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津軽海峡・冬景色 / 石川さゆり

今年アンジェラ・アキさんの歌唱で話題になりましたね(^^)

津軽海峡・冬景色.jpg

「津軽海峡・冬景色」は石川さゆりさんの15枚目のシングルとして1977年元旦に発売され、
オリコン最高6位、同100位内に64週もランクインし72.7万枚の売り上げを記録した、
今やスタンダードと言って良い楽曲です。


この曲は全曲阿久悠・三木たかしコンビで書かれたコンセプトアルバム
「365日恋もよう・花供養」(1976年11月発売)に収められた1曲で、
ファンからの要望でシングルカットされたようです。


石川さゆりさんは桜田淳子さんとほぼ同時期、1973年3月にデビューしました。
当時、石川さんも桜田さんと同じような白い帽子をかぶった出で立ちで、
もういいか~い…と「かくれんぼ」を歌っていたのを、私は鮮明に憶えています。

しかし明るいイメージの桜田さんとは対照的に、石川さんにはどこか陰りがあり、
「とても優しそうだし、歌はうまいけど…売れそうにないな。」
…と、弱冠11歳の私は生意気にもそう思っていました(^^;)


それから少しして、今度はしかめっ面で「あなたの私」「あいあい傘」
と言った歌を歌う姿をテレビで見かけるにつけ
「なぜあんなに恐い顔をして歌うんだろう」と、正直なところやや引いてました(^^;)


しかめっ面は「津軽海峡…」を歌う時も同じでしたが、
今度は楽曲自体がそのような表情を要求しているような気がして、
観る側として初めて石川さゆりさんを受け入れたように思います。


阿久悠氏はご自身でもこの曲の歌詞がたいそうお気に入りだったようで、
特に歌の冒頭、たった2行で主人公を上野から青森まで移動させた事が
ご自慢だったそうです(^^)

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「津軽海峡・冬景色」は構成としてはシンプルな2ハーフで、
各コーラスは A・A'・B・C・D と、表情の違うメロディーを
複数組み合わせて作られています。

全体を通して3連リズムで、オリジナル・カラオケだけを聴いていると
歌手によってはブルースのように歌いこなす事もできるのでは、
と思えます。


キーは Am 。 コード進行は歌謡曲らしい分かりやすいもので、
強いてポイントを挙げると Dm(この曲でのサブドミナント)が
部分的に Bm7-5 で代理されている事です。

歌詞で言うと ♪…青森駅は雪の中 ♪ (Dm→Am→Bm7-5→E7)、
♪ あ~津軽海峡 冬景色 ♪ (Am→Bm7-5→E7→Am)…などですね。


エンディングになると急に Am→Am/G→FM7→E7sus4→E7 …と
ベースライン重視のポップスのようなコード進行となり、雰囲気が変わります。

そしてサックスと女声コーラスがそれまでになく厚い音を築き、
まるで「これからもドラマは続くんですよ」と告げているかのようです(^^)

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「津軽海峡・冬景色」に使われている楽器とその定位は:


左: エレキギター(リズムカッティング)

中央: ドラムス ベース 女性コーラス オーボエ サックス シンセサイザー
    ウィンドチャイム(鉄琴かも知れません)

右: エレキギター(アクセント)

そして中央付近で左右にトレモロ効果で揺れているように聞こえる電気ピアノ(Rhodes)、
左右一杯に広がったストリングス(バイオリンを左右、ビオラは右に配置)が
かぶせられています。


「シンセサイザー」とはエンディングに出てくる、吹雪のように「シューッ」と聞こえる音で、
これはホワイトノイズをローパスフィルターに通して開け閉めし、ついでに
少々レゾナンスを上げわずかな発振を付けて作られているようです
(アナログシンセを操作した経験がある方だとわかって頂けるかな(^^))。


ストリングスは、歌の部分では第1・第2バイオリンがユニゾンとなっているパートが多く、
オーボエなど他の楽器のバックや歌への導入部、歌い終わりの部分ではハーモニーをつけて…
と言った具合に使い分けをしているようです。

