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S・O・S / ピンク・レディー

この曲から快進撃が始まったんですね(^^):

SOS.jpg

「S・O・S」はピンク・レディーの2枚目のシングルとして1976年11月に発売され、
オリコン最高1位、同100位内に38週ランクインし、65.4万枚の売り上げを記録する
大ヒットとなりました。


まずはこれを聴いてみて下さい。 1977年1月、FM東京で土曜日の午後1時から
放送されていた「歌謡ベスト10」にピンク・レディーがゲスト出演した時の音声です。 
ミーちゃん18歳、ケイちゃん19歳の控えめな二人です(^^)
聞き手はFM東京アナウンサーの故・丸木陽子さんです:



…お聴きのように、この曲の冒頭に入っているモールス信号が問題視され、
ラジオやテレビではその音だけがカットされる事になったんですね。

近年、モールス信号を使った通信は廃止されましたが、この当時はまだ普通に使われていました。
ラジオやテレビからこの曲の頭の音、トトト・ツーツーツー・トトト と流れて来ると、
本物の遭難信号と間違われる可能性がある、との事で、レコードの発売直後に問題になったんです。

電波法にまで引っかかるかどうかは不明なのですが、そんなこんなで公共の電波に
この曲のレコード音声が乗る時には、モールス信号を削除する編集を施した
バージョンを使うようになったんです。

ま、実際にはそれもプロモーション、話題作りの一環だったらしいのですが…(^^;)


なので、「サウンド・イン・ナウ」でこの曲が採り上げられた時も例外でなく、
カラオケの方もモールス信号を削除したバージョンが使われました。


これ、よく聴くと冒頭のモールス信号を削除しただけではなく、1コーラス目が終わった時の
2小節ほどをコピーしてイントロの同フレーズ部分に差し替えてあると分かります。
それは先ほどのラジオ音声でお判りと思いますが、歌入りの場合もほぼ同じですね。


不思議なのは、1977年の暮れに発売されベストセラーになった「ベストヒットアルバム」と
同時期に発売されたオリジナル・カラオケ集「歌って踊れるカラオケ・ビッグ・ヒット」に
収録されているのも、この編集バージョンなんです。

歌って踊れる.jpg

少し話が逸れますが、そのLPレコード「歌って踊れる…」は本当に、惜しいんです。
「ペッパー警部」から「UFO」までのシングルA・B面全曲のオリジナル・カラオケが
収録されているのですが、メロディー入りなんですね。
聴いていてそれはそれは、「邪魔!」のひと言。

制作側としては歌いやすく、と親切のつもりなのでしょう。
その時代に発売された他のカラオケレコードにも、ほとんどメロディーが入っています。

しかし曲によっては勝手にメロディーのフレーズを変えて演奏していたり、やけに
音量が大きかったりと、本来ならばサポートの役目のはずが主張を持った演奏に
なったりしているんです。

ただでさえ邪魔なのに、そんな事をされると「歌のない歌謡曲」の類と変わらない
わけで、「メロディーが入っていなければどんなに良かったか…」と思ったものです。


「S・O・S」のサウンドは、特に珍しい楽器を使う事もなく、
都倉氏らしい駆け上がり・駆け下がり多用のストリングスと、
掛け合いのような演奏のサックスアンサンブルなどが使われており、
前作「ペッパー警部」とは全く異なる雰囲気ですね。


歌入りでは、サビ前のハモリになるところでヴォーカルが2回重ねられています。
♪ダメ、ダメ…ダメダメよ♪のところで、特にミーちゃんの声が2つに分かれて聞こえますし(^^)


ピンク・レディーの全盛期の頃私は高校生だったのですが、そのサウンドは当時、
心から楽しめるものでした。
その頃は打ち込みなどはありませんでしたから、楽器はすべて、それぞれ一流の
ミュージシャンが演奏していたわけで、そのプレイは今聴いても古さを全く感じないんです。

都倉俊一氏は音域やフレージングの点でそんな一流ミュージシャンさえも悩んでしまう
ようなスコアを書く事が度々あって、しかし結局それらはプロの腕ですべてクリアされてしまう…
そんな演奏が随所にあり、音楽的なレベルが非常に高いんですね。


2005年5月27日、復活コンサートの最終日、私も東京国際フォーラムに足を運びました。
3時間を超える、実に内容の濃いライブで、私が現在までいろいろなアーティストの
ライブを観てきて、その中でも「特別」と言えるほどの素晴らしいものでした。

