに沁みついているんですよね。^^
「白いギター」は ギターのネックが木になっちゃって
「ひまわりの小径」は(5人組だった時の)男性陣の顔色がかなり悪くて・・・。^^;♪~

by ゆうのすけ (2018-01-29 03:20) 

シノピー

ぽぽんたさん、こんにちは。
ルミ子さんの記事のコメント返信、よろしくお願いいたします。

さて、この曲。初耳が小生時代の時でした。
地元のラジオ局でかかっていました。
この曲に対し、自分にして以下の深い思いがございます。

最後のエンディングのアウトロが、赤塚不二夫作漫画アニメ「天才バカボン」1975年版「元祖天才バカボン」のED曲「元祖天才バカボンの春」の同とほぼ似ている「リコーダーで終わる設定」。

初ボーカルを採る松崎好孝さんのパート「2コーラス目の最後の ♪ふたりを「ふたりを」迎える「迎える」」の声質が当時の若手男性「アイドル」歌手の声質「主に考えれば布施明、にしきのあきら、西城秀樹あたり」、もしくは1975年版「元祖天才バカボン」のED曲「元祖天才バカボンの春」を歌うこおろぎ'73のメンバーの声質に似る。

本グループにしては初の馬飼野俊一作でもあるというこの曲なんですが、自ら独自なる理想思いに適すドラムアドリブを筆頭としたイントロを次の「避暑地の恋」→「てんとう虫のサンバ「いずれドラム」」「白いギター「タイトルにちなんで、ギター」」にかけて施されているにも関わらず、チェリッシュ以外では真理ちゃん「天地真理さん」、アグネス、風吹ジュン、つなき&みどりの楽曲ではドラムアドリブのイントロが中心であるようです。

なお、この曲は自分にして「ペパーミントキャンディー」「だから私は北国へ」「ひまわりの小径」に次いで4番目に好きな曲です。

by シノピー (2018-01-29 13:35) 

ぽぽんた

ゆうのすけさん、こんばんは!

そうですねぇ、チェリッシュは初期にはシングルもアルバムもジャケットに
イラストが使われる事がなぜか多くて、よく見るとどれも結構シュールなんですよね(^^;)
正直言って、私もどれも、個人的に好きなイラストではないです。
しかしこれもチェリッシュのレコードの特色、と思えばいいんだ、と
自分を納得させてから買ったような気がします(^^)

by ぽぽんた (2018-01-30 22:51) 

もとまろ

ぽぽんたさん、おはようございます。

「初恋の丘」と「もう恋なんてしない」、わかる気がします。
で、今回はチェリッシュ。知ってる歌が出てくると嬉しいですね…。

もうすぐ父が亡くなって4年になります。
亡くなる2〜3年前、両親はチェリッシュのコンサートを見に行きました。結婚する前の思い出があるとかではないですが(本田路津子さんにはあります。母が父からLPレコードもらったと)。今70歳前後の方にはキュンキュンするのでしょう。
父が亡くなる前に、母はチェリッシュのCDを緩和ケア病棟の父の個室でずっと流していました。で、「若草の髪かざり」は母の好きな歌です。

「幸福感」という言葉がありましたが、男女デュエットで思い出すと、そのへんの絶妙なバランスみたいなのが面白いなぁと思いました。
幸福感いっぱいの歌がいくつもあるのがトワエモワですが(「或る日突然」「初恋の人に似ている」「地球は回るよ」)、トワエモワを挙げると面白いです。
なんか、歌声から幸福感みたいなのが薄いんですよね。結局結婚しなくて、解散して距離置いた後に再結成したし。特に若いときは、山室さん(あえて旧姓で)と芥川さんとの声のぶつかり合いに、「相方以上恋人未満」のサッパリした空気がものすごくあるんですよね。
で、チェリッシュ。この歌にはマイナーコードのためかそういうムードが薄いですね。「恋の風車」にも薄い。で、メジャーコードで、松崎のお父さん(どうしても、お父さんと呼びたくなる)もしっかり歌う「ふたりの急行列車」「渚のささやき」にはますます濃い。
フォークから始まって次々に出される歌の流れもあるだろうし、それと、「結婚しようかな?」みたいな雰囲気が、悦ちゃんと松崎のお父さんから知らず知らずに出てたのかな…と。
いろいろ書かせていただきましたが、後世の者が後で思うことなので、ヒット中は、どんなふうに思われていたのか、興味がありますね。