特にこういった演歌の場合には、歌自体に様々なテクニックが使われるので、
その邪魔をせず、より引き立てるために、歌部分のバックでは
ハーモニーが厚くなり過ぎないようにしているのでしょう。


ミックスのバランスとしては、演歌で顕著だった「あくまでも歌が主体でオケは控えめに伴奏」
と言ったものとは違い、歌が主体である事は変わらないまでも
オケにも主張を持たせている事が聴いて取れます。
演歌も'70年代後半にはサウンド志向になっていたんですね(^^)


尚、ミックスの音量バランスや定位は歌入りとカラオケとでほぼ同じですが、
イントロの冒頭で聞こえるウィンドチャイム(鉄琴のグリッサンドにも聞こえますが)の音が、
オリジナル・カラオケではかなり控えめになっています。

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「津軽海峡・冬景色」「能登半島」「暖流」と言ったヒットシングルが収録された
アルバム「暖流」は、1977年の秋から暮れにかけて、オリコンのアルバムチャートで
6回1位となりました。


その年のアルバムチャートを見ると、クィーンやベイ・シティ・ローラーズと言った洋楽、
ハイファイ・セットやイルカさん、さだまさしさん等のニュー・ミュージック勢、
沢田研二さんやピンク・レディーと言った歌謡曲、そして石川さゆりさんの演歌…

…と、ジャンルの分け隔てなく良い音楽は大ヒットしていた時代で、
制作側とリスナー側、両者が理想的なバランスで大衆音楽を盛り上げていたんですね(^^)

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それにしてもこの曲、発売後35年近く経つのですが、耳にしない年って無いですよね。
きっと私が耳にした回数は数百回、石川さゆりさんがこの曲を歌った回数は
数千回、数万回かも知れません。
なのに楽曲の持つパワーが一向に衰えないのが不思議です。


石川さゆりさんは当時と同じキーで、変わらぬ声、変わらぬ歌唱法で歌い続けています。
作品力は勿論ですが、この曲がいつまでも名曲として親しまれているのはやはり、
そんな石川さゆりさんの功労の賜、ではないかな。


「津軽海峡・冬景色」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 三木たかし
編曲 : 三木たかし
レコード会社 : コロムビア
初発売 : 1977年1月1日

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青大将

こんばんは。 石川さゆりのデビュー当時のビジュアルと、「かくれんぼ」は俺も記憶にありますよ。 小2の子供の眼には、あ、桜田淳子の真似してる!と思ってましたもん。 よく淳子と百恵が紛らわしいと騒いでましたが、《デビューしたて当時》に関してで言うと、桜田淳子と石川さゆりが見た目 紛らわしかったかな。 (^^; 「津軽海峡・冬景色」で'77年年末の賞レースの総ナメはまさに快進撃というか、それまでのリベンジですらありました。 「あなたの私」「あいあい傘」等、小ヒット(単にテレビでよく見掛けただけ?) は在ったものの、大ヒットはこれが初めてでしたしね。 B面の「野の花のように」が「津軽~」より難しい気がします。 曲調がコロツと変わるし。 石川さゆりとしては、これを最後に引退を考えて居たらしいね。(なかなかヒットに恵まれないし)で、当時 御本人は高校生。(!) 或る晩、自宅で試験勉強をしていたら、外を何処かの酔っ払いが大声で歌を歌ってたらしいんですね。 煩いので注意しようとして窓を開けたら、その歌が、発売したばかりの この「津軽海峡・冬景色」だったので驚き、『もしかしたら ヒットするかも知れない』と思ったそうです。 そして、その酔っ払いのおじさんに、『有難う、おじさん』と呟いた と、以前テレビのトーク番組で語っておられました。これを聞いて、何だか心が暖かくなりました。 (^^) 78年春の「砂になりたい」があの当時好きでしたが、 歌詞を読み返すと、舞台は鳥取砂丘で、「津軽~」からの日本各地旅シリーズが未だ続いて居た事に驚きました。(現在の水森かおり状態か?!) 「津軽~」は、エンディングでF・O するサックスのメロと雰囲気が好きなんですよ。 しかし、テレビでの歌唱に於いて、この箇所を聴ける事は殆どありませんでした。 (^^; 前回のコメント欄で、ハムスターさんの「ふたりの急行列車」の見解、愉しく読ませて頂きました、皆さん流石ですね。感心します。(^^) あ、それと、地震雲の記事は「フライデー」です。
by 青大将 (2011-12-04 19:15) 