一番驚いたのがバックミュージシャンを知った時で、生のストリングスを始めとして
ギターの松原正樹氏、キーボードの井上鑑氏、コーラスの伊集加代氏、そして
ドラムスに村上秀一氏と、それ以上は望むべくもないほどの豪華メンバーで、
私は狂喜しました(^o^)

まるでレコードのような完璧なサウンド、ステージのパフォーマンス、そして
アーティストと観客との一体感…すべてを最高度に楽しむ事が出来ました。


ピンク・レディーの全盛期は3年ほどと短いものでしたが、歌謡曲史上で恐らく
最も多くの人々を楽しませてくれた功績はとても大きいですね(^^)


1977年3月オンエア。


「S・O・S」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 都倉俊一
編曲 : 都倉俊一
レコード会社 : ビクター
初発売 : 1976年11月25日

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コメント 10

オリ25

都倉サウンドいいですよね~
youtubeにもUPされてますけど
半田健人の考察がめちゃ面白いです
 
SOSはかわいいの一言です
振り付けも好きだな

国際フォーラムのコンサート
DVD化されましたよね
その時のバンドメンバー紹介の時
感激しました
伊集さんが現役でいらっしゃるのが
一番驚きました
生のストリングスが入った 演奏は
一層引き立ちますね
by オリ25 (2009-12-06 21:16) 

ぽぽんた

オリ25さん、こんばんは!

半田健人さんはNHKの音楽番組で「サウスポー」の分析をやっていましたが、
その深さと洞察力には脱帽しました。 サウンドだけに留まらず、歌詞と曲との
力学的関係などにも踏み込んでいて、これはむしろリアルタイム世代でない事が
そうさせているのかな、とも思います。 やはり私のような世代だと、歌の深い内容
よりも思い入れに走ってしまいがちですからね(^^;)

ラストコンサートのDVDはダイジェストなので、私としては非常に不満なんです。
完全収録すると2枚になってしまうのですが、その価値は十分にあると今でも
思ってるんです。

バックバンドはほとんど一流スタジオミュージシャン軍団状態で、そういう方達が
観客の前で一同に集まる機会など滅多にないので、それを生で拝見できて
私はメチャクチャ興奮しました(^_^)v

by ぽぽんた (2009-12-07 00:06) 

オリ25

ピンクレディーは知れ渡りすぎてるのか
コメントが伸びませんね 
皆さんのいろいろなピンク談義が聞けるかと
思っていたので、ちょっと残念です
ピンクの都倉サウンドは、わくわくするオブリガードが
てんこ盛りなので聴いてるだけで楽しくなるんですけど・・・
「乾杯お嬢さん」「カメレオンアーミー」が特にお気に入りです

オリコンチャート面では
9作連続1位 5作連続ミリオン等が
表に出がちでしたが
僕は106週に渡り1週も欠けることなく
10位以内に連続ランクインし続けたことが
肝でしたね
(ペッパー警部~透明人間まで)

ぽぽんたさん あの会場にいらしたんですね?
うらやますぃ~
会場内に盛んにパンしてるので
ひょっとするとDVDに映ってるかも知れませんね
by オリ25 (2009-12-10 17:20) 

ぽぽんた

オリ25さん、こんばんは!

う~ん、今後ピンク・レディーの曲はあまり採り上げないだろうと思って少し
書きすぎてしまったのかも知れません(^^;) 私もいろんな方の考えなどを
知りたいと思っています。

私もピンク・レディーの曲は本当に好きな曲が多いのですが、「渚のシンドバッド」
のB面の「パパイヤ軍団」など、当時のピンク・レディーの、世間から見たイメージ
そのもののような感じがして妙に好きです(*^_^*)

オリ25さんはオリコンチャートにもお詳しいですね(^^) 私はピンク・レディーに
関しては、1977年6月27日から翌年の2月20日までの約7ヶ月間も、たった
1週中島みゆきさんに明け渡していますがずっとオリコン1位だったのが、とにかく
凄いと思っているんです。 今ではとても考えられないですよね。

私はそのライブでは、1階の中央の中央よりやや右あたりにいました(^^)
今度もう一度DVDを観て自分でもチェックしてみますね(^_^)v

by ぽぽんた (2009-12-11 00:30) 

なかやま

ぽぽんたさん、こんにちは!
大学の頃、中野のパチンコの景品でこのSOSのシングルレコードをとった記憶があります。この頃のパチンコはまだフィーバーや飛行機モノがない、チューリップ全盛のパチンコでした。
ところでSINではピンクレディのオリカラはとりあげられましたっけ?なんとなくペッパー警部は取り上げられたような気がしますが…。
by なかやま (2009-12-11 01:00) 

ぽぽんた

なかやまさん、こんばんは!