「♪ベールの代わりの」のあたりのハーモニーは、私も変わってるなと思います。
これ、「♪若草の髪かざり、かみかざり〜」とお父さんが歌う部分を引き立たせるために、あえて音を低くしたのかな、と、そう思えてなりません。
もし「若草の髪かざり〜い〜」と、「り〜」を半音下げながら伸ばすなら、音を上げてきれいにハモるメロディーの方がいいですね。

当時はお父さんは声質が細かったですが、今は太くなったような気がします。

(コメント表示の件了解しました。「てんとう虫のサンバ」のことも書きたくなったので、次はそちらにお邪魔したいと思います)
by もとまろ (2018-01-31 09:43) 

ぽぽんた

シノピーさん、こんばんは!

馬飼野俊一氏は実弟が馬飼野康二氏ですが、洋楽の影響を強く受けて日本の
ポップス歌謡を一気に垢抜けしたものにしたのが馬飼野康二氏とすれば、
馬飼野俊一氏はメロディーもアレンジも歌謡曲の王道と言った趣が感じられます。
そんな中で、馬飼野俊一氏がアレンジした曲でサウンド的にも冒険して
成功したのが「恋する夏の日」(天地真理)などかも知れません。

by ぽぽんた (2018-01-31 23:42) 

ぽぽんた

もとまろさん、こんばんは!

ご両親がチェリッシュをお好きとは素晴らしいですね。 今70歳前後の方だと、チェリッシュの
全盛期の頃は20代後半くらいだったはずなので、きっと重なる思い出なども沢山、
お持ちなのでしょう。
チェリッシュは他の歌手のような、音楽的に派手な試みをしたりなどはありませんでしたが、
歌声が美しく、聴いていてホッと出来る、ありそうであまりないタイプなんですよね。
私の父は亡くなってもう36年も経ちますが(存命なら何と103歳です(^^;)、
ダンス教師をしていたためにタンゴが好きでした。 で歌謡曲はあまり好きでなかった
のですが、チェリッシュの歌声は「安心できる」と好みだったようです。
チェリッシュの場合、本文中に書いた「幸福感」がかえって、当時のファンにとっては
あまり好ましくなかったらしく、人気が落ちる原因に鳴ってしまった気がします。
何となく皮肉な感じですね。
「若草の髪かざり」の男声パート、なるほど、そのような解釈もあるんですね。
松崎さんの声は、近年は何だかやたら太くなった感じで、若い頃のやや薄い感じとは
全然違うので、好ましいのかそうでないのか、ちょっと迷うところでもあります。
悦子さんとのデュエットでは、やはり昔の声質の方が合っている気がするんですよね。
…そうは言っても、私にとってチェリッシュは大切な歌手です。

by ぽぽんた (2018-02-01 00:00) 

ゴロちゃん

ぽぽんたさん、こんばんは!
毎日寒いですね。私のまわりではインフルエンザが猛威をふるっています。うつらないようにしなければと用心しています。

さて、「若草の髪かざり」ですね。
私がチェリッシュの歌をよく聴くようになったのは、この曲からでした。ラジオやテレビでベスト10内に入り、よく耳にするようになったからです。
前の4曲に関しては、あまりテレビやラジオで聴いたことがありませんでした。知ってはいましたが、当時中1の私にとっては、「なんかもの悲しい、暗い感じの歌だなあ。」と感じられたので、あまり好きではありませんでした。(「ひまわりの小径」は暗くはないけど、そんなに好きではなかったです。)

といっても、「若草の髪かざり」もとても好きというほどではないのです。
その後の「避暑地の恋」でちょっといいな、と思うようになり、次の「てんとう虫のサンバ」でチェリッシュがすごく好きになったくちです。

でも「若草の髪かざり」は、タイトルや歌詞の内容からして春を感じさせるし、短調ながらもメロディーにも軽快な明るさが感じられます。メルヘンチックでほのぼのとした情景が浮かぶ歌詞が、悦ちゃんの声にぴったりですね。そんなところもヒットの要因となったのでしょう。
ちなみに、、「てんとう虫のサンバ」の他にチェリッシュの歌で特に好きなのは、「恋の風車」「ふたりの急行列車」「ペパーミント・キャンディー」など1974から75年にかけての歌です。