ひろ

こんばんは。
石川さゆりさんが登場するとは思わなかった(^_^;)
私的には桜田淳子さんとのキャスケット(エンジェルハット)の事が思い出されます。ホントはさゆりさんが速かったんだけど淳子さんが人気が出て来たものでさゆりさんが脱帽してしまったような感じでした。
さくらんぼ付けたぶん勝ったのか?(^_^;)
さゆりさんの楽曲は私好みも結構あってよく聴いたりしてました。
「あいあい傘」は一番好きでした。あ、「さよならの翼」もいいな~(^_^;)

津軽海峡・冬景色 日本中を転がった石
十八歳の少女に見える透明な声の演歌歌手に似合う歌は何かと、…シングル二曲空振り、三曲目「花供養」も確信が持てずに目がまわるほどに転がり、一曲を選び出すために十二曲も作ったのである。「365日恋もよう」というテーマのアルバムで一月から十二月まで、伊那谷から札幌、鳥取と日本中舞台を変え、季節と組み合わせて女の恋をテーマに歌った。
何曲かあり最後の津軽海峡で転がる石は手応えを感じて止まったのである。
実に転がりがいがある旅であった。
と阿久先生が歌謡曲の時代で書かれてました。
文面が凄い(>_<)

アルバムからのシングルカットで大ヒット!!
今でも愛される歌です。
オリジナルカラオケが欲しくて5、6年前ネット通販でカセットのを買いました。
しか~し、何処へ?(>_<)

昔、さゆりさん…昼ドラ「あかんたれ」で第一話にご出演されてました(^_^;)


この、津軽海峡・冬景色は名曲です。
by ひろ (2011-12-04 21:11) 

ぽぽんた

青大将さん、こんばんは!

流石よく見ておられますね(^^) 当時はきっと、イメージ作りが大変だったのでしょうね。
今のように何をしても許される時代ではなかったし、アイドル歌手は兎にも角にも清純でなければ
ならなかったので、白い帽子もそのイメージ付けのアイテムだったのでしょう。
しかしそのわりに、映画「としごろ」(山口百恵さんも歌手デビュー前に出演してます)では
石川さんはデビュー直後にもかかわらずかなり体当たりな演技をしているんですね(^^;)

「津軽海峡・冬景色」までに14枚もシングルを発売していたんですよね。 今考えると
ご本人も、プロダクションもすごく頑張っていたんですね。 書いて下さった「津軽海峡」
発売直後のエピソード、何だか胸にしみちゃいます。 ほとんど諦めの境地だった時に
光が見えたような気がする、そんな時の気持ちがなぜかよくわかるんです(T_T)

私も実は、この曲のエンディングが大好きなんです。 何か新しい展開があるような、
そんな感じを抱かせてくれますよね(^^) 仰る通り、テレビで同じような演奏がされたのを
私も聴いた事がありません。 いつも暗いままで終わってしまうという(^^;)

フライデー、チェックしておきます!ありがとうございます(^^)

by ぽぽんた (2011-12-05 00:12) 

ぽぽんた

ひろさん、こんばんは!

