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ストリングス・クイズ。

ぽぽんたです。
今日は久々にクイズなど(*^_^*)


70年代歌謡のサウンドには欠かす事にできないストリングス。

ストリングスはバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスで構成されるグループで、
その奏法にはレガート、スタッカート、トレモロ、トリル、ピチカートなど、色々あります。

それらを駆使して多彩なサウンドが作られるのですが、
曲中で耳をひくのは何と言っても駆け上がり、駆け下がりと言われるカッコいい速弾きですよね。
それにもいくつものパターンがあります。

今回はそこに注目して、カラオケのその部分だけを取り出したファイルを作りましたので、
曲名と歌った歌手名を当てて下さい。
どれも70年代に大ヒットした曲ばかりです。

全部で6曲です。 では、どうぞ!

1.
2.
3.
4.
5.
Bonus:

今回もコメント欄を「受付/承認後表示」モードにして回答をお待ちしています。

今週の金曜(15日)の夜11時過ぎに正答発表とコメント欄の表示を行います。

ではでは、楽しんで下さい(^^)/

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追記(6月13日)

これまでに回答を寄せて下さった皆さま、ありがとうございます!
正解率、やはり高いなぁ(^^;)
2番目の曲について苦心されている方が何人かおられますので(確かに短かすぎたかな)、
ほんの少し長くした音源に差し替えました。
2回目でも全く構いませんので、おわかりになったらまたご回答下さい。

今回は全問正答が必須と言うわけではありませんので、
おわかりになった曲だけでも回答して下さいね(^^)/

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追記(6月15日)

では正解発表です!!

1.夏にご用心(桜田淳子)
2.街の灯り(堺正章)
3.ともだち(南沙織)
4.若葉のささやき(天地真理)
5.赤い風船(浅田美代子)
Bonus: ロマンス(岩崎宏美)

…私が出しそうな曲ばかりでしょ(^^;)

今回はなんと!全問正解された方はおられませんでした(*^_^*)
第2回も考えていますので、その時はぜひまたチャレンジして下さい!

尚、上の音源は前後を少し足したものと入れ替えてあります。
それで正解を確認してみて下さい。

ではでは、また(^^)/

*コメント欄は通常モードに戻しました。

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若さのカタルシス / 郷ひろみ

カタルシス…浄化…これ、歌謡曲なのかな(^^;)

若さのカタルシスjake.jpg

チャートアクション

「若さのカタルシス」は郷ひろみさんの35枚目(洋楽カバー盤を除く)のシングルとして
1980年11月に発売され、オリコンシングルチャートでは最高15位(同年11月24日・12月1日付)、
同100位内に14週ランクされ17.2万枚の売り上げを記録しました。


作家について

作詞は1978年頃から夫の宇崎竜童氏以外の作曲家とも積極的にコラボを始めていた阿木燿子氏。
阿木氏はそれまでにも郷ひろみさんには「帰郷/お化けのロック」「禁猟区」と作詞しましたが、
他の歌手への提供曲、特に男性歌手への提供では、
「若さのカタルシス」のような内省的な歌詞は珍しいのではないでしょうか。

作曲は郷ひろみさんにはそれまでにも「バイブレーション」「ハリウッド・スキャンダル」を
提供しヒットさせていた都倉俊一氏。

編曲は、すでに多くのヒット曲を手がけていた萩田光雄氏で、以上の3者の組み合わせによる
ヒット曲はこの「若さのカタルシス」だけではと思います。


楽曲について

リズムはオーソドックスな8ビート。
キーはAマイナーで、歌メロには転調はなく、平行調のCメジャーに寄り道する箇所も全くありません。
しかしカウンターライン(ベースラインを1音か半音ずつ動かしてそれに伴いコードを切り替える手法)、
ディミニッシュコードの多用によって、全体にモヤモヤとしてシュールな雰囲気を作り出し、
それがこの曲の持ち味となっています。

