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謹賀新年

皆さま、改めまして、あけましておめでとうございます。

本年もこのブログ、細々とですが続けさせて頂きますので、
ご贔屓のほど、よろしくお願い申し上げますm(_ _)m


本日は記事の更新はありませんので、
1曲、自作のインスト「OH!」を置かせて頂きます。
ちょっとした景気づけになると思います(^^)


では、この一年が皆さまにとって最高のものとなりますように。


ぽぽんた

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カメレオン・アーミー / ピンク・レディー

う~ん…「サウスポー」のジャケットに似てるなぁ…で、下の男はだれ??:

カメレオン・アーミー.jpg

シングル2曲目の「S.O.S」から続いてきたオリコン1位獲得も、
その9曲目となるこの曲が最後になりました。
1位獲得週数が6週(1978年12月18日~翌年1月22日付)、売上枚数が70.8万枚と、
普通では完全に大ヒットと言える数字なのですが、それまでのピンク・レディーの勢いからすると、
やはり人気の下降を示す数字でもあったのですね。

次の「ジパング」(1979年3月発売)は4位と、デビュー曲「ペッパー警部」と同じ最高位の成績で
終わったのですが、その時のオリコンでは、「ジパング」の上に
  3位:HERO(HEROになる時、それは今)…甲斐バンド
  2位:夢追い酒 …渥美二郎
  1位:YOUNG MAN(Y.M.C.A.)…西城秀樹
…と、当時凄まじい勢いでヒット中、そして現代ではスタンダードとなった曲が並んでいたわけで、
それらがなければ「ジパング」も1位を獲得し、記録の更新を続けた事でしょう。
ただ、その売上枚数は28.9万枚と「カメレオン…」のさらに半分以下まで落ち込んでしまったので、
年明けと共にピンク・レディーブームが終わってしまっていたのも間違いありませんでした。

やはり7作目の「サウスポー」あたりから顕著になってきた子供受け狙いは絶対に長続きしない、
しかも落ちる時のスピードは驚くほど早い事を世に示してしまった形と言えるでしょう。


さて、カメレオン・アーミー。

4作目シングル「渚のシンドバッド」のB面に「パパイヤ軍団」なる曲が収められていますが、
お色気で迫りまくるその曲とは違い(それにしてもそれ、凄い曲名ですね(^^;))、
私が欲しいならカメレオン軍団と戦ってもらうわよ、と「UFO」以上にSF的な内容で、
それほどの現実離れした表現も陳腐に感じられず、大らかに受け止められていたのが、
今思うと昭和という時代だったのでしょうか。

と言うより、ピンク・レディーの場合は何よりも振り付け、そしてサウンドが斬新であったために、
どんな歌詞でも総合的に一つの世界が成り立ってしまっていた、と言う事かな。

記述が遅れましたが、この曲もピンク・レディーのそれまでのシングル同様、
作詞:阿久悠、作・編曲:都倉俊一 のコンビで作られています。

メロディーとアレンジに関しては、都倉氏もチラッと語っていますが、
本当に楽しんで作る事ができていたのは5作目の「ウォンテッド(指名手配)」までで、
それ以降は企画に沿ってアイデアを絞り出しながら作っていたようです。

それも「透明人間」あたりでは行き詰まりが感じられ、当時高校2年だった私も
「あれ?今度の曲は何だか面白みがない」と思ったものです。


ここからは楽曲分析しますよ(^^)

都倉氏の作・編曲で一つの特徴は、自身が過去に作った曲でのアイデアを再利用、が多い事です。

ピンク・レディーのシングルA面曲にもそれが発揮(?)されていて、
例えば「渚のシンドバッド」のイントロ ♪アアア・ア…♪ の部分のコード進行は
「個人授業」(フィンガー5)のAメロと同じですし、それも遡ると
「もっといいことないの」(山本リンダ「狂わせたいの」B面)に行き着きます。

「UFO」は以前にも書いた通り、「白い羽根の勇士」(ザ・キャラクターズ)の焼き直し。
キー、リズム、アレンジがほぼ同じと言っていいほどです。

「カメレオン・アーミー」ではイントロで「ひと夏の経験」(山口百恵)のAメロを引用。

細かく聴くともっとあるのでしょうが、判りやすいのはその3曲でしょう。

さらに「カメレオン・アーミー」のアレンジは、「ウォンテッド」と「モンスター」が
合体したようなオケの構成とサウンドです。
具体的には「ウォンテッド」で使われていた左右から迫るギターサウンド、
「モンスター」でのストリングスの動きとベースのリフの使い方、怪物のような声。