パチンコですか~(^^;) 私は幼い頃に父親に連れられて行った完全に手動式の
頃と(勿論見ていただけですよ(汗))、20歳くらいの時にそれが電動になった
だけの頃に行ったきりです(^o^)

ピンク・レディーのカラオケは、「サウンド・イン・ナウ」では1976年の12月か翌年の
1月に「ペッパー警部」が放送されたのと、今回ここで採り上げた「S・O・S」
しか記憶にありません。
1977年の前半に「サウンド・イン・ナウ」が終了してしまった(と記憶してます)
ので、「渚のシンドバッド」以降は放送されていないんですね。

しかし「ウォンテッド」や「UFO」など、カラオケだけでもとても聴き応えがあるので
CDはよく聴いてます(^^)

by ぽぽんた (2009-12-11 18:30) 

Marco Polo

「ペッパー警部」のヒットの要因は斬新な振り付けにあったと思います。
その勢いに乗って「S・O・S」もメガヒットとなりました。
当時モールス信号のことはよく話題になりましたね。

ここからピンク・レディーの快進撃が始まりますが
忙しすぎてライブアルバムばかりで
じっくりアルバムが作れなかったのが残念です。

解散宣言をしてからもキャンディーズのように
盛り上がらなかったので可愛そうでした。
ヒットしなくなってからの曲が
ピンクレディーの歌いたかった歌だったと思います。
2005年の復活コンサートは名古屋で見に行きましたが
東京のファイナルはすごかったのですね。

「カメレオン・アーミー 」「ジパング」「波乗りパイレーツ」
「KISS IN THE DARK」「マンデー・モナリザ・クラブ」「愛・GIRI GIRI 」
「世界英雄史 」「 キャッチ・リップ 」「星から来た二人」
「カリフォルニア・ブルー」がマイベストです。
by Marco Polo (2010-01-12 23:31) 

ぽぽんた

Marco Poloさん、こんばんは!

ピンク・レディーは当時はテレビで見ない日は無かったですよね。 しかし大き
過ぎる人気とビジュアル面ばかりクローズアップされて、音楽についてきちんと
考察しているような記事は見た事がありませんでした。

解散コンサートは中継をリアルタイムでテレビで観ていたのですが、雨が降って
寒そうでしたし、後楽園球場もガラガラで、あの人気は一体何だったんだ?と
考えてしまいました。

阿久悠氏も「マンデー・モナリザ・クラブ」はピンク・レディーが本当に歌いたかった
タイプの曲という事を意識して書いた、と氏の著書にありますね。

私はシングルの「ラスト・プリテンダー」を発売されて間もない時に買いました。
実験的要素の強い、今聴いても面白いと思える曲です。

好きな曲は本当に沢山あるのですが、「勢いがある時はこういうものが作れる
んだ」と今でも感心するのが「ウォンテッド」なんですね。 で、B面では「ドラゴン」
(カメレオン・アーミーのC/W)が、まんま怪獣映画の主題歌にでもなりそうな感じ
で好きだったりします(^^)

by ぽぽんた (2010-01-13 23:49) 

by リー

はじめまして。
こんなに古いラジオの音源(コーセ化粧品)をおもちなんてすごい。
小6のときに聞いた、ミーちゃん、ケイちゃんの声きけるなんて感激です。
ありがとうございました。
by by リー (2011-07-04 23:09) 

ぽぽんた

リーさん、初めまして! コメントをありがとうございます(^^)

FM東京で土曜の午後1時から始まる番組は長年聴いていたんですよ。 なので
エアチェックしたテープもまだ数多く残っています。 このピンク・レディーの音声は
その中でもしっかりと残っていたもので、録音しておいて良かったと思いました(^^)

これからもどうぞよろしくお願いします!

by ぽぽんた (2011-07-05 00:04) 

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