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同級生 / 森昌子

森昌子さんの楽曲について書くのは約5年ぶり(^^;)

同級生.jpg

チャートアクション

「同級生」は森昌子さんの2枚目のシングルとして1972年10月に発売され、
オリコン最高4位(同年11月13~27日付、3週連続)、同100位内に25週ランクされ
36.7万枚の売り上げを記録するヒットとなりました。

初のオーディション番組からのデビューと言う事だけでも大きな話題になり、
楽曲の良さも伴い大ヒットとなった「せんせい」の次と言う事で、
注目度が非常に高い中での新曲だったんですね。

森昌子さんの場合、「せんせい」「同級生」「中学三年生」の
デビュー3部作で早くも人気のピークに達してしまい、
その後は「夕顔の雨」がオリコン最高7位に入ったのを最後に、
結婚で引退するまで1曲も10位内にランクされる事はありませんでした。


作家について

「同級生」を含め、「せんせい」から「白樺日記」までの全5枚のシングルは
すべて作詞・阿久悠、作曲・遠藤実、編曲・只野通泰各氏による作品です。


楽曲について

「せいせい」の記事にも書きましたが、デビュー3部作は森昌子さんのデビュー時に
すべて完成していたそうで、
音楽的にも姉妹作と言って良いような類似点の多いものになっています。

具体的には、全体の構成が「同級生」のみ3コーラスである事(他2曲は2ハーフ)、
キーは3曲ともG#マイナー(嬰ト短調)、歌メロは「中学…」以外は四七(ヨナ)抜き音階で、
逆に言うとそのような中で三曲三様の個性を打ち出せている事が素晴らしく、
コード(和音)の構成音に時々逆らうような動きをする演歌独特のメロディーも
しっかりと生かされ、森昌子さんの天性と思える歌唱によって、
聴いていると歌詞の中の情景が浮かんで来るような作品に仕上がっています。

「同級生」の歌メロは、♪朝の改札~♪ のAメロと ♪小さなうわさたちました♪ のCメロでは
強起で4分音符と8分音符の素直な畳みかけ、
♪きっといつかは~♪ のサビでは弱起で付点4分音符の利用と言った使い分けで構成され、
全体としては童謡のような作りと言って良いでしょう。

コード進行もごくオーソドックスで、ひねりも感じられませんが、
歌メロ部とそれ以外とでハッキリと違う進行が用いられています。

今回も楽譜を書いてみましたので、以上の事も含め確認してみて下さい。
歌詞は一番のみ書き込んであります(画像上クリックで大きく見られます):
同級生score.jpg

デビュー曲の「せんせい」では親しみやすさ優先だったためか、
歌唱に特段高度なテクニックを要する楽曲ではありませんでしたが、
「同級生」では随所で演歌特有のこぶしや節回しが採り入れられて、
「せんせい」で大きな知名度を得た森昌子さんの本来の力量を
大衆に知らしめようとする意図が感じられます。

例えばAメロが主音のラで終わり、次のサビがシードシラ…と始まる(♪きっと♪)のは、
森昌子さんが達者にこぶしを回せる事を示そうとしている事が明白で、
ポップスでは殆ど目に(耳に)しないメロディー展開と言えますし、
その音程をきちんととれる13歳(当時)の森昌子さんのテクニックは
素晴らしいと思います(^^)


サウンドについて

オケはリズム隊・ストリングス・ホーンセクションとこれまたオーソドックスな構成で、
「せんせい」で重要な音だった12弦ギターと電気ピアノはこの曲でも要となっています。

所々で鉄琴やストリングスが歌メロを奏でているのも「せんせい」と同じで、
この曲よりも5年ほど後のヒット曲「北国の春」(千昌夫)でも使われている
演歌的アレンジと言えるでしょう。

サビの入る箇所 ♪きっと…♪ には明らかに溜め(ごく短い時間的な引き伸ばし)があり、
ドコドコとタイミング良くオケが入ってくるのが、何とも言えず気持ち良いんですね。