例えば筒美京平氏も、自身が以前に作った曲のエッセンスを再利用する事はありましたが、
それは殆どの場合アルバム曲やB面曲について、であるのに対し、
都倉俊一氏の場合は堂々とシングルA面でやっている事が多い。
一部では「波乗りパイレーツ」は「渚のシンドバッド」に似ている、とも言われていますね。
私はそれは思いませんが。

私は個人的に都倉氏の作風、アレンジ、サウンドは大好きですし大ファンなのですが、
その実績に対しての評価が筒美氏ほど高くないのは、そういった事にも原因があるのでは…
だとすると、ファンとして残念です。

「カメレオン・アーミー」はリズムのタイプとしてはシンプルな8ビートロックが基本と思うのですが、
テーマを強調するようなアクセントをふんだんに入れ、インパクトの強いものにしています。

キーはAm(イ短調)。 ピンク・レディーのシングルはAmのキーが多く、
「カルメン'77」「UFO」「モンスター」「透明人間」(導入部だけですが)に続きます。
「UFO」のB面「レディーX」もそうですね。
そして、凝りに凝った「カルメン'77」「UFO」とは違い、シンプルな、しかし力強いコード進行です。
Aメロ ♪この私 射止めるのなら 油断は駄目よ♪ では Am→C→D→Am と進行しますが、
ここで Dm ではなくDを使うところに都倉氏らしさを感じたりします。

イントロではメロディーを演奏するシンセサイザーが耳に残りますね。
これはのこぎり波をLPF(*1)とレゾナンスで加工してややクセのある音を作り、
それを10数HzのLFO(*2)でトリガー信号をその周期で動作させ、トレモロのような効果を出しています。
アナログシンセを使った事があれば、似たような音はわりと簡単に作れます。

シンセサイザーは「UFO」の効果音と同じくミニモーグが使われていると思われます。
「カメレオン・アーミー」では、シンセサイザーはイントロだけではなく、
サビの ♪そろそろ来る カメレオン…♪♪そこまで来た カメレオン…♪ にも、
ボーカルにかぶさるように低い音程で歌メロが演奏され、おどろおどろしい雰囲気を作っています。

ストリングスは、左から右へ楽器が大きくなる通常のオーケストラ配置とはちょっと違って、
第1バイオリンと第2バイオリンを左右に分けてより広がりを出す配置(対面式)になっています。
欧米のポップスやロックでは、ストリングスが全部中央にあったり左右に寄ったりしている事は
珍しくないのですが、邦楽では律儀に従来からの配置をそのまま再現していることが多いんです。

また、この曲では低音域を強調するためにコントラバスも使われているそうなのですが
(通常は第1バイオリン、第2バイオリン、ビオラ、チェロの4パート)、
このテンポでコントラバスを演奏するのはきっと、凄く大変だと思います。
私にはよく聴き取り確認ができませんが…。

この曲のレコーディングでは基本的にドンカマ(*3)が使われているようですが、
ドラムスやストリングスの録音では都倉氏自身が指揮をしていたそうです。
譜面通りの演奏ではない、動的な要素を付加したいとの思いだったのでしょう。

それにしても都倉氏のアレンジでは、ストリングスの駆け上がりが多いですね(^^;)
この曲のストリングスで面白いのは歌に入る直前のフレーズです。
ミレドシ ドシラソ ラソミレ ミレドシ と来て、歌のアタマでサッと消える。
通常はミレドシラ~と演奏させ、ラ~を歌のアタマにかぶせるようにするパターンが多いんです。
細かい話ですみませんm(__)m

エレキギターは先述したように左右で同じような音色、演奏をしているものとは別に、
中央で小さな音でコード演奏をしている1本も確認できます。
このオケではキーボード関係が確認できないので「あれ?エレピかな?」とも思ったのですが、
やはりややディストーションのかかったギターのようです。
あまりに小さな音なので、オリジナルカラオケでないと聴き取れないかも、です。

