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青春の輝き / カーペンターズ

このような非常時に不謹慎な事かも知れないのですが、
震災で被害に遭われた方々、また被害に遭われていないまでもご友人やご家族を
心配なさっている方々にとって安らぎの一助になれば…と思い、
通常通り更新記事を書きたいと思います。

青春の輝き(アナログ).jpg 青春の輝き(CD).jpg

「青春の輝き」は原題が"I Need To Be In Love" で、
1976年7月にカーペンターズ7枚目のアルバム「見つめあう恋」からのシングルとして
発売されたのが最初です。

そのリリースでは、アメリカのビルボード誌のシングルチャートでは最高25位、
オリコンでは最高62位と、それまでのカーペンターズからは考えられないほどの
悪い成績だったんですね。

そしてその19年後、TBSのドラマ「未成年」の主題歌として再発売され、
オリコンで最高5位、同100以内に16週で54.2万枚の売り上げとなる大ヒットと
なったんです。

そのシングルと同時期に発売されたアルバム「青春の輝き~ベスト・オブ・カーペンターズ」は
シングル以上の成績を収め、オリコンで最高3位、同100以内に110週もランクインし
229.3万枚もの売り上げを記録しました。


これまで何度か書いてきた事ですが、私は40年間ほどのカーペンターズ・ファンで、
「青春の輝き」にしても最初のリリースから知っていたので、
1995年の大ヒットぶりには心底驚きました。


この曲は作詞がリチャード・カーペンター氏の学生時代からの親友である
ジョン・ベティス氏で、氏は他にマドンナさんの「クレイジー・フォー・ユー」
の作詞などでも知られています。

そして作曲はリチャード・カーペンター氏と、「カリフォルニアの青い空」の
大ヒットで知られるアルバート・ハモンド氏とのコラボなんです。

この曲はアルバート氏がリチャード氏に持ち込んだのが最初だそうで、
リチャード氏によると「出だしのメロディーがすごく良かったけど、あとが
今イチだった」との事で、最終的には出だしの"The hardest thing I've ever done is
keep believing... crazy world for me"までがアルバート氏、
続く"The way that people come and go thru temporary lives...never know"が
リチャード氏、そしてまたアルバート氏のメロディーとなり、"It took awhile
for me to learn..."以後は全部リチャード氏によるメロディーであるそうです。


そしてアレンジは、カーペンターズの他の曲同様リチャード氏によるものです。

カーペンターズ・サウンドの特色の一つはコーラスです。
ほとんどの楽曲で、コーラスはカレン・カーペンターさんとリチャード氏との
多重録音で作られていたのですが、この「青春の輝き」では二人に加え
The MOR Choraleと命名されたコーラス隊が起用されています。


日本に限った事ですが、今ではこの曲、カーペンターズのシングル曲としては
「イエスタデイ・ワンス・モア」「トップ・オブ・ザ・ワールド」などに
肩を並べるほどの知名度を持つ楽曲になりました。

歌詞は当然英語なので理解が難しいとしても、美しいメロディー、どこか
ノスタルジックなサウンド、そしてカレン・カーペンターさんの豊かで
哀愁を帯びた声と、日本人が好む要素がてんこ盛りなんですね(^^)

そして洋楽なのに、構成がシンプルでわかりやすく、そして覚えやすい
…と、歌謡曲ファンにも受け入れられるタイプの楽曲である事も
大ヒットした要因の一つでしょう。


1976年に発売された「青春の輝き」のシングルバージョンは、ピアノではなく
フルートで始まるミックスで、演奏時間もやや短めです。

今回のカラオケ音源は以前ご紹介した「遥かなる影」と同様、
リチャード氏が日本のファンのためだけに制作し1992年に発売されたアルバム
「BEST OF BEST+ORIGINAL MASTER KARAOKE」に収録されたもので、
欧米ではリード・ヴォーカル抜きのバージョンを作成する習慣はないので、
日本からのリクエストに応えてリチャード氏がオリジナルのマルチトラックテープを使い
カレンさんのヴォーカルのみミュートし、ミックスして作られたんですね。