前奏・間奏・後奏の終わりに拙いオカリナの音が登場しますが、
私はこの音は登場人物の、大人視線からの子供っぽさをサウンド化しているような気がして、
どうも好きになれないんです(^^;)


1972年頃になると歌謡曲のレコーディングでも8トラック、場合によっては16トラックが
使われるようになっていましたが、
演奏の一体感を狙ってか、あるいは予算的な都合かも知れませんが、
演歌系のオケは同時録音がまだ普通だったようです。

「同級生」のオケにも、その「ドコドコ…」も含め演奏に一体感があります。
そのためか、どことなく温かみのあるサウンドですね。


付記

阿久悠氏が作詞したヒット曲「はじめての出来事」(桜田淳子)の歌詞に
♪ここまでついて来たが♪ といきなり固い言葉が出てくるのが話題になりましたが、
「同級生」でも ♪好きでたまらぬ同級生♪ と文語体が出てくるんですね。

しかし他の作家でも、例えば松本隆氏が作詞した「瞳はダイアモンド」(松田聖子)にも
♪…でもあふれて止まらぬ涙はダイアモンド♪ なる歌詞が出てきます。
それは意識的な表現方法なのか、あるいはメロディーに歌詞をはめこむ時に
字数の関係で仕方なくそうしたのか、その両方なのかは作家本人のみぞ知る事ですが、
意味は変わらないのにちょっと言い回しを変えるだけで歌そのものの印象も変わるのが、
歌謡曲の面白いところでもあり、作家にするときっと難しいところなのでしょう。


森昌子さんのデビュー3部作「せんせい」「同級生」「中学三年生」は
いずれもオリコン10位内にランクされるヒットとなりましたが、
その3曲によって森昌子さんのイメージが固まり過ぎてしまい、
その後、レコードの売り上げが芳しくなかったのは先述の通りです。

恐らく森昌子さんのようなタイプは、どのような層をターゲットとするのかが
難しい問題なのだろうと思います。

年齢からすると完全にアイドル歌手なのですが、当時も今も、
学生や20歳代の人の多くはあまり演歌は聴きませんし、興味もないものです。

そうするとある程度の年齢以上がターゲットとなりますが、
特に当時は、子供と言われる年齢の子があまりに歌が上手だったりすると、
大人はそれを「こましゃくれてる」とかえって嫌う傾向があったんですね。

もしかすると、森昌子さんの登場は時代的に早過ぎたのかも知れません。
今こそ、デビュー当時の森昌子さんの楽曲は新鮮に聞こえると思います。


「同級生」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 遠藤実
編曲 : 只野通泰
レコード会社 : 徳間音楽工業(ミノルフォン)
レコード番号 : KA-441
初発売 : 1972年10月5日

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White Autumn

おはようございます、ぽぽんたさん。
お忙しい中記事の執筆ありがとうございます。

「せんせい」はもちろんよく存じていますし、「中学三年生」は山口百恵さんの歌(貴重な百恵さんのこぶし回し)で覚えていますが、この曲はすぐに思い出せませんでした(音を聴けばすぐわかるとは思います)。

森昌子さんが大人になってから出した有名なヒット曲はいずれもオリコンベスト10入りしていないというお話は、最初こそ意外に受け取りましたが、少し考えてみれば十分ありえると思います。

演歌は、レコード以外の方法で聴いて支持する場合が多いですね。ミュージックテープ、有線放送、ラジオリクエストなど、当時でも様々な手段がありました。

レコードの売り上げがほぼそのままヒットの規模に反映されるポップス系と最も異なる点でしょう。逆にいえば、ポップスやロック・フォーク系はレコードの売り上げを中心とした(演歌系にハンディキャップを負わせていた)ヒットチャートによって浸透していったという側面も見逃せないでしょう。

「同級生」のレコードジャケットをきちんと見るのは初めてですが、確かに「モンチッチ」ですね。(某親友談。コンサートでも、森さんと一緒に写っている修学旅行の写真を使っていました。)これを見て、「子供でも歌手になれるんだ!」と「スター誕生」に応募したと思うと、感慨深いものがあります。

