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憎みきれないろくでなし / 沢田研二

前回の更新から早2ヶ月。 夏を過ぎてもコロナ禍は収束する気配がないですね…。
私は先日、初めて東京スカイツリーに行きました。
そこからの眺めはやはり素晴らしく、テレビなどではとてもその良さを伝えきれていないな、
と感じ入りました。

が。

日暮れ時に最上階の展望台(展望回廊)にのぼったのですが、そこの人の多さと言ったら…
3密?どこの話? ってなほど、人でごった返していました。
確かに殆どの人はマスクを着けていました。
しかしあの密度では、それも殆ど役に立っていないでしょう。

ソーシャルディスタンスだのどうのとうるさく言われている最中、これはないよな。
わざわざ予約してから行ったのに、当日券の人と一緒にしてたら予約の意味もないじゃん。
もしこんなところでクラスターが発生したら、一体何人に感染するんだ?
この状況を、東京都知事は知っているのだろうか? 知って認めているのだろうか?
通勤電車じゃないんだから、これはまずいでしょ。
本当にコロナ禍を収める気があるのだろうか?
頭の上にはてなマークを沢山残したまま、東京スカイツリーを後にした私でした。

きっとそれ、東京スカイツリーだけの話ではないでしょうが。

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ブログ再開第1回目は、今から43年前の1977年、そのちょうど今頃にヒットしていたこの曲です:

憎みきれないろくでなしジャケ.jpg

「憎みきれないろくでなし」は沢田研二さんの、ソロとしては21枚目のシングルとして、
またあの大ヒット曲「勝手にしやがれ」に続くシングルとしてその年の9月に発売され、
オリコンシングルチャートで最高3位、同100位内に25週、売上枚数62.5万枚と、
「時のすぎゆくままに」、「勝手にしやがれ」の次につける大ヒットとなりました。

あ、その間に「MEMORIES」がありましたが、これは英語ですしあまり歌われなかったですね。

TBSの「ザ・ベストテン」が翌年1月に始まりましたが、
その第1回(1月19日放送)で6位にランクされており、息の長いヒットだった事がわかります
(翌週10位、以後はベスト10外)。

作詞:阿久悠、作曲:大野克夫、編曲:船山基紀 各氏の「勝手にしやがれ」コンビの作品です。

当時の歌謡曲は1曲大ヒットが出るとその作風を次作にも踏襲する事が多く、
それが早く飽きられる原因でもあったわけですが、
「憎みきれないろくでなし」に関しては、作家陣が前作と同じであるにもかかわらず、
歌詞のも曲調もアレンジも全部別物なんですね。

しかし私は個人的には、それでも「勝手にしやがれ」と「憎みきれないろくでなし」は
シングルのA・B面のような密接な関係、姉妹曲であるような気がして仕方がないんです。

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先週、久しぶりにこのブログでクイズをやったのですが、回答して下さった方のコメントを読んで、
本当に目から鱗が落ちる思いがしました(気づかなかったのは私だけかも、ですが)。

この曲の歌詞、1番2番のそれぞれで、前半が男性の言い分、後半が女性の言い分
…と分かれているんですね。
そしてメロディーも、男性の方は長調で女性の方は平行調での短調でできているんです。
って事はこの曲、歌詞ありきのメロディー作り、即ち詞先って事でしょうか。
いやいや、その逆も十分可能ですが(^^;)

これまであまり深く考えて聴いていなかったからかも知れないのですが、
それに気づかされてからは、心の中のもやもやがスッキリしちゃいました。

阿久悠氏の書く歌詞は、曲によっては掴みどころがない、意味深だ…と思えるものがあるのですが、
「憎みきれないろくでなし」と同じように「きっとこれが言いたかったであろう世界」
が見えるかも知れない…と、また聴き直す楽しみが増えました(^^)

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でもですね、私がこれまでそのようなトリック(とは違うかな)に気づかなかった理由は、
メロディーとコードが独特でそちらにずっと惹かれていたからかな、とも思うんですね。

この曲はキーがCメジャー(各番後半はAマイナーになります)で、
全体の構成はイントロ→1番→間奏→2番→コーダ と全くもってオーソドックスです。

しかしコード進行を見ると、
♪昨日は昨日でどこか浮かれて 過ごしたはずだが♪ がC→F→G7→C→F と動くので、次はまたG7だな…
と思ってるとB♭が入ってお~、洋楽っぽい!と感動したり、