1973年の3月頃よく聴いた記憶があるのですが、1月15日なんていちばん寒い時期に発売されたのですね。寒い時期、少しでも春を感じてもらうためだったのかな?
レコードジャケットのイラスト、私も「う~ん・・・」です。悦ちゃん、可愛いから、本人の写真を使えばいいのに、と思いました。

by ゴロちゃん (2018-02-01 00:24) 

Massan

ぽぽんたさん、こんばんわ。ちょっとコメントが遅れてしまいました。
男女のグループだったはずのチェリッシュが男女2人だけになったとき、私はてっきり他のメンバーは病欠か別の仕事をしているものだと思っていました。その頃すでに私は小学六年生でしたが、テレビの歌番組以外の情報にはあまり接していなかったせいか、お二人以外が「脱退」されたのを知ったのがちょうど「若草の髪かざり」あたりだったような気がします。ラジオもよく聴いていたはずですが、テレビのみで聴く楽曲も多く、そうした楽曲の中にはオリジナルの編曲を知らないものも多くありました。この「若草の髪かざり」だと、ぽぽんたさんが言及されていたのど自慢のようなカーンと鳴る鐘の音を聴いたのは、だいぶ後になってからでした。この一発のためにもそれなりのお金がかかっているのでしょうから(そうでもないのかな?・・)、考えてみるとずいぶん贅沢な音づくりような気がします。でも、この一発があるのと無いのでは大違いですから、やはりこの時代の歌謡曲って贅沢につくられていたんですね。
それでは。寒い日が続きますので、お体にお気をつけください。
by Massan (2018-02-01 21:58) 

ぽぽんた

ゴロちゃん、こんばんは!

私はFMでチェリッシュを意識的に聴き始めたのは「古いお寺にただひとり」で、
何だか暗いけど風景が浮かんでくるような歌だな…と思って聴いていました。
「サウンド・イン・ナウ」でカラオケが放送されたのもうっすらと憶えていて、
両親に買ってもらって毎日使っていたラジオカセットで録音した…はずです(^^;)
私は性格が暗いわけではないと思うのですが、人が「暗い」とか「寂しい」とか
感じる曲の方が好きだったのはその頃からだったみたいです。

「避暑地の恋」はわりと長い間FMのベストテン番組でかかっていたのですが、
上位には行かず、毎週1コーラスに編集されたものばかりオンエアされていたので、
フルコーラスで聴きたい!といつも思っていました。
「てんとう虫のサンバ」は、え~チェリッシュってこんな曲も歌うんだ!と、
一度聴いて好きになりました。 なんだ、明るい曲も好きなんじゃん(^^;)
私にとってチェリッシュベスト1は「ふたりの急行列車」かな。
サウンド全体が好きなんです。

私も「若草の髪かざり」は3月頃の発売かと思っていました。
「避暑地の恋」が4月の発売だったのも、季節的に早いのでは?と思いますよね。
シングルのジャケットに使われたイラストは私もちょっと…の方なのですが、
並べてみると全部絵のタッチが違うんですよね。 これはこれで凝っていたのかな。
因みにジャケ写では「避暑地の恋」が一番好きです(^^)

by ぽぽんた (2018-02-02 23:28) 

ぽぽんた

Massanさん、こんばんは!

チェリッシュがデュオでなくグループだった頃は、私はうっすらと記憶の片隅に
残っている程度なので、当時もっとテレビで観ておけば…と今も思っています。

1973年はヒット曲のバラエティが豊富で、サウンドもどんどん豪華に
なっていった時代でした。 レコードが大いに売れていた時代なので、
制作にもお金をかける事ができたのでしょう。
恐らく「若草の髪かざり」のカーン!も、当時のお金でそれだけで
楽器の調達と演奏で10万円以上は掛かっていたと思います。
ストリングスなどはNHK交響楽団のメンバーがアルバイトで…なんて事も
よくあったようです。
今も、当時の音楽が高音質で聴けるのは素晴らしい事ですね。