デビュー日では桜田淳子さんの方が1ヶ月早かったようです。
「津軽海峡…」までにも、テレビ出演は多かった記憶は確かにあります。 大ヒットではなかったが
それなりには売れていた、という事なのでしょうか。 本文にも書きましたが、その頃は
歌う時の表情が恐くて、私はどうしても好きにはなれませんでした(^^;)

阿久悠氏のその文面、確かに凄いですね。 石川さゆりさんの可能性を信じて
力の入った仕事をした、と言う事なんですね、きっと。 よく考えるのですが、
売れる歌手はやはり作家やスタッフが気合いを入れて盛り上げているものなんですね(^^;)

当時はシングルカット、ましてや演歌でのそれはとても珍しかった事と思います。
私も、この曲はこれからもずっと残る名曲だと思います。

by ぽぽんた (2011-12-05 00:22) 

ハムスター

ぽぽんたさん。こんにちは!『津軽海峡・冬景色』を持ってきましたかぁ。関東地方でも先週の金曜、土曜あたりは寒くって、この曲ピッタリかも知れませんね。個人的な理由で、特に寒い時季にこの曲聴くのは辛いです(苦笑)。

さて、今日もまた、勝手な解釈をさせていただきますが、お付き合いくださいm(_ _ )m。
今回、改めてこの曲を何度か繰り返して聴いてみて、聴き手への歌詞の伝わり方が力強いと感じました。何故だろうと私なりに分析した結果、A,A’,Cメロが鍵じゃないかと思ったのです。(楽典的知識がないので、以下間違いが多い点、お許し下さい。)
『津軽海峡・冬景色』を6/8拍子だとすると、A,A’,Cメロのそれぞれ最初の3小節(Aメロだと|上野発の|夜行列車|おりた時か|)の中で、各小節の最初の4つの8分音符に、同じ音名の音が連続して使われているのです。つまり、「うえのは(つの)」「やこうれ(っしゃ)」「おりたと(きか)」の()内以外の一文字毎の音の音名が「EEEE(FE)」「AAAA(BA)」「CCCC(BA)」となっており、それが左右に定位しているエレキギターのリズムとアクセントにマッチして、イントロでも聴くことの出来る「ジャジャジャジャン」のリズムを強調しているので、歌詞が力強く伝わってくるのではないかと思ったのです。勿論、石川さゆりさんの歌唱によるところも大きいのですが。
次はいつも通りの、楽器の音色やコードによる雰囲気についての感想です。まず、サックスはやるせなさ、オーボエは虚しさをそれぞれの音色に感じます。電気ピアノの音は舞い散る雪のようにも感じますが、悲しくて辛いイメージの曲の中にちょっとだけ明るい雰囲気を付け加えてくれている気もします。そしてBメロの特に後半4小節「(れんら)くせんにのり~」の4つのコード(F→B7→E7sus4→E7かな)は、主人公の新たな人生の始まりを感じさせるような雰囲気で、私のお気に入りの箇所です。さらにエンディングのフェードアウト!ここも好きです(^^)。最後の「冬景色~」からエンディングに移るところで電気ピアノのグリッサンド奏法が聴こえますが、これで、それまで船上の主人公とともにいた聴き手の居場所が竜飛岬に移り、雪に煙る津軽海峡に消えてゆく連絡船を見ている感じがしませんか?まるでカラオケのイメージビデオみたいですが(^^;)

青大将さんへ、『ふたりの急行列車』の見解、愉しく読んで下さったとのことで嬉しいです。私も青大将さんのコメント、その時に採り上げられている曲だけに留まらず、関連する事柄にもたくさん触れられていて、愉しく読ませていただいています(特に印象に残っているのは『京のにわか雨』の時のコメントです)。

『津軽海峡・冬景色』の季節です。皆さん、体調を崩さぬようどうぞご自愛ください。

by ハムスター (2011-12-05 13:43) 

ゆたこ

ちょっとお久しぶりです!