♪最後にあなたはあなたは…♪ Am→C と来たから定石通りなら次はDmで決定!
と思ってるとまたまたB♭!そこからE7に移るのがロックだねぇ~カッコいいねぇ…とまた感動。

さらには歌い終わり ♪恋に埋もれ死ぬ気でいるの~♪ でAm→G→F→E7と進行するから
次はきっとDmだな…と思っているとF7。
ミを♭させてブルーノートにして ♪憎みきれない… ろくでなし♪  と歌っているわけです。
そう、ロックだけでなくブルースまで入ってきてノックアウト。
サービス満点、仕掛けだらけの曲作りと言えるでしょう。

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それにしてもこの曲の歌詞、特に男性側のそれって覚えにくくないですか?
・…忘れてしまったよ 気障な台詞だね
・…予想も出来ないよ 使い古しだね
・…関係ないだろう  きまり文句だね
・…ほしがるものなのか 破れかぶれだね

の4つですが、前半と後半の「…だね」との関係が希薄で、どれでもいいように思えてしまう。
なので、しっかりと順番を覚えるしかないんですね。

似たような例は他にもあって、「わたしの彼は左きき」(麻丘めぐみ)、
「プレゼント」(ジッタリン・ジン)など、同じパターンでそれぞれの関係が希薄な文節を
いくつも並べているような歌詞は、人前で歌えるようになるほど覚えるには、
お経のように全体をまるごと記憶してしまうしかないんじゃないかな。

その代わり、そういった歌詞の曲は何も見ずに完璧に歌えれば、かなりの優越感に浸れます(^^)

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この曲のヒットの要因としては、アレンジとサウンドの独特さが最も大きいかも知れません。

船山氏の著書によると、「憎みきれないろくでなし」では、
そのロックっぽさ満点のイントロは大野克夫氏からすでに提示されていて、
そのまま大野氏がアレンジするとゴリゴリのロックになってしまうところを、
船山氏がストリングスやホーンなどを使ったメロディアスなアレンジを行い、
歌謡曲らしくわかりやすい音楽に仕上げる(私の意訳が入ってます)と言った作業だったようです。

中でもストリングスのフレーズは重要だったようで、
TBS水曜劇場「ムー」第23回に沢田研二さんが出演しこの曲が披露された時、
♪…ずるずるみんなをひきずって…♪ の部分で演奏されるストリングスのフレーズを、
井上堯之バンドではソリーナ(ストリングス音の鍵盤楽器)でそのまま弾いていました。
船山氏はテレビ等のためにもそれ用のアレンジを行なっていたそうなので、
恐らく当時の、他の音楽番組などに出演した時も同じ演奏だった事でしょう。

実際に音源を聴いてみると、ディストーションのかかったギター2本が全体のイメージを仕切り、
ストリングスとホーンは確かにメロディアスかつ控えめに鳴っているのに、
Aメロ(歌詞で男性側、ですね)では合間にウーウウーウウ…とアグレッシブな女性コーラス…。
やはり、ゴリゴリに近いロックな仕上がりになってます。


そして、個性的なミックス。

少し後のナイアガラサウンドっぽい、ディレイをかませた長めのリバーブを全体にかけて、
奥行きと言うよりも歌以外はまとまって奥の方で演奏しているようなイメージを感じます。
特に技術的に面白いと思うのは、リバーブをかなり低音域までにもかけている事で、
それによってエレキギターがウンウンと唸っているのがサウンドのカラーの一つになっています。
リバーブは、音が濁るのを避けるために、低音方向はバッサリとカットするのが通例なんです。
そんな事をお構いなしに、音楽的になるためなら何でもする!と主張しているようなサウンドであり、
恐らく吉野金次氏しか実行しないミックスではないでしょうか。

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しかし最終的にはやはり沢田研二さんの歌の強さ、ですね。

バックの音が強力だからと言ってシャウトするわけでもなく、
男性側は骨太な声、女性側はやや脱力的な声と使い分け、演じているような歌唱です。

この曲では最低音はC、最高音はその1オクターブ5度上のGですが、
かなり広いその音域を全く危なげなく、明瞭な発声で歌いこなしています。
特にAメロの ♪忘れてしまったよ…♪ などでは、1小節で上のDから9度も下るメロディーを
さり気なく歌いこなしてしまっているのは驚異的です。
声質やリズム感を含め、すべて満点ではないでしょうか。


この曲、1978年に岩崎宏美さんがアルバムでカバーしています。
キーはGと、沢田さんのバージョンよりも5度高く(いや、4度低く、かな)設定されていて、
最低音はG、最高音は上のDですが、声が絶好調の時期であるからか、
その全域に渡り全く破綻のない、奇跡のような歌声を残しています。
♪ろくでなし♪ の「ろ」をハッキリと巻き舌で歌っているのが面白いですよ(^^)

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いやー、それにしてもこの曲を歌っていた頃の、
アメリカのくずれた船員のようなファッションで歌っていた沢田研二さんのカッコ良かったこと!