Massanさんも風邪など召しませんよう、気を付けて下さいね。

by ぽぽんた (2018-02-02 23:36) 

nuko222

ぽぽんたさん、こんばんは。
当方は当初のチェリッシュさん(フォークテイストで2人じゃない時代)の印象が無くて、どうしてもこの曲や「てんとう虫のサンバ」のイメージが強いです。
でも70年代によくラジオやテレビで流れていた曲だなという記憶があって、手元にあるベストCD(単に「チェリッシュ」と題されたもの 品番:VICL-41064)で聞いています。

曲のエンディング前にあるチューブラベルの1音ですが、80年代の前半にビクタースタジオ(当時、青山スタジオと名乗っていた時代)にチューブラベルが3階に常備されていたのを見ています。
爪で弾いて音を聞いた時に、桜田淳子さんの「天使も夢みる」の音色だと思いました。
憶測の範疇ですが、この曲のその1音もこのスタジオ常備のチューブラベルじゃないかな?と思います。

昔は老舗スタジオだと大きな楽器を常備している所がありました。
グランドピアノは当たり前ですが、ティンパニーやグロッケン、マリンバ、ハモンドオルガンとレズリースピーカーなどがありました。
(どこのスタジオに何があったかは記憶が定かじゃないですけれど)
by nuko222 (2018-02-03 03:24) 

ぽぽんた

もとまろさん、こんばんは!

「てんとう虫のサンバ」はチェリッシュの曲では珍しく、歌手名よりも曲名が世の中に
ひとり歩きしているような印象のある曲ですね。
今はどうかわかりませんが、結婚式では定番曲になっていたそうで(私は幸か不幸か、
結婚式で「てんとう虫」を歌う場面に出くわした事はないんです)、
チェリッシュのファンだった私としては「てんとう虫」が代表曲のように言われるのは
ちょっと合点がいかないのですが、多くの人に知られ、親しまれる事は素晴らしいですし、
特に作家にとっては大きな喜びと思います。
この曲、テンポが速いし16分音符でたたみ掛けるようなメロディーですから、
合奏するにはかなり難しいのではと思いますが、うまく気持ちが合って演奏すると
とても気持ちが良い事でしょう。
松崎さんはこの曲がシングルカットされる時には大反対だったそうですが、
やはり結果オーライ、と言う事でしょう(^^)

私も「恋の風車」は色々と思い出も絡んでいて、忘れられない1曲です。
この曲のカラオケには松崎さんの声が残っているのですが、
それが「よくこれをOKにしてよな」と言った出来で…そのあたりの事情など、
関係者がおられたら訊きたいほどでして(^^;)
この曲の頃が、多分チェリッシュの人気がピークだったと思います。


nuko222さん、こんばんは!

私もチェリッシュをちゃんと聴き始めたのはデュオになってからだったので、
グループ・チェリッシュの思い出はほとんどないのが残念です。
多分、この「若草の髪かざり」以前はテレビ出演が多くなく、ファンもチェリッシュは
歌謡曲ではなくフォークと捉えていたので、ラジオで多くかかっていたのでは、
と思います。

ビクターにはチューブラーベルがあってんですか! イメージですが、ビクターや
コロムビアのような老舗レコード会社だと、オーディションの時などに使うような
気がしてきます(それって昭和30年代までの話、かな)。
確かに「天使も夢みる」のイントロにも使われていますね。 レコーディングは
「若草の髪かざり」とほぼ同時期と思われるので、きっと同じ楽器ですね(^^)
チューブラーベルは調律ができないので、オケの中で使う時には他の楽器が
それに合わせるか、あるいはテープ速度を変えるなりして合わせたのはないでしょうか。

今は大きなスタジオはほとんどなくなってしまったようなので、そういった楽器を
置いている所も少なくなった(あるいは皆無)事でしょう。
関係ないですが、昔レンタルスタジオに練習に行った時、ローズ(エレピ)があって
「おお、本物だよ!」と喜んだのを憶えています(^^)

by ぽぽんた (2018-02-04 23:42) 

もっふん

ぽぽんたさん、皆さん、お久しぶりです。

全国的に酷寒で大変な日々が続いていますが、お風邪とか召されていないでしょうか。更新前にちょっとだけ「読んでますよ」アピールを(笑

フォークロック系のアマチュアバンドがなんらかの大会で優秀な成績を収めてメジャーデビューすると、大抵メンバーのごたごたが起きますが、これって実は「音楽的方向性の違い」などと言う大それた問題ではなくて、そういうバンドって「えー、オレ下手くそだしプロで食っていける気しないし、堅気の仕事に就きたいよ」と言うスタンスのメンバーが半分以上いるからだったりします。後年の「世良公則&ツイスト」なんかは典型的でしたね。