この曲がシングルカットだったとは、意外です。
中学生のころ、友人宅でよくカラオケ熱唱しました(笑) 
20代のころは、演歌といえばこの曲か「天城越え」
上手な人の歌を歌うのはとても気持ちが良いですね。

石川さゆりさんといえば、映画「としごろ」が印象的です。
5年くらい前にDVDで観たのですが、美少女でびっくりしました。
役柄も衝撃的です。
また、ホリプロ所属の歌手がたくさん出ていて豪華です。

この曲が本当に合う季節ですね。
師走といえば「レコード大賞」ですがTBSチャンネルで
12月23日午後7時~ 第22回(1980年)の放送がありますよ。
ちなみに今年のレコード大賞の曲はほとんどわかりません(^^;)
by ゆたこ (2011-12-05 21:44) 

ぽぽんた

ハムスターさん、こんばんは!

私も寒い時にこの曲を聴くのは辛いです。 単に寒がりなだけですが(^^;)

細かく分析なさいましたね。 私にはちょっと、思いつかない事ばかりです(^^;)
なので納得するしかありません。 ちょっと悔しいなぁ(>_<)
ただ、作家は恐らくセンス最優先で書いていると思うんですね。 それを承知した上で
分析するとそのようになっていた、となれば、大袈裟かも知れませんが学術的と言って
良いと思います。 それを突き詰めれば、作曲のセミナーにも使える教材にも
なりうる事でしょう。
ハムスターさんのコメントをお読みすると、一つの曲でも色々な解釈ができる
ものなんだな、とつくづく思ってしまいます。

by ぽぽんた (2011-12-06 00:06) 

ぽぽんた

ゆたこさん、こんばんは! おひさです(^^)

「津軽海峡…」って歌うのは難しくないですか!? 私は鼻歌で歌うくらいですが、
特に♪凍えそうなカモメ見つめ泣いていました♪の「いました」とか、私にとっては鬼門
と言って良いほどです。 「天城越え」に至ってはトライもできませぬ(^^;)
上手に歌える人、羨ましいですね。

「としごろ」、ご覧になった事があるんですね。 石川さんはかなりショッキングな役どころですよね。
私も初めて観た時は言葉も出ないほどショックでした(T_T)
この映画ではやはり、和田アキ子さんの存在感も印象的でした。

TBSチャンネルで過去のレコ大が放映されるんですね。 お知らせをありがとうございます!
私は今年どころか、ここ10年ほどレコ大に出てくる曲がほとんどわかりません。
昔はレコ大に出てくる歌は誰もが知っているヒット曲ばかりでしたが、今はそういう意味では
寂しい限りですね…。

by ぽぽんた (2011-12-06 00:51) 

青大将

横槍すみません。(^^; 卓さん、こんばんは。 お久しぶりです! ホリプロ三人娘はYouTubeにもUPされてますね、何時だったか観ました。 何かの番組で VTRを流し乍ら森 昌子に色々インタビューして居る、1分25秒ほどの動画でしたが、73年の夏に野外ステージで行われたホリプロのイベントの様です。 和田アキ子や、藤 正樹も映ってました。 昌子・百恵の真ん中に石川さゆりを置き、三人並ぶと、アイドルとしても何等 違和感無い様に思います。 3月デビューから、夏にはもう髪がロングですね。 お嬢様風です。 この動画には上記インタビューの音声だけで、イベント映像の音はありません、念の為。

結局、プロダクション企画ではなく、番組企画のトリオが勝った訳なんですね。 『花の中3トリオ』とは、スタ誕プロデューサの池田文雄氏がトイレで用を足し乍ら思い付いたそうです。 卓さんが書かれた松田トシ(敏江)先生の訃報、驚きました。 『スタ誕ボックス』DVD に番組審査風景もチラッと映ってましたが、歌い終えた出場者に対し、彼女の「日本人は日本の歌をキチッと歌わなくては駄目」と仰ってます。 日本人は日本語を正確に発音して歌えと言う教え、一番大切だと深く納得出来ます。 兎に角、今の若手歌手に多く見られる発声・発音にはホント、うんざりですから。 例えば《かきくけこ》を《きゃ・きぃ・きゅ・きゅえ・くぉ》の様にくねらせて発音する歌は聴く気も起きません。 声をストレートに出して歌う事って、実はいちばん難しいんですよね。 そこを避けて、変にくねらせたり日本人なのに日本語を可笑しく まやかしたりする技法は矢張り邪道に思えます。
松田トシ先生は、よく腹から声を出して歌いなさいともアドバイスしてましたね、合掌。 石川さゆりから話が飛躍してすみません。(^^; では、ぽぽんたさんにバトンタッチ!(^^)
by 青大将 (2011-12-07 19:36) 