「こまっしゃくれている」…美空ひばりさんが亡くなった時、同世代の新聞記者や評論家などの追悼寄稿で、嫌というほど目にした言葉です。日本語としてもあまり品がよくありませんね。

音楽の話題から逸脱するためあまり詳しくは記しませんが、この言葉には当時の大人世代の、子供に対する身勝手な要求が含まれている気がします。とりわけ、女の子に対して顕著でした。今は大人と子供の境界線が薄れてきた弊害も取り沙汰されていますが、逆に厳格すぎる昔の姿勢も決してよい結果はもたらさなかったと思います。

森昌子さんの成功で、1980年代初めごろまでは「少女演歌」ともいうべきジャンル、アイドル歌謡と演歌の中間的な楽曲でデビューした人が何人かいましたね。森まどかさんの「ねえ・ねえ・ねえ」などもその線だったのでしょう。

しかし、「帰ってこいよ」が圧倒的にヒットした以外は全くといってよいほどふるわず、いつしか「少女演歌」は消えてしまいました。
by White Autumn (2015-10-29 09:11) 

小がめら

ぽぽんたさん、こんにちは。

私は森昌子さんの歌はあまりなじみがないのですが、曲評の締めくくりに書かれていらっしゃる、「森昌子さんの登場は時代的に早過ぎたのかも知れません」という部分は、彼女自身の長期的な成否で考えるときっとそうなのかも知れないと思います。

でもスタ誕で歌手・森昌子さんが誕生し、その初期に大成功を収めたからこそ、桜田淳子・山口百恵・岩崎宏美という少女たちが、その登竜門に挑んで後に続いたのだと思うと、森昌子さんは彼女たちの生みの親のような存在とも言えるのかも知れませんね。漫画の「エースをねらえ!」で、岡ひろみというプレイヤーを生んだのはお蝶夫人こと竜崎麗香・・・みたいな。

折角の曲評なのに、曲自体にあまり関係のないコメントですみません。知っている曲が皆さんより圧倒的に少ないので、音楽面で食いつける場面が限られていて… (^^;)

それではまた。



by 小がめら (2015-10-29 12:38) 

青大将

この曲は、何と言ってもイントロ・間奏・エンディングに登場する♪ピポ・ピポー♪と、何処か頼り無い、しかしながら可愛く哀愁味もあるオカリナの音色が印象的であり、
重要なエッセンスである様に思います。 記事に童謡という言葉が出て来ましたが、まさに幼い恋を巧く表現してて、十代の淡い色彩を引き出してますね。
何処か「よこはまたそがれ」っぽいイントロは、歌番組でステージ袖や中央階段から降りて登場するのにハマってる気がします。
と、いう事でぽぽんたさん、こんばんは。(^o^)/

えっ!?森昌子は「夕顔の雨」でベストテン打ち止め? その後の「白樺日記」や「記念樹」等はランク外だったんですか?以外です。
そして最も謎なのは、「おかあさん」がベストテンに入って無いという事です。 あれは広い層に受けて結構なヒット曲だった印象が強いので、
ベストテン・ランクインは当たり前だと思い込んで居ました。 寧ろ、あの曲は同時期の百恵・淳子の「ちっぽけな感傷」や「花占い」を上回ってた記憶が在りました。
だけど好感度は世代が幅広く、歌番組もひっきりなしで、その辺りが同時に曲もヒットしてたと思わせて居たのかな。(^^;
(それでも鳴かず飛ばすの曲は無く、小ヒット中ヒットぐらいは常に在りました。)

「同級生」B面の「初恋の赤い傘」も針を落として聴いてみました。こちらは明るい叙情歌謡といった感じで、いかにも遠藤 実の作品といった感じです。
そういえば、同じミノルフォンでスタ誕第2号の三橋ひろ子2nd「春の踊り子」B面「私は駈けてゆく」も、こんな感じの好感持てる楽曲でした。レコード会社で特色があるのかな? ちなみに作詞は同じく阿久 悠ですが、こちらの作曲は森田公一です。