世俗的な目からは、なんだか「この手のデュオは結婚しなければならない」と言う空気から松井悦子さんの方が全力で逃げようとしていたけれど、最終的に因果を言い含められたと言うか松崎さんに押し切られたと言うか、そんな風にも見えたものです。

チェリッシュは「京都」のブレイクが遅くてオリコンで最高順位(13位)を獲得したのが発売翌年の '72/1/3 だった関係もあって '72/1/5 からテレ朝系列で放送が開始された「ベスト30歌謡曲」で良く見た(バンドだった時の姿も含めて)と言う印象があります。日テレの「紅白歌のベストテン」もそうでしたが、当時のランキング番組は出演者に合わせて順位が操作されているようにも感じていました(実際はどうだったのか分かりませんが)。

ここで、知り合いの会社に「元チェリッシュのドラマー」と言う人がいた話や、私が喫茶店のカウンターでたまたまツイストの神本宗幸氏と同席して、ツイストのギタリストが相次いで脱退した経緯について伺った話とか、いろいろ書いていたら課題曲と関係無い話が長くなってしまったので、それはまた機会を改めます(笑

記事の方でクローズアップ「されてしまった」松崎さんのハモリについてのみ。

正直、「恋の風車」のカラオケを聴くまでも無く、松崎さんはそれほど歌がお上手なわけではないので、やはりチェリッシュの楽曲は松井悦子の声を最大限に生かす方向でしか制作のしようがなく、松崎さんは「仲の良さそうな男女デュオ」と言う図に仕立て上げるための小道具として扱われていた面はあったと思います。

母体であるバンドとしてのチェリッシュのリーダーとして、どんどん歌謡曲化して行く楽曲には大いに不満をお持ちだったようでもありますが、どこかの時点でご本人も「演出小道具」的な立ち位置を受け入れられたのだと想像します。

ただ、添え物や小道具だから重要でないと言う事はなく、もし松井悦子がソロだったら、もし隣にいるのが松崎さんではなくてもっと肉食系のギラギラした男だったら、などと考えると、やはりチェリッシュはあの二人が並んでいてこそチェリッシュなのであったとも思っています。

で、本楽曲のメロディも悦ちゃんの得意音域に合わせてありますから、ハモりの入って来るサビでは主旋律は hihi C~hihi E♭周辺を上下します。男性のハモリを下げずに上に持って行った場合、そのラインは hi E♭を中心に動く事になりますが、この音域って歌の上手い人でなければ「張り上げて出す」領域に差し掛かっていますよね。ピンで歌える歌手でも hi A 上限と言うのが普通ですから、松崎さんの場合、もう一全音上が出せるか出せないかと言うギリギリの音域になると思います。

そこまで緊張感(発声が苦しい領域では必ず声の表情に出てしまいます)のあるハモリは、悦ちゃんのボーカルの響きを阻害するであろうと言う事が一点。ましてやサビ最後の「髪飾り~♪」に素直にハモらせると hi G(7th の hi F でも一応成立はしますが)って、これはひょっとすると松崎さんには出そうにも出せない声だったかも知れません。

即ち、オクターブ下げた譜面上で3度上をハモらせた場合でも、「飾り~♪」の部分はちょっと対位法的に下がるフレーズを使って落として来たいわけですが、落とせる先が sus4 の C の音くらいしかなくて、「続くリフレインのメロディと丸被り」「主旋律と2度(実音では9度)のコーラスは正確に歌えないととても汚くなる」「せっかく sus4 感を保留気味にしてリフレインを目立たせる仕掛けが台無し」などなど、良い事が無かったのではないでしょうか。

かりに松崎さんが「穏やかに」hi E♭を発声できる、と言う前提に立つとして、

 わかくーさのかみかざりー
 ドレミーミミミミレドソー(ミとラは♭、最後のソは下がる方向)