カーペンターズが大ヒットを連発していた頃から知られていた事ですが、
カーペンターズ、特にリチャード氏は大変な親日家で、
「日本は繊細な音楽を理解する、世界で唯一の国」とまで評価し、
他の国では決してリリースをOKしないような音源まで提供してくれたり、
新たに制作してくれたりしているんですね。


ところで35年前から気になっているのですが、「青春の輝き」と言うタイトルは
どうも歌詞にそぐわないんですね(^_^;)
60~70年代の洋楽には、歌詞など関係なくインパクト重視の邦題をつけられる事が
多かったんです(^^;)


「青春の輝き」(I Need To Be In Love)
作詞 : John Bettis
作曲 : Richard Carpenter, Albert Hammond
編曲 : Richard Carpenter
レコード会社 : ポリドール (米A&M)
初発売 : 1976年7月21日(レコード・日本)、1995年11月3日(CDシングル)

一昨日(3月11日)に起きた大地震で、多くの人々が被害に遭われました。
地震発生以後、テレビでほぼ全部のチャンネルで終日放送されているニュースを
みていると心が痛むばかりです。
私を含め、今回被害に遭わなかった人々にとっても決して他人事ではありません。

今後も予想されている余震などから自分自身を守るとともに、
一日も早く被害地が復興するよう、そして被害に遭われた人々が元気を取り戻すよう、
皆で協力し合いましょう!

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ゆうのすけ

改めて御無事で何よりです。
私のところも次記事で カーペンターズの曲をUPしますが カレンの歌声ってとても癒されますね。まだまだ 大変ですが 焦らず頑張ってゆきましょ!

また 明日より 輪番停電対策節電モードで ブログ対応をしますので おじゃま時間・nice!・コメント遅れるかもしれません。^^ ☆
by ゆうのすけ (2011-03-13 23:43) 

オリ25

うわ~ この作品のオリカラもあったんですね~
カーペンターズの中で一番好きです
お休み前の睡眠導入にはうってつけ 実に癒されるサウンドです
最初のリリース時、何故あんなに売れなかったんでしょうね
第一次ブームが沈静化する頃だったので話題に上らなかったのでしょうか

被災に見舞われた方々には、出来るだけ早く 普段の生活が
取り戻せるようにお祈りします
by オリ25 (2011-03-14 00:05) 

widol

未曾有の災害で被災された皆さんのご冥福及び無事をお祈り致します。

自分もこの曲は発売された時から知っていて、自分にとっての隠れた名曲だったので、後の大ヒットでは自分だけの宝物を奪われた気がしました。

カーペンターズの場合、ほとんどの曲が現在デジタルリマスターされて、オリジナル版とではかなり印象が違うものになってしまっていますね。自分は98年に発売された紙ジャケットでオリジナルリマスター盤のオリジナルアルバムシリーズを大切に聴いています。音は古い感じですが、無理に音を加えたりしていないのが好きです。


by widol (2011-03-14 07:50) 

DSwakazou

ご無事でなによりでした。

被災された方々、ほんの数日前までは普通に生活されていたでしょうに・・・こういった災害が起こるたびにやりきれない思いがします。

「青春の輝き」、私はドラマの主題歌で知ったクチです。
by DSwakazou (2011-03-14 18:15) 

玉ねぎ

こんばんは、ご無事そうで安心しました。
私が中学生の時初めて、買ったアルバムがカーペンターズの3枚組
のアルバムでした。
当然このアルバムにも「青春の輝き」も入っていたのですが、今思うと
不思議でならないのですが、当時はたくさん入っている他のヒット曲に
隠れて、あまり印象に残っていませんでした。
しかし数年前、ドラマの主題歌に使われた時、あまりの曲の美しさに
当時どうして、きずかなかったのか、今でも不思議です。
ぽぽんたさんの記事を読んで、ドラマの主題歌に使われる迄は、それ程
ヒットしていなかった事を知り、驚きました。
今では昔あまり記憶に残らなかった分、新鮮さもあり、私の中でのカーペンターズの3本の指に入るお気に入りの曲です。

災害にあわれた皆様には、テレビをみる度、心が痛みます、個人的にできる支援をさせてもらおうと思っております。



by 玉ねぎ (2011-03-14 20:54) 