さて、現在の森昌子ですが、昨年から新境地を拓いた新曲が目白押しでしたね。 「花魁」も、今年に入ってリリースした次の曲も(タイトルをちょっと失念(^^;)素晴らしく、阿木燿子・宇崎竜童コンビで、せっかく気に入ってたのに、(「花魁」もこのコンビだったかはちょっと?ですが(^^;)この前リリースした新曲は、本来の森昌子に戻した作品になってて、ちょっとガッカリです。もう少し冒険して可能性を試して欲しかったかな。(^^;


by 青大将 (2015-10-29 20:37) 

青大将

またまたこんばんは。(^^;
調べて来ました。 「花魁」も阿木燿子・宇崎竜童御夫妻作品でした。 そして、次の曲は「惚れさせ上手」というタイトルです。テンポが有って、こういう森昌子もアリだな、と思わせるナンバーですね。
「花魁」は、最初、石川さゆりが椎名林檎と組んで気を吐いてた意欲作「暗夜の心中立て」に対抗して同じ時期に、同じ花魁の世界でぶつけて来たのかと胆が冷えましたが、
どちらもそれぞれの良さが在って競べるモノでは無いな。と感じます。
by 青大将 (2015-10-29 20:52) 

ぽぽんた

White Autumnさん、こんにちは! お返事が遅れて申し訳ありません。
こちらこそ、いつも読んで下さってありがとうございます。

演歌なる分野は、例えばレコードを買って自分の部屋で聴いて楽しむだけに留まらず、
仰るようにテープや有線など、またスナックやバーなどに設置されたカラオケなどを通じて
広まったりする事が多いようで、単純に複製物の売り上げだけでは
その影響力が計れないようですね。

ただ森昌子さんの場合、結婚引退の数年前の「悲しみ本線日本海」や「越冬つばめ」以外は、
やはりアイドル的な人気とレコードの売り上げとが直結していたように思えるんです。
花の××トリオ時代も、昌子さんだけが浮いていたような感じがしましたし、
歌唱力は間違いなく高いがその他の要素が弱くて不利だったのは否めません。
百恵さんが「横須賀ストーリー」、淳子さんが「夏にご用心」で人気絶頂の時に
昌子さんは「どんぐりっ子」…これじゃやはり、アイドルとしては勝ち目がないですよね。
私は当時中3でしたが、昌子さんがいつも、何となく気の毒に思えていました。

「せんせい」のジャケ写やプロモーション画像では、まだ髪が長めなんですね。
デビュー直前にあの髪型になったようですが、その時は本人は泣いて抵抗したそうで(^^;)
しかし、当時確かに変わった髪型と思いましたが、髪を切る前と比べると別人のように
垢ぬけて見えるんですね。 やはりプロの審美眼は違うな、と思います。

私も「こましゃくれてる」なる言葉は嫌いです。 White Autumnさんが仰る感覚もその通りと思いますし、
さらには大人のやっかみも多分に含んでいるように思うんです。 
意訳すれば、自分にはない才能をこんな子供が持ってるなんて、と言ったところでしょうか。
ただ、私は分際をわきまえる事は必要だと思うんです。
今はちょっと才能があるとわかると何年も努力している人を押しのけてでも…
と言った風潮がありますが、例えば美空ひばりさんなどは飛び抜けた才能が
あったにもかかわらず先人の意思を優先していたからこそ大切にされたのであり、
秩序を保つには、さらに日本人が日本人らしくあるためにもそれが第一だと思うんです。
話題が逸脱してごめんなさい。

演歌とは言えないかも知れませんが、西崎みどりさんの「旅愁」も大ヒットしましたね(^^)

by ぽぽんた (2015-10-31 15:56) 

ぽぽんた

小がめらさん、こんにちは! お返事が遅れて申し訳ありません。

岩崎宏美さんも、森昌子さんがデビューしたのをテレビで観て「こんな子供でも歌手になれるんだ」
と自分もスタ誕に応募したそうですから、仰るような流れを作ったのは森昌子さんだった、
のはきっと確かですね(^^)
加えれば、新人スカウトをテレビで番組として放映したのは「スター誕生!」が初めてであり
(それまでにも10週勝ち抜けば歌手になれる!と言う番組はありましたが、そちらはすでに
プロである人も対象だったので、「スタ誕」とは本質的に違うんですね)、
そこからさらに大ヒット曲が生まれた事がその流れを確実なものにしたのだろうと思います。