とでもするんでしょうか。これはこれでかなりアクロバティックなハモりではないかなあ。

本来、ぽぽんたさんに対して弦を喩えに出せるほどの素養は無いのですが、この部分の松井さんの主旋律を第一バイオリンと考えた時に、松崎さんに求められたのは第二バイオリンではなくてビオラやチェロ的な「優しく下から包み込むように支える」役割だったのだと考えると、私にはこのコーラスワークのボイシングがそれほどおかしなものだとは感じられません。

むしろ、演者の使える音域や声質を考慮して「うまく出来ている」、どこかしら眠たそうで草食系に見える松崎さんにはピッタリとすら思うのですが・・・純粋なリスナー的にはやっぱり NG に近いんでしょうかねえ。

人間にやらせる以上はいろいろな制約条件がありますから、馬飼野氏もあれこれ考えられた上での事とは思いますが。
_
by もっふん (2018-02-10 08:52) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは!

当時の事、よく憶えておられるんですね(^^) 今思うと、私は当時あまりグループと言う形態が
あまり好きではなく、ひたすらピンの女性歌手ばかり追っていたので、
テレビで観てはいても最初は好きになれなかったのかも知れません。
子供って理屈に関係なく、好きは好き、嫌いは嫌い、ですし(^^;)

当時の月刊明星を読む限りは、「二人は結婚するのか?」と言った世評に対してはむしろ、
悦ちゃんの方がその気だったように感じられます。
と言うか、松崎さんはキャリアを築くのに必至で、そういった噂がその邪魔になる、
と思っていたフシがあります。
でも文中にも触れたLPレコード「スーパー・デラックス」に入っている解説書を見ると、
1973年前半の段階でかなり懇ろだった様子はありますね(*^^*) …何だか俗っぽ過ぎか(^^ゞ

松崎さんは歌唱力があるタイプではないようですが、アルバムのソロ曲を聴いてみると
声質がやや中性的で面白く、ソロでも良い楽曲を作れそうなボーカルです。
確か当時、「エッチャンより歌はうまいぞ」と自分で言っていたような(^^)
本来はグループとして、あくまでもメインボーカルは悦子さんとしても、
時々自分がソロをとるようなスタイルで活動したかったのではないかな、と思うんですね。
そんなパフォーマンスを観る事がなかったのが、今思うと残念です。

チェリッシュはデュオですから、筒美作品「ふたりの急行列車」「渚のささやき」
「愛の終末」のようにコーラスとして絡むのが、やはり音楽的に面白いと思うんです。
その点で、「若草の髪かざり」での松崎さんのパートは面白味がなく、歌声もどこか
つまらなそうに感じたわけです。
単にオクターブ上げれば済む問題でないのは、私もそれは承知してました。
そういう意味で、次の「避暑地の恋」と「白いギター」でのコーラスワークは、
「若草の…」よりも遥かに聴き応えがあると思います。

それにしても、「古いお寺をただひとり」のシングルは両面とも実際には松井嬢のソロなのに
チェリッシュ名義だったのが、今も腑に落ちません(^^ゞ

by ぽぽんた (2018-02-11 18:51) 

もっふん

★松崎さん、ごめんなさい★

「何となくこう思う」で書いてしまったので何曲か聴いたところ、松崎さんの実用音域を hi G までは確認しました。ざっと聴いただけなので間違っていたら逐次訂正をお願いします。(カッコ内はアレンジャー)

 なのにあなたは京都へゆくの(馬飼野俊一) コーラス無し
 だから私は北国へ(筒美京平) hi C
   <バンド解散、デュオへ>
 ひまわりの小径(筒美京平) hi F#
 古いお寺にただひとり(青木望) コーラス無し
 若草の髪かざり(馬飼野俊一) hi C
 避暑地の恋(馬飼野俊一) hi G(サビでの悦ちゃんとの絡みはファルセット使用)
 白いギター(馬飼野俊一) hi E(転調前は hi E♭)
 恋の風車(筒美京平) hi F
 ふたりの急行列車(筒美京平) hi E♭(メロディ最高音を含むサビはコーラス無し)
 愛の終末(筒美京平) hi G(悦ちゃんの空いてる所なのでかなり張り上げてます)

・・・と言う訳で、出せば少なくとも hi G はお出しになれたようですが、各楽曲での使われ方を見ると「柔らかく」と言う条件を付けた場合の上限は hi E 付近であった模様です。