今では似合うが似合うまいがお構いなしに様々なアイテムを身につける人が多いですが(^^;)、
我々が若かった頃は身の程を知っていたと言うか、沢田さんのような人がどんなファッションを
身につけて登場しても「あの人は特別だから」と、決して自分と同列には見る事はなく、
真似をしたりする人もほとんどいませんでした(ごくごく一部にはいましたけど)。
そのように芸能人、とりわけスターと呼ばれる人たちを自分から切り離して神格化していた
からこそ、その音楽もより楽しめていたように思います。

かと思うと、先述した「ムー」の中のシーンで、
「お化けのロック」を歌う郷ひろみ・樹木希林のコンビを横目で見ながらフリを真似しているのは、
オーバーオール姿の沢田さん。
「憎みきれないろくでなし」での衣装とは全く対称的で可愛いとも思える身なりなのに、
それさえカッコいいと思わせてしまうんですよね。
やはり、沢田研二さんは、スターです。


末筆ながら、これからもよろしくお願いいたします!


「憎みきれないろくでなし」
作詞 : 阿久悠
作曲 : 大野克夫
編曲 : 船山基紀
レコード会社 : ポリドール
レコード番号 : DR-6140
初発売 : 1977年(昭和52年)9月5日

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追記(2020/10/12 16:15)

取り急ぎ…
先程ニュースで作曲家の筒美京平氏が亡くなったことが報じられました。
言葉を失くすとはこういう時のことでしょうか…。
私も子供の頃から、筒美氏の作による数々の楽曲に親しみ、
沢山の思い出を残してきました。
心からご冥福をお祈りしたいと思います。
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もっふん

ぽぽんたさん、こんばんは


休養充分でのブログ再開を嬉しく思いますが、今後も無理や負担の無い範囲で我々が寂しくならない程度に更新して頂けたらと思います。


さて、本曲一番の「忘れてしまったよ」「予想も出来ないよ」の元ネタがアメリカ映画「カサブランカ」(1942)でイングリット・バーグマン演じるイルザの問いかけに対するハンフリー・ボガートのセリフ

 「昨日は何してたの?」
 「そんな昔のことはわからない」
 「今夜はどうするの?」
 「そんな先のことはわからない」

である事をご存知の方は多いと思います。そしてこの「カサブランカ」の劇中で流れた歌が「As Time Goes By」、諸訳ありますが「時の過ぎゆくままに」です。「憎みきれないろくでなし」の2年前、1975年に阿久悠氏が同名タイトルの詞をジュリーに提供している事も決して無関係ではないでしょう。

また「カサブランカ・ダンディ」(1979)における「ボギー」がボガートを指している事も明らかですし、タイトルを借用した「勝手にしやがれ」は1959年のフランス映画ですが主人公のミシェルはハンフリー・ボガートに憧れていて何かにつけて仕草を真似するほどに心酔していると言う設定でした。

阿久悠氏が「男はキザであるくらいで丁度良い」と言う美学を体現できる歌手として沢田研二を捉えていて、ハンフリー・ボガートを色濃く投影して作られた作品が少なくないという事です。

少々こじつけになりますが「サムライ」における「片手にピストル心に花束」のくだりはボガートも役を演じた事のある、レイモンド・チャンドラー作のハードボイルド小説シリーズの主人公・フィリップ・マーロウが別の作品で語った

「男はタフでなければ生きて行けない。優しくなれなければ生きている資格がない」

と言う有名な一節と同じポリシーを語っていると読む事も出来ます。


映画「カサブランカ」から35年が経過し、敗戦を経験した日本では個人主義や男女同権と言った価値観が支配的になりつつあり、男のやせ我慢やキザな振る舞いが粋なものとは見られなくなりつつあった事に対する阿久悠氏の郷愁のようなものもあったでしょう。

しかし当時はまだその滅びゆく価値観を沢田研二と言う才能に託して表現する事が出来る状況でもありました。今となってはそれすら難しいでしょう。

今の時代にはこう歌うしか無いのかも知れません。

「ジュリー、ジュリー。あんたの時代は良かったよ」
_
by もっふん (2020-10-11 22:04) 