Nori

この曲。。。と言うより、もうカーペンターズそのものが“時代のBGM”ですねぇ。^^

私は小学3年生の1学期まで、民放1局、コンバーターを付けなきゃ流行りのマンガ(アニメ)も見られない九州の片田舎に住んでまして、夏休みから福岡市内に引っ越した訳ですが、そこで知り合ったクラスメートの山本君が「カーペンターズってイイよね。」なんて言うのに、目を丸くして驚いたものでした。^^;
その頃はこちとらまだ、ピンキーとキラーズとか麻丘めぐみとかの歌謡曲をTVで見てたぐらいで、外国の英語の音楽を聴いてる小学生に出会った驚きは計り知れないものがありました。あまりの衝撃に、「その後影響されて洋楽の道へ。。。」なんて事もなく、「へ~!凄いヤツが都会にはいるんだなぁ!」と驚いただけで終わりましたがネ。^^(その後小6で再び引っ越すのですが、山本君とは高校1年で同じクラスに!しかし、あの洗練された小学生山本君が、その頃にはなんだか冴えない君に変貌してて、あまり仲良くする事もなく2年生でクラスが変わってそれっきりでした。。。)

そんな私でも、1995年版のアルバムはカセットで持ってまして、もう10年以上前になりますが、車を運転する仕事に就いていた時は、ヘビーローテーションで、カタカナ英語で大声で歌うのが常でした。
丁度その頃、何故か中学生のお世話をする係(?)をしてまして、ある不良少女を警察に引き取りに行った帰り道にそのカセットを流してると、その子が気に入ったらしいので、その場でプレゼントました。
ので、もう手元に無いんじゃないかなぁ。。。ってか、今更カセットって聞かないですよね。^^;

『懐かしの~』でよく流れるカーペンタースの映像で、本当に青春を輝かせていたカレンの姿を見るにつけ、人にはこんなに若い時、輝いている時があるのになぁ。。。と、人生の不条理と共に、今回の震災で犠牲になられた方々の人生に思いを馳せずにはいられません。

合掌
by Nori (2011-03-14 22:56) 

ぽぽんた

ゆうのすけさん、こんばんは!

ありがとうございます(^^) カレンさんの声は穏やかで深みがあるので、耳にも心にも
自然にスッと入ってくるんですね。

今日に関しては輪番停電はほとんどスカで、迷惑した人々や企業がとても多かった
事と思います。 今後もしばらく続くと思うとちょっと困りますね…。

by ぽぽんた (2011-03-14 23:28) 

ぽぽんた

オリ25さん、こんばんは!

本当に良い曲ですよね(^^) 日本では1974年に来日した時が人気のピークで、
それからは次第に落ち着いてきてミーハーファンが去った頃と「青春の輝き」の発売が
時期的に重なったのかも知れません。 また楽曲的にも派手さがないので、
当時の洋楽ファンにインパクトが弱かったのでしょう。

まだ余震が続いています。 オリさんもご注意下さい!

by ぽぽんた (2011-03-14 23:33) 

ぽぽんた

widolさん、こんばんは!

はい、その気持ちはわかります(^^) 私の場合は、こんな素敵な曲が埋もれて
いるのはもったいない、みんなに知ってほしい!と思っていたので、95年にヒットした時は
嬉しく、また信じられない気持ちでした。

リマスターではなくリミックスの事ですね(^^) 確かにベスト盤に使われている音源は
楽器を差し替えてミックスし直したバージョンが多いので、当時の音ではない感じは
しますね。 しかしサウンド的に、CDに向く音質にしている事は評価できると
思うんです。

98年に発売されたボックスは私も持っています。 これが発売された翌年、この
ボックスに使われている音源でリマスター盤として「青春の輝き~ベスト・オブ・カーペンターズ」
が発売された事があって、それがリチャードさんの許可なしに作られた事が判って
回収騒ぎになった事があるんです。 私は回収される前に買っていました(^^)

by ぽぽんた (2011-03-14 23:41) 

ぽぽんた

卓さん、こんばんは!