ぽぽんた

卓さん、こんばんは!

確かに石川さゆりさんは、歌が大ヒットしていない頃もテレビ出演は多かったですよね。
私は「『かくれんぼ』の頃はやさしそうだったのに、だんだん恐い顔になってきちゃった」と
残念に思っていたものでした。

「津軽海峡・冬景色」は作家自らが讃えている事からもわかるように、会心の作だったのでしょう。
曲や詞のグレードまでは言及できませんが、あらゆる年代の人を「ん?」と振り向かせる力が
あった事は確かで、好き嫌いに関係なく「良い歌だ」と納得させられるものがあったんですね、きっと。
私はやはり、石川さゆりさんの歌唱が一番の売れポイントだと思っています。
細かく聴いていると、ありとあらゆるテクニックを駆使しているんですね。 この曲は
四七抜きならぬ「七抜き」音階、つまり「ソ」だけが抜けている音階で作られていて、
歌う時に音程のコントロールがかなり難しいと思われるんです。 そこに石川さんは
コブシ、ポルタメント、速さを自在に操ったビブラート、そしてファルセットと、歌詞の世界を
表現するためとは言え超人的と言える技術でもって歌っています。 しかしそれって、
自分で実際に歌ってみないと実感できないんですよね。 つまり聴いている分には
そんな技術を感じさせないという事で、やはりプロだ、と納得するしかありません。

「ホリプロ三人娘」については阿久悠氏も著書でふれたりしていますが、ホリプロとしては
石川さんにも大きな期待をかけていたのでしょうね。 ただ石川さんは当時高校1年で、
森昌子さんや山口百恵さん、そして桜田淳子さんよりも1歳年上だったので、
石川さんとしても三人娘扱いされると居心地が悪かったかも知れません(^^;)

やはり石川さゆりさんクラスとなると興行にはコストがかかるのでしょうね(^^;)
キャリアも実力もある歌手なので納得はできます。

天城越え、ですか(^^;) 私はとても真似できません(^^;) 歌のテクニックも勿論ですが、
歌詞の内容がお子ちゃまの私にはハードルが高いようで(^^;)(^^;)

by ぽぽんた (2011-12-08 00:26) 

ぽぽんた

青大将さん、バトン受け取りました(^^)

手元にある1973年8月号の「月刊明星」では、すでに森昌子さん、桜田淳子さん、山口百恵さんが
3人で「花の中3トリオ」として記事で共演してます。 当時は恐らく、堀プロダクションとしては
ホリプロ三人娘を、マスコミとしては同じ年同士の3人をそれぞれクローズアップしたかったのでしょう。
個人的には、ホリプロ三人娘だと石川さゆりさんが飛び抜けて美少女過ぎていたような気も(^^;)
あ、YouTubeもチェックしておきますね(^^)

卓さんも書かれていましたが、私も松田トシ(松田敏江)さんが亡くなったと聞き、
ご高齢だったから、とも思いながら、やはりスタ誕での厳しさが思い出されて
懐かしいような、残念なような気持ちになりました。