★ぶっちゃけ★

ぽぽんたさんがわざわざ「筒美作品」と書かれていますが、何のことは無い、「若草」以外は全て極めてシンプルな上三度(男声が1オクターブ低い事を無視すれば)のハモリで「若草」だけが下ハモなんです。「若草」以外の曲が何か高度な事をやっているわけではありませんので、これは編曲の巧拙の問題ではないですね。

※私は「松崎さんのパートをオクターブ上げたら」と言う話ではなくて、譜面に書かれたような下ハモを上ハモにした場合(5~6度上げた場合)についてコメントしたつもりですので念のため。

確かに上ハモが被さって来ると楽曲のテンションは上がるのですが、このハモりは安直にベタで用いると非常にフォーク臭が強くなるきらいがありますし、にぎやか、と言うか直情的に聴こえてしまうためにメロディの寂寥感が消えてしまうと言う副作用があります。

男声と女声では5度程度の差がありますから、男女デュオの場合は男声で上ハモを付けるとそれぞれのフレーズが同程度の緊張感となり、実音で5~6度開いたオープンコーラスになって美しい事は確かなのですが、「これでもか」と上ハモで貫いた「ひまわりの小径」がオリコン3位のヒットとなっているので、馬飼野氏がこれとは別のアプローチを求めた(もしくは、求める事を余儀なくされた)のではないかと言う推測も充分に成り立つと思われます。

それは、同じ筒美京平氏がバンド解散の時期を挟んで書いた「北国」と「ひまわり」で男声コーラスの扱いが大きく異なっている事からも想像に難くないですし、更に深読みすれば、なまじ「ひまわり」がヒットしたために「お寺」では明確な方向性を打ち出す事を避けてコーラスパートが書かれなかったのだとも考えられます。当事者である松崎氏ご自身が方向性に不満や疑問を持っておられた事も決して無関係ではないでしょう。

本曲における馬飼野氏の構想を想像するヒントとして、氏がコーラスの無い編曲をされた「京都」を聴いてみると、サビに入ったところで美しいチェロの低音がメロディを追いかけて来るのが分かります。私としてはこのテイストをコーラスで実現しようと試みたのが「若草」なのではないかと思ったりしています。

★おまけ・松井嬢のソロなのに・・・★

「レコーディングはスタジオミュージシャンに任せてしまっても、歌番組で隣でギターでも弾いていれば、それは立派なユニットなんですよぉ~」と、グレープの吉田正美さんやバンバンの今井ひろしさんに言われるんじゃないでしょうかね(笑

そもそもバンドであればボーカルが一人で歌っているのは普通のことですし、グループとしての「チェリッシュ」の名前がようやく浸透して来たタイミングで「松井悦子」だけをクレジットしたシングルを出したとして、それは制作側にもリスナーサイドにも、何の得にもならなかったでしょう。

さらに勘繰れば、松崎さんはこの時期もなお、バンドの形態に戻す事を考えておられた可能性もありますし、悦ちゃんが一人で歌っているバンド時代のチェリッシュを知っている私にはそこに違和感めいたものは感じられません。
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by もっふん (2018-02-13 21:59) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんばんは! お返事がめちゃ遅れて申し訳ありません。

まず松崎さんの、各楽曲での最高音ですが、まず「だから私は北国へ」ではhi E、
「ふたりの急行列車」ではhi Gまで達しています(Aメロ♪乗り込もう♪の「こも」ですね)。

今思うと、もっふんさんが仰るようにチェリッシュはその形態が何度か変わったので、
最もヒットを出していた頃も何らかの模索を続けていたのかも、と確かに思います。
男女のデュオとなっても、世間の目は絶対に女性の方に向きますから、松崎さんは一緒にいても
何とか自分の存在感を出す必要があると思ったかも知れません(その作戦の一つが、
今で言うとTHE ALFEEの高見沢さんに近い、パーマがかかったロングヘアだったのかも)。
「古いお寺にただひとり」は青木望さんのアレンジでしたが、今聴いてもどこにも男性コーラスの
必要を感じないサウンドなんですよね(ライブではサビで松崎さんも歌っていましたが)。

それにしてもグループだった頃のチェリッシュを憶えておられるのは羨ましいです。
個人的には、最初の2年間くらいはグループのままでいてほしかった、なんて思います。

by ぽぽんた (2018-02-19 00:09) 

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