「同級生」は「せんせい」と「中学三年生」にはさまれ、わりと地味な曲と認識されているので、
ご存知ないとしても不思議でないと思います。 これを機会に聴いて頂ければ嬉しいです(^^)

by ぽぽんた (2015-10-31 15:57) 

ぽぽんた

青大将さん、こんにちは! お返事が遅れてもうしわけありません。

お。 のっけから私の私見と相反するご意見を(^^;) むしろ青大将さんのような受け取り方が、
最もストレートで制作側の意思がそのまま反映されたものですので、こうなると私がかなり
ひねくれているように思えてきます(^^;)
「よこはま・たそがれ」にイントロが似ているとは、ついぞ気づきませんでした。

えっと、「白樺日記」は11位、「記念樹」は13位、「下町の青い空」が15位、
「おかあさん」は21位が、オリコンシングルチャートでの最高位です。
しかしオリコンはレコードの売り上げだけの集計ですし、ラジオのリクエスト番組では
どれもトップ10に入っていたと思います。
森昌子さんが歌番組の常連(さらにはあの「うわさのチャンネル」でも)だったのが間違いないですね(^^)

この時代の、10代のアイドル歌手の曲って、大人が作った子供のための曲と言った感じで
節度がキッチリとしていた曲が多かったですね。
だからこそ、山口百恵さんが突如♪あなたが望むなら 私何をされてもいいわ♪
などと歌って大衆が「え!?」とびっくりしたわけで(^^;)
私は「青い果実」も「ひと夏の経験」も好きなので非難はしませんが、それらが登場するまでが
アイドル歌謡(とその制作者)に良心が宿っていた時代だった、とも言えるのではないでしょうか。

う~ん、私は最近の森昌子さんの楽曲はよく知らないのですが、ファンの方ならばきっと
青大将さんの論評を納得できるものと思います。
ってか、私ももっと最近の曲に目を向けるべきですね(^^;)

by ぽぽんた (2015-10-31 15:58) 

コトブキ

お疲れ様です。 ヨナ抜き短音階、来ましたな。
この曲は好きですな。当時からかなり好きでする。小柳(留)の最初2曲の流れと印象がカブる。

今回ヘッドホンでキチンと半田健人みたくとか、生まれてはじめて聞きましたけど、
案の定まあ正直、前後の2曲と比べてなんというか、とても聞きやすいオケと歌に感じました。ですな。
オカリナは私はこれは意外と気にならないというか、なにかと肯定的に聞けるかと。
音の意図をあえて汲むなら、大人が感じるティーンな頃への憧憬ですな。これは。


歌詞が好きですな。高校生の時かと思うのですけど、
この歌詞のワケわからなさについて、夜中だかに議論した覚えがありますな。
結局AメロとCメロを過去と解釈して、そうとすりゃそれってどれくらい前の過去よ?、みたいな、
そんな話になったような気がします。まあそんな解釈にもなりがちかとこの詞のトリックは。
長調で歌いもしましたなこの曲は試しに夜中に。歌詞自体の良さを確認することが目的だったかと。

この曲と、あと「せんせい」との1番の冒頭辺りの「あ段」開始の使用頻度の高さ辺りもその時、
話題に上がった気がしますな。ちょいと曲先を疑い得る音の選び方な歌詞にも思えますな。冒頭。


溜め、は面白いですね。この曲のサビ入り箇所の場合だと歌もDr.も、まあジャスト。
その前の、ブレイク前の8分音符で言うと ○らドミラ の3拍分で、皆さんで一緒にハシってますな。
ブレイク音のラの位置で言えば、軽く32分音符分近くツっこんでるかと。計りましたけど。 ヾ(-_-;
その止めの「ラ」と歌の「き」の間が少し長くなるワケで、タメの正体はそんなですな。この曲の場合。
この際また文明の利器やらで ラドミラ だけ大体正しく伸ばして貼ったりとか聞き比べてみましたが、
範囲内なら少々どうイジってもリズム的な違和感は感じなくて普通に聞けるワケですけど、
やっぱ原曲のノリが一番気持ちよさげでしたかも。緊迫感みたいなが程よくあって。