具体的には、歌始めから Am→Am/G→F#m7-5→F6…とベースラインが1音・半音単位で下降、
また大サビの ♪朝な夕なに♪ で Am→E7/G#→A/G→F6 と同じようにベースが下降していますね。
そのあたり、そして次の説明のためにもこの楽譜をどうぞ:
若さのカタルシスscore.jpg
ディミッシュコードとは、例えば Cdimならば、Cを基点としてその1.5音(半音×3)上のD#、
その1.5音上のF#、そしてさらにその1.5音上のAを重ねて全部で4音で構成されるコードです。
その響きはドミソの和音のようにそれだけで完結してしまうような安定したものではなく、
早く次の和音に移ってくれ~、落ち着かないよ~!と言いたげな、曖昧で不安定なものです。
そんな響きを利用して不気味さを感じさせているんですね。

ディミニッシュコードは不思議な特性があります。
実際に鍵盤で見てもらうとよく分かるのですが、Cdimの例で最後のAの、
さらに1.5音上は基点からちょうど1オクターブ上のCとなります。
つまりディミニッシュコードの構成音は、隣り合った音と音の高さの差がどこも1.5音なんですね。

なので、楽譜で歌い終わりに近い部分 ♪おどけてばかり♪ では表記上D#dim→F#dim→Adim
となっていますが、それらはどれも構成音が同じで、ベース音だけが違うわけです。
さらに言えば、それらとCdimも、構成音は同じになります。
Cdim/D#(あるいはCdim on D#)…などとも書けない事もないのですが、
習慣的に、そのような表記はしません。
(注:ディミニッシュは根音を含め3音で4音目は6thだ…との説もありますが、
通常上記の4音で使うのが一般的なので、そのように書かせて頂きました。)

そしてもう一つ、大きなポイントがBメロ ♪燃えるSunrise Sunshine♪ の部分等に、
キーがAmであるのに、F#7→B7 のコード進行が登場する事です。
これは歌謡曲・歌謡ポップス全体を見ても極めて特殊な例であると言えます。
この章の初めの部分に「転調はない」と書きましたが、そのコード進行が登場する1小節だけは
B7がドミナントであるEmのスケール(音階)に転調している、とも解釈できそうです。
このようなコード進行の元ネタは何だろう? 洋楽で同じような例をご存知の方、
おられましたらぜひ教えて下さい。


都倉俊一氏は曲先が多いそうですが(例えばピンク・レディーに提供した楽曲は、
「マンデー・モナリザ・クラブ」以外は殆んど曲先だそうです)、
この「若さのカタルシス」ではAメロに唐突に2/4拍子が入るあたり、
また歌詞とメロディーの親和性からしても詞先の可能性が高いと思います。
特に歌い終わりの ♪ぼくにとっての不幸さ♪ のまとめ上げ方にそれを感じます。

歌メロの音域は下のEから上のFまで、1オクターブと半音しかないのですが、
その中で音使いが高い音に集中しているので、歌うと喉にかなり負担がかかりそうですね。


アレンジについて

都倉俊一氏がアレンジに萩田光雄氏を起用する例は少なく、
他に私が知っているのは「私のハートはスローモーション」(桑江知子)だけです。

都倉氏も萩田氏もイントロや間奏などに歌メロを採り入れる事は殆ど無いのですが
(都倉氏ではピンク・レディーの「ピンクの林檎」は数少ない例外と言えるでしょう)、
「若さのカタルシス」はイントロが歌メロのBメロの半分をそのまま採り入れてあり、
萩田氏のアレンジでは極めて珍しい例です。
恐らくディレクターかプロデューサーサイドから指示があっての事と思いますが、
キーがAmなのにコードがF#7で始まる曲など、恐らく世界的にも稀少でしょう。

萩田氏の起用の理由に、ギターサウンドを使った編曲にしたいとの意向があったのでは
とも考えられます。
都倉氏自身の編曲はキーボードとストリングス・ブラスが中心のオーケストラサウンドが基本で、
ギターはコードのカッティングや裏メロなどが主な仕事となっているものが多いのですが、
萩田氏は山口百恵さんの楽曲等、ギターを前面に出したサウンドで成功している実績があり、
「若さのカタルシス」でもそれが求められたものと思われます。