スタ誕の審査員仲間でも、松田さんはやや浮いていた存在だったようで、それは
やはり阿久悠氏の著書を読むと分かるのですが、松田さんの仰っていた事は至極正当で、
青大将さんがいみじくも述べておられるように、日本語を大切に、そして日本語が
美しい言葉であり続けるために必要な事を若い人達に教えていたのだと思います。
私はここ10年くらいに多く現れた、一聴すると凄く上手く聞こえる女性歌手の歌に
危機感を感じていたんです。 ただ大きな声を張り上げているだけで、歌詞が何も
伝わってこない気がするから、なんですね。 どんな音でも張りだすように歌ってしまい、
勿論鼻濁音など全く無視… それがもてはやされるのは、私にはどうも不快なんです。
松田さんもきっと同じように思っていたのではないかな。 松田さん亡き今、正しい日本語で歌う事を
きちっと指導できる人が現れる事を期待したいものです。

by ぽぽんた (2011-12-08 00:46) 

なかやま

ご無沙汰です。上野発の夜行列車降りた時から、青森駅は雪の中 北へ帰る人の口は皆無口で この詩 ジーンと来ますね。いつかこの夜行列車もなくなるでしょうね。
by なかやま (2011-12-26 10:39) 

ぽぽんた

なかやまさん、こんばんは! 久しぶりのコメントをありがとうございます(^^)

この曲の歌詞は本当に、目の前に情景や風景、主人公の気持ちなど鮮やかにくみ取れますよね。
私はこの曲がヒットした頃は高1でしたが、その頃よりも今の方がずっと歌心が理解出来ます。
夜行列車…私は小学生の頃に乗ったきりですが、今ではロマンティックなイメージを持ってます。

by ぽぽんた (2011-12-26 23:13) 

一葉

あけましておめでとうございます。今年もコメントさせていただこうと思っておりますので、よろしければお付き合いください。

昨年の紅白歌合戦はご覧になりましたか?石川さゆりさんが紅組のトリで「津軽海峡・冬景色」を歌われました。さすがに貫禄のある歌唱でした。やはりこの曲は大晦日に似合いますね。考えてみれば、この曲の作詞者も作曲者ももうこの世にはいないのですね。それでも曲はこうやって歌い継がれているというのは、当たり前ですが感慨深いものがあります。

この機会に石川さゆりさんの曲を聴きなおしてみました。手持ちのシングルはそんなに多くないのですが、その中では、「野の花のように」(「津軽海峡・冬景色」B面)や「砂になりたい」のドラマチックなアレンジが良いですね。80年代以降の曲だと、阿木耀子作詞のポップス演歌「さよならの翼」も面白いです。

また2000年の曲ですが、とあるコンピレーションCDに入っていた「黄昏のビギン」のカヴァー(オリジナルは水原弘さん)がとにかく素晴らしいのです。もともとは「二十世紀の名曲たち」というカヴァー集のシリーズに収録されていた曲で、このシリーズは10枚組BOXにもなっているようです(廃盤)。中森明菜さんの「歌姫」シリーズみたいな感じでしょうか。もの凄く聴いてみたいんですが、どなたか聴かれたかたはいらっしゃいませんか?

by 一葉 (2012-01-02 14:00) 

ぽぽんた

一葉さん、あけましておめでとうございます。 昨年はコメントを沢山下さりありがとうございました。

私もその歌唱シーンは観ました。 今もってキーを変えず、声質も全く変わらないのは
本当に「凄い」のひと言で、さらに年齢を重ねた厚みのようなものを感じる歌声でしたね。
今夜(2日)再放送されていた都倉俊一氏の番組を観ていて改めて、あの頃の作家の多くは
もうこの世にいないんだな、と考えていました。 そして、自分がとても良い時代に
学生時代を過ごしたんだな、とも思いました。

「ウィスキーがお好きでしょ」が石川さゆりさんと知った時も驚きましたが、石川さんは
色々なジャンルの曲を歌いこなせそうですよね。 もしかしたらロックも歌えるかも(^^)
コロムビアに所属していた歌手はどの方も守備範囲が広い気がするのですが、
それは偶然ではないかも知れません。

今年もどうぞよろしくお願い致します。 またガンガン、コメントを書き込んで下さいね(^^)

by ぽぽんた (2012-01-03 01:10) 

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