中三のオケのリズムは正しいみたいですなテンポ通りですな締めのBa.の入りも。 m(_)m
いつも書いてるのでまた書くと「同級生」、サビのベースは三回ともラインを変えてるワケで、
壱番のブレイク音から数えて参小節目、4の音から567経由で8へ上がって、
次小節でミっシミ~と駆け下りていく。超カッコいい。弐、参番ではそれはやってないと。

1番で指揮者にニラまれて2番からは抑えたとかだと爆笑ですな無いけど。
この曲辺りを聞いてると、半田健人があの人らのベースにこだわってた気持ちが解りますな正直。嗚呼。
by コトブキ (2015-10-31 20:51) 

sing slowly

はじめまして、ぽぽんたさん。1年程前からブログ楽しく読ませてもらっています。

ぼくは、デビューから「おかあさん」くらいまでの森昌子さんの声が大好きなんです。「甘くてやさしい」って感じですかね。だから、ぼくの中では、森昌子さんは「うまい」歌手というよりも、心をとろかす「甘い声の」歌手なんですよ。「おかあさん」で聞かせる歌なんて、まるで蜜がしたたるような感じです。

「同級生」は、♪きっと~♪からの所々、りきむようなところがいいです。右手をにぎりしめて、眉を八の字にして、体全体で歌ってる姿が目にうかびます。一生懸命な感じがよく出ています。普通の歌手は、一生懸命な感じは、デビューから2、3曲くらいだと思うんですが、昌子さんはもっと長い間続きます。デビュー年齢があまりにも幼かったからというのもあるでしょうが、本人の性格的なものや、また、歌に対する姿勢をお父さんに厳しく叩き込まれたから、でもあるかもしれません。

残念な事は、ぼくは当時まだ小さくて、この頃を体験できてないんです。ぼくの見知ってる森昌子さんは、もう演歌の歌手になってましたから。もっと言いますと、桜田淳子さんも、最初の頃を知りませんし、アグネスチャンさん、浅田美代子さん、麻丘めぐみさん、シモンズ、松本ちえこさんなどは、全く歌ってるのを見たことないです。

というわけで毎回、楽しみにしてますので、いろいろ、これからも勉強させてくださいね。

先週の森昌子さんのラジオで、当時のアルバムのレコーディングの話が出てました。YouTubeで聴けます。
by sing slowly (2015-10-31 22:20) 

コトブキ

月初めに失礼しますm(_)m。sing slowlyさんのコメを読んで軽く追加したくなったんですが、
私も森昌子さんの歌声ですか、好きですな。 好きな歌い手としてよく挙げまする。
十数年前になってしまいましたが、夏川りみVer.の「涙そう~」って私、
どっか道の駅で多分初めて聞いたんですけど、当時軽く復帰されて間が無かったりもして、
森昌子さんだと思い込みましたな最初。よく聴いたら違うなと思ったけど。 ('-'
by コトブキ (2015-11-01 03:55) 

ぽぽんた

コトブキさん、こんばんは! お返事が遅くなり申し訳ありません。

私も森昌子さんのデビュー三部作では「同級生」が一番好きなんです。
初めて聴いたのが当時の歌謡ベストテン(FM東京)だったのですが、
歌詞の内容に関係なく、哀愁を感じていたんですね。

オカリナのフレーズに対する感じ方は、私の方がきっと特殊なんですね(^^;)
大人が作った曲だから、大人目線になるのは当然なわけで…。

この曲の歌詞について議論されたとは興味深いですね。
今読むと明らかに現在進行形の交際の歌詞ですが、そう言われると確かに
私も、ハッキリとではありませんが過去の事を歌っているような気がしていた
のかも知れません。 だから尚更哀愁を感じたのかな、と。
短調のメロディーを長調にしたりその逆などは私もよくやってましたが、
不思議と流れの良いメロディーになる曲って滅多にないんですよね。