都倉氏のアレンジはトリッキーかつ複雑で演奏者泣かせと言われますが(^^;)、
Bメロ~サビで右から聞こえてくるトライアングルの演奏も、このテンポでこの正確さは凄い。

ホーンセクションは、この曲では前面に出る事がなくサポートに徹しているようです。
エンディングでソ~…ソ#~…とトロンボーンらしき音(フレンチホルンかな?)が右から聞こえますが、
それまでは殆ど目立ったフレーズが聴かれません。


「カメレオン・アーミー」では、ミー・ケイの歌唱も迫力を増していますね(^^)
凄く残念なのが、Aメロで ♪あなたの後ろにいる もうあなたを狙っている…♪ の部分が、
レコードではしっかり3度でハモっているのに、
テレビ出演などではそのフレーズがいつもユニゾンだった事です。
下のパートはケイの担当ですが、フリが激しいために低い音程を安定して出せなかったからでは、
と思うんです。
そこがうまくキマっていたらもっとカッコ良かったのにな、と無責任にも思ってしまうわけで…。


「カメレオン・アーミー」も、「ザ・ベストテン」を含め、テレビ出演などで
フルコーラス歌われる事は殆ど無かった気がします。
大抵2コーラス目の、2回目のAメロが省略されていましたっけ。
その分、レコードを買ってその部分が聴けるのが楽しかったりするのも確かですが(^^;)

TBS「ザ・ベストテン」では、この曲を歌う時のピンク・レディーの、
衣装の色がタマムシのように変わるのが楽しかったですね。
前作「透明人間」でも ♪消えますよ…♪ で本当に消えてしまったり、
毎週楽しませてもらいました。


私にとってこの曲は、中3の終わりから高校時代にかけて人気上昇から下降までずっと、
テレビを通して見ていたピンク・レディーが最後に輝きを放った曲であると言った印象が強く、
今も聴いているとちょっと切なくなったりします。


「カメレオン・アーミー」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 都倉俊一
編曲 : 都倉俊一
レーベル : ビクター
レコード番号 : SV-6530
初発売 : 1978年(昭和53年)12月5日

 (*1)LPF…Low Pass Filter 任意の周波数よりも低い周波数の信号を通すフィルター。
 (*2)LFO…Low Frequency Oscillator 約20Hzよりも低い周波数の発振器。
 (*3)ドンカマ…曲全体のテンポを保つために用いられたリズムマシン(現コルグ社製)。

*今回は都合により、予定を変更しましたm(__)m

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お正月明けクイズ。

ぽぽんたです。
クイズです! ココロの準備はいいですか(^^)


次の音源は、あるヒット曲のオリジナル・カラオケの一部です。
曲名と、それを歌った歌手名をお答え下さい。
(音源は削除しました。ご了承下さい)
今回は今年最初のクイズ(前回は出題したのが昨年でしたので…)ですので、
ヒントは一切ナシです。
これまで、こういう本文にチョロっとキーワードっぽい言葉が「無意識に」
入っていたこともありますが(^^;)、
今回はそれもナシあるよ。

今回もいつも通り、コメント欄を「受付/承認後表示」にして、
皆さんからの回答をお待ちしてます。
初めての方に説明しておきますと、お答えはコメント欄にコメントとして
書き込んで頂くのですが、私がそれを拝見して「承認」するまで、
コメント欄には書き込んで下さったものが表示されません。
本当に投稿できたか、不安になってしまう方もおられると思います。
それは予めお詫び致しますm(_ _)m

今回は正解発表、及び頂いた回答・コメントの表示は25日(土曜日)の深夜に行う予定です。


それでは今週も元気に過ごしましょう(^^)/

+++++++++++++++++++++++++++++++++++

それでは正解を…

雨のエアポート (欧陽菲菲) でした。

Bメロの ♪ああ人目を忍んで ああ別れの接吻を…♪ の部分ですね。
例によって最も判りにくい部分を選んだので、きっと難しかった事と思います。
回答を寄せて下さった皆さま、全員正解です!
曲名の正しい表記は「雨のエアポート」ですが、テレビ出演の時などに
「雨のエア・ポート」と書かれていた事が多々ありましたので、「・」が入っても正解としました。
ありがとうございました。
次回のクイズ(まだ全く未定ですが)もお楽しみに(^^)/

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