もっふん

筒美京平先生が7日にお亡くなりになっていたとの突然の訃報に接し、ちょっと言葉が出ません。たくさんの名曲を有難うございました。

心よりご冥福をお祈りいたします。
by もっふん (2020-10-12 17:30) 

マコジ

僕も京平先生の訃報を知って真っ先にここを想い出しました。
ぽぽんたさんのことですから、次回の京平さん回?を期待しています。

さて「憎みきれないろくでなし」ですが、僕が高1(1977年)の文化祭で先輩のロックバンドがこの曲とピンク・レディーの「ウォンテッド」を演奏しました。歌謡曲のレコード音源がロックサウンドとして成立してきたのはこの頃が最初な気がします。他には山口百恵もロックでしたね。ニューミュージックが台頭して歌謡曲のアレンジャーもロックバンド経験者が増えてきました。
それまでの歌番組はダン池田とニューブリードなどのビッグバンドが伴奏をしていましたが、「ザ・ベストテン」ではアーティスト専属のバンドが演奏するようになって「レコードとだいぶ違うなぁ」という残念な感じがかなり減りましたね。ヒロリンの演奏は相変わらずビッグバンドでしたが、ベースとギターの音は他番組よりはマシだった気がします。高校生のぶんざいで「俺の方がうまいから俺に演奏させろ」とか思ってました(笑)。
八神純子がベストテンに出る時は音だけでは分からない演奏テクニックを盗もうと食い入るように見てましたねぇ。そうした映像をしっかり放送して音楽小僧のニーズを満たしてくれるのも、この頃が最初だった気がします。
by マコジ (2020-10-12 21:05) 

ゴロちゃん

ぽぽんたさん、こんばんは。
筒美京平先生の訃報を今さっき知りました。私の青春そのものでした。心にぽっかり穴があいてしまったようです。哀しくてしかたがありません。心よりご冥福をお祈りいたします。
by ゴロちゃん (2020-10-12 21:29) 

ろしひー

ぽぽんたさん こんにちは。
ぽぽんたさんの記事を肴に、
「憎みきれないろくでなし」を聞いて楽しませていただいています。
聴き慣れた楽曲も、新鮮な視点(聴点?)で聴けてとても嬉しく思います。思いがけず自分の拙いコメント中の、
男女のやりとりという部分を記事に取り上げていただき、恐縮です。
さて、
・…忘れてしまったよ 気障な台詞だね
・…予想も出来ないよ 使い古しだね
・…関係ないだろう  きまり文句だね
・…ほしがるものなのか 破れかぶれだね
この後半の「ツッコミ」は男性側の「セルフツッコミ」なのか、
女性側のものなのか、ネット上の解釈が分かれているようです。
自分は、男性が強気で言ってはみたものの
キザな男の照れかくしによるセリフではないかと解釈しています。
どうやら少数派のようですが、ぽぽんたさんの解釈と近くて嬉しいです。
自分のコメントで紹介させていただいた自作ミックスも後半の「…だね」までは沢田研二さんの歌で制作しています。このミックス、中学生時代に2台のラジカセをつないで作ったもので、再生と録音双方のの一時停止ボタンの解除のタイミングがあわず、苦労しました。
最近、松田聖子さんの新作で「いちご畑でFUN✖4」がCD化されましたが、その制作推定時期1981年より3年近く前に先んじて?自分が類似品を制作していましたので、勝手に自己満足しています。
当時、頭サビの楽曲の「Mr.ブルー」や「青い珊瑚礁」などを冒頭とアウトロ(エンディング)と繋げて、頭サビだけで終わる超ショートバージョンも制作していますが、このカセットテープ類どこにあるのか行方不明となっております。


by ろしひー (2020-10-15 14:08) 

JP

筒美京平氏がお亡くなりになって大ショック。最近は筒美作品も80年代のことを語る人が増えましたね。ぽぽんたさんのような人がますます貴重に。これからも活躍してくださいね。
by JP (2020-10-15 17:03) 

ぽぽんた

もっふんさん、こんにちは! またまたお返事が大変遅れて申し訳ありません。

そうですね、この曲がヒットした時代はすでに核家族がどうのと騒がれてはいましたが、
今よりは家族や社会で様々なもの、また価値観などが共有されている部分が多くて、
先人から物事や社会での生き方を教わるなどと言った事が当然でしたし、
通信手段も郵便か一家に一台の電話くらいでしたが、
今は個々の時代なので、価値観はバラバラですし、家族の中でのつながりも希薄になり、
自分の子供がどこで何をしているか、何を考えているかと言った事もわからない…
などと言う社会になってきたので、
昔のどんな名作と呼ばれる映画であっても、そのような社会で生きてきた人達の心には
響かなくなってきているんですね。