おお、「パッセージ」や「メイド・イン・アメリカ」に収められた曲がお好きとはかなりの
カーペンターズ・ファンですね(^^) 私は「パッセージ」を初めて聴いた時はかなり
戸惑いましたが、「メイド・イン・アメリカ」はこれぞ本当のカーペンターズ!と言った感じで
とても嬉しかったのを今も憶えています。

その小林明子さんのアルバムは「City Of Angels」ですね(^^) 小林さんは
リチャードさんとのコーラスの録音の時、ダメ出しばかりでとても苦労したと語っています。

カーペンターズ、そしてカレンさんの歌は時が経ってもいつもどこかで流れているので、
カレンさんがもう故人である事を知らないでファンになる人も多いそうです。

「スーパースター」のカラオケはハッキリとヴォーカルが洩れてしまってますね。
この曲のリードヴォーカルは、仮歌のつもりで録音したものがあまりに出来がよかった
ために本採用されてしまったという経緯があり、その録音の時には通常の本番ほど
音洩れに注意されていなかったのでしょう。

by ぽぽんた (2011-03-14 23:56) 

ぽぽんた

DSwakazouさん、こんばんは! ご心配をおかけしました。

本当にそうですね。 実際には誰にも起こりうる事ですし、憐れむのではなくて
早く立ち直って元の生活に戻れるよう援助する事とその気持ちが大切なのだろうと
思います。 私も何らかの力になりたいと思っています。

私は「未成年」は実は、全然観ていなかったんです(^^;)

by ぽぽんた (2011-03-15 00:04) 

ぽぽんた

玉ねぎさん、こんばんは!

そのアルバムはもしかして、赤いジャケットの「ファースト・10イヤーズ」でしょうか。
それは私も買いたかったのですが、いつの間にか買いそびれてしまったんです。

今思うと、当初「青春の輝き」が売れなかったのは、初めて発売された頃の日本での
配給会社(キングレコード)の宣伝不足のためでもあった気がします。 また、
前年に来日が中止になったあたりからブームがしぼんできて、人々のカーペンターズへの
興味が薄れてきたためにあまり話題にならなかった、のかも知れません。

私も普段あまり観ないテレビをここ3~4日間はよく観ていますが、何度同じ場面を
みてもやはり心が痛みます。 被災地には一日も早く復興してもらいたいものですね。

by ぽぽんた (2011-03-15 00:18) 

ぽぽんた

Noriさん、こんばんは!

面白いですね(^^) 私は東京でしたが、同級生に洋楽が好きな子はいなかった
ですねぇ(^^;) 私は小学4年の頃から洋楽は聴いていましたが、それは完全に
兄の影響であって、自分で買うのは歌謡曲ばかりでした。

う~ん、不良少女にもその良さがわかってしまう音楽って素晴らしいですね。
きっと何より、カレンさんの声が心に響いたのでしょう。 楽しいエピソードを教えて
頂き、ありがとうございました!

カレンさんは早逝でしたが、今思うとそのお役目は十分果たして亡くなったのかも、
と思います。 なので、人々の記憶の中でも、一番輝いていた頃のカレンさんだけが
残っているのでは、と思うんです。

by ぽぽんた (2011-03-15 00:29) 

玉ねぎ

なんでもよくご存じですね~!確かにそのアルバムです。
カーペンターズが大人気だった頃は、多分私は小学1,2年生ぐらい
だったのではと思います。
日本中が騒いでいたような記憶は、子供心にハッキリ覚えています。
中学生で、聞いていた頃は、もう活動しておらず、何故?いつか活動するはずと心待ちにしておりましたが、その後訃報を聞いて、ようやく理由がわかりました。拒食症という病気も初めて知りました。

ところで、ぽぽんたさん「玉ねぎむいたら」のVTR見られましたか?
自分は全部見ましたが、とてもおもしろかったです。
by 玉ねぎ (2011-03-15 22:57) 

ぽぽんた

玉ねぎさん、こんばんは! お返事が遅れてごめんなさい(^^;)

そのアルバムは、カーペンターズの日本の配給会社がキングレコードからアルファレコードに
移った2年後くらいに発売されたもので、会社が変わった時にマスターテープが一新された
らしく、そのためにキング時代よりも音質が良くなったそうなんです。
解説書も充実していますし、今もお持ちでしたらぜひ大切にして下さいね(^^)

「玉ねぎむいたら」はずいぶん前に再放送されたのを何話か録画してあるだけで、
全話は持っていないんです。 CSなどで放送されたらぜひ、また観たいと思います(^^)

by ぽぽんた (2011-03-17 23:32) 

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