当時の阿久悠氏と遠藤実氏の関係は駆け出し作詞家とベテラン作曲家でしたし、
遠藤氏が直接レッスンしていた事も考えると曲先の可能性が高いと思います。
フレーズの頭にあ段の音を当てるとインパクトが強くなるという手法は、
私はこれまであまり意識しなかったのですが、歌謡曲ではよくあるようですね。
「青い珊瑚礁」(松田聖子)もかなりくどくあ段が続きますし、
「純潔」(南沙織)にもかなり意識的なものを感じます。

タメやテンポの揺らぎについては、やはりマルチでなく同録でオケを指揮する
事で、当事者にすれば必然的な操作でそうなったのではと思います。
今も疑問が一つあって、森昌子さんの本「明日へ」に、
「せんせい」のレコーディングが歌も含めた同時録音だった、とあるんです。
「せんせい」の回にも書いた事ですが、カラオケを聴く限り、どうしても
そのようには感じられないんですよね。
ただ、歌も含めた同録ならば、タメなども呼吸が合ってうまくはまる気がするので、
もし「せんせい」がそんな同録ならば「同級生」もそうだろう、と思うんです。

ベースラインについての分析、流石です。 そこまで細かく聴いてしまう
リスナーが多ければ、演奏する側もすごく頑張ってくれると思います。
ただこの曲のように同録(と思われる)のオケって、よく聴くと結構、
あちこちで演奏ミスがあったりしますよね(^^;)
以前記事にした「長崎から船に乗って」(五木ひろし)のように
間奏でギターが結構派手に間違えている例もありますし、
変わった例ではテレビアニメ「ジャングル黒べえ」のテーマ曲でも、
2コーラス目のサビでベースがコケてます。
アラ探しは趣味ではないのですが、耳に残ってしまうんですよ(^^;)

by ぽぽんた (2015-11-02 18:26) 

ぽぽんた

sing slowlyさん、はじめまして! コメントをありがとうございます。 初めて
下さったのにお返事が遅れて申し訳ありません。

森昌子さんの、デビュー2年くらいまでの声がお好きなんですね。
時々私もよく考える事なのですが、声変わりの問題以前に、ローティーンにしか出せない
声と言うのは確かにあって、とても貴重に思えます。
恐らく骨格の未熟さや細胞自体の若さなどが関係するのでしょうが、大人のように
力んで出した声にもどこか幼さがあってそれが何とも言えない魅力になったりして、
人間の声と歌は本当に興味深い、面白いものだと思います。

森昌子さんはデビュー直後から、歌に関しては色々と才能を発揮していました。
テレビ朝日(当時はNET)で長年放映されていた「象印スターものまね大合戦」では、
都はるみさんや美空ひばりさん、アグネス・チャンさん等のものまねを披露していて、
基礎的な実力があればこんなに応用がきくのか!と思うような達者な歌を
聴かせてくれたものです。
仰るように、昌子さんのお父さんが、昌子さんの幼少期から熱心に指導していた
のが結実したのでしょう。

当時はテレビの歌番組が毎日のようにありましたが、現存する映像はそのごく一部らしく、
動画サイトにアップされている映像だけだと、私のような年代のファンは、
リアルタイムでしっかりと観ていた分かえって欲求不満になったりします。
音だけをレコードやCDのものと差し替えた動画もあったりして、それは最悪です(^^;)

当時の森昌子さんは、テレビで観ている限り緊張している様子が全くなくて、
いつも安定した歌を聴かせていたように記憶しています。
天地真理さんは余りにも売れっ子だったからかテレビではいつも嗄れた声でしたし、
浅田美代子さんは「あ、音外しちゃった」と毎回ひやひやしながら観てました(^^;)

YouTubeの音源、探してチェックしてみます。 知らせて下さってありがとうございます。

これからもよろしくお願い致します!

by ぽぽんた (2015-11-02 18:28) 

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