ただ、学生や若い年代の社会人であっても昔の歌謡曲を好む人が少なからずいるのは、
社会以前に持って生まれた魂に、共通する何かがあるのかも知れません。
もしそうなら、廃れたような価値観さえまた復権する機会もあるのかも
…と、わりと楽観視している私です(^^)

by ぽぽんた (2020-10-17 14:06) 

ぽぽんた

マコジさん、こんにちは! お久しぶりです(^^) お返事が遅れて申し訳ありません。

沢田研二さんが出したシングルは、1972年の「許されない愛」や翌々年の「恋は邪魔もの」など、
歌謡曲色は強いものの明らかにロックサウンドだった曲はあるのですが、
「勝手にしやがれ」が大ヒットしてそれまでにないほど沢田研二さんに国民的な関心が高まった
中で発売された「憎みきれないろくでなし」は、ロックサウンドをより一般化した働きが
あるような気がしますね。
ピンク・レディーの「ウォンテッド」がヒットしていた時、私はちゃんと聴いたのはFMが
初めてだったのですが、両チャンネルからギターが迫ってくる音に驚いて、これは洋楽だ、
なんて思ったんですね。 少なくても、それまでの歌謡曲にはそんなアレンジがされた
曲は、私は全く知りません。 きっとそこにもロックを感じていたと思います。

今は音楽番組などでも殆どカラオケ、ひどい時には歌までリップシンクですが、
当時は生オケ…そういう意味では当時は贅沢だった(いや、今がヒドイ)と思いますが、
時々かなり雑な演奏だったり、これは番組の進行のためでしょうがテンポがやたらと
速かったり、逆に遅すぎて間延びしていたりする事も多々あったんですね。
私は「自分の方が上手い」とは思いませんでしたが、腕に覚えのある人ならば、
マコジさんのように言いたくなる時が、これも多々あっただろうと思います(^^)

私はそうですねぇ、いつも気になったのはシンセサイザーの音が雑だった事かな。
「UFO」など、生オケでも必ずシンセが使われていましたが、大抵、レコードの
それとは似ても似つかない救急車みたいな音ばかりだった気がします。

by ぽぽんた (2020-10-17 14:06) 

ぽぽんた

ゴロちゃん、こんにちは! お返事が遅くなり、申し訳ありません。

私は12日、午後にニュースで知ってすぐにスマホからブログ記事にその訃報を書き加えた
のですが、その日はずっと「恐れていた日が来てしまった」と思っていました。
でもきっと、筒美氏はご自分の音楽人生に満足して旅立たれたと思います。
これからも、筒美氏が作り出した音楽は生き続けますよ(^^)

by ぽぽんた (2020-10-17 14:08) 

ぽぽんた

ろしひーさん、こんにちは!

私の記事を肴にして楽曲を聴いて下さっているとは、何だか嬉しいです(^^)
そうです、ろしひーさんのおかげで「なるほど!」と開眼したんです。
ありがとうございました!

あ、そうなんですか? 私はそのツッコミはただ、自虐的な「セルフツッコミ」と思って
疑いませんでした。 言葉遣いからしてそうですよね。
男女(研二・宏美)ミックス、アナログですね~(^^)
私も昔の一時期、ラジカセのポーズボタンで2コーラス目を端折るなどの編集もどきを
やっていましたが、タイミングが微妙にずれたり、ほんのわずか切れ目が出来たりで
何度悔しい思いをしたことか。 その代わりうまくいくと凄く嬉しかったなぁ(^^)

松田聖子さんと大滝詠一さんの「いちご畑でFUNX4」はサンプルを聴きましたが、
商品化するのならミックス段階からやり直せばいいのに…などと思いました。

私はMDが出たばかりの頃、その編集機能が物珍しくて、ろしひーさんがされたような
楽曲内カットなどやっていましたが、MDは編集箇所の調整があまり細かくできなくて、
なかなか思うように仕上がらなかった経験があります。

by ぽぽんた (2020-10-17 14:08) 

ぽぽんた

JPさん、こんにちは!