この曲ではディストーションをかけたギターだけで左右と中央の3トラック使われていて、
イントロや間奏、コーダで主メロを演奏したり、
左右のギターはコウモリが飛び交っているような効果音的な使い方もされ、
全体の引き締めの役割も果たし…と重要なサウンドとなっています。

Bメロに入る時の、叫び声を模したような女性の3声コーラスも非常に効果的で、
曲全体を支配する不思議さ、不気味さをさらに増幅していますね。


この曲のカラオケをバックにピアノで演奏していると、
そのBメロに入る直前や、歌い終わり ♪ぼくにとっての不幸さ♪ の直前に、
微妙なタメがある事がわかります。 わずかですが、ブレイクしている時間が長いんです。
萩田氏はレコーディングの時、ドンカマのテンポを操作する事がある…との噂があり、
本人もそれを認めていますが、
もしかすると「若さのカタルシス」でもそれを行っているのかも知れません。

参考までに…6年も前の動画ですが(^^;)
https://www.youtube.com/watch?v=rH0q2ilr6WE


使われている楽器とその定位は…

左: ハープシコード エレキギター

中央: ドラムス ベース ピアノ ハープシコード エレキギター 女性コーラス

右: エレキギター タンバリン

・ストリングスは左方向がバイオリン、右方向にビオラとチェロのオーケストラスタイル
・左右のエレキギターは左右端ではなくやや中央寄り
・イントロとコーダでは中央のギターのディレイ音をEQで丸めて左右に配置している

この曲ではコードはピアノとハープシコードに担当させ、ギターはイントロ等の主メロと
裏メロのアドリブ演奏(書き譜かも知れませんが)を担当しています。

中央から聞こえる高音域担当のコード楽器は弦楽器のようにも、ハープシコードのようにも
聞こえるのですが…どうでしょうか?

中央のギターのディレイ音と思しき音は、当初シンセサイザーでギターのフレーズを
ユニゾンで演奏しているものと思っていたのですが、
よく聴くとギターのフレーズとあまりにピッタリと合っているので、
ショートディレイさせた音と判断しました。


付記

今月11日、「ヒット曲の料理人 編曲家・萩田光雄の時代」(リットーミュージック)
が発刊されました。

萩田光雄氏本人の執筆を中心に関係者のインタビュー、川口真氏・船山基紀氏との鼎談(ていだん)、
作品リストなどで構成されていて、萩田氏が仕事中に考えていた事や関わった歌手についての印象等、
これまで知り得なかった事柄が満載の良書です。
少し残念だったのは、クリス松村さんのインタビューが全体の構成の中でやや浮いていた事、
作品リストが全ページの約1/3を占めていた事、でしょうか。

一昨年の「ニッポンの編曲家」、昨年の「作編曲家 大村雅朗の軌跡」と、
以前は音楽業界の内輪の話でしかなかったような、でもファンならば知りたかった事が
書かれた書物が次々と出され、嬉しいような、でも「これ、コアなファンしか知らなかったのに」
と言った事まで書かれていてちょっとがっかりするような…。
しかし音楽ファンとしては、嫌でも興味を持ってしまいますね(^^)

今後も9月末日には「ヒットソングを創った男たち~歌謡曲黄金時代の仕掛人」も
シンコー・ミュージックより発売されますし、楽しみは続きそうです(^^)

個人的には、「ニッポンの編曲家」の第2弾を期待しています。
馬飼野兄弟、森岡賢一郎氏、青木望氏、横内章次氏、竜崎孝路氏、都倉俊一氏等、
まだまだ採り上げてもらいたい音楽家がいますよ! DU BOOKSさん!!


「若さのカタルシス」
作詞 : 阿木燿子
作曲 : 都倉俊一
編曲 : 萩田光雄
レコード会社 : CBSソニー
レコード番号 : 07SH881
初発売 : 1980年11月1日

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追記:

7月8日は更新をお休みします。
来週、またよろしくです!


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