ありがとうございます(^^) 仰るように、最近は懐メロと言う言葉が80年代あたりまでシフト
していて、70年代の楽曲はやや古典扱いな感じなんですね。
私はやはり、これからも70年代にこだわって書かせて頂きたいと思っています。

by ぽぽんた (2020-10-17 14:09) 

もとまろ

ぽぽんたさん、こんにちは。
こちらにお邪魔します。

すごく大ヒットした歌ではありますが、長いことあまり好きではなくて、良さがわからなかったです。
歌詞もメロディーも難しくて。

後の「サムライ」になると、○○に✕✕…の繰り返しとジェニーの連呼があって、「ダーリング」になると、○○してくれ…の繰り返しとダーリングの連呼があって、わかりやすいです。
「憎みきれないろくでなし」を楽しめるようになったのは、この1年ぐらいの間にです。ロックそのものの音、大人の世界を歌う歌詞。
「勝手にしやがれ」と密接に…とありますが、壁際に寝返り打っている間に女に出ていかれた男を、姉御肌みたいな可愛がるような許して受け止めるような懐の深さで見守る女の人。それぞれ考えていることを並べてますが、歌になることで交換日記みたいに見えるのが不思議です。

間奏、ジュリーが井上尭之さんとくっついてノリノリのパフォーマンスも、当時は珍しかったんですよね?
ジュリーはソロシンガーになってもバンドのボーカリストでいることにこだわっている…とよく聞きますが、本当にそうだったんだなと、「勝手にしやがれ」よりもバンドの音が目立つからこそのパフォーマンスだなと思います。
まだまだニューブリードなどのバックバンドの活躍は続きますが、このパフォーマンスから、歌手の専属バンドがますます増えてテレビにも出やすくなったのかな…と考えました。聴かせるだけでなくこういう見せ方もある、バンドメンバーが前に出ても良いのだ…と。

夜ヒットでは、尭之さんの代役が映ることを井上順さんが説明するシーンもありました。
ジュリーがいるときの夜ヒットを見てると、ラッキーテレフォンのボタン押しをさせたりして、順さんは井上バンドにはフレンドリーだなと思います。尭之さんと大野さんがスパイダースのお仲間ですから当然ですが、こういうのを見てると、このころは音楽よりもタレントになっておられてましたが、やっぱり順さんはGSで青春を謳歌して頑張ってたんだな…と分かります。
by もとまろ (2020-10-29 09:16) 

ぽぽんた

もとまろさん、こんばんは! お返事が大変遅れ、申し訳ありません。

そうですね、「憎みきれない…」は「勝手にしやがれ」のようなシャープさがあるわけでなく、
どちらかと言うと好きでない人からすると「よくワケわからない」と言われそうな曲だと、
私も思います。
そしてこの曲、沢田研二さんだからヒットした曲とも言えると思うんですね。
「勝手にしやがれ」で随分と沢田研二さんのイメージは変わったと思うのですが、
それ以前、「時の過ぎゆくままに」あたりまで、沢田研二さんのイメージは、
ちょっと何を考えているかわからない、危険な感じもする…と言ったものも
確かにあったんです。

なので「憎みきれない…」では「勝手にしやがれ」以前のイメージに少し戻った感じで、
当時のジュリーファンはむしろ喜んだ事と思います。
私は特に沢田さんのファンだったわけではないのですが、「勝手にしやがれ」は確かに
いい曲で好きだけど、自分が知っているジュリーではないな、と思っていました。
違う例で言うと、米米CLUBはかつては好きな人は好き、嫌いな人は嫌いと分かれるタイプ
のミュージシャンだったが、「浪漫飛行」や「君がいるだけで」が大ヒットしたばかりに
かつてのカリスマ性のようなものがかえって薄れてしまった、そんな感じに似ていると
思います。

当時の沢田研二さんのパフォーマンスは、例えば衣装にしてもメイクにしても、
男性ではタブーと言われる事を次々に実行していったのがすごく斬新だったと思います。
勿論そこにも好き・嫌いが発生するわけで、どちらかと言うと嫌う人の方が多かった
と思いますが、次第に受け入れる人は増えていきました。
テレビでの歌唱でのそのようなパフォーマンスも、きっと計算づくだったのでしょう。

今は何でもありの時代ですよね。 しかし1977年当時は何をやっても新しかった、
だからテレビを観ていても本当に楽しかったんですよね。
そんな時代を通ってきた人間の一人から見ると、今の時代は確かに何でもありで
何をしても許される感じだけど、その実、コンプライアンスの名の下での言葉狩りなど、
実は窮屈な時代なのかも知れないと思う今日この頃です。

by ぽぽんた (2020-11-08 23